今の俺は驚くくらいに気が重い
今日から新学期
普段ならこんな状態になりはしないはずなんだ
だが......
若葉「__新しい学校、楽しみですね!」
亜蘭「そうですか。」
谷戸「......」
この人がいるとなっては話が別だ
時にしてこころ様を凌駕するほどの常識が通用しない方だ
そんな若葉さんが転校してくる事によって、
俺の胃は大音量で開通工事を開始してる
若葉「それにしても、わざわざ私まで送っていただいて申し訳ありません。」
亜蘭「いえいえ、若葉さんを一人にするわけにはいきませんので。(俺の胃のためにも。)」
谷戸「お気になさらず、御くつろぎください。(亜蘭様の胃のためにも。)」
若葉「そうですか?それでは、お言葉に甘えて!」
亜蘭(......さて。)
この学期はどう転んでいくんだろうか
心配なことが大量にある(主に徳川さん。)
あまり迷惑をかけないようにコントロールしないと
谷戸「もう間もなく到着です。」
谷戸のその声の後、
俺と若葉さんは車を出た
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車を出ると案の定、大勢の生徒に囲まれた
なんだろう、この感じ懐かしく感じるな
あそこに山吹と丸山さんもいるし
何で飽きないんだろう
若葉「いつもこの感じなのですか?」
亜蘭「まぁ、はい。」
若葉「想像通りですね。」
若葉さんは納得したようにうなずいた
その時、人ごみに隙間が出来た
燐子「__あ、亜蘭君......!」
亜蘭「燐子さん。」
人出で来た道の向こうから燐子さんが歩いてきた
決して速いとは言えない速度で走ってくるのもまた可愛らしい
自然と頬が緩む
若葉「すごく嬉しそうな顔をしていますね。」
亜蘭「そうですか?俺はいつも通りですよ。」
燐子「おはよう......ございます......!」
亜蘭「はい。おはようございます。」
若葉(わっ、すごい笑顔ですね。)
燐子さんを見て胃痛が治まった気がする
この人からは癒しオーラが出てるのだろうか
いや、出てるな、出てるに決まってる
燐子「人混みが見えたので、亜蘭君だと思って......走ってきました......!」
亜蘭(可愛いが過ぎる。)
燐子「亜蘭君?」
若葉(可愛いが過ぎる!とか思ってそうですね。)
危うく意識が飛ぶところだった
本当にこの人は可愛すぎる
亜蘭「あれ?燐子さん?」
燐子「!」
亜蘭「何か何時もと違う匂いがするのですが。」
燐子「はい......少し、シャンプーなどを変えてみて......」
亜蘭「え?あ、申し訳ありません。」
燐子「い、いえ、亜蘭君に気付いて欲しかったので......///」
若葉(なんでしょう、これは?)
それから俺と燐子さんは生徒会室に
若葉さんは職員室に向かった
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生徒会室に来ると、
氷川先輩と市ヶ谷はいなかった
どこかに出ているのだろうか
亜蘭「2人は仕事ですか?」
燐子「い、いえ......お2人には少し出てもらいました......///」
亜蘭「え?」
燐子さんはそう言って俺に抱き着いてきた
あー、そういう事か
燐子「夏休みの最後の一週間は会えなかったので、寂しくて......」
亜蘭「はい、俺も燐子さんに会いたかったですよ。」
燐子「......♪」
俺は燐子さんの頭を撫でながらそう言った
生徒会室でこういう事は少し危ないけど
まぁ、大丈夫だろう(多分)
燐子「もっと、抱きしめてください......///」
亜蘭「はい、勿論。」
燐子「亜蘭君......///」
亜蘭(......すごいな。)
燐子さんが頭を擦り付けてきてる
まるで飼い主を見つけた犬みたいだ
すごくかわいいな
一樹「__おーい、燐子いるかいー?」
亜蘭、燐子「あっ。」
一樹「......あっ。」
そんな事を考えてると、
徳川さんがドアを開けて部屋に入ってきた
一樹「あ、あー......」
徳川さんの目が泳ぎまくってる
かなり気まずそうだ、いや気まずい
一樹「えーと、失礼しました。」
徳川さんは2秒ほど固まった後
静かにドアを閉めて部屋を出て行った
俺と燐子さんの間に静寂が流れた
亜蘭「......あの、燐子さん?」
燐子「......」
亜蘭「これは、どうしますか?」
燐子「......どうしようも、ありません......」
亜蘭「で、ですよね。」
徳川さんが理解のある人でよかった
けど、燐子さんからすれば
身内に見られるのは、キツイものがあるだろうな
鋼「__失礼する。」
亜蘭「あれ?帝先輩?」
少し苦笑いを浮かべてると
今度は帝先輩が部屋に入ってきた
燐子「どかしましたか......?」
鋼「四宮がここにいると聞いてね。新学期の挨拶のついでに相談に来た。」
亜蘭「相談?」
鋼「あぁ。少し重要な話でね。」
帝先輩は鞄からプリントを出し
それを俺に渡して来た
亜蘭「......代表生徒?」
受け取ったプリントにはそう書かれていた
どうやら、ある学校に生徒1人を代表とし、
親交を深めると言う目的らしい
俺もこんな話は初めて聞いた
亜蘭「なぜ俺にこれを......なんて質問はいらないですね。」
鋼「あぁ、今回は君に行ってもらいたい。」
燐子「!」
まぁ、そうだろう
帝先輩は俺にこういう話をよく持って来る
今回もそうだと思った
亜蘭「まぁ、話を受けるのはやぶさかではないです。」
鋼「なら、また追って連絡をしよう。」
帝先輩はそう言って
ドアの方に体を向けた
鋼「後は若いお2人でごゆっくり。」
亜蘭「!」
燐子「!///」
鋼「ごきげんよう。」
帝先輩はそう言って部屋を出て行った
燐子さんはずっと顔を赤くしてる
亜蘭「燐子さん、そろそろ時間ですね。」
燐子「はい、そうですね......///」
もうそろそろ始業式の時間だ
俺も教室に行かないといけない
燐子「じ、じゃあ......///」
亜蘭「はい?」
燐子「最後に......キス、してください......///」
亜蘭「......はい。」
燐子「ん......っ///」
俺は燐子さんの唇に唇を合わせた
燐子さんは俺の後頭部を抑えて離れないようにしてる
数秒ほどして、俺と燐子さんは離れた
燐子「ありがとう......ございました......///」
亜蘭「いえ、俺も嬉しかったですよ。」
燐子「これで、今日も頑張れます。」
亜蘭「それはよかったです。」
”教室外”
紗夜(あの2人は......)
有咲(生徒会室で何やってんだ......?)
亜蘭と燐子の2人は紗夜と有咲に気付くことなく
生徒会室で始業式ギリギリまでイチャついていた