本当に欲しいもの   作:火の車

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帰還

 色々あったが、月ノ森から花咲川に戻ってきた

 

 瑠唯と再会し、懐かしめた時間だった

 

 またうちに遊びに来るといいと言う話もしたことだ

 

 いつか、また顔を見ることもあるだろう

 

 友人たちもバンドをしているらしいし

 

「亜蘭様の登校だー!」

「キャー!///亜蘭様―!///」

亜蘭(なんだか懐かしいな、この感じ。)

 

 花咲川の生徒はみんな元気だ

 

 ここは、月ノ森と大きく違う

 

 向こうはみんな落ち着いていた

 

 だが、こういう雰囲気も悪くない

 

谷戸「亜蘭様。こちら、生徒会の皆様からいただいた資料になります。」

亜蘭「資料?なにかあったのか?」

谷戸「内容を、文化祭についてのことですね。」

亜蘭「あぁ、もうそんな時期なのか。」

 

 季節が過ぎるのは早いものだ

 

 ついこの間に体育祭があったように感じる

 

 まぁ、それくらい濃い時間を過ごしているのだろう

 

亜蘭「うちのクラスの出し物については聞いているか?」

谷戸「亜蘭様のクラスは......コスプレカフェのようですね。」

亜蘭「......なんだそれは?」

谷戸「コスプレをした店員が設定を守りつつ接客をする......らしいです。」

亜蘭「ほう。」

 

 中々、面白そうじゃないか

 

 普通にカフェをするのも悪くはないが、そこに一つ要素を追加する

 

 学生が盛り上がるのにはいい題材ではないか?

 

亜蘭「今年の文化祭は、楽しめそうだな。」

谷戸「はい。(これは、大変なことになりそうですね.......)」

 

 俺は谷戸とそんな会話をしつつ、教室に向かって行った

 

 今は文化祭の準備期間だろう

 

 折角の機会だ

 

 皆と協力し、よりよい物にしていきたいな

__________________

 

『__きゃーーーー!///』

 

 登校してから、2時間ほど経っただろうか

 

 俺は文化祭の準備に取り掛かっている

 

 と言うよりは、俺が着る衣装について、クラスで論争が行われている

 

「亜蘭様にはやっぱり王子様の衣装!これ以上にイメージ通りなのないでしょ!」

「でも、白衣っていうのもいいじゃん!知的な雰囲気をさらに高めてくれる!」

「和服もあるよ!普段は見られない姿を楽しめるチャンス......!」

 

 とまぁ、こんな感じの論争が1時間ほど続いている

 

 どうしたものか

 

 正直、どの衣装も素晴らしいと思うが

 

燐子「__亜蘭君はいますか......?」

亜蘭「あ、燐子さん。」

燐子「え......?///」

亜蘭「?」

 

 今日はまだ、燐子さんと話していなかった

 

 文化祭関係で忙しそうにしていたから、邪魔にならないように

 

 というより、なんで固まっているんだ?

 

燐子「あ、あの、その服......///」

亜蘭「あぁ、これですか?うちのクラスの出し物の衣装ですよ。偶にはいいですね、こういったものも。」

燐子「そ、そうだね......///(か、かっこよすぎる.......///)」

「亜蘭様ー(小声)」

亜蘭「?(なんだ?)」

 

 燐子さんと話していると、クラスメイトがフリップをこちらにアピールしていた

 

 そこには何かしらのセリフが書かれている

 

 これを言え、ということか?

 

亜蘭「よくぞいらっしゃいました、美しい姫。」

燐子「ふぇ......?///」

亜蘭「あなたとほんの一時だとしても、共に過ごせること、幸せに思います。」

燐子「あ、亜蘭君......///」

 

 ほんの少しアドリブを入れてみたが、どうだろう?

 

 あまりこの手の話は分からないんだが

 

 それらしくはあるのか?

 

「王子だ......」

「王子すぎる......」

「亜蘭様が王子なのか王子が亜蘭様なのか(?)」

 

亜蘭「どうでしょう?俺なりにイメージしたものを再現してみたのですが。」

燐子「か、かっこいいよ......?///で、でも、その、刺激が強すぎる、かな......///」

亜蘭「そうですか?なら、もう少し気を付けますね。」

燐子「う、うん......///」

 

 燐子さん、様子がおかしいな

 

 入ってきたときはいつも通りに見えたが

 

 どうしたんだろうか?(こいつのせい)

 

亜蘭「燐子さん、熱でもありますか?」

燐子「え......?///」

亜蘭「なんだか顔も赤いですし、最近はお忙しいでしょう?......少し失礼。」

燐子「!?///」

亜蘭「!」

 

 俺は燐子さんの額に手を当てた

 

 あ、熱い

 

 明らかに平熱とはかけ離れた温度だ

 

 これは......

 

亜蘭「熱があるじゃないですか!」

燐子「ふぇ......?///」

亜蘭「これはいけない。一刻も早く、保健室に行かなくては!」

燐子「あ、えっと、これは、違う__ひゃああ!///」

 

 俺は燐子さんを抱き上げた

 

 これは、完全に盲点だった

 

 まさか、俺がいない間にこんな無理をしてしまうなんて......

 

 いや、違う

 

 これから、俺が全力で対応すればいいだけのことだ

 

亜蘭「みんな、すまない!俺は燐子さんを保健室に連れていく!少しだけ離れてしまうが、準備の方、よろしくたのむ!」

「お、おぉ!まかせろ!(生徒会長、絶対に熱じゃない......)」

「お、お任せください!(亜蘭様、ああいう天然なところもあるのね......!)」

(亜蘭様があんな風に取り乱すなんて......さすがは生徒会長!)

 

クラス一同(生徒会長、すごい......!)

 

 俺は全速力で保健室に向かった

 

 やはり、差し出がましいが、俺も生徒会の仕事に介入させてもらおう

 

 燐子さんの恋人として、いかなる時も支えなければ

 

 俺は心の中で固く誓った

 

燐子(ち、違うよ、亜蘭君~!////)

 

 

 




 完全にこのシリーズ終わったと思って忘れてました。すみません。
 2年以上期間が空いてしまいましたが、また投稿します。
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