本当に欲しいもの   作:火の車

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勘違い

 燐子さんを保健室に連れて行ったが、養護教諭曰く、異常なしらしい

 

 何もないならいいんだが、どうしてあんなに顔が赤かったんだろうか

 

 不思議なこともあるものだ

 

亜蘭(さて......)

 

 色々あったが、俺は今、絶賛胃が痛くなっている

 

 その理由は一つ

 

 目の前の楽しそうにしてる女性と、げっそりしている男性だ

 

一樹「四宮君。この子、どうにかならない......?」

亜蘭「俺の顔を見てください......どうにかできるように見えますか......?」

一樹「ムリそうだね......」

若葉「何を話しているんですか?」

 

 そう、この2人だ

 

 あの日から、若葉さんは徳川さんに夢中らしい

 

 俺がいない間も徳川さんを追いかけまわしたりしていたらしい

 

 正直、激しく同情する

 

亜蘭「若葉さんは、徳川さんとどういった関係性になりたいのでしょうか。」

若葉「もちろん!恋人です!結婚を前提とした!」

亜蘭「そ、そうですか。」

 

 若葉さんは元気な声でそう言う

 

 珍しいな、こんな風に言うのは

 

 これまで、縁談の話もいくつか聞いたが、こんな顔をしていることはなかったな

 

亜蘭「......ま、まぁ、若葉さんは見ての通り美人ですし、大企業の令嬢です。選択肢としては、悪くない......かもしれませんね。」

一樹「それはそうかもしれないけどさ......あの破天荒さは......」

亜蘭「ですよね......」

 

 それに苦労させられてきた身として、激しく同意する

 

 万人が苦手と言うわけではないだろうが

 

 俺や徳川さんのようなタイプとは相性が良くないだろう

 

若葉「まずはデートをしてみましょう!お互いを知りましょう!」

一樹「う、うーん。(頭ごなしに拒否するのもなー。)」

亜蘭「折角ですし、文化祭を一緒に回ってみるというのはいかがでしょうか?(若葉さんの行動制限の為に)」

若葉「それはいいですね!なんだか学生っぽいです!」

 

 取り合えず、これなら若葉さんの行動範囲は制限できる

 

 徳川さんの苦労も少しは軽減できるだろう

 

 まぁ、その後のことは丸投げになるが

 

一樹「これ、最善だよね。考えるまでもなく。」

亜蘭「まぁ、学校くらいの規模なら、まだ常識が通用する......はずです。」

一樹「大丈夫だよね?すごい不安になってきたんだけど。」

亜蘭「一応、俺の経験上はまだ常識はないことはない人なので......まぁ。」

 

 若葉さんはこころ様ほどは滅茶苦茶はしない

 

 文化祭を共にするくらいなら、問題ない......はず

 

若葉「折角ですし、こころ達が行ったようにいろんな人と旅行などに行くのもいいですね!今度は私とこころ、そして亜蘭さんで企画しましょう!」

亜蘭「そ、それは......追々ということで、今は文化祭の集中されてはいかがでしょうか?」

若葉「それもそうですね!と言うわけで、徳川さん!文化祭は私とデートですよ!」

一樹「う、うん。(四宮君、苦労してるんだなぁ......)」

 

 なんだか、とんでもないことを言われた気がするが

 

 まぁ、今は文化祭に集中してもらうとしよう

__________________

 

 “燐子”

 

 なんだか、今日はすごいものを見た気がする

 

 やっぱり、亜蘭君ってすごくイケメンなんだよね

 

 ずっと一緒にいるから、感覚がマヒしてた

 

 私、一生分の運使い切ってるんじゃないかな?

 

 それで亜蘭君と出会えてるなら、いいんだけど

 

燐子(亜蘭君、今なにしてるのかな......?///)

 

有咲「燐子先輩、どうしたんですか?」

紗夜「四宮君のことを考えてるんでしょう。」

燐子「!///」

有咲「燐子先輩も好きですよねー。」

 

 市ヶ谷さんに生暖かい目で見られています

 

 もう、お二人の間では、私はこういう扱いみたいです

 

紗夜「もう少し、イチャつく場所と頻度は考えてほしいですけどね。」

燐子「それは......ごめんなさい///」

紗夜「それはあれですか?反省しているんですか?それとも、無理だから謝ってるんですか?」

燐子「えっと、後者です......///」

紗夜「ですよね......」

有咲(大変そうだな。紗夜先輩。)

 

 氷川さんと市ヶ谷さんが呆れたように私を見ています

 

 ほ、本当に申し訳愛とは思ってるんです

 

 でも、亜蘭君といると、つい......

 

紗夜「まぁ、もうあなた達のことは諦めているのでいいですよ。」

燐子「えぇ......!?」

有咲「まぁ、空気が甘ったるくなる意外に害はありませんし。」

 

 あれ、もう諦められてるの?

 

 確かに、Roseliaの皆は被害?によくあってるだろうけど......

 

有咲「実際に2人はいいカップルですしねー。世間的に見れば、結構な身分の差があるのに。フラットな関係で、お互いに思いあってて。」

紗夜「まぁ、彼は今でこそあんな感じですけど、色々ありましたからね。」

 

 氷川さんはそう言って、穏やかな笑みを浮かべています

 

 恐らく、亜蘭君の過去と今を思い浮かべているんだと思う

 

 でも、この表情まるで......

 

燐子「氷川さん、まさか、亜蘭君を......!?」

紗夜「ないですよ!?」

有咲「でも、確かに、そう見えなくもなかったですよ?四宮に何があったかは知らないですけど、すごい安心したみたいに見えましたし。」

紗夜「いや、本当にないですよ。友人の彼氏を好きになるなんて。」

 

 氷川さんはため息交じりにそう言いました

 

 ほ、本当かな?

 

 氷川さんなら大丈夫だろうけど、亜蘭君だし......

 

紗夜「ほら、業務を進めますよ。」

有咲「はい。」

燐子「は、はい。」

 

 私はそう言われ、業務を再開した

 

 そんな中でも、私は少し心配だった

 

 もしも氷川さんが亜蘭君を好きになったら、どうしよう......

 

 “紗夜”

 

紗夜(はぁ......)

 

 私は内心、ため息をつきました

 

 白金さんはすごく心配そうですが、そんなことはないのに

 

 だって、今は彼も彼女も、幸せそうですから

 

紗夜(これは......なんなのかしら?)

 

 恋心とは違う、胸が温かくなる感情

 

 これは、恐らく、保育士が子ども達を慈しむ気持ちね

 

 彼、あの見た目の割に子供っぽいし

 

 白金さんと付き合うまでにも、結構、迷走していましたからね

 

 彼に対して抱く感情は、かっこいいよりも可愛いね

 

紗夜(まっ、これはこれで面白いし、もう少し様子を見ましょうか。)

 

 私はそんなことを思いながら、小さく笑いました

 

 本当に、あの2人は甘ったるいけれど、見ていて飽きないわね

 

 

 

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