本当に欲しいもの   作:火の車

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対比

 なんとか自分の店番を終えて、今は廊下を歩いてます

 

 いつもとは違う、飾りつけされて、人で賑わっていて

 

 準備した側としては、すごく嬉しいことです

 

 皆さんに、楽しんでもらえて

 

燐子(えっと、亜蘭君の教室は......あっ。)

 

 2年生の教室に来ると、一際にぎわってる場所を見つけた

 

 今までなら、何かあったのかと焦る所でしたけど

 

 でも、今は理由が分かってるので、特に焦ることはありません

 

「__生徒会長が来たぞー!」

「みんな!道を開けろー!」

燐子「え?」

「ささ、生徒会長、こちらにどうぞ。」

 

 私が人込みの近くに行くと、どこかからそんな声が上がって

 

 まるで訓練されたように道が出来て、手前にいる生徒に進むように促された

 

 え、どうなってるの?とか思いつつ、私は進むことにした

 

燐子(ひ、人の道とか、小学校の卒業式以来かも。)

亜蘭「いらっしゃいませ。愛しの姫君。」

燐子「......っ!///」

 

 人の道を進んでいくと、私の鼓動を早くする声が聞こえた

 

 その後ろ姿は、私に期待感をくれて

 

 そして、すこしずつ、振り向くと、こっちに歩いてくる

 

 そして、目の前まで来ると、私の前で跪いた

 

亜蘭「お待ちしていました。あなた様のための席はご用意しております。さぁ、どうぞ。」

燐子「は、はい......///」

 

 な、なんだか変です

 

 いつも丁寧な亜蘭君がさらに丁寧に接してくれて

 

 少し、演技がかってるって普通が思うはずなのに

 

 あまりに亜蘭君が似合いすぎて違和感がなくて

 

 そのうえ、みんなに見られて恥ずかしくて、頭がおかしくなりそう

 

亜蘭「っと、練習したのはここまでなのですが、いかがでしたか?」

燐子「か、かっこよかったよ......///でも、注目されすぎて、恥ずかしい......///」

亜蘭「ははは、顔真っ赤ですね。」

燐子「ひうっ......!///」

 

 亜蘭君は笑いながら、私の頬に触れた

 

 ひんやりしてて、ビックリした

 

亜蘭「どんな姿でも可愛らしいですね、燐子さんは。」

燐子「あ、亜蘭君......///(こんな、人前で......///)」

亜蘭「燐子さんの為に、特別メニューを用意しています。俺も休憩を貰えるので、ご一緒してもよろしいですか?」

燐子「う、うん......///」

 

 私は亜蘭君に手を引かれ、席に案内されました

 

 周りの生徒は皆、私たちのことを見ていて

 

 その目は、なんだか生暖かい感じがした

__________________

 

 “亜蘭”

 

 さて、俺のしたいことは全部できた

 

 クラスの皆には感謝だな

 

 俺のワガママに協力してくれて

 

亜蘭「落ち着きましたか、燐子さん?」

燐子「た、多分......///」

亜蘭「そうですか。なら、甘い物でも食べましょう。」

 

 燐子さんの為に用意したのはパフェだ

 

 雫からもアドバイスを貰って、食材を用意した

 

 初めてにしては中々の出来だろう

 

亜蘭「それでは、燐子さん。」

燐子「へ......?///」

 

 俺はスプーンでパフェをすくい、それを差し出した

 

 燐子さんはそれを見て、目を丸くしている

 

亜蘭「雫がやってみれば、と。恋人同士だとこうするらしいです。」

燐子(か、賀川さん......!?///)

亜蘭「食べないですか?」

燐子「い、いただきます......///」

 

 そう言うと、燐子さんはスプーンに口をつけた

 

 赤かった顔が、また、赤みが強くなった

 

 こうしていると、可愛い燐子さんをよく見られて、素晴らしいな

 

 雫には褒美をやらねば

 

亜蘭「どうですか?」

燐子「お、美味しいよ......///」

亜蘭「そうですか。それはよかったです。」

燐子「あ、亜蘭君は食べないの?///」

亜蘭「俺は良いですよ。燐子さんを見ていたいので。」

燐子「///」

 

 そう言うと、また顔が赤くなる

 

 ここまで来ると、心配になるな

 

 大丈夫なのだろうか?

 

 倒れたりはしないだろうか

 

燐子「こ、こんなに幸せだと、罰が当たっちゃいそうだよ......///」

亜蘭「なら、もっと幸せにしましょう。罰も消えてしまうくらい。」

燐子「ふぇ......?///」

 

 俺は燐子さんの左手を握った

 

 小さくて、肌触りがよく、綺麗な手だ

 

 指の1本にまで、燐子さんの素晴らしさが詰まっている

 

亜蘭「いつか必ず、燐子さんに贈り物をします。その時、受け入れてもらえるよう、努力します。」

燐子「受け入れ.....って///今でも、断る気なんてないよ......///」

 

 やはり、燐子さんは優しいな

 

 俺も、この人に見合う人間にならないといけない

 

 そして、誰より、幸せにするんだ

 

 俺の手で

 

 “谷戸”

 

谷戸(幸せそうですね。)

 

 あのお二人の周りだけ、まるで別世界のようです

 

 甘い空気が漂っています

 

 まぁ、いつものことなのですが

 

雫「いいなー。」

谷戸「ん?」

雫「あれ、プロポーズじゃん。付き合った日数はほぼ同じなのに、私はそんな話も出たことないよ。」

谷戸「ふむ。」

雫「あーあ、料理上手で他の家事も出来て、彼氏の偏った趣味も受け入れてくれる、超優良物件がいるのになー。」

 

 私、賀川さんのことは無口な人だと思っていましたが、意外と面倒くさい人だったのですね

 

 まぁ、百も承知ですが

 

 むしろ、私にはちょうどいいかもしれません

 

谷戸「若い人は答えを急ぎたがるものです。結論までの道を楽しめばよいでしょう。」

雫「でも......」

谷戸「不安なら、指輪くらいなら差し上げますよ。」

雫「え?///」

谷戸「首輪をつけるよりは効率的でしょう。賀川さんは少々、元気すぎますので。」

雫「......最低///」

 

 やはり、亜蘭様のようにはいきませんね

 

 亜蘭様はお優しすぎます

 

 私は、このくらい性悪の方がやりやすい

 

 

 

 

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