亜蘭「......」
分からない。
あの感情は一体何だったんだ。
今までにない感情、でもこれは。
亜蘭(......知識的に一致するものはある。)
分からない事はない。
だが、今それを認めるわけにはいかない。
亜蘭(俺には見つけなければならないものがある。)
いつからだったか、俺がこれを探し始めたのは。
何年も探し求めて、未だに影すら見えてこない。
亜蘭(俺はあれを見つけるためにならなんでも投げうる。絶対に見つけてやる。)
俺は静かに拳を握り締めた。
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朝、俺はいつも通りに登校した。
亜蘭(そう言えば、もう少しで中間テストだな。その後に体育祭。)
一学期と言っても中々忙しいな。
前の学校では体育祭は二学期だった。
紗夜「__おはようございます。四宮君。」
亜蘭「氷川先輩。おはようございます。」
紗夜「今日も相変わらず、周りに人がたくさんいますね。」
後ろを見ると、多くの生徒が俺の後ろをついて来てた。
軍隊でも連想してしまいそうだ。
亜蘭「ははは。ほんとにすごい数ですね。」
紗夜「まぁ、四宮君のお陰で遅刻、欠席する生徒がいないので感謝はしているのですがね。」
亜蘭「皆が真面目なだけですよ。俺はそんなたいそうな人間ではありません。」
紗夜「......常人から見ればあなたはすごい人間ですよ。」
亜蘭「いえ、氷川先輩の方がずっとすごいですよ。」
紗夜「それは言い過ぎですよ。」
亜蘭「本心です。だって。」
紗夜「?」
俺は今言おうとした言葉をしまい込んだ。
これ以上は余計なことを言う気がしたからだ。
亜蘭「......いえ、なんでもありません。」
紗夜「え?」
亜蘭「失礼いたします。」
俺は氷川先輩にそう言い、教室に向かった。
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今日の一時間目は体育祭の競技決めらしい。
亜蘭「__じゃあ、競技決めをしようか。」
男子たち「おー!」
女子たち「きゃー!」
俺は学級員ではないんだが、担任に頼まれて俺がすることになった。
亜蘭「最初は立候補制にしよう。何か出たい競技がある人はいるか?」
男子1,2「はい!俺たちで1500m走に出ます!」
亜蘭「おぉ、これはありがたいな。皆が嫌がる競技に出てくれてありがとう!」
男子1「おう!」
男子2「任せてください!亜蘭様!」
亜蘭(なんで様付にもどったんだ?)
こんな感じで競技決めはスムーズに進んでいった。
皆が率先して参加してくれたのがよかった。
担任(よかった......四宮君がいてほんとによかった。)
女子「__そう言えば、亜蘭君は何の競技に出るのー?」
亜蘭「俺は残った競技に出るよ。」
女子「じゃあ、えーっと残ってるのは......」
・200メートル走
・借り人競争
・チーム対抗リレー
亜蘭「借り人競争?初めて聞くな。」
男子「まぁ、亜蘭様なら勝利間違いなしだよな!」
女子「だよね~!」
亜蘭「それは分からないよ。皆、全力で頑張るんだからな。俺はそれに全力で答えるだけだよ。」
男子2「流石、亜蘭様!!」
女子2「私達も全力でがんばろー!」
クラスメイト「おー!」
亜蘭(うん、良い事だな。)
担任(この子、本当に学生なのかしら?)
こうして、体育祭の競技も決まり、中間テストを待つのみとなった。
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中間テストは全く問題ない。
授業で聞いたことをきっちりすれば必ず点数はとれる。
それを怠ればまぁ、大変なことになる。
なんだかんだで中間テストは何の問題もなく終わった。
男子「__亜蘭様、学年一位だぜ!」
男子2「あ?当然だろ!?むしろ2位以下になったら天変地異が起きるぞ!?」
女子「頭もいいなんて、やっばい!」
女子2「確か、スポーツでも一回しただけでスカウトが来たって噂あるよ!」
女子3「この前も外で体育してる時にすごい人来てたよね?」
男子4「あれ、全部どこかしらのプロのスカウトらしいぜ。」
男子5「うっそ、体育で!?」
テストの順位を一応見に来たが、色々なことを言われてた。
まぁ、順位は一位だったからよかった。
順位を落とすと家で働いてくれてる皆に恥をかかせてしまう。
俺はいくら言われてもいいが、それは許されない、これが俺のプライドだ。
女子「もうすぐで体育祭!見どころは......」
男子「もちろん......」
生徒たち「四宮君(亜蘭君)!!!」
亜蘭(さて、教室に戻るか__)
燐子「__し、四宮君......?」
亜蘭「白金先輩。おはようございます。」
燐子「おはようございます......」
まさか、2年生のフロアで白金先輩に会うとは。
でも、なんでここに?もしかして何か用があるのか?
燐子(ま、まさか、四宮君が本当にいるなんて......。た、たしかに少し期待してたけど、こ、心の準備が......///)
亜蘭「あの、白金先輩?」
燐子「は、はい。」
亜蘭「何か御用がありましたか?」
燐子「え......?」
もしかしたら体育祭関係での何かかもしれない。
燐子「あ、あの......」
亜蘭「?」
白金先輩が言い淀んでる。
もしかしたら、他の何か重要な用事か?
そうだとしたら、人が多いここじゃ言いずらいのも納得がいく。
亜蘭「......白金先輩、少し人が少ない所に行きましょう。」
燐子「え......!?///」
亜蘭「では、行きましょう。」
俺と白金先輩は人が少ない場所に移動した。
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亜蘭「__この辺りでいいでしょう。」
ここは屋上に通じる階段だ。
あまり人が通らないし、重要な話をするのも問題ないだろう。
燐子(ひ、人通りが少ないところに二人だけ......///)
亜蘭「白金先輩。」
燐子「は、はい......///」
なんで顔が赤いんだ?
亜蘭「あの、今日は何のご用で来たのでしょうか。何か重要な案件でしょうか?」
燐子「え......?(そ、そう言えば、そのために移動したんだった。でも、重要な用なんてない......)」
亜蘭「?」
どうしたんだろう?
周りに人はいないし、話すのには問題ないはずだが。
燐子「あの、その......(ど、どうしよう......)」
亜蘭(もしかして。)
思い当たることがある。
あれの事かもしれない。
亜蘭「......もしかして、ライブの感想でしょうか?」
燐子「!」
亜蘭「そう言うのは確かに皆の前では聞きずらいですよね。」
燐子「え?あ、はい......」
亜蘭「俺もちょうどよかったです。持っていましたから。」
燐子「持っていた......?」
亜蘭「はい。」
俺は一枚の手紙の封筒を出した。
亜蘭「感想を書いてきました。ロゼリアの皆さんと読んでいただければ。」
燐子「あ、ありがとうございます......」
亜蘭「それでは、教室に戻りますね?」
燐子「はい......」
亜蘭「体育祭、お互い頑張りましょう。」
燐子「はい......!」
そうして、俺は教室に戻った。
そして、体育祭が始まる。
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