プリズマ☆イリヤ 日常の話   作:sーk

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すみません!
急ピッチで仕上げたので少しおかしいかもしれませんが、よろしくお願いします!!


クロ編
ネコ


「お兄ちゃんってさ〜」

「ん?」

 

 ソファーに寝転がってダラダラしてるクロが、部屋で掃除をしていた士郎を呼んでいた。

 

「何の動物が好き?」

「また唐突だな……ん〜大抵の動物は好きだけど、強いて言うなら……ネコ、かな?」

「ふ〜ん……」

「って、聞いといてその反応か……」

 

 ガックリと項垂れる士郎。しかし士郎の答えを聞いたクロは何かを思いついたようにニヤニヤしながら立ち上がった。

 

「クロ? 部屋に戻るのか?」

「ちょっとね〜♪ ま、すぐ戻ってくるわよ。お、に、い、ちゃ、ん♪」

 

 とっとっと、っと階段を上って、イリヤの部屋へ直行した。

 

「ル、ビ、ー!」

「ちょっクロ!? なに!?」

「おやクロさん。どうかなさいましたか?」

 

 クロは部屋に入るなりいきなりイリヤに飛びついた。

 

「さあイリヤ! ネコになるわよ!」

「…………ねこ?」

 

 全く持ってクロがなにを言ってるかが理解できないイリヤ。

 

「そ、ネコよ。なんでもお兄ちゃんは色んな動物の中でもネコが良いって。ならお兄ちゃんを誘惑するのにピッタリじゃない♪」

「んなっ!? く、クロ! まさかそんな事しないよね!?」

「いや〜クロさんですよ? イリヤさん」

 

 先程士郎から聞いた事をイリヤに伝えるクロ。しかもその姿で士郎を誘惑しようと言うのだ。当然イリヤは猛反対する。

 しかし──

 

「おや〜? いいんですか〜イリヤさん」

「な、なにが?」

「ある意味これはチャンスですよ〜。士郎はネコ好き、そして何よりも彼も一般思春期の男性なのですよ!? そんな彼が可愛い妹のネコのコスプレを見て何も思わないとでも!? 断じて有り得ません!」

 

 正に鬼気迫る勢いでルビーはイリヤを言いくるめようとする。

 

「そうよイリヤ。そ、れ、に〜」

 

 クロがニヤリと悪い顔になる。

 

「イリヤがやらないならわたし一人でお兄ちゃんを陥落してあけよーと♪」

「んなぁあああ!?」

 

 するとクロの服が消えて、いつぞやに見た記憶のあるビーストモードへと変わる。しかも前回はどちらかと言えばオオカミよりだったが、今回のネコモードは、前回同様の首輪に、耳はネコミミへ。尻尾も細くなって、布の面積が更に減った服にチェンジした。

 

「おお〜!!! クロさん! 素晴らしい! 可愛らしい! そして何より愛らしい!!! これなら士郎の陥落なんて余裕ですよ!!」

「うふ♪ 当然じゃない。わたしはイリヤとはお兄ちゃんへの愛の大きさが違うのよ!」

 

 勝ち誇った様に笑うクロと、それを見て写真を撮り続けるルビー。そして、ここまでやられて黙ってられるほどイリヤも大人ではなかった。

 ゆっくり立ち上がると、写真に夢中のルビーを鷲掴み──

 

「ルビー! わたしも転身して!!」

「その言葉を待ってましたー!!!!」

 

 一瞬、ルビーが悪い顔になった気もするが、そんな事はどうでもよかった。

 そうして、イリヤもビーストモードへと変身した。

 

「これならどう!?」

「くっ、流石ルビーね……こうも容易く目ざとい服を取り出すなんて……」

 

 若干恥ずかしがりながらも、イリヤはクロに対抗する。

 

「さっ、お兄ちゃんに見せにもとい、誘惑しに行くとしましょうか!」

「ゆ、誘惑なんてさせないからね!?」

「さあ、お兄ちゃん〜」

 

 二人は言い合いながらも部屋から出て、士郎の下へ向かう。

 しかし──

 

「あら? イリヤさんにクロさん? どうしまし……た」

「「あっ」」

「「「………………」」」

 

 重い沈黙。

 それもそのはず。なんせ今衛宮家の風紀に一番厳しいセラにこの服を見られてしまった。

 クロは頭が真っ白になり、イリヤは目を丸くし、口をパクパクさせている状況だ。

 そんな二人を見たセラはと言うと──

 

「……な、な」

「「な?」」

 

 身体をプルプルと振るわせて、俯いていた顔を上げたその瞬間! 

 

「なんて格好をしているのですかー!!!!!!!!」

 

 壁を貫通して、外まで余裕で聞こえるくらいの声がイリヤたちを襲った。

 

「くぅっ!」

「み、みみがあああああ……!」

「どこでそんな服買ったんですか!! いえ、それよりもなんていう格好ですか!! しかもあろうことか士郎に見せようとなんて考えていませんよね!?」

 

 正に嵐の如く。怒涛の勢いでイリヤたちを追い詰めて行く。幸か不幸か、今家には士郎、セラ、イリヤにクロしかいなかった。故に、誰もこのセラを止めることは出来ない。

 

「ちょ、ちょっとまってよセラ……!」

「問答無用です! 大体クロさんは士郎に対しての風紀が乱れてます! ハレンチです!」

「私だけ!?」

「イリヤさんだって同罪です!」

「わたしも!?」

 

 と。これだけ騒いでなお、セラの勢いは止まらない。むしろブレーキを何処かへ投げて、アクセルだけを踏み続ける暴走車になっていた。

 しかし、そこへ救いの手が訪れる。

 

「セラ? どうしたんだ? さっきから怒鳴っ……て」

「あ」

「あら?」

「なっ!?」

 

 イリヤ、クロ、セラの動きが止まる。

 イリヤは再び恥ずかしくなったのか、腕で主に胸を隠しながらしゃがみ込み、クロはむしろ見てもらう様に自分から近づいていった。セラはこの場に来た事を驚きながら、あそこまで怒鳴った自分を恥じていた。

 

「ってさせませんよクロさん!」

「うわぁ! セラ!?」

 

 そんな自分を切り替えて、イリヤとクロをそれぞれの部屋に放り込む。

 

「お二人ともすぐに着替えてくださいね!」

 

 バタン。

 セラが扉を閉めると、イリヤは流石に観念して着替えたが、クロはそうはいかなかった。

 扉の前にはセラいると仮定し、士郎の部屋の前まで転移して士郎の部屋に侵入する。

 

「おにいちゃーん」

「なんだクロって、えええ!!??」

「しー! しー!」

 

 クロが士郎の口を塞いで声を抑える。セラにはバレていない様で、難を凌いだ。

 

「く、クロ……」

「ん? なぁに、おにいちゃん♪」

 

 わざとなのか、偶然なのか。クロはビーストモードのまま士郎に密着していた。

 

「どう? この姿。おにいちゃん、ネコ好きなんでしょ?」

「ど、どうって言ったって……と、とにかく! 服を着てくれぇ……!」

 

 士郎はクロの姿を極力見ないようにしているが、クロがそれをさせない。

 とにかく、セラが邪魔しないうちにクロは攻めようと思った。しかし、それすら叶わなかった。

 

 バァン! 

 士郎の部屋の扉が吹き飛ばされた。しかもその先には鬼の形相をしたセラがこちらを見て、士郎に近づいてくる。

 

「こ、この……ロリコン!!」

「な、なんでさ!?」

 

 まさか士郎も攻撃されるとは思わず、モロにビンタを食らった士郎。

 そのままクロも強制的に着替えさせられたのだった。

 

 

 その夜、みんなでご飯を食べるときの士郎はぶつぶつと、「なんでさ」と呟いていた。

 

「シロウ、メイク?」

「ほ、ほっといてくれ〜」

 

 更にルヴィア邸では、美遊の下へ、ルビーからのメールが来ていた。

 

「…………な、なにこれ?」

「イリヤ様やクロ様の写真……ですね」

 

 二人は無言しか無かった。

 美遊がこっそりと「イリヤ、可愛い」と呟いていたのはサファイアには聞こえたようないないような。

 




明日、明後日でクリスマス編を仕上げて、投稿します。
お楽しみに!
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