提督業再開しました   作:刻の風

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これは雑音、新城達のざわめきに重なる、強い意志を持った雑音


泊地事変編
雑音


ここは呉鎮守府、かつては新城という提督が指揮していた場所だ

 

?「提督、本日のご予約は」

 

佐伯「そんなものわかっている、いちいち言わないでいい大和」

 

大和と呼ばれた艦娘、その目には光が無かった、あるのは虚空、闇だ、もう何度殴られたのだろう、その体には痛々しい痣が見える、

 

大和「失礼致しました、...それと、電文が届いております」

 

佐伯「それを早く言わぬか!この大飯ぐらいの鉄屑が!」

 

強い罵声と共に蹴りを入れる

 

大和「...」

 

いつだろう...この鎮守府に光が消えたのは、この男が来たのは...かつては別の男がいた気がする...思い出せない、妹もまだ生きていた頃の話だ...武蔵、あちらの世界はどうかしら...私達艦娘は偶に生まれ変わるらしい...別な艦娘として...記憶を無くして...それは艦娘なのかしら...或いはー

 

佐伯「次から気をつけろ!どれ...おお!古谷君か!久しぶりだな!元気にしていたか?...そうか、ならいい、ところで、例の計画は順調かね?...順調なんだな?なら問題は無いな、ようやくだ、ようやく成就する...各同志に伝えてくれ、MI作成発動中に...計画を実行だ、あの狸元帥を...潰せ!元帥側に付く恐れの有る鎮守府や泊地も全てだ!」

 

そこでひと段落置くと、佐伯は呟いた

 

佐伯「ようやく成就するぞ…球磨…我が唯一無二の妻よ…」

 

お前が居なくなってどれ程の時が流れただろう…あれから幾星霜の刻が流れたか…その時間はあまりに長く、あまりに残酷だった…国はあの出来事をひた隠しにし、作戦自体を葬り去ろうとしている…お前の生きた証…お前の意志を…俺がこの手で刻んでやる…我が63年の人生お前といた時間だけが輝いていて、暖かくて…お前を失った時、その喪失の大きさに、気がくるいそうになった…ほかの艦娘に当たり、忘れようとした…何度も何度も建造した…お前を呼びたかった…もう一度一目会いたかった…でも結果は残酷だった…神はいない、そう思わせる内容で、でも諦め切れなかった…ならばそこに力を注ぐのをやめよう…お前の恨み、悲しみ、その全てをぶつける槌となろう…俺がお前を風化させない、いや、107部隊、あの部隊にいた全員を忘れない、風化させない、例え俺が地獄に落ちようとも、あの安寧の日々を奪った奴らから全てを奪い尽くす…俺がこの手で…あいつらを…

 

闇が覆う、とある鎮守府を、暗い、暗い闇が覆う、その闇は全てを飲み込む…護国の剣さえも




佐伯…お前なんか隠してるな?

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