提督業再開しました   作:刻の風

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紡ぎ

蒼華「提督…」

 

新城「…何だ?」

 

蒼華「         」

 

新城「……すまない…それには…答えられない」

 

蒼華「かま…わない…さ…も、ういけ…」

 

新城「又いつか会おう、」

 

蒼華は応えなかった…否、応えられなかった、その腕は力無く崩れ落ち、漆黒の軍服は紅黒く染まる…目は次第に虚になり、光を讃えたその目は闇を讃えた、

 

新城「行こう…曙…」

 

曙「えぇ…提督」

 

乗り越えて進む、その道には累々と屍と闇、悲哀が積み重なっている茨の道…その道はいつか花を咲かすのだろうか…

 

新城「あそこで今海原を進んでいるのは赤城…それから加賀か…急ぐぞ…」

 

曙「クソ提督、危ない!」

 

曙が新城を跳ね飛ばす、そのはずみで新城は船内に放り投げられる、だが曙は

 

曙「っああああああああああああああああああああ!!」

 

新城「ぼのたん!オイ!」

 

曙「右目一つ、でなら…やす、いものよ…」

 

曙がそう呟いた瞬間、船が進みはじめた、中には憲兵も乗っており、新城を敵から隠すように中へ連れ去った

 

新城「ぼのたん!早く来い!ぼのたん!」

 

曙「       」

 

何か言っている…だが聞こえない…曙がこちらに手を伸ばす、微かに薄桃色の薄い唇が動くそこから紡ぎ出された言葉は

 

               生きて

 

新城は脱力感と絶望感の海に放り出された…何も出来ずにそのまま崩れ落ちる…船のハッチが閉じるその間際新城は確かに見た…敵陸軍兵に確保される曙を…抵抗を試み、無事な左目を潰され、右手足を折られ絶叫を上げる曙を

 

「いゃああああああああああああああああああああああ!!!」

 

「…提督、こちらへ、」

 

必死に感情を押し殺した声で憲兵が新城を船内に促す

 

〜〜〜

 

赤城「提督達は無事出港したわね…じゃあ私達もいきましょう…舞風さん、浜風さん、野分さんに肩を貸してあげられますか?」

 

舞風「もちろんです!」

 

野分「ごめんね…舞風ちゃん浜風ちゃん」

 

浜風「気にしないで、早く行こう」

 

加賀「そうですね…艦載機も出来るだけ回収は出来ました、いきましょう」

 

そう言って海へと飛び降り、動力部に熱を入れ海原を進みだした

海上では、リンガ泊地の艦娘が時間稼ぎの戦闘を繰り広げていた

 

長門「でぇええええい!」

 

「がぁ…!?」

 

武蔵「はぁぁああ!」

 

「うぁっ」

 

長門「まさか艦娘相手に実戦で武術を使うとは…」

 

武蔵「仕方ないだろう…あれは…提督の脱出艇か…我々もそろそろ離脱しよう、十分時間は稼いだ」

 

「そう簡単にはいきませんよ」

 

海原に凛とした声が響く、抑揚のない声でそう告げた

 

長門「…大和か…」

 

武蔵「大和!久しいな!無事だったか!」

 

大和「煩いですよ、紛い物が」

 

武蔵「…な、何を言っている?私は武蔵だ、ほら、ここにいるだろう」

 

大和の鋭い視線が武蔵に刺さる、光のない、深い闇を孕んだ視線が

 

 

 

 

 

 




ん〜…闇が深い
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