真田誠治side
柊木先生は、テキストと資料集、出席簿を教卓の上でトントンと軽くそろえて教室を出ていく。
(懐かしいな...)
先生は、少しむっとしているようだ。
「柊木先生、何か用ですか?」
「何か用じゃないでしょう。携帯いじってたよね?はい、出して」
(本当に柊木先生だ...俺が好きだった柊木ちゃんだ)
「何?じっとみて?どうしたの?」
(今だ、今しかない、後悔したくない)
「せ、先生、あの...」
「す...好きです~っ..」
「え?ごめん、今何て言ったの?」
「え...ですから..あの...なんでもないです...」
「そう、じゃあ放課後に取りに来てね」
(お...終わった(´;ω;`) 高校生活終わった?)
放課後になった。
(どんな顔して会いにいけばいいんだろう)
職員室の扉をたたく。
「失礼しま~す」
(柊木ちゃんの席は確か...)
俺をみて手招きしている。
「はい、継体天皇」
「え?先生そんな冗談言うんですね」
上目遣いのすこししかめっつら。かわいい。
「歴史用語を使えば世界史の話かと思うでしょ」
ぼそぼそ話して、にっこりと笑みがうかんでいる。
「わたしも厳しいのはすきじゃないんだけど、授業中はダメだからね。ネット使わないと答えられないような発問はしないから。」
「すみませんでした。ん?先生」
「何?」
「ブラ...見えてます...」
「あ、本当だ」
「え?大丈夫じゃないんですか?」
「どちらかというと、うれしいかも?」
「え?」
「真田君が健全な男の子だからってこと そういうこと」
(なにかぼそぼそ言ってるな)
「見られて恥ずかしくないわけじゃないからほかの人に言っちゃだめよ?真田君が秘密にしてくれたらケイタイ天皇のこと担任の先生には秘密にしちゃいマス」
「え?それでいいんですか?」
「いいの」いやに強い口調だ。
「二人だけの秘密ね、いい?」
「はい。先生」
「ん?」
「用があるのでまたきてもいいですか?」
「たぶん、来なくても大丈夫だと思う」
満面の笑みだ。.
「それから職員室は何度も来るところじゃありません。先生は忙しいんだから帰った、帰った」
なんか嬉しそうに手を振っていた。
何かいいことあったんだろうか..
自宅へ着いて、夕食を食べ部屋でくつろいでいると
ブーとメール着信音がする。
藤本かと思ったら
「柊木春香 20:42」の表示だ。
「告白してくれてありがとう、メールからでいいならOkです?って...先生、登録してたんかい!!!」
俺は驚いて思わず叫ぶ。さっそくOKの返事をし、お弁当を作ってもらって、世界史準備室でお昼を食べる約束までした。社会科係になっているから授業の準備の手伝いといえば不自然ではない。うまく言い訳もできる。二重にラッキーと思った。
柊木春香side
わたしは、ちょっとむっとした。普段はちゃんと授業を受けてるし、社会科係の仕事もちゃんとやってくれてるのに、真田くんは、なぜかうわのそらで携帯いじってる。
「柊木先生、何か用ですか?」
真田君が声をかけてきた。もう、わからないのかなあ
「何か用じゃないでしょう。携帯いじってたよね?はい、出して」
なにかわたしのほうをじっと見ている。
「何?じっとみて?どうしたの?」
なにか頬を赤らめ、いやに緊張している。
「せ、先生、あの...す...好きです~っ...」
え?え?わたしはどきっとして全身に電流が走ったような感覚になった。あれだけ決心した顔で...うそじゃないよね..思わず聞き返した。
「え?ごめん、今何て言ったの?」
思えば高校生の時も大学生の時も、男性の視線は感じたものの、モテるでしょ、彼氏いるよね、実家がお金持ちだとわかると高嶺の花扱いで、許婿がいることになっていて、いくらいないと言っても信じてもらえなかった。だから心の底から幸福感がこみあげてくる。
「え...ですから..あの...なんでもないです...」
なんでもないのか...でもあれだけ緊張して「好きです」とかなんでもないわけないないし、聞こえていなかったのかという猛烈にがっかりした顔。本気の本気だ。うれしい。すごくうれしい。
「そう、じゃあ放課後に取りに来てね」
放課後が待ち遠しい。彼のメアドを登録した。
冷静に考えたら生徒のメアドを登録するなんておかしな教師だけど
うれしいんだから仕方ない。
「失礼しま~す」
真田君の声がして、わたしの席をさがしているようだ。わたしはうれしくて手招きする。
「はい、継体天皇」
「え?先生そんな冗談言うんですね」
「歴史用語を使えば世界史の話かと思うでしょ」
小声でつぶやく。
「わたしも厳しいのはすきじゃないんだけど、授業中はダメだからね。ネット使わないと答えられないような発問はしないから。」
そう、世界史のような科目は、油断するとネット使わないと答えられないような発問をしてしまうことがある。休み時間と教師の指示があれば調べ物のために使っていいことになっているが、さぼりに携帯使っているのと区別が難しくなる。
「すみませんでした。ん?先生」
真田君がわたしのほうをみてなにやら顔を赤らめている。
「何?」
「ブラ...見えてます...」
「あ、本当だ」
「え?大丈夫なんですか?」
「どちらかというと、うれしいかも?」
真田君にみられるのはうれしいと思ってしまう。
「え?」
真田君が動揺している。かわいい。
「真田君が健全な男の子だからってこと そういうこと」
なにやらつぶやいてしまう。
「見られて恥ずかしくないわけじゃないからほかの人に言っちゃだめよ?真田君が秘密にしてくれたら「携帯」天皇のこと担任の先生には秘密にしちゃいマス」
「え?それでいいんですか?」
彼が聞き返してくるので
「いいの」思わず強い口調になる。
「二人だけの秘密ね、いい?」
彼との秘密ができた。なんだかじわじわうれしい。
「はい。先生」
(せんせいじゃなくて春香さんでしょ、あれ?わたし何考えているんだろう?)
「ん?」
「用があるのでまたきてもいいですか?」
あ...告白しなおそうとしているんだ。あの告白がフラッシュバックする。うれしい。かわいい。
「たぶん、来なくても大丈夫だと思う」
うれしさで笑みが顔に浮かんでしまう。
「それから職員室は何度も来るところじゃありません。先生は忙しいんだから帰った、帰った」
わたしはおもわず、嬉しくて手を振ってしまった。
仕事が終わって自宅へ帰る。
お風呂にお湯を入れておちつくと
「告白してくれてありがとう、メールからでいいならOkです」
と本文を打って彼あてにメールをおくった。
彼からはOKの返事が帰ってきた。お弁当を作って明日世界史準備室でお昼を食べる約束をした。
彼は社会科係。世界史準備室へ来てもおかしくない。楽しみだ。