無限城
十二鬼月と童磨が月華会議を行う場であり、多数の鬼が揃えられている。通常の人間にとっては死地でしかない。今宵もまたそこへ、十二鬼月達が集められていた。
上弦の鬼の顔ぶれは変わらない。六体の鬼は鬼殺隊の柱を相手にしたところで勝てるだけの実力がある。
対して下弦の鬼は前回の会議に参加したことすらない者達ばかり。ほとんどが入れ替わってしまっており、数も四体にまで欠けてしまっていた。
「やぁ集まってくれたね。俺の子供達」
そうして集まった鬼達の前に童磨が現れた。
即座に鬼達は跪き、上弦の壱である鬼舞辻無惨が鬼達に号令をかける。
「直れ。今宵、貴様らを集めたのは他でもない。下弦が余りにも入れ替わり過ぎている故だ」
顔を上げた上弦の鬼達は納得を露にする。以前までも下弦の鬼は、長生きこそしてはいなかった。だが、それでも今のように一月で複数の鬼が入れ替わることはなかった。
下弦の鬼達からすれば十二鬼月に入ってすぐに自分達が使えないと言われているようで、少なからず反感を覚えるものもいた。しかし、その気持ちも上弦の鬼と童磨を見てからは、消えてしまう。違う、あれらは存在自体が違う生き物だ。分け与えられた血液の量も強さも、文字通りに格が違うと言わなければならなかった。
「うん。また竈門禰豆子に下弦が殺された。
悲しみを露にした様子で、童磨は続ける。
「下弦の鬼は代わりを見付けるのは難しくない。だけど、更に強くもなれず、鬼殺隊に殺されるようでは彼等を強くするだけになってしまう。そう思わないかな?矢沙丸、吐縛鬼、厭夢、氷柱」
腕を四つ生やし、その手の中に瞳を備えた鬼である。
白髪に、白い服顔面に赤い斑点を拵えた子供の鬼、
手の甲に口を備え、瞳の下に四角模様を持つ洋装の鬼、
そして、下弦の壱であり唯一入れ替わりを経験していない白骨化した鬼、
下弦の鬼達は頭を垂れて平伏し、童磨の裁決を待っていた。
「皆に俺の血を更に分けよう。今のまま鬼狩りの柱や禰豆子と戦っても、勝てないだろうから。だから頑張っておくれよ」
「「「はっ!!」」」
「うんうん。元気が良いね!大丈夫。強くなればきっと勝てるようになるさ。先日も柱を殺してくれた猗窩座殿のようにね!」
童磨はいつものように嗤い、そしてこの日もまた月華会議が進められていく。鬼狩りを滅ぼすために、自分達がより強くなるために。
「さて、新しい下弦の鬼を紹介しよう『
黒髪に額に濃い痣を持った鬼だ。耳には花札を模したような耳飾りを着けている。その鬼を見た瞬間に、上弦の壱、上弦の弐、下弦の壱が反応を示した。
腰に据えた刀で火産霊を切ろうとした、
「これが…新しい下弦の鬼だと?甚だ不愉快だ」
「説明を……」
「火産霊は日の呼吸、縁壱殿と同じ技を受け継いでる筈だ。そして俺が分け与えた血に適応した。それ以上何か必要かな?」
無惨と黒死牟が怒りを露にしようと童磨は変わらない。バラバラに砕かれた下弦の壱を再び組み直して、自身の血液を更に与えて再生を促している。
「とはいえ自我が大分薄れてきてるからね。しばらくは……珠世殿に任せることにするよ!」
「……」
ちらりと火産霊を見た後に、珠世は一つ嘆息すると何も言わずにそれを受け入れた。上弦の鬼同士で殺し合う事は得策ではないと悟り、黒死牟と無惨も殺気を抑える。
その後は報告等を細々と行い。今宵の月華会議は終了した。
「さて、これで今回は終わり。皆も猗窩座殿を見習って柱を倒そう!」
童磨の言葉と同時に十二鬼月は、元居た場所へと戻される。上弦の肆である珠世も同様だがそこには火産霊も一緒であった。
「はあ……」
何も言わずに、ただ近くで突っ立っている火産霊を見て、無惨と黒死牟の反応を思い出し厄介が舞い込んで来たと、もう一度溜め息を吐いた珠世だった。
【大正コソコソ噂話】
火産霊は二ヶ月で髪が凄く伸びてるせいで、まるで幼少期の縁壱殿のようになっているんだ!
黒死牟殿はそれも、あってぶちギレてるよ!無惨殿は耳飾りを見た瞬間にキレてるよ!瞬間沸騰だね!