始まりの鬼が無惨ではなかったら   作:園崎礼瑠

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キャラが掴めているか疑わしい。今回は割と書きたい事だけ楽しく書きました。



月華会議

ベベン

琵琶の音が鳴り響く。

 

ベベン

歪んだ空間に人の影が増えていく。

 

ベベン

その場所は上下やあるいは高低がバラバラになっていた。

 

ベベン

共通しているのは和風の中に西洋式の気風が散りばめられている事だろうか。

 

ベベン

畳の上に流行りのガス灯が無造作に設置されている。

 

ベベン

障子戸の取っ手にはドアノブが嵌め込まれている。

 

ベベン

桐箪笥とクローゼットが並べられている。

 

ベベン

灯りも虫のような青と、血のような赤のみで照らされている。

 

ベベン

明るいのに暗い。

 

ベベン

新しいのに古臭い。

 

ベベン

そこに現れた鬼の数は十三。

 

ベベン

『十二鬼月』と呼ばれる最高位の鬼達と、彼等の首魁[童磨]である。

 

──────────────────────

 

「やぁ待っていたよ。俺の子供達」

 

朗らかな笑みを浮かべる童磨。鬼の長として千年もの間君臨し続けている男であり、彼こそが全ての鬼の始祖であった。

 

「何を平然と突っ立っている?私と、この方の前だ。頭を垂れて平伏するのが常であろう。

そんなだから、貴様らは簡単に鬼狩り等に敗北するのだ」

 

上弦の壱 鬼舞辻無惨

童磨と同様に千年前から生き続ける最古参の鬼であり、鬼の統括を行う。数多の人を、鬼を喰らい続ける。真性の悪鬼である。

 

「……は。肝に…命じましょう…」

 

上弦の弐 黒死牟

元は鬼殺隊の剣士であった裏切りの鬼。呼吸法を極め、至高の領域を越えて、永遠に高みを目指し、日輪を降さんとする剣鬼。

 

「仰る通りです。我々の不徳お詫び申し上げます」

 

上弦の参 猗窩座

10尺を越える規格外な巨躯と、三つ首を備えた殴殺の鬼。上弦の弐へと追随しようとする、心・技・体を備えた殺戮の化身。戦闘は徒手空拳を基本とした拳鬼である。

 

「……………」

 

上弦の肆 珠世

鬼でありながら、最も多くの同族の肉体を破壊した鬼。常に愁いを帯びた表情を浮かべる女鬼だが、鬼と人の肉体を知り尽くしており、血鬼術と合わせての大量殺傷を得意とする、學鬼。

 

「ひぃぃ。お許しくだされお許しくだされ…」

 

上弦の伍 半天狗

世に存在する、あらゆる物に怯えている鬼。上弦の鬼や童磨から不快を買わずに、自身が脅かされないよう他の者に助けを乞う様は弱者の様相を帯びるが、百年以上を生き延び、人を喰らう泣鬼だ。

 

「俺達も更に多くの鬼狩りを殺せるように、努力し続けます」

「どうかお任せください」

 

上弦の陸 妓夫太郎・堕姫

兄妹で鬼となり、童磨に絶対の忠誠を誓う鬼。麗しい美貌の堕姫が普段は表に出ており、堕姫が勝てない敵を醜悪な見た目の妓夫太郎が、担当する。二者合一の双鬼。

 

「うんうん。流石は上弦の皆だ、けど無惨殿。俺は別に気にしてないから良いよ。上に立つ者はそう目くじらを立てるのも良くないからね」

 

朗らかに童磨は笑っていた。平伏すのが遅れた下弦の者達は、それを赦しを得たと判断して、気持ちを弛緩させた。その時

 

「ところで、無惨殿。残念ながら下弦の皆の内に、鬼狩りの柱から逃げ出したり、或いは十二鬼月に入れたことで最低限すら人喰いをしなくなってしまった者が居るようなのだ!俺は悲しい…!」

 

先程の表情から一転して、童磨は滝のように涙を流し始めた。下弦はある者は驚愕し、ある者は恐れを露にした。

 

「零余子に釜鵺、君達の事を俺は期待してたんだ。力を高めてきた君達なら必ず鬼狩りを倒して、上弦に登り詰め何れは無惨殿や俺を殺すかも知れないってね!」

 

何を…何を…言っておられるのだこの方は…?

釜鵺は驚きを隠せなかった。だってそうだろう。先代の下弦の陸が鬼狩りに殺されて、俺が下弦に任命されてから「まだ三日しか経っていないね。その通りだ」

 

!?し、思考が読めるのか不味い!

 

「釜鵺。君は今まで人を沢山喰らってきた。そして力を蓄えることに尽力してきたのを俺は知ってるよ。だけど、俺に数字を刻まれて安堵しただろう?それはダメだよ。例えば下弦の弐である響凱のように人を喰えなくなってきた者だっているんだぜ?稀血を狙うわけでもないのに最低限しか、人を喰わないなんて単なる怠惰でしかない」

 

下弦の陸という数字には責任が必要なんだ。微笑みを浮かべながら童磨様が言葉を放たれる。

 

「零余子」

 

ビクッと体を震わせた下弦の肆は可哀想な程に震えているのに、童磨はいつも通りに声を掛ける。

 

「怖いだろう。可哀想になぁ、俺は皆の事をちゃんと見てるから分かるよ」

 

お前は弱い人や、鬼狩りを相手にするのは平気なのに柱と見るや直ぐに逃げてしまうから。残酷な迄の真実を童磨様は優しく語り掛ける

 

「いいえ!私は…私は鬼狩りと戦えます!柱だって殺せます…!どうか慈悲を…!」

 

涙を流して頭を垂れて、必死になって助命を懇願する下弦の肆(零余子)

 

「お、俺だってもっと人を喰います!血鬼術にも磨きを掛けて鬼狩りを殺して見せます!!」

 

放心状態から慌てて土下座の態勢へと移して、同じく頭を下げる下弦の陸(釜鵺)

 

それを見ながら童磨は

 

「うーん。しかしなぁ、俺はきちんと二人の事を見ていたから、何度も同じことをしたと知っているし、三日間休んでいたのは事実だろう?それに

皆の統括は無惨殿に一任しているからな」

 

後の事は無惨殿に任せるよ、と残酷な迄にあっさりと彼は上弦の壱(死神)に後の事を放り投げた。

 

「えぇ。任されましたとも、このような下らん鬼には存在する価値すらない」

 

裂けたような笑みを浮かべた上弦の壱(無惨)が腕を振るうと、一瞬で肉体の変化は完了する。両腕が変貌した、口の着いた化け物に捕食され、十二鬼月の末席はあっさりと、その数を減らした。後には血溜まりだけが残っていた。

 

「うう…二人も家族が減ってしまうなんて、とっても悲しいよ。もっと沢山鬼を増やさないと…

さて、それじゃ月華会議を始めようか。皆、報告をお願い」

 

涙を流したかと思えば、一瞬でその涙を引っ込めて、いつもの如く童磨(始祖)が嗤う。そうして、人喰い鬼の上位者達は今宵も、悍ましい話し合いを始めていく。

 

 

 

 




所々、変わった鬼やらも居ます。壺は犠牲になったのだ…
好きなキャラではあるんですけどね、玉壺。
パワハラ会議じゃ流石に不味いので、オリジナル設定で名前を付けてみました。
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