無残「…!」
「何が楽しい?何が面白い?」
数百年前に鬼になってから、今まで数多くの人間を喰らってきた。
「命を何だと思っているんだ」
こんな…たった一人の
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童磨からの命令もあって、私は鬼狩り共を探していた。
嘗て、鬼に家族を殺された事を理由に、復讐するために命を自ら投げ捨てる集団。特殊な刀と剣術を用いて、鬼の頸を切る事で復讐を遂げようとするが、所詮は人間であり強い鬼を相手にすれば簡単に命を落としている。そんな愚か者達を警戒する必要もないと捨て置いていたが、ここ数年になって鬼の数が減ることが増えてきた。
勿論、鬼の数は童磨が血を分け与える事で簡単に増やすことが出来る。しかし、ここ数年では鬼狩りによって、成長して、血鬼術を使う鬼ですら殺されるようになったという。以前であれば、柱と呼ばれる奴等の中でも、それなりの力量を持つ剣士程度にしか殺せなかった鬼が、普通の鬼狩りに殺される。この異常を探るべく私が派遣された。
「がぁッ!」
私を鬼だと認識して、殺そうと刀を振るう鬼狩り。だが、その程度では避ける必要すらなく、鬼狩りの刀は私に当たると甲高い音を響かせて折れていた。私はそのまま爪を突き立てて、鬼狩りの喉を突き刺すと、痙攣して血が溢れ出す。
「所詮はこの程度か、確かに身体能力は上がっている。だが、私を切れないならば奴に手が届く事も有るまい」
態々、直接確認しに来たというのに無意味な行いだったようだ。いっそ、このまま柱を含めた鬼狩り共を私一人で殲滅するのも良いかもしれない。奴の命令というのは癪に障るが…
「ヒュ…ヒュ…必ず…!仲間だちがお前らを…!」
致命傷を負わせても恨み言を続けようとする鬼狩りの頭を潰して、息の根を止める。
どうやら、特殊な呼吸を用いて身体操作を行うようだが、鬼にも劣る僅かな延命と身体能力の上昇。何の意味もない馬鹿げた行為に精を出す知能の低さ。徒に死人を増やすだけで、これを産み出したのも所詮は塵に過ぎないだろう。
「さて…鬼狩りの居所を奴に再び探させるとするか」
持っていた
月光に照らされながらその男は私にも捉えきれない程の速度で、目前へと迫って…
いや、
「…お前が擂蔵を殺したのか?鬼、何の為だ」
黒髪を頂点の辺りで結った鬼狩りが私に尋ねてくる。耳には花札に似た飾りを付けており、額には炎のような形をした痣が浮かんでいる。手に持った刀は、光を吸い込むような漆黒に染まっていた。その男はまるで能面のように表情を変えずに、淡々と問い掛けてくる。その姿が
「何故だと?決まっているだろう、その鬼狩りが私を狙ってきたから返り討ちにしたに過ぎない。それに小腹が空いていたから、ついでに満たそうと考えただけの事だ」
そういって手に持った肉を見せ付けるように喰らおうした。
その時、私の腕は存在していなかった。
「は…?何…」
が、と続けようとした時には私の視界は傾いていた。私の頚は鬼狩りによって容易く切り離されており、胴と泣き別れになっていた。そして、私の胴と頚はそのまま殺した鬼狩りの血が染み込む、地面へと叩き付けられていた。
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「擂蔵、すまない。遅くなってしまった」
事切れた擂蔵の体を気遣うように声を掛ける。
鳴柱である彼だが、呼吸法を会得した他の柱と同様に、痣を出そうと必死になっていた。しかし、他の柱と違い痣が出なかった。その事に焦った彼は、鬼の始祖かも知れない鬼の噂を聞き付けて、兄達が止める間もなく、出掛けてしまっていた。
「私の助けが遅かったばかりに、間に合わなかった」
山を二つ越えた先の小さな村で、鬼が出ると聞いた私は朝早くに出掛けてしまっていた。三匹の鬼は直ぐに狩り、戻った時には夜の帳が降りようとしていた。兄上から擂蔵も、私が出てから程無くしてで出ていったと聞いたので、急いで向かったが、辿り着いた時には既に終わってしまっていた。
始末した鬼の強さは
せめて弔いの為にと遺体を抱えようとした時、反射的に私は刀を後ろへと振り抜いていた。
「ぐっ…一度ならず二度までも…絶対に許さんぞ!鬼狩りがぁッ!!」
夜はまだ終わらない。
擂蔵さんは夕方頃に着いてから、夜まで体を休めてから戦いました。
無残と戦い雷ノ呼吸の型を全部見られて、呼吸の存在が知られた後に殺されています。戦っていたのは五分程でしょうか。
月曜日になる前に急いで投稿。