ウルトラマンネクサスover10yearsT   作:柏葉大樹

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 ご愛読している皆様、お待たせしました。当初、この第11話で終了の予定でしたが、話が長くなったため、次回第12話を最終話とします。
 いましばらくお付き合いください。
 それでは、どうぞ。


ウルトラマンネクサスover10yearsT 第11話

 新たに出現したスペースビースト、一度は平穏を取り戻したかに見えたが新たに現れたスペースビーストたちはその平穏を脅かす。それらに対抗するため再結成したナイトレイダー。その中で、かつてこの星を守った光は剣崎大紀という若者に宿った。

 大紀はウルトラマンネクサスとなり、スペースビーストの戦いに身を投じるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 東京に出現したフィンディッシュタイプビースト=ダークガルベロス。かつて、この星に現れた暗黒巨人の残滓を取り込み進化したガルベロスである。

 ウルトラマンネクサスはジュネッスストロングに変身、東京に出現したダークガルベロスを撃破した。だが、撃破されたダークガルベロスはヘルハウンドたちと一体化、暗黒巨人の力を受け継いだ獣人フィンディッシュタイプビースト=ティンダロスに進化した。

 

 

 

 

 ダークガルベロスが放出した漆黒の闇が晴れ、夕闇の空が現れる。

 夕闇の空の下、ウルトラマンネクサスジュネッスストロングとティンダロスが向かい合う。

 銀色と深紅の巨人と漆黒の獣人、睨み合った両者が動き始めたのはほぼ同時だった

 ネクサスは一歩前に踏み出すと同時に右手を大きく引く。

 ティンダロスは右腕の爪を大きく伸ばし、それでネクサスを切り裂こうとする。

 ネクサスの拳とティンダロスの爪がぶつかり合う。

 激突する拳と爪、ぶつかりあったその瞬間に衝撃波が広がる。

 拮抗する両者。ティンダロスは憎々しげに口を開く。

 

 「忌まわしい。忌まわしいぞ!お前さえ居なければ、全てを喰らうことが出来た!」

 

 放たれる言葉はビーストとは思えないほどの恨みの言葉。全てを喰らうという捕食本能しか持たないビーストとは思えないほどの意思を感じられた。

 ネクサスはさらに左腕を引き、再度パンチを放つ。

 ネクサスの攻撃を見た、ティンダロスはすぐさま距離を取った。

 距離を取ったティンダロスは右腕にエネルギーを集め、爪型の手裏剣光線をネクサスに放つ。

 ネクサスはアームドネクサスからバリアーを張り、ティンダロスの光線を防ぐ。

 ティンダロスはネクサスが光線を防御した瞬間に、ネクサスの背後へ瞬間移動した。がら空きの背中に向かって右腕の爪を振り下ろした。

 

 ディアアア!!

 

 背後からの攻撃に倒れるネクサス。そこへ追撃をしようとティンダロスが右腕を引き、その爪を突き立てようとした。

 ネクサスは即座に反転、両手でティンダロスの爪を何とか止めるのだった。

 

 「あの日、貴様によって無数の断片へと変えられた俺は何とか元に戻ろうとした。一向に元に戻らない体に苛立ちもした。だが、俺をこの星に差し向けたザギの力の残滓を見つけた。その力を取り込んだ俺はかつての俺を上回る姿になった。今度こそ、俺はお前を殺して、この星の全てを食らってやる!」

 

 ティンダロスの言葉、地球に出現する全てのビーストの起源であるザ・ワンしか知り得ないことを意味していた。

 今のネクサス、現在の適応者である大紀は知らないが全てのビーストはザ・ワンに戻ろうとした結果地球の生物と同化した存在である。

 誕生したビーストたちの捕食本能とは別の本能、それはビースト細胞がザ・ワンに戻るべく足りないものを補うためのものだった。そのビースト細胞は、暗黒破壊神ダークザギの力を持った暗黒巨人の力を取り込んだ結果、進化したのがティンダロスだった。

 暗黒巨人の力を取り込み、本能の他に明確な意思を獲得したティンダロスはかつてのザ・ワンの記憶を取り戻していた。

 ティンダロスは左腕を振り上げ、その爪を振り下ろそうとする。

 ネクサスは咄嗟にティンダロスを蹴り、よろめかせる。

 距離が離れた瞬間、ネクサスは膝立ちのまま両腕にエネルギーを集める。そのまま両手からオーバーフレアシュートをティンダロスに放つ。

 ティンダロスは放たれたオーバーフレアシュートに対し、右腕を突き出して防御した。

 オーバーフレアシュートはそのままティンダロスの右腕に当たり、爆発を起こした。

 ティンダロスの右腕はオーバーフレアシュートを受けて、爆散していた。肘から先が消失しており、その断面が生々しく焼け焦げていた。

 「なるほど。完全な姿ではなくとも、これほどの力があるか。」

 

 そう言うとティンダロスは左腕を振るい、時空の裂け目を開けた。

 ティンダロスは時空の裂け目の中へ入り、姿を消した。

 ここまでの激戦でエナジーコアが明滅を始めていたネクサス。肩を大きく上下させていた。そのままネクサスは膝をついたまま姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ダークガルベロスの出現と撃破、ダークガルベロスとヘルハウンドが合体したティンダロス。

 新たに出現したビーストの対抗を立てるべく、ナイトレイダーの面々はフォートレスフリーダムに戻っていた。

 

 「新たに現れたビースト、これまでに確認されていたガルベロスと特徴が一致しました。」

 

 吉良沢がタブレットを操作して出現したビーストについて分かったことをナイトレイダーの面々に話していた。

 

 「最初に確認されたビーストをコードネームヘルハウンドに決定しました。そして、その後に現れたガルベロスはこれまでに確認されたガルベロスと違い、闇の巨人と同じ反応を発していました。」

 

 ダークガルベロスから確認されたビースト振動波、それには暗黒巨人と同様の数値が現れていた。

 

 「じゃあ、昔現れたやつの生き残りがそのビーストってことか。」

 「いや、反町隊員。あくまで、あのガルベロスは闇の巨人とは別の存在だ。何かしらの理由で闇の巨人の力を取り込んだ、と考えるのが自然だろう。今回現れたガルベロスをダークガルベロスと呼称しました。そして、最後に現れたあのビースト。」

 

 ブリーフィングルームのスクリーンにティンダロスの姿が映し出される。

 

 「ダークガルベロスの遺体、ヘルハウンドたちが合体して誕生したこのビーストはかつて出現した闇の巨人、コードネーム=ダークメフィストと同様の特徴がいくつか見られた。」

 

 映し出されたティンダロスの体の各部を、過去に出現したダークメフィストと比較する吉良沢。その結果をナイトレイダーのメンバーは見る。

 

 「このビースト、ダークガルベロスは闇の巨人へと進化したビーストになったと言っていいでしょう。ダークガルベロス改めティンダロス、時空を渡り歩く狩人というべき存在でしょう。以後、我々はティンダロスの撃破を最優先目標とします。」

 

 ブリーフィングルームでの会議を終え、大紀は自室に居た。その体にはこれまでのビーストとの戦いで刻まれた傷があった。先のティンダロス戦での傷と思われる真新しいものもあった。

 

 「ティンダロス、あいつはこれまでのビーストと全く違った。」

 

 傷の手当をしながら、ティンダロスのことを思い出す大紀。

 これまでのビーストと違い、明確な意思を持ったビースト。それだけではない、計り知れないものを感じた。

 大紀は傷の手当をしながら、ティンダロスとの戦いを思い返していた。

 

 「赤い姿の光線で右腕を破壊するのが限界だった。どうやって倒す。」

 

 ダークガルベロスと違い、肉体の強度も段違いに上昇していたティンダロス。さらには、それ以外にあるだろうその力を、戦いの中で大紀は察していた。

 

 「ヒロ、入るわよ。」

 

 大紀の部屋の扉をノックする音に続き、鈴音の声が響いた。

 

 「ああ、待って!、、、おし、良いよ。」

 

 大紀は急いで上着を着る。

 大紀の答えを聞き、鈴音が扉を開けて中へ入ってきた。

 

 「大丈夫?襲われたんでしょ。」

 「ああ、まあ。ヘルハウンドの方は大したことないよ。」

 「他は?本当に大丈夫?」

 

 鈴音の心配そうな表情に大紀は正直に話す。

 

 「背中に何箇所か。多分、ティンダロスにやられた傷。」

 「ちょっと見せて。」

 

 鈴音に言われ、体の傷を見せる大紀。

 

 「結構、多いわね。処置が甘い場所があるから、応急グッズ貸して。」

 「分かった。頼む。」

 

 鈴音は応急グッズを受け取り、大紀の傷を手当していく。

 

 「あのビースト、ティンダロスってやつだけど。大丈夫?」

 「今までのやつと全く違った。正直、驚いた。あんなにも自分の意志が明確なビーストは居なかったから。」

 

 手当をする中で、鈴音は大紀にティンダロスのことについて聞く。

 大紀は正直にティンダロスと戦った時のことを話し始めた。

 

 「明確に敵意を剥き出しにして、襲ってくる奴らばかりだったけど、ティンダロスは違った。敵意は同じだけど、その敵意の質が全く違った。まるで、人間を相手に戦っているようだった。」

 

 人間に近い意思を持ったティンダロスの異質さを大紀は先程の戦いで鋭敏に感じ取っていた。

 

 「赤い姿の光線、前にプリガノティタスに使った光線でも右腕だけを吹っ飛ばすので精一杯だった。」

 「不安、なの。」

 「初めての相手だから、余計に。」

 「初めての相手は、初めてじゃないでしょ。」

 

 手当を終えた鈴音は応急グッズをしまい始める。

 

 「ヒロ一人で戦っていない。私達もいるんだから。」

 

 そう言って鈴音は部屋の扉を開ける。

 

 「不安な顔をしたら、皆心配するからやめなさいよ。」

 「大丈夫だよ。手当、ありがとう。」

 「じゃあ、ゆっくり休んで。」

 

 やり取りを終えて自分の部屋へ戻る鈴音。

 大紀は少しでも戦えるようにベッドの上で横になり、瞼を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 異空間にいるティンダロス。ネクサスのオーバーフレアシュートを受けた右腕は再生を果たしていた。

 

 「やっと治ったか。これで全てを破壊することができる。」

 

 そう言ってティンダロスは異空間内で眠りについていたビーストの方へ向く。

 

 「さあ、起きろ。遂に、あの星を喰らい尽くすことができるのだ。」

 

 ティンダロスの呼びかけにそのビーストは体を起こす。青みがかった灰色の体色に、赤く染まった瞳。その体型は恐竜を思わせながら強靭な後ろ足で立っていた。レプタイルタイプビースト、リザリアス。強力な上級ビーストである。

 

 「行くぞ。まずは手始めに、忌まわしき光を宿した者たちのいる場所へ。」

 

 そう言ってティンダロスは時空の裂け目を開く。裂け目の向こう側へとティンダロスとリザリアスは躍り出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フォートレスフリーダム内にサイレンが鳴り響く。

 自室で眠っていた大紀もサイレンを聞き、急いでブリーフィングルームへ向かう。

 同じく、それぞれの自室で休んでいた鈴音と弾も大紀と同じ通路を走る。

 

 「一体、なにがあったんだよ!!」

 「とにかく、ブリーフィングルームに行かないと。」

 

 弾の言葉に、まずはブリーフィングルームに行くように言う大紀。

 3人がブリーフィングルームへ入ると、そのスクリーンには、ティンダロスとリザリアスの姿が写っていた。

 

 「まさか、こんなに早くに来るなんて。」

 「どうせ、やり合うんだ。早い方が断然良い。」

 

 目標となるビーストの出現に驚く鈴音と色めき立つ弾。

 吉良沢と数馬はタブレットを使い、ティンダロスとリザリアスの出現場所を確認していた。

 

 「隊長、ティンダロスともう一体のビーストはフォートレスフリーダム付近の森林に出現。このまま、ここに向かって進んでいます。」

 「ここに到達するまでの時間は。」

 「今の速度なら、15分後にはここに到達してしまいます。」

 

 数馬がティンダロスとリザリアスの正確な場所を割り出した。

 孤門が数馬に2体がフォートレスフリーダムに到達する時間を聞くと数馬からはかなり厳しい時間が出た。

 

 「門倉管理官からは既に避難指示が出ています。基地内の人員、特に戦闘に関わらない人員は避難を始めていますが、どこまでできるか。」

 

 吉良沢から基地内の人員の避難が始まっていることを吉良沢が言うが、到達すると予想される時間から考えてもかなり難しいのは分かった。

 

 「よし、菊池隊員とイラストレーターはここでビーストの分析を続けてください。その間に基地内の避難を進めるのもお願いします。剣崎隊員は基地内で避難の誘導をするように。万が一は、対処もお願いします。他のメンバーは僕と一緒にクロムチェスターでティンダロスとリザリアスへ攻撃を開始します。とにかく、基地への到達は阻止します。」

 

 孤門の指示を聞き、それぞれが動き始める。

 大紀は基地内の避難を進める。その中で、誰もいないことを確認するとエボルトラスターを取り出す。

 大紀はエボルトラスターを鞘から引き抜き、掲げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フォートレスフリーダムからαからγまでのクロムチェスター3機が出撃、そのままティンダロスとリザリアスのいる場所へ向かい戦闘を開始していた。そこへ、大紀が変身したネクサスが駆けつけた。

 

 ディヤ!!

 

 ネクサスはティンダロスとリザリアスに向かい合い、ファイティングポーズを取る。

 

 「来たか。さあ、闇の力を受けて死ぬが良い!!」

 

 ティンダロスはネクサスが来たことでより殺気をにじませる。

 全身から紫色の光を放ち、空へと放射する。

 空へ打ち上げられた光線は周囲を包み込むドームを形成する。

 そのドームは発生者のティンダロスとリザリアス、ネクサスとクロムチェスターを飲み込んだ。

 ダークフィールドG、暗黒巨人が生み出すスペースビーストと暗黒巨人を強化する暗黒異空間ダークフィールドの強化版である。それを、ティンダロスは自らの力で発生させたのだった。

 ティンダロスは引き連れていたレプタイルタイプビースト、リザリアスはダークフィールドGにより強化される。

 ダークフィールドGのエネルギーを受けてリザリアスは、リザリアスグローラーに進化した。

 2体のビーストを相手にネクサスはファイティングポーズを構える。

 ダークフィールドGの上空で、クロムチェスター3機が飛行する。

 

 「隊長。ここは!?」

 「闇の巨人が生み出すダークフィールドだ。ここでは、ビーストと闇の巨人が強化される。」

 「ウルトラマンへの援護は必須、ってことですね。」

 

 クロムチェスターγ機を操縦する弾がα機を操縦する孤門に聞く。弾の質問に孤門が答え、それを同様にγ機内で通信で聞いていた鈴音がネクサスへの援護が必要であることを理解する。

 

 「隊長、私達はリザリアスの方へ攻撃を集中しましょう。少しでも不利な状況を変えないと。」

 「これから僕たちは目標をリザリアスに変更。リザリアスを撃破後にウルトラマンの援護を行う。」

 「「「「了解!」」」」

 

 クロムチェスター4機はリザリアスグローラーへと高速で向かう。

 ネクサスはティンダロスと向かい合い、互いに相手の動きを伺う。

 ネクサスとティンダロスは同時に動き出した。両者は共に相手に向かって走り出したのだった。

 ティンダロスはその両腕の爪を大きく広げ、ネクサスに振りかざす。対するネクサスはティンダロスの爪を掻い潜り、前転でティンダロスの背後に回った。

 ネクサスはそのままジュネッススピードへタイプチェンジ、そのスピードを活かしてティンダロスを翻弄する。

 

 リザリアスグローラーは胸部にできた口と元々あった口から次々と火球を放つ。

 4機のクロムチェスターはリザリアスグローラーからの火球を躱していく。

 

 「このまま3方向からビーストを攻撃。ウルトラマンの方へ向かわせないようにするわよ。」

 

 β機を操縦する凪が他のクロムチェスターへ通信する。凪を指示を聞き、クロムチェスター3機は右左上からリザリアスグローラーを補足、3方向からの集中攻撃を浴びせる。

 クロムチェスターの攻撃を煩わしいと感じているのか、リザリアスグローラーは四方八方に火球を放ち続ける。

 ジュネッススピードに変わったネクサスとティンダロスは目で追うのもやっとの高速戦闘を繰り広げていた。

 ジュネッススピードは眼にも止まらぬスピードで次々とパーティカルフェザーを放つ。

 ティンダロスは闇に包まれて、瞬間移動をして攻撃を回避する。攻撃を回避したティンダロスはネクサスの前に瞬間移動してその両腕の鉤爪を振るう。

 繰り出される鍵爪を躱し、ネクサスはダークフィールドの赤黒い空へと飛ぶ。

 ネクサスは空中からスラッシュレイ・シュトロームを放ち続ける。

 四方八方から襲い来る必殺の光刃、それをティンダロスは躱しながら空中にいるネクサスに鉤爪状の光線を放つ。

 放たれた光線は空中でぶつかり合う。放たれた光線の中にはネクサスとティンダロスに向かっていくものもあった。

 ネクサスは自身を狙うティンダロスの光線を空中で躱す。さらに、自身に直撃する光線についてはバリアーを作って防御する。

 ティンダロスは空中から自身に向かってくるスラッシュレイ・シュトロームに対して、瞬間移動を駆使して回避する。

 ネクサスとティンダロスの戦いはかつてのネクサスと闇の巨人の戦いを思い起こさせるものだった。

 

 

 リザリアスグローラーは自身を絶え間なく攻撃するクロムチェスターに苛立ちを覚えていた。火球が当たれば容易く消し飛ぶ羽虫のような存在が、一向に撃ち落とされることなく自身を攻撃し続ける状況にリザリアスグローラーは怒りを燃やしていた。

 対するクロムチェスターを操縦するナイトレイダー、リザリアスグローラーの火球を掻い潜り攻撃を当ては距離を取るというヒットアンドアウェイ戦法で攻撃を繰り返す。

 かつて、出現したリザリアスグローラーと戦った孤門と凪。二人はその当時の戦闘を覚えており、それを他のメンバーにも話していた。

 

 「なるほど、こんなエグい火球を吐きまくって攻撃するわけか!!」

 

 γ機を操る弾は果敢にリザリアスグローラーを攻撃する。

 

 「だからって吐きすぎじゃない!躱すのも限界だっての!!」

 

 γ機の後部座席に乗る鈴音は愚痴をこぼしながらもリザリアスグローラーを目標にしている。

 

 「隊長、弾隊員、鈴音隊員。今から私の言う作戦を実行して。隊長はやつの注意を引き続けて。無防備になった胸の口に弾隊員と鈴音隊員はミサイルを当てるようにして。流石に口内のミサイル攻撃にはやつも弱いはず。援護は私に任せて。」

 

 現状、攻撃して有利にはなっているものの硬直状態である。そこで凪は現状を打破するための作戦を伝えた。それは火球の嵐を掻い潜り、敵の攻撃を眼前にミサイルを当てるという非常に危険な作戦である。だが、それをためらうナイトレイダーの面々ではない。

 

 「了解。弾隊員と鈴音隊員は僕が注意を引き付けた後に、γ機のミサイルを発射するんだ。」

 「「了解!」」

 

 孤門が操るα機が高速でリザリアスグローラーに向かっていく。

 孤門のα機が来るのを察知したリザリアスグローラーは今度こそ撃ち落とすべく火球を絶え間なく吐き出す。

 リザリアスグローラーの攻撃をβ機に乗る凪はα機に向かってくる火球を次々と撃ち落とす。

 α機のあとに続くγ機もα機を援護する。

 迫りくるクロムチェスターにリザリアスグローラーは次々と火球を放つ。

 α機は火球を掻い潜り、リザリアスグローラーの眼前を横切る。

 リザリアスグローラーはα機を追って火球を放とうと口を大きく開けた。その瞬間を狙って、γ機は搭載されているミサイルを発射、複数のミサイルはリザリアスグローラーの口内に着弾した。着弾したミサイルは次々に爆破、リザリアスグローラーの口は吹き飛んでいた。

 光線の応酬から地上戦での戦いに移っていたネクサスとティンダロス。ネクサスは両腕にエネルギーを集めて、巨大な光刃を作り出した。ジュネッススピードが持つ最強技オーバースラッシュレイ・シュトロームがティンダロスに向かって放たれた。

 ティンダロスは自身に向かって放たれたオーバースラッシュレイ・シュトロームに対して、偶然近くまで来ていたリザリアスグローラーを盾にした。

 ティンダロスによって盾にされたリザリアスグローラーはネクサスのオーバースラッシュレイ・シュトロームを受けて完全に消滅した。

 ネクサスは肩を大きく上下させており、エナジーコアが赤く点滅していた。ダークフィールドでの戦闘、光線技を多用したことなどから大きく消耗していた。

 そのネクサスの隙をティンダロスは狙っていた、ネクサスが大きく消耗するこの瞬間を。

 「これで終わりだ!」

 

 ティンダロスは両腕にエネルギーを集中、両腕を十字に組んだ。

 

 「これでも喰らえ!ノア!!」

 

 ティンダロスの両腕からは禍々しい赤色の光線、ダークレイ・シュトロームを放った。

 かつての暗黒巨人、ダークメフィストの技。その脅威はネクサス=ノアの記憶に残っていた。

 ネクサスは咄嗟に両腕を合わせてバリアーを張り、防御する。だが、バリアーは一瞬の内に砕け散ってしまった。

 バリアーを破ったダークレイ・シュトロームはネクサスに直撃する。

 

 ディアアアアアアア!

 

 ダークフィールドの影響下、更には防御力の低いジュネッススピードだったこともあり、ネクサスは大きなダメージを受けてしまった。

 

 ディッ、ディヤ....

 

 その弱々しい声と合わせてか胸のエナジーコアの輝きも失われた。エナジーコアの輝きと共にネクサスの瞳からも光が失われた。




 リザリアス
 レプタイルタイプビースト。巨大なトカゲのようなビーストで、過去に現れた個体と能力は酷似していた。ティンダロスが作ったダークフィールドGによりリザリアスグローラーに強化されるも、ナイトレイダーにより口内をミサイルで破壊される。弱ったところをティンダロスによりネクサスジュネッススピードのオーバースラッシュレイ・シュトロームの盾にされて消滅した。
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