BIO HAZARD -Queen Leech-   作:ちゅーに菌

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幕間なので短めです。


管理者と研究助手の日記

 

 

 

 

 

4月25日

 今日は僕の30歳の誕生日だ。そんな日に赴任初日をあてるなんて、大学の研究室とは違って厳しいね。

 

 

 

 

 

5月14日

 ようやく処理システムが完成だ。特別なガスを使い、実験体の細胞を分解する。しばらくテストをしてからの実用化だけど、まだ不安定だからね。

 

 

 

 

 

5月20日

 処理室のチェック中、いきなりドアが開かなくなった。ものスゴイ臭いの中で一時間も閉じ込められた。カードキーを持っていても故障しちゃあ意味がない。まいったよ。

 

 

 

 

 

6月7日

 最近の処理量は普通じゃない。機械の調子もよくないのにさ。研究所側は全く聞き入れない。くそっ! あのフランケンシュタイン博士め!

 

 

 

 

 

7月16日

 処理がパンクしている。送られて来る処理用の薬液の品質もひどい。

 

 

 

 

 

7月29日

 機能は低下しても処理は大量にある。汚染度は上がり、ウィルス抗体も新種には対応しきれない。作業員には感染者も出始めた。ぼくは拳銃を片手に作業している。最後の一発は自殺用だ。泣きたい。このまま死にたくない。死の苦痛を想像すると嫌になる……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8月15日

 昨日来たお偉いさんの博士が置いてった新しいナントカ活性剤が無茶苦茶すげぇ。一滴垂らせば酷い品質の処理用の薬液も最初の頃に来てた奴かそれ以上の処理能力に早変わりだ。これなら多少はマシになるかも知れない。

 しかし、あの女性の博士は自分の事を少なくとも研究所側の博士たちよりも上って言ってたし、いったいどんぐらいお偉いさんだったんだろう? 案外、アンブレラ幹部がお忍びで視察に来てたのかもしれない。機材の改良もしてくれて、処理能力も幾らかマシになったし、ホントに頭のいい人ってのはなんでもできるんだなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1998年8月17日

 

 ラクーンシティに来て、下水道を使ってアンブレラの内情を少し調査していたが、これだけは言わせて欲しい。

 

 管理の杜撰(ずさん)が過ぎるのだよクソアンブレラ共め!

 

 特に所長ウィリアム。お前には散々、管理と徹底した廃棄処理の重要性を口が酸っぱくなるまで説いたつもりだったが、なんだこの体たらくは……。その上、ここはラクーンシティの生活用水に直結するのだからアークレイ山中とは訳が違う。何百倍も処理と二次感染の防止に力を入れねばならない筈だ。

 

 私が各地の処理場にアンブレラの関係者と偽り、処理用の薬液の細胞分解能力を劇的に引き上げる薬品を無償で渡さなければ、年内には極めて高確率で大規模なバイオハザードを引き起こしていただろうな。まあ、ここまでしてやったので、仮に研究所内でT-ウィルスの培養液を直接ばら蒔くような真似でもしなければ問題は無かろう。流石に奴らもそこまで馬鹿ではない。

 

 なんだこれ。なんで私は地下研究所を襲撃するためにアンブレラに手を貸しているんだ……なんだこれ。そもそも管理というものはだな――(ここからは管理の理念と見るに耐えないアンブレラへの罵詈雑言が書き連ねられている)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1998年8月24日

 

 マーカス博士の粘菌ベースのB.O.W.――ニュクス-λの実検体1号になり、身体と精神の異常を自分で認識し、どこまで思考力の保持や、精神の変容が起きるか経過観察するそうなので日記に纏めることにした。

 

 

 

 

 

1998年8月25日

 

 長い夢を見た。私が生まれてからウィルス学や細菌学に興味を持ち、U.S.S.としてウィルス漏洩事故や実験体の逃亡に投入されつつ生存者等で実験をして過ごし、今こうしてマーカス博士の助手をしているまでの経緯を所々穴の空いた映画フィルムで眺めるような奇妙な夢だった。

 

 しかもその間、暗く狭く窓のない部屋で、私はパイプ椅子に座って何かを膝に乗せながら見ていたような気がする。しかし、膝に乗せていた何かが何なのかはどれだけ思い返してもそこだけ穴が空いたようにわからない。

 

 いや、穴が空いたというより最初から形がないような、形が定まっていない何かのような、そんな何かのような気がする。

 

 

 

 

 

1998年8月26日

 

 朝起きて1番に感じた感覚は"誰かに見られている"というものだった。

 

 当然、辺りを見回しても人影はどこにもいない。けれど視界の外で誰かに見られ、意識をそちらに向けると別の場所に移動してまた見てくるような気味な感覚だ。統合失調症の陽性症状の幻視まで後、少しといったところだろうか?

 

 ああ……なんて素晴らしいのだろう。

 

 

 

 

 

1998年8月27日

 

 下らない夢を見た。妙に粘り気のある血肉と大小が可笑しいために人間のそれではない臓物が沢山詰まっている大瓶(おおがめ)を素手で掻き回し続ける夢だ。その上、大瓶一杯に詰まったそれはまだ生きているらしく、腕を撫でるようにまとわりついてくる。なんでそんなことをしていたのかはわからない。

 

 そして、起きると頭の中に直接、ぐちゃぐちゃと血の滴る生肉を雑に潰すような不明瞭な声が聞こえ、視界の端に何かの影が映り消えていくような奇妙な感覚を覚え、色覚にも変化があったのか景色が常 にやや赤身を帯びて見える。

 

 マーカス博士の研究助手もしていたいから、出来れば色覚異常は止めて欲しい。モニター画面の文字が見にくくて仕方がないから。

 

 

      ごめ

 

 

 

 

 

1998年8月28日

 

 ラムダが言うことを聞いてくれて、今日の視界はクリア。それどころか視力を上げてもくれたからとてもよくモノが見える。

 

 今日の夢は、赤黒い子供のモヤのような形の何かを膝に抱いて、私の過去をままホームビデオのように一緒に観ているものだった。そして、起きればそれが常に視界いて、5歳程のまま子供の知能レベルで私に話し掛け来ている状態だ。

 

 最高に良い傾向、体内と脳にB.O.W.を飼う実験なんて愉しくて仕方がない。とりあえず"ラムダ(λ)"と名付けた。今、ラムダは自身がどのような存在なのかを学習しようとしている。また、ラムダにとって まま私は"母親"らしい。

 

 家族とか、母親とか、そんなのはどうでも良いけれど、B.O.W.を教育出来ままるなんて、こんな愉しそうな機会はまたとない。本当にマーカス博士には感謝している。

 

 

 

 

 

1998年8月29日

 

 凄い、夢にいるラムダも、現実に見えるラムダも、姿形が幼少期の私そっくりな姿になった。同じ髪、同じ瞳、同じ人種、ニュクス-λというB.O.W.は精神影響下ではどんな姿形にさえなれる……だけでなく私の胎内のラムダも同じ形になろうとしているらしい。

 

 ぞんび

 

 ラムダは母親という役割の背を見て、子の役割を全うしようとしている。誰が言ったか、子を愛さない親はいるが、親を愛さなかった子はいないと。それは本能による求愛行為だ。

 

 私もそうだったのだろうか? いや、そうだったのだろう。そう言えば夢で見たホームヒデオで私は、親に解剖したカラスを見せて機嫌を取ろうとしていた。忘れてたどうでもいい記憶まで遡れるラムダは、本当に良くできたB.O.W.だ。

 

 あんぶれら

 

 ああ、昔に犬を飼ったことはあったけれど、それと同じようにラムダが愛らしい。いや、それ以上だろう。なぜならラムダが死んでしまえばきっと悲しいし、犬のように興味本位で解剖することもたぶんないから。

 

 それにしてもラムダは流石、ジェームズ・マーカスをほぼ完全に模したマーカス博士が造っただけはある。人格や記憶、脳という未だ未開の分野において、あれ以上の天才はいないだろう。言語制御の可能なキメラ-β、センチュリオン、ジャバウォックを生み出すだけでもアンブレラ最高技術に匹敵するが、博士はプロトタイプ・ネメシスの改良、リサちゃん、プロトタイラントの改良、サスペンデッドをも製造している。あれらを博士は研究開発による当然の結果のように日記で纏めているが、日記に省かれている博士の技術による介入が無ければ、ああまではならないだろう。つまり博士は所謂、努力によらない本物の天才なのだ。

 

 たいらんと

 

 まあ、女王ヒルというジャクリーン・マーカス博士そのものが、ジェームズ・マーカス博士開発のオーパーツ染みたB.O.W.だから今更ね。

 

 まま

 

 

 

 

 

1998年8月30日

 

 ラムダが私と同じ性別になった。

 

 どうやらお洒落とか、料理とか、そう言う女の子っぽいものを一緒に楽しみたいらしい。正直、私からは縁遠い分野だからマーカス博士にお願いしたお母さんがいいいと思ったのだけれどラムダはお気に召さないようね。

 

 あそぼ記録だけは着けてからでないとダメ。これも実験の一環よ。ごめんなさいうんうん、良い子ね。でもちゃんと実験中は身体を使わないって言う私との約束守れて偉いわ。

 

 わたしもお母さんたちみたいになりたいそれはひょっとして、私やマーカス博士みたいな研究者と言うことかしら? まあ……それってなんて素敵なのかしら。B.O.W.が私と同じ夢を持つだなんて……。なれる?ウフフ、なれるじゃないわ。ならそれを目指さないとね。私……いや、お母さんいっぱい応援するわ。

 

 ありがとう

 

 

 

 

 

1998年8月31日

 

 ああ、私のかわいいラムダ! そうこれがそうなのね……ジェームズ・マーカス博士が、ヒル達に抱いていた愛そのもの! 下らない生き方をしている生物には、この充実感は理解できないでしょうねラムダ。

 

 そうなの?

 

 当然よ。あなたと繋がる充足感を超えるものなんてマーカス博士との研究ぐらいだわ。

 

 お父さんおこるよ?

 

 それだけが問題なのよね……。ああ見えて、あのヒトったら私の知るアンブレラの研究者の中で一番二次感染対策にうるさいし。まあ、ヒルって医療行為で使われる歴史もあるし、本能的に綺麗好きなのかしら?

 

 びーおーだぶりゅーなのにねー

 

 ホント、笑っちゃうわ。私が一番尊敬する博士であり、最も人間から外れた怪物が、アンブレラの誰よりも倫理的だなんてね。

 

 なでて

 

 いいわよ。どう? そろそろ出たくなった?

 

 やだ

 

 そう、お母さんの中がそんなに良いだなんて、本当に愛らしいわ……ああ、私のラムダ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1998年9月1日

 

 お母さん、お父さん、だいすき

 

            ラムダ・ヤマタ

 

 

 

 

 

 

 

 







~QAコーナー~

Q:おいゴラァ! 免許持ってんのか!?(意訳:投稿間隔が遅過ぎる)

A:
建前

 投稿していない間も定期的に感想を貰い、想像以上に皆様のご期待されていることに申し訳なくなり、この度投稿再開するに至りました。お恥ずかしながら再び投稿を続けてみようと思うので、お楽しみ頂ければ幸いです。ご感想も準じ全て返していきます。

本音

 正直、この作品、作者の書いてる作品の中で一番1話を書くのに時間を掛け、登場人物は作者の頭の出来を超えないことを全力でフォローして頭の良さそうなキャラを書く兼ね合いで、かなり思考を割くため非常に疲れるんじゃが、それにしてはお気に入り数と評価数が作者の他作品に比べると大して伸びないから気力とモチベーションが持たないねんな……(恐るべき自己顕示欲とエゴの化身)


Q:この小説ってゴールはどの辺り?

A:
 ヘブンリーアイランド編ぐらいまでは書きたい(無謀過ぎる宣言)。バイオの漫画は無茶苦茶バイオ4~6ぐらいの雰囲気出てて出来が良くて好き。


Q:次話ちゃんと書いてる最中なんだろうな?

A:
 だってRE3のハンターγ可愛いんだもん……
※別に3REの設定なんか使わねー(意訳)と読者に感想で過去に言いつつ、バリバリ3REの設定を使用するクソ作者


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