やっぱり書いててこれが一番楽しいのは初めてだな…!
あの後、枯れたりせずに普通に声出てんの、マジですげぇわ。
主人公は走り続ける。そして…
ぎりぎり間にあった。馬車から黒い煙が吹き出していて、赤い火の粉もちらほら舞っている。
…それ以外の紅黒いものもかなり…地面を覆っていた。
主人公は思わず目を反らす。そうだよね。襲われるって事はそういう事だよね。
だが、
ここで
やはりコイツも相当な
「助けに来た!!俺が来たからにはもう安全だ!!」
そう叫ぶと馬車に群がっている男達は品なく笑う。
「1人来てどうすんだよ!!」
「帰ってママのおっぱいでも飲んでろ!!」
うわぁ。テンプレの悪役のセリフですね。
「いいのかよ?そんな事言って!!このヒーロー様によお!!!」
自称ですよ。自称。
「うるせぇっ!!!風よ!!!吹き荒れろ!!!」
いよいよ主人公の異能が顕現する!!!
え?そんな胸ないだろって?殺すわよっ…!
…違うの!!まだ成長中なの!!
ここ5年で2ミリ大きくなったのよ!!
成長中でしょ!!
え?そんなモン誤差ですって…!?
とうとう、私を本気にしてしまったみたいね…!
タダデカエレルトハオモワナイホウガイイワヨ…
…でもまさかそれが本当になるなんて。
私は山賊に襲われてぼうっとしながらそう思った。
どうやら私達の商会の商売敵が私達を闇に葬るために雇ったモノらしい。
…私達の商会が繁盛してしまって、自分達のトコが売れなくなったからだそう。くだらない。
…まだ実感が湧かないわ。ついさっきまで喋っていた人達が物言わぬ骸になっていく姿に。私って冷たい人なのかしら?
そんなぎりぎりの状況にはヒーローが駆けつけて来て。優雅に救ってくれる。そんな話をいくつも読んだ。
憧れたわ。でもそんな事ないって思ってた。現実はいつも非情な所しか私達には教えてくれないの。今、まさに非情な現実を私達につきつけている。
そんな時。
「助けに来た!!俺が来たからにはもう安全だ!!!」
そんな声が聞こえた。
え!嘘でしょ!?ヒーローが
「うるせぇ!!風よ吹き荒れろ!!!」
私は心から安堵した。ヒーローが助けに来てくれた。
炎でもない。雷でもない。光でもない。
やはりヒーローといったら風である!!!
「風よ!!吹き荒れろ!!!」
主人公の異能が顕現する…!!!!!
…………ドピュッという生理的嫌悪感を煽る音と共に。
恐ろしく冷たい間が流れた。
風が一筋吹き、木の葉が舞う。
…なるほど。こうやって風を吹かせたのか…!
俺たちには全くできない方法だぜ!!!
そこにシビレもしないし憧れもしないが。
「ちげぇよ!俺は手から風を出したかったの!!」
…ドピュッと?
「だからちげぇよ!!」
コイツが風の代わりに出したそれは。
…白く濁ってネバネバした液体だった。
うわッ。エグッ。見た目エグッ。なんか凄いエグいんたけど…!
こんなコントをしてると、山賊が超ボケッとしていた。その間に護衛の皆さんが優秀だったせいか、全員殺されていた。
コイツがやった事って。
1:1人で多くの人に見られながら、勝手に興奮の最高潮に達した。
2:白く濁ってネバネバした液体を大量にドピュドピュ出した。
3:ふっと我に帰った。
くらいの事しかやってねぇな。こう書くとやべぇヤツだな。まぁ実際やべぇヤツではあるんだが。
「貴方が私の
そんな声が聞こえた。違いますよー。ヒーローは護衛の方達です。頑張ってくれたのは全て護衛の方達です。
「おう!!俺が助けに来たからな!!!」
勝手に人の功績を取らないであげて。かわいそうですよ!
「だが、護衛の人達の功績も大きかったな!!」
十割護衛の方達の功績ですよ。さっき貴方のやった事は1、2、3だけでしょう!!
「貴方の名前は…?」
「俺の名前は下野根隆良。最強のヒーローになる漢だ!!!」
この物語は
ね。凄く普通な異能だったでしょ?普通過ぎて困ったくらい。