超次元世界で今日もヒロインに愛される 作:勝機を零した、掴み取れん
意外と少ないTSアフロディ流行れ流行れ……。
じゃあ俺一話だけ書いて失踪するからあとは後任兄貴達に任せたゾ
「こいつ、女子のくせに僕とか言ってるぞ!」
「しかもサッカーボールも持ってるし俺たちとサッカーやりたいじゃないの?」
「女子じゃ相手にならないだろ! しかも僕とか気持ちわりぃ!」
「うう……」
夕飯まで暇だからと公園に来てのだが、目の前で男子の集団が1人の女子をいじめているのを見てしまった。
両手でサッカーボールを持ったブロンドの長い髪をした女の子が今にも泣きそうな表情を浮かべていた。それでも男子達は彼女をいじめることをやめない。
俺は集団の方へと歩いていく。女の子がひどい目に遭うのは流石に許せないからな。
「……ん? 誰だお前?」
集団の1人が近づいてきた俺に話しかけてくる。
「……女の子をいじめて恥ずかしくないのか?」
見るからに小学生……俺と同級生くらいだろうか。その子は俺の言葉を聞くなりすぐに激怒した。
「……! うっせ! 大体女子のくせに自分の事を僕とか言うのが悪いんだろ!」
「自分の呼び方なんてなんでもいいだろ。どう考えたってその事を馬鹿にする奴の方が悪い。この子に謝れ」
彼女への謝罪を要求するがそれは火に油を注ぐ行為だったようだ。彼の拳が自分の顔の方に向かってくるがそれを避ける。流石、鍛えてた成果があるみたいだ。
避けるたびに彼は怒りを増して殴ろうとしてくる。他の男子が止めようとするがそれをも振り切る。
「……ごめん。これ借りるね」
これ以上は面倒なので彼には申し訳ないが、俺は女の子が持っていたボールを借り、軽く蹴った……はずなのだが高速に近いスピードを放ったボールは男の子の顔面にヒットし、二メートルほど吹き飛ばした。
「……ヤバい。やってしまった」
「お、覚えてろ〜!」
吹き飛んだ少年は気絶してしまい、他の男子達は彼を背負って公園から出ていってしまった。
多分死にはしないだろうし、女の子は助かったからまあ、良しとしよう。後で慰謝料請求とか来ないのを祈るしかない。
「大丈夫? けがはない?」
ボールを拾い、付いた砂を手で払ったあと彼女に返す。
「あ、ありがとう」
「……サッカー、好きなんだ?」
「う、うん……でも僕、女の子だし、僕のこと僕って呼ぶから……友達、いなくて」
あぁ〜ボクっ娘可愛い。これの可愛さを知らないさっきの男子たちは勿体ないぞ。
「……可愛い」
「か、可愛い……!」
まずい、声に出てしまった。
「ご、ごめん。つい声に……」
「……男の子に可愛いって言われたの初めて……僕って可愛いの?」
……あれ? もしかしてこれって嬉しがってる? 顔も赤くなってるし……可愛いって言われた事ないの? こんな可愛い要素しかないのに?
「……うん。可愛いよ」
「……! ありがとう! 君は優しいね!」
サラッサラな長髪を靡かせながら見せる彼女の笑顔はまさに女神みたいな感じだった。……溶けそう。
「あぁ……。それより、サッカーやりたいなら俺と一緒にやってくれない? 俺もサッカーやりたいんだ」
「ほんとに! ほんとにサッカーしてくれるの!?」
「うん。別にそういうのに男も女も関係ないしね」
「やった……! やっと僕にもお友達できた……!」
女の子はとても嬉しそうな表情を見せる。その度に尊さが増してくる。
「……俺は、葉月優。君は?」
「僕は亜風炉照美! よろしくね! 優くん!」
この日が、俺と彼女の出会いの日だった。
彼女はとても喜んでいた。初めて出来た友達。
初めて誰かとできたサッカー。その喜びはとても表現するには大きすぎた感情だっただろう。
彼女は学校が終わったら毎日公園に来ては俺と一緒に遊んだ。サッカー以外にも学校の話をしたり、図書館で勉強したりもした。
彼女と会わない日はほとんど無かった。
実際、自分も嬉しかった。全くわからないこの世界。明らかに他の同年代の子達よりも考えていることが違う自分に歩み寄るような友人は多くなかった。
つまり自分も彼女が初めての友達だった。
嬉しかった。金色の髪がとても似合い、可愛い女の子。
「優! 僕ね、優と友達になれて本当に良かった! 優しくて、かっこいい君がいてくれて! 僕にとって大切な人。将来は優と結婚したい!」
そんな事も言われたりした。けど、彼女からすればそれは時間が経てば消したくなるような過去だと、自分は思っていた。
彼女はとても綺麗だ。確実に、色んな男の子から好意を持たれる。次第に俺の事などどうでも良くなるくらいに。
「うん。俺も照美と結婚したいな」
でも、その時の俺は嬉しくてこう答えてしまった。
「やった! 僕達両想いだね! 大人に絶対になったら絶対に結婚しようね! 約束だよ!」
約束までしてしまった。
「……すき。優の事が大好き……すきすき」
1年経った今も彼女は変わらなかった。何度も何度も俺に好意をよせ続けた。
「大好き。早く結婚したい」
彼女は一向に昔の約束を忘れない。それどころか日が増す毎に愛情表現が強くなってきている。
同じ中学校に入学してから、彼女は色んな意味で成長した。
昔のようにすぐ泣くような子でもなく、凛とした表情を常に見せるようになった。
そしてその年齢には不釣り合いではないかと思わせる大きな胸、スラッとした身体は多くの生徒を魅了した。
「……どうして僕以外の女の子と話すの? 君は僕以外必要ないでしょ?」
彼女の俺に対する愛情も日を重ねる毎に大きくなっていく。
「僕には優以外必要ないんだ。僕の見た目目当てに近づいてくる人間なんて興味すらない。僕は君だけが好きなんだ。だから早く優の答えが聞きたい」
「僕は常に優の中で一番の女の子でいたい。だから、君が望むことならなんだってする。だから、だから……」
今日だってお互いの腕の間に手錠をはめられて離れることなんて出来ない状況で何度も何度も彼女の愛を囁かれる。
「……僕だけを見て、ね? 大好きだよ……」
そして今日も自分はどこで彼女への接し方を間違えてしまったのだろうかと考え、少し後悔していた。
続きくれみたいな感想あったら続きを書くかもしれません(失踪準備)