カイザー召喚記   作:ハロポン

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明日はクリスマスイブですね。
明日特に予定無いので明日も投稿します。

今回の話長いので前半と後半に分ければ良かったかもしれない


8話 エジェイ会戦

中央歴 1639年 9月8日

城塞都市エジェイ

 

城塞都市エジェイには、クワトイネ公国軍西部方面師団約3万人が駐屯しており、クワトイネの主力と言ってよかった。

 

内訳は、ワイバーン50騎、騎兵3000人、弓兵7千人、歩兵2万人という大部隊である。

 

将軍ノウは今回のロウリアの進攻をこの城塞都市エジェイで跳ね返せると思っていた。

 

高さ25メートルにも達する防壁はあらゆる敵の進攻を防ぎ、空からの攻撃に対しても、対空用に訓練された精鋭ワイバーンが50騎もいるのだから。

 

まさに鉄壁、まさに完璧、いかなる大軍をもってしても、この都市を陥落させることが出来るとは思えなかった。

 

この鉄壁の都市に向けてギムにいたロウリア軍はここを落とすために来た。

ドイツの奇襲攻撃により司令部が壊滅したロウリア軍はしばらく動くことが出来ず半年たった今日ついに動くことが出来たのだ。

 

「ノウ将軍、ドイツ帝国陸軍の方々が来ました。」

 

政府から協力するよう言われているため協力しているが、彼は正直自国にのり込んで来たドイツ軍が気に入らなかった。

 

ドイツは我が国の領空を犯し、力を見せ付けた後に接触してきた。信じてはいないが、ロウリアの4400隻の船の進行も、たった30隻強でくいとめたという。

 

しかし、陸戦は何といっても、数がものをいう。今回、ドイツが送り込んで来たのは、ドイツ帝国陸軍グデーリアン戦闘団とかいう、1万の兵力おまけに新設したばかりと。

 

奴らはエジェイの南側約8kmのところに基地を作って駐屯している。

いくら政府が許可を与えたからと言って、国土に他国の軍がいるのは良い気分ではない。

 

1万名という数も、信憑性はさて置き伝え聞いているドイツの人口7400万人という人口からすると、ずいぶんやる気の無い兵力だ。

 

いずれにせよ、自分たちならロウリアを退ける事が出来るので、彼らの出番は無い。

 

コンコン

ドアがノックされる。

 

「どうぞ」

 

将軍ノウが立ち上がり、彼らを迎える。

 

「失礼します」

 

 

一礼し、室内に入る人間が4名。その中に女が1人いる。

 

 

 

「ドイツ帝国陸軍グデーリアン戦闘団団長 ハインツ ヴィルヘルム グデーリアン大佐です。」

 

 

 

自分の着ている気品のある服とは違い真っ黒な服、胸に十字の紋章、そしてなにか勲章らしきものをぶら下げている。こやつが今回のドイツの遠征軍の将軍というのが、ノウには信じられなかった。

 

 

 

「これはこれは、良くおいで下さいました。私はクワトイネ公国西部方面師団将軍ノウといいます。このたびは、援軍ありがとうございます。感謝いたします」

 

 

 

まずは社交辞令から入る

 

 

 

「ドイツ帝国の戦闘団団長、ロウリア軍はギムを落とし、このエジェイを落とすために来ています。しかし、見てお解かりと思うが、エジェイは鉄壁の城塞都市、これを抜く事はいかに大軍をもってしても無理でしょう」

 

「という事はここで立てこもるつもりですか。なら我々が打って出てもよろしくて?」

 

「ほう、出来るならやってみたまえ。ロウリア軍の予想兵力は10万を超える。たかが1万の兵で勝てるものかね?」

 

「戦闘団というのはそれだけで小国一国に匹敵する軍隊であります。機甲師団を中心に多数の砲兵、騎兵、歩兵、輸送部隊と航空魔導師を構成したものです。」

 

この機甲師団に編成されているのは全てⅡ号戦車、ケッチェン軽戦車だ。

Ⅱ号戦車は軽くて早くて丈夫で生産コストが安い。だがその代わり武装が貧弱で装甲も柔らかいという欠点もあるが規格化統一による大量生産が可能となった今やドイツの主力戦車となり次の主力戦車となるⅢ号中戦車ドナシュラーク開発までの繋ぎとして使われていた。

 

これを知らないノウは戦車というものがなんなのか分からず数値だけを見ていた。

 

「10倍も戦力差があるのに勝てると思うならどうぞ。」

 

「ありがとうございます。これで戦闘団の試験が出来ます。」

 

会談を終えたグデーリアンは退席し戦闘の準備を整え始めた。

 

 

 

 

ドイツ グデーリアン戦闘団本陣

グデーリアンはもし相手がフランスコミューンだったら勝てないだろうなと考えていた。このⅡ号軽戦車は軽い、早い、丈夫、生産コストも安いと優秀だがフラコミの戦車相手には部が悪い。さらに対戦車砲でも簡単に破壊されてしまう欠点もある。まぁその対戦車砲を破壊するために魔導師を入れているわけだが。

 

「グデーリアン大佐!準備が整いました」

 

「そうか。」

 

敵に対戦車砲も無い。航空兵力は魔導師の敵ではない。

遠征軍派遣に時間がかかってなければもう首都を落としてもおかしくないくらいのロウリア。せいぜい彼らは我々の戦闘団の演習になってもらう。

 

「さぁやつらに近代戦を教えてやる時が来たぞ!授業料はやつらの命だ!」

 

 

 

 

ロウリア軍はエジェイを落とすために総兵力、20万人で来た。再編され、数がましたロウリア軍。大軍であるからこそ彼らは戦列歩兵できた。

 

戦列歩兵、確かに統制はとりやすかろう。だが纏まっているからこそ彼らは野砲の的となることを彼らはまだ知らない。

 

 

ジューンフィルアは20万という膨れ上がった軍隊の指揮官だ。

当初は2万人の予定だったがギムでの司令部壊滅、未知なる敵に対処するためにこれだけの人数が集められた。

人が空を飛ぶなんてとても信じられないがあの襲撃で生き残った者みんながそう言ってるのだから本当なのだろう。だがそれがどうした?そんなもの大量の弓矢とワイバーンで黙らせればいい。

 

 

突然、先頭が爆発した。火山でも噴火したのか?そう思ってしまうくらい連続で爆発した。

 

ジューンフィルアは効率的に殺処分される大量の部下を見て絶望していた。

 

今まで戦ってきた戦友、歴戦の猛者、優秀な将軍、家族ぐるみの付き合いのあった上級騎士、共に強くなるため汗を流した仲間たち。

 

すべてが・・・虚しくなるほど、泣きたくなるほど、あまりにもあっさり死ぬ。

 

死神は、彼だけを逃がしてはくれなかった。

 

押されたような衝撃とともに、自分の体がバラバラになって飛んでいく姿、それが彼の人生最後の記憶になった。

 

耕された大地、その強大な魔導が去り、土煙が去った後、辛うじて生き残っていたロウリア兵にさらに絶望が襲いかかる。

ドイツ軍の戦車が襲いかかる。生き残った勇敢な騎兵は戦車に突撃したが戦車に突きつけた槍は折れ戦車に踏み潰されたり機銃で掃討された。逃げる者も出たがその退路に向けて砲弾が飛んでくる。その砲弾を観測する魔導師によりさらに効率的に殺されるロウリア兵。

 

後方にいるロウリア兵にも前線と同様に平等な死が降り注いだ。航空魔導師の強襲攻撃。これに対し勇敢にも弓矢で攻撃した者もいたがそんなもので魔導師を殺せるはずもなく一方的に倒される。

 

その後完全に指揮が崩壊したロウリアは撤退を開始しその敗残兵にも容赦なく砲弾をぶち込んだ。

 

「砲兵が戦場の神とはよく言ったものだ。なら戦車は神の尖兵かな。」

 

実験は成功。グデーリアンは満足した。敵軍主力と思われる20万を撃退。包囲殲滅するべきだが兵力が足りないため8万人くらいは逃げられただろうが彼らが再び戦線復帰するとは思えない。仮にしたところで我々の敵ではない。

 

 

 

ドイツ参謀本部

 

「これ以上ロウリア相手に時間かけるのは良くないだろう。色々実験は出来ただろうルーデルドルフ」

 

マンシュタイン元帥はこれ以上戦争を続けるのはあまり宜しくないと考えている。

これにルーデルドルフも賛成しそばにいるゼートゥーアも同意見だ。

 

「ならこれでトドメを刺すぞ!航空魔導師による首都襲撃作戦。ゼートゥーア大将、作戦の説明を」

 

「は!本作戦は航空魔導師の機動力を利用した後方襲撃 ですがこれを実行するのは即応魔導大隊が必要であります」

 

「例の参謀本部直轄の即応魔導大隊構想か。分かった任せよう。で大隊長は誰かね?」

 

「提案者のターニャ デグレチャフ少尉です。」

 

「デグレチャフ少尉か。確かエレニウム95式を奇跡的に完成させてたな。階級が問題だが、」

 

「それなら大丈夫です。卒業で中尉に。卒業研究の功で大尉にし大隊編成の功で無理やり少佐にしましょう。」

「強引だな。よかろう。だが期間はどうする?編成、訓練するだけでも2年はいるだろう。頑張っても半年はいるはずだ。現に遠征軍編成するだけで半年はかかったのだぞ」

「大丈夫です。彼女は断言しました。本気でやれば訓練は1ヶ月あれば出来ると。」

「ゼートゥーアがそこまで推すとは。ではゼートゥーアを信頼して任せよう!」

 

「は!」




ターニャ「卒業すればきっと後方勤務だ!」
→次回、ターニャの夢は叶わない

原作にないオリジナル都市を追加するかどうか?

  • 追加して欲しい
  • いや、そこは原作に忠実にして欲しい
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