パーパルディア皇国
第三文明圏にして列強国。数多くの属国を支配し覇を唱えんとする国。
文明圏外の国に対しては基本馬鹿にしたような態度で迫り、属国か戦争かという2択しか選ばせない。
ターニャはこの国を「コンキスタドールと変わらない国」と考えていた。
コンキスタドール スペイン語で征服者。彼らは改宗か戦争かという慈愛に満ちた選択肢を与え、戦争を選べばその国の王を天へ送り届けた後スペインの持つ素晴らしい文化を原住民に教育させるというものだ。今でこそ野蛮と呼べる訳だが当時のヨーロッパでコンキスタドールを野蛮なんていう人は存在しないだろう。何しろ異教徒は人ではないなんて言ってた時代もあったのだから。
そんな国パーパルディアは今、重大な局面を迎えている。
第三外務局
「我々はもうあなた達の命令は受けない!」
と叫ぶトーパの外交官。
「いいのかそれで!我が国の庇護がないどころか技術提供も無いのだぞ!」
「ああ、なくて結構。たかが数十年ちょっと先の技術を得るために自国民を奴隷として提供しないといけないなんてゴメンだ!それに今はお前らより遥かに技術の進んでいるドイツがいるんだ!」
といいトーパの外交官は退室した。
「これで5カ国目か。」
第三外務局員のニコチンは何がどうなっているのか把握出来なかった。
◆◇◆◇
パーパルディアのとある酒場
「なぁエランテ、一体何がどうなってるんだ?もう5カ国目だぞ?庇護下から抜けた国は」
ニコチンの同僚であるエランテ。
「わかんねぇよ。俺ん所もお前と同じような事が3件あった。奴らに共通することはドイツか。」
「ドイツってなんだよ?」
「俺も知らねぇ。だが知り合いはこう言ってたぞ。何でも東方の海に出来た新興国だとか。それにドイツ以外にも国があるんだと。」
「いったいどんな国だよ。我が国の技術支援を拒否するぐらいの技術がドイツにはあるのか?」
とニコチンが言うとエランテはそばにより他の人には聞こえないよう小さく呟く。
「ここだけの話だ。絶対他の人には言うなよ。下手したらこの地位から落とされる可能性があるからな」
「な、なんだよ。」
「ドイツという国にはワイバーンは存在しない。が、ワイバーンがいないほど弱いのではなく、ワイバーンが必要でないほどの物がいると。なんでもドイツには航空魔導師というものが存在しそいつらの1人、十一番目の女神がギムにいたロウリア兵やロウリア王都を襲撃したと。」
「十一番目の女神?」
「あぁ。情報局によれば暗号電文に✕が11個あったのさ。それで十一番目の女神って事さ。」
「なるほど。そんな奴とは関わりたくないものだな。」
「そうだな。俺も今の国に不満はあるが自分とその家族さえ生きれるならそれ以上は望まないさ。」
エランテには父と母と姉がおり、姉はたしか商売関係の仕事をしているとか。そもそもエランテや俺は他の外務局員と違い、他国に対しても高圧的な態度で接することは無い。恐らく原因は他の人みたいな愛国心が無いからだろう。愛国心教育なんて受けたが自尊心の塊とも言えるようなこの国は自分には合わない。だがこの国に生まれた以上、反政府勢力に組みしてまで国を変えたいなんて思わないし平和に暮らせればいいという考えだ。
「エランテ、もしかしたら今が変革期なのかもな」
「変革期?」
「うん。他国の歴史を見れば分かるがある時期を境に文明や文化、技術や思想、色々な物が変わる時期がある。それが変革期だ。まぁ自分でそう名付けたんだけどね」
「そういやお前歴史好きだったな。ムーやレフォイどころか文明圏外の国の歴史まで調べていたのはびっくりしたぞ」
「そのおかげでなんとなくだがこの先この国がどうなるかわかったよ。」
「どうなるんだ?」
ニコチンは席を立ち、店員に会計を頼むとエランテに、ハッキリとこう言った
「このままパーパルディアが現実を見ず他国を見下し続けるならばこの国はドイツとか言う国に滅ぼされるだろう。」
「ドイツなんて多少技術が上なだけだろ?そんなの数で押し潰せば!」
「たとえ倍以上の戦力でぶつけても技術に差があればそれはひっくり返される。物量で押しつぶせるのは技術が同レベルもしくはそれ以下の国までだよ。それは歴史が証明している。」
店を出たニコチンはそのまま闇に溶け込んだ。
エランテは今までニコチンは間違った事を言ったことがない。パーパルディア人とは思えないほど愛国心が低くさらに他国の歴史に興味があり熱心に読む彼はパーパルディアの中で1番現実を見つめている。
パーパルディア皇国は拡張主義の国だ。
土地を支配するためには軍事力が必要。その軍事力のためには金と資源が必要でその土地を支配するために戦争。奪った土地を支配するためには軍事の増強と悪循環に陥っておりさらに支配地域では横暴な統治政策により反体制派もかなりいる。それがこの国。
他の国にはパーパルディアを、「プライドの塊」なんて揶揄してるがその通りだ。
エランテは決心する。
「自分とその家族を守るためにはまずドイツという国の情報を入手しよう。亡命も視野に入れておくか。」
◆◇◆◇
パーパルディア皇国ではフェン王国に対して国土の1部と王女の献上を要求したが断ったためフェン王国懲罰を開戦事由とし戦争開始の準備を始めていた。
目的は他の文明圏外の国に対してパーパルディアの力を見せつけるためだった。
まさかこれがパーパルディア崩壊のきっかけになるとはこの時は誰も予想していなかった。
次回はキャラ紹介回の予定。
原作にないオリジナル都市を追加するかどうか?
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追加して欲しい
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いや、そこは原作に忠実にして欲しい