カイザー召喚記   作:ハロポン

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19話 公開処刑

「この提案は受け入れられません。そのことを伝えに来ました」

 

パーパルディア皇国の城でドイツ外交官のリッペントロップはパーパルディアの外務局員に提案拒否を伝える。

 

「ほう、拒否するとは。だがこれを見ても断れるかな?」

 

パーパルディアの外務局員はモニターらしきものにある映像を映す。

それは、囚われたドイツ人だ。

 

処刑場のような場所で目隠しされ縛られたドイツ人。

それを見るドイツの外交官とその護衛4人は顔が引きつっていた。

 

「アルタラス王国を攻め落としたがこやつらは、我が国に対する破壊活動をする可能性があるのでな・・・スパイ容疑で拘束している」

 

ドイツ人観光客20人全員が縛られている。

 

皆脅えきった顔をしている。

 

「彼らはアルタラス王国に観光に来ていただけで、何の罪も無い人々だ。即刻釈放を要求する!!!」

 

「要求する?たかが蛮族が皇国に要求するだと!?立場をわきまえぬ愚か者め」

 

パーパルディアの外務局員は通信用魔法具を取り出す。

 

「処刑しろ」

 

彼ら、ドイツ人観光客は20人全員、殺された。

一部始終、全てを見たリッペントロップ達は、声を失った。

 

「.....」

 

「ふん。声も出ないようだな。これでも我が国の提案を断るなら、貴様らドイツ。いや、オランダも含めてこの光景が貴様らの土地でも行われるだろう」

 

これは脅迫だ。外交なんてない。生きるか死ぬかでありパーパルディアには友好関係を結ぶという意思はない。

 

いくらこれが仕組まれたことであっても、前の世界ではこんな事をする国はない。

 

「ではパーパルディア皇帝にこう伝えてください。あなたの国に対して正式に宣戦布告すると。」

 

リッペントロップは予め用意していた宣戦布告の紙を渡す。これはあくまでパーパルディア皇国がドイツ国民を殺した場合のみ渡すものでありリッペントロップはこれを渡さないよう願っていた。

だがそれは実現しなかった。

 

「ほう。では次会うときは収容所ですかね。もちろんパーパルディアの収容所ですが」

 

リッペントロップ達は退室し帰国した。

◆◇◆◇

ドイツ帝国海軍 高速駆逐艦 I-2型

燃費の良さと速度を重視した駆逐艦にターニャは乗っていた。

リッペントロップとともに帰国しているのだ。

 

この国には労働基準法が適用されない職業がある。

軍人はそのひとつだ。

 

ターニャは3日前まで休暇をとり、我々の闘争を見ていたのだが突然参謀本部から招集され来てみればなんとリッペントロップとともにパーパルディアに行き、そこで起きたこと全てを録画してこいと。

 

「労働基準法が適用されないとしても幼女を酷使するか普通?」

 

だか今のドイツに暇な魔導師はターニャ率いる第203しかいなかった。というのも、北方方面軍は、 突然動員をかけ始めたデンマークに対処しなければならなくーパーパルディア戦を見据えたデンマーク政府は動員をかけた訳だがそれをドイツは知らないー

南方方面軍は、オーストリアとハンガリーの対立の激化に伴い動かすことが出来ず、東部方面軍は予備兵力のほとんどをパーパルディア攻略軍に組み込んでいるため動かせない。西部方面軍はロウリアへ派兵しており呼び戻すのに時間がかかるからだとか。

 

まぁ、今回の任務が撮影だけであり命をかけないだけましなのだろう。

 

◆◇◆◇

ドイツ帝国各地で、パーパルディア皇国がドイツ人観光客を虐殺したという映像が出回り、ドイツ人は目が覚める。

 

かつて列強のほとんど全てを相手に、言語が統一出来てない、近代化の遅れたオーストリアと瀕死の病人オスマンとともに戦い、絶望的な状況をも覆し、勝利を収めたドイツ帝国。

 

あまりにも犠牲者をだした影響で戦争恐怖症とも言えるドイツ国民は、この虐殺映像をみて何を思ったか?

 

他人事ではない。ここで立ち上がらねば死ぬ。

これはただの戦争ではない。生きるか死ぬかの生存闘争だと。

 

こうしてゲッベルスが狙っていたショック療法は驚くほど効果的に発揮し、ドイツ各地で世界大戦前のようなムードとなった。

 

その日、正式にドイツ帝国はパーパルディアに宣戦布告。さらにオランダもパーパルディアに宣戦布告した。

 

その2日後、デンマーク政府もパーパルディアと揉めた結果、宣戦布告した。




2章完結。パーパルディア戦始まります
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