カイザー召喚記   作:ハロポン

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24話 自由を求めて〜

「作戦開始まで残り3分!こちらデグレチャフ少佐。そちらの準備は万端か?」

 

無線でターニャはルミエス王女のいる自由アルタラス本部の通信所に連絡する。

 

「こちら自由アルタラス通信室。準備は万全。作戦通り0800に、独立宣言をする。予定通りこの通信は第三国のマーズやシオス王国に繋がってるぞ」

 

「了解。では派手に演説したまえ。なるべく多くの市民

を奮い立たせるような演説が望ましいぞ」

 

通信を切ったターニャは銃を強く持つ。

ターニャの部隊の今回の任務は、作戦開始と同時に敵総司令部を吹き飛ばす事だ。

 

「3、2、1、作戦開始!」

 

ターニャ達は演算宝珠を起動させ上昇。高度を一気にあげ大規模遠距離術式を展開する。

 

「目標、敵司令部!発射用意、うて!」

 

巨大な光の弾が敵司令部目掛けて飛び、ドカンという激しい音ともに建物及びその他の施設丸ごと吹き飛ぶ。

 

と同時にあちこちに仕掛けたスピーカーからルミエス王女の演説が始まる。

 

「みなさん、私はアルタラス王国の王女ルミエスです。現在我が国はパーパルディア皇国によって、不法に占拠されています。

ですが、我々アルタラス人は不滅です。いくら雨が激しくてもやまぬ雨はありません。やがて晴れます。私ルミエスを長として、ここにアルタラス王国の正統政府を宣言いたします。私は、英雄的活躍をしたパラモ軍に兵器を販売したオランダと、フェン沖でパーパルディア皇国艦隊を打ち破ったドイツ帝国とデンマーク王国と共に、パーパルディアと戦います。

 

私がドイツへ亡命した後もアルタラス王国で戦い続けた自由アルタラスはこれからパーパルディア アルタラス基地に攻撃を仕掛けます。

 

パーパルディアは強くても最強では無い。故に我々が立ち上がれば勝てます!この悪夢に立ち向かおうではありませんか!」

 

と勇ましく語るルミエス王女に刺激された市民は家から出てパーパルディアの基地があった場所を見る。

 

パーパルディアの基地はターニャの攻撃によって燃えており基地機能が麻痺している事は誰にでも分かった。

 

「パーパルディアは強くても最強では無い 」

 

ルミエス王女の演説により愛国心を刺激された人達は各々武器を持ち声高々にこう叫んだ。

 

 

「憎きパーパルディアを滅ぼせ!パーパルディアを消滅させろ!アルタラス王国ルミエス王女万歳!」

 

これがきっかけとなりアルタラス全土で大規模な反乱が起こった。

 

◆◇◆◇

アルタラス方面軍総司令部 だったもの。

 

「いたたたた。確か、危機感を感じて外に出たら吹き飛ばされて」

 

ヨハネは基地を見るとそこには信じられない光景が広がっていた。基地は燃え、さらに自分のワイバーンは先程の謎の爆発で死んだ。

 

「ちくしょう、何が起こってる?足が痛い」

 

どうやら右足を骨折したらしい。

それでも俺は立ち上がる。

 

なんとか街中に出て、周りを見渡すと市民が武器を持っているのが見えた。

 

「反乱か。早く他の味方を探さねば。」

 

仲間を救出か。問題は救出後どうするかだ。足を引きずりながら彼は生き残った仲間を集め、王城へ向かう。そこにはパーパルディア アルタラス統治機構の本部があるからだ。

 

◆◇◆◇

「どうなってる?なぜこの時に反乱が起きるんだ!」

 

パーパルディアのアルタラス統治機構のある元王城で敷地をとるカストは、昨日から一睡もしてなかった。

というのも昨日の晩、突然駐屯部隊の半分近くの兵が消えた。

捜索に出た部隊が報告してきたのは、老朽化した建物の崩落に巻き込まれたのと、ダムの決壊に巻き込まれたと。

 

ではなぜ、崩落の危険のある建物に駐屯部隊は向かったのか?それは分からなかった。

 

テロリストの罠か事故か。どちらにせよ早急に本国にこのことを知らせてさらに部隊の再編成と再配置をしなければならなく慌ててたところにこの1報だ。

 

「ルミエス王女が生きておりさらにアルタラス王国の独立宣言をし、それに呼応して民衆が反乱を起こした。

アルタラス方面の駐屯部隊の総司令部は原因不明の攻撃によって既に吹き飛ばされ、街の治安は悪化。既にほとんどの地域がパーパルディアの支配下から離れたと。」

 

パーパルディアの属領が独立すればパーパルディア各地の属領も独立する。つまりこの動きを抑えなければパーパルディアは終わる。

 

だが、反乱に対して兵の数が足りないためカストは、逃亡を決心する。

 

だが事態はカストの予想より早く動く。

 

カストのいる階のステンドグラスが割れ、王城に4人の兵士が入ってくる。

 

そのうちの背の低い、少女らしきものが銃口を向けながらこういう。

 

「やぁこんにちは。あなたがここの責任者かね?んー、その服装からしてそうだろうな。こいつとそばにいる将校以外は撃て」

 

発砲音と同時に、一瞬で仲間が次々と殺される。

パーパルディアに連射できる銃は無い。

相手は自分たちより技術が上。それはアルタラスでの戦闘で分かっていた事だが、認めたくなかった。

 

カストは近づいてきた敵の女性の1人によって気絶させられた。

 

◆◇◆◇

王城の入口でヨハネは各地から逃げてきた兵士を指揮して、王城に突撃してくる市民に向けて発砲していた。

 

「あと数時間持ちこたえろ!リージャック将軍が来てくださったらこの状況は変わる!」

 

「ヨハネ殿、リージャック将軍は、戦死させれました!」

 

「くそ、海軍はどうなってる?艦砲射撃でもして市民に恐怖を与えろ」

 

「それが、港に停泊してた艦艇が次々と謎の爆発を起こし沈没しています!」

 

ターニャを載せてきた潜水艦は港に停泊していたパーパルディアの戦列艦や竜母を中心に魚雷で沈めていたのだ。

海軍は使えない。

城から使いが来た。

 

「大変です!カスト殿が敵に捕まりました!」

 

その使いは恐らく敵から攻撃を受けたのだろう。右腕から血が出ていた。

 

「分かった。カストを救出しに向かう。ここで統治機構が無くなればパーパルディアは終わりだ。それだけは防がねばならない! 」

 

ヨハネはここの指揮を他の人に任せ、カストのいる王城最上階へ走っていく。

 

◆◇◆◇

王城最上階

 

「任務完了だな。統治機構の首を狩ることに成功し、アルタラスにいるパーパルディア陸軍はほぼ壊滅。一階にいる敵もやがて降伏するだろう。何しろここには武器庫がない。そのうち弾薬が尽きて終わる。」

 

ターニャは気絶したカストを背負って帰ろうとした時、敵がこの部屋に入ってきた。

 

そいつは左足から血を流し、右手に持っている銃もなんとか持てているような感じでよくここまできたという状態だ。

 

「ここまで走ってきた褒美を与えたまえ。撃て」

 

3人の銃弾がヨハネに向かって飛んでいく。が、銃弾はヨハネの体を掠っただけだった。

 

何十発撃っても結果は同じ。

 

「た、弾が当たりません!」

 

セレブリャコーフ中尉は恐怖を感じた。弾に当たらない敵なんて今まで居なかった。命中率には自信があった。

なのに当たらない。

 

ターニャは射撃を止め、自身の銃に着剣をする。

 

「ここは私が出よう。こいつの守りは任せる」

 

敵に向かって一直線にかける。

敵はターニャに向けて銃を向け発砲するが、それはターニャの防核を抜くことは出来ず、弾かれ、ターニャの剣は敵の心臓を貫く。

 

「ぐはっ、クソが、おれは、ヨハネ。きさまを、殺して、パーパル 、ディア、を、すく、ぅ」

 

「ああそうかい。それは叶わない夢だな。」

 

ヨハネはそのまま息を引き取った。

 

「なんなんだこいつは。弾が当たらないというか弾が避けていった。そんな事がありうるのか?」

 

訳が分からないが、敵は死んだ。死んだのならもうどうでもいい。

ターニャは任務完了を報告してその場から立ち去った。

 

 

数時間後、王城の入口で立てこもっていたパーパルディアの残党は弾切れにより全滅し、敗残兵は各地で市民に殺され指揮官はあちこちでさらし首にされた。

 

さらにそれだけでは終わらず、各地でパーパルディアの国旗や書物が燃やされ、さらに一般市民であるパーパルディア人が各地で虐殺されるなどパーパルディアがアルタラスにやってきた事がいかに酷い事だったのかがよく分かることとなった。




反〇感情が高まると何が起こるか分からない。
お隣の国がそうだったり、戦前の日本もそうだったり。
パーパルディア統治下で起きたアルタラスの悲劇は原作と同じです。

次回、姫のお気に入りとパーパルディア滅亡へのカウントダウン
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