それと感想ありがとうございます。ファラリスの雄牛を越えるものってあるんですね(スカフィズム、これ考えたやつ人間じゃないだろ)
「なんだあれは?」
パーパルディア皇都で警戒のために飛んでいたワイバーンオーバーロード部隊は、空飛ぶ鉄の化け物を見た。
それは大型戦略爆撃機 SB-1
ドイツ版B-29であるこの爆撃機の航続距離は1万kmであり、全長30m 全幅43m越えという常識を超えた大きさであり、戦闘機無しでも爆撃できるよう機銃が沢山ついたこの機体は別名、空飛ぶ要塞。
数年先の技術を無理やり使った事もあり非常に鈍足で、高度もあまり取れない、対空砲の的であるため対第二文明圏以下用に作られた機体であり、機体には大量の爆弾を積んでいる。またエンジンを沢山搭載することにより重量をカバーすることができたものの、燃費の悪さは最悪でありこれと同時に設計されたSB-2の方がSB-1より速度、高度、安定性、燃費などありとあらゆる点で勝るものの航続距離という問題と武装が貧弱であることから却下された。
ーなお、速度が出ないなら代わりにジェットエンジン付ければいいじゃないとヴェルナーが提案し作った史上初の試作型ジェット爆撃機 SB-1 Aは速度こそ従来の爆撃機を凌駕するがその代わり数時間でぶっ壊れるエンジン。燃費の悪すぎるジェットエンジン特有の問題。そして短すぎる航続距離という散々な結果を出した。だがこれの問題が後のジェット戦闘機への開発へと繋がるー
こんな化け物の機体が20機も飛んできているのだ。
恐怖を覚えるのも仕方ないだろう。
そもそも人は理解できないものに恐怖を覚える。
彼らワイバーンオーバーロード部隊は今まで見たことがない、鋼鉄ノ鳥をみたのだ。
鳥というより空飛ぶ船に近い印象だが...
「ひ、飛行機械なのか。ひ、怯むな!落とせ!」
とSB-1に突っ込むワイバーンオーバーロードだが、12.7mm機関銃が容赦なくワイバーンオーバーロードを撃ち落とす。さらに、撃ち落としながら低空飛行で基地目掛けて飛んでいく。
「ばけもの、だ。どうれば落とせるんだよ」
その後彼もまた、12.7mm機関銃の餌食となった。
その後、SB-1は基地を次々爆破していきパーパルディア陸軍や航空基地を再起不能まで叩き潰していた。
◆◇◆◇
皇都に住む市民は、異様な音と見たことも無い大きな煙に包まれた基地と、そこから聞いたこともないほど大きい爆発を聞き、恐怖を抱いた。
「あれは、なんだ?」
男が指した方向には銀色の大きな物が飛んでいる。
「あれは、竜なのか?いや、竜なら頭はどこだよ?」
「わからないが言えることは1つ。あれの攻撃によって基地は攻撃されたとしか」
基地は爆破された。
上空を先程まで飛んでいたワイバーンもいないという事は撃ち落とされたか逃げたか。
「なんなのだ、、あれは?」
住民にとって長い1日は始まったばかりだ。
◆◇◆◇
第三外務局でドイツとの講和案を練っていたカイオスは、突然の爆音に気づき異常事態か何かと思い外を見る。
そこには鋼鉄ノ鳥がいた。
何機いるのかはわからないが、距離がかなりあるにもかかわらずはっきり見えるということは相当大きいのだろう。
上空の警備に当たっていたワイバーンオーバーロードは、そいつに向かって突撃したが一瞬で撃ち落とされる。
なるほど。どうやらこの鋼鉄ノ鳥はドイツかオランダ、デンマークの爆撃機というやつらしい。
ドイツの資料で見たことがある。ドイツには新型戦術爆撃機があるというのを。大きさが資料のものとは全然違うため恐らく新型だろう。
どちらにせよ、皇国最高のワイバーンオーバーロードはドイツの爆撃機に歯が立たないということがわかった。
ドイツの目的は基地の爆発。航空基地と陸軍の基地を空爆したことからこれからドイツが何をするのか考える。
まず、威力偵察を兼ねた爆撃。ドイツの力を知らしめ、講和に持っていく。
無いだろう。そのために基地を爆撃する理由もない。こんなに徹底的に爆撃したら逆効果だ。
では、脅威を取り除く為か。何のために?
「陸軍とワイバーンを消し去っておいた方が楽。という事はここに上陸してくるつもりか?」
もしそうなら早急にクーデターを起こさねばパーパルディアが滅亡する。
「まだ準備は万端ではないが仕方ない。クーデターをやるぞ。」
カイオスは外務局の通信設備から各親衛隊の通信室宛にクーデター決行の暗号を送った。
◆◇◆◇
ドイツ帝国
ポツダム市にいるムーの観戦武官 マイラスは、この転移国家の技術力を見て驚きを感じつつもドイツの技術者、シューゲルと会談する。
なんでもシューゲルはヴェルナーという人と共同で作った兵器があるらしくそれを特別に見せてくれるとか。
それと同時にレルゲン大佐は一言「彼を止めてくれ」とも言ってた。なんのことかさっぱりわからん。
どうやらヴェルナーという技術者は先の海戦で使われたG1ロケットの開発者らしく、ドイツ帝国内でも有名な狂人だとか。 そんな彼が帝国内最凶の狂人、シューゲルと新兵器共同開発を始めた結果、基地を二、三個吹き飛ばしたという逸話を生み出したとか。
部屋でドイツの本(マイラスはドイツ語とオランダ語が読めるようになっている)を読んでいた頃、
「ババーーー〜ん!」
という声とともに白衣のオッサン2名が入ってきた。
「君がムーとやらの技術者、マイラス君だね!これも神のお導きか!どうもわしはドクトル シューゲルだ!」
「俺が天才科学者、ヴェルナーだ。ロケット開発の父である。」
「は、はぁ。私はムーの観戦武官にして技術者、マイラスです。どうぞお見知り置きを」
◆◇◆◇
バカと天才は紙一重という言葉を聞いたことがあるだろうか?
正しくそれが目の前の光景だ。
ポツダム市郊外にある研究所。
ここに1つ大きな戦闘機らしきものがあった。
「これは何ですか?」
「良くぞ聞いてくれた!これが今回君に紹介するV1ロケットだ!」
「この機体にはジェット燃料をたっぷりと使って、途中でエンジンを切り離して目的へ飛ぶ爆弾だ。ちなみに最高速度はマッハ1.2 音速の1.2倍だ。」
ん?爆弾?
「でもこれ、操縦室ありますよね?」
「おお、あるぞ。人力誘導爆弾だ。」
「それ、自爆兵器じゃ。」
「何を言っておる?この中に魔導師を詰めて発射して魔導師だけ脱出すれば問題ない。それにこれに魔導師以外詰めることは出来ない。あぁ、これも神のお導きか」
「マイラス殿。これは音速に達した時、設計上の問題でエンジンが爆発しますが魔導師ならエンジンの爆発を抑えることが出来ます。なぁに。これが分かるまで2、3回この基地が吹き飛びましたよ」
バカなのか天才なのか分からなくなってきた。
なるほど。レルゲン大佐の言ってた言葉の意味がわかった。
ヴェルナーはロケットを作った天才で発言力も高くここでは止めにくい人物なのだろう。またシューゲルもこんなものを作るくらいの天才だからこそヴェルナーと同じ位置にいるのだろう。
ここまで来たら天才というか、
「天災。天の災いだな。」
マイラスは、ムーの観戦武官という立場ではなく1人の技術者としてヴェルナーとシューゲルに助言した。
「搭乗員の命を大切にしてあげて」と。
この後V1ロケット計画は中止になり、ヴェルナーは引き続きG1ロケットの問題点である、短距離、命中率の悪さを改善するG2ロケット開発に復帰。
シューゲルはアルタラスの魔法研究を始めた。
ちなみにSB-2はドイツ版b-17 フライングフォートレス
どちらも角張った感じの爆撃機。
比較
航続距離
SB-1>SB-2
速度
SB-1<SB-2
高度
SB-1<SB2
などと、搭載できる爆弾と航続距離、武装以外全てSB-2に劣る感じ。(無理して作った結果。)
作中のV1ロケットは幼女戦記に出てきたV1とほぼ同じです。
ターニャ「あれに乗らなくて助かった。」
V1は名作なのか迷作なのか...
次回、「想定外」