カイザー召喚記   作:ハロポン

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色々忙しくて更新できませんでした。
しばらくは不定期更新です。


33話 忘れ去られた国

「酔ったものが多いな。」

 

第203航空魔導大隊を載せた輸送機は、軍用のためか非常によく揺れるため飛行機酔いが多い。

 

(普段空を飛んでいるのに酔うのか。いや、普段空を飛んでいるからこそ酔うのだろう。)

 

先日、突然参謀本部から本土への帰還命令が入り帰還中なのだが恐らく内容は碌でもないだろう。

 

「諸君、知っての通り参謀本部は我々を馬車馬の如く働かせるつもりだ。オリンピックやらパーパルディア戦やら護衛任務だとかあちこち引っ張られて。」

 

ヴァイス中尉はいう

 

「なんと参謀本部は立派なキャロットを用意してくれるとか。」

 

キャロット。つまり給料なのだが、あまり期待できない。なにしろ今の軍は兵器開発や増産に力を入れすぎてお金があまり無いらしい。

 

その時、突然機体が揺れる

 

「どうした!機長?」

 

「エンジントラブル発生、操縦不能。計器も故障しておりまもなく墜落します!」

 

揺れる機体。さらに急降下し始める。

既に制御を失っている。なぜこのタイミングでエンジントラブルが起きたのか分からないがとりあえず、

 

「総員、衝撃に備えろ!墜落するぞ!」

 

防御術式を展開し墜落時の衝撃に備える。

 

やがて数秒後、輸送機はとある島に墜落する。

 

◆◇◆◇

墜落して数分。機体はボロボロになっており煙が出ている。ターニャは急いで外にでて、状況を確認する。

 

既に他の者も出ており、さらに既に整列していた。

 

「ヴァイス中尉、状況はどうなっている?」

 

「は!軽傷者はいるものの、隊員全員無事であります!しかし機長および副機長は死亡しており輸送機は完全に壊れました。爆発の危険があるため退避しましょう」

 

「そうだな。総員、武器や通信機をとりしだいここから離れるぞ!」

 

「は!」

 

ここはどこなのか分からない。無人島なのかすらも分からない。

ターニャは帰れるのか不安になりつつも部下を不安にさせるべきでは無いため悟られぬようにした。

 

墜落した輸送機が爆発した頃、少し離れたところで本国へこのことを報告しようとしたが通じない。

 

「どうやら磁気嵐のようです」

 

「なるほど。セレブリャコーフは引き続き磁気嵐が収まるまで通信できるか試してくれ。」

 

「はい少佐!」

 

セレブリャコーフ中尉は再び通信機を触る。

 

「ヴァイス中尉は各中隊に周辺の偵察を命じろ。無人島なのか人がいるのか調べるんだ」

 

「は!」

 

ヴァイス中尉はテキパキと各中隊に指示する。できる部下がいると本当に楽だ。

さて、ここはどこだ?

 

周りに島が無いからここは絶海の孤島。武器はそれなりにあるが食料はあまりない。持って2日。

救援がくるまで最短でも3日~5日だろう。魚でも釣ってもたせるか。

 

「よくよく考えれば、海でのサバイバル訓練だけしてなかったな。良い機会だな。」

 

この言葉を聞いた他の隊員は一瞬で顔が青ざめ、気持ちを引き締めるのだった。

「遭難による恐怖より隊長殿が恐ろしい」と。

 

◆◇◆◇

国家存亡の危機にあるエスペラント王国。

 

-ズー……ン―

 

恐怖を掻き立てる重低音が響き渡った。

少女 サフィーネは音のする方向を見る。

 

「え!?何あれ!!!」

 

するとそこには彼女には理解できない物体が目に映る。

 

「鳥?でも、火を……煙を吐いている!!!」

 

 

一見魔物のように見えるそれは、翼の付近から煙を吐きながら落下してきた。

 

やがて「それ」は、彼女から約1km離れた小高い丘に激突し、土煙を上げながら停止し、その後爆発した。

 

「ちょっと見てくる!」

 

そういうと彼女は爆発のあったところに向かって走っていった。

 

◆◇◆◇

 

「どうだヴァイス中尉?」

 

「は!どうやらここはグラメウス大陸のエスペランド王国というところらしいです。」

 

グラメウス大陸?エスペランド王国?

グラメウス大陸は確か...

 

「地図で1度見たな。魔物が沢山いる大陸だと。」

 

ターニャは1度、この世界の地図を見ておりその時にグラメウス大陸があったのを思い出した。噂では人もいない、魔物だらけの大陸だったはず。

だが現にこうして人がいるのだからそうなのだろう。

 

ターニャの目の前にはここの住人が集まっておりどうなってるのか気になっているようだ。

エスペランド王国か。地図には存在しない国。

だが国があるということは情報も聞き出せるしさらに上手くいけば食料も手に入れられそうだ。

 

「よしヴァイス中尉は引き続き住民からこの国についての情報と食料提供の相談をしてくれ。食料に関しては相応の対価を払うということも付け加えて」

 

「対価ですか。具体的には?」

 

「魔物退治だ。この大陸には魔物と呼ばれるやつを退治してやるとでも言っとけ。良かったな。しばらくの間猟師に慣れるぞ?」

 

「ちょうど良かったです。猟師になってみたかったんで。」

 

「なら良かった。ではヴァイス中尉、交渉は任せた。こんな外見の私じゃこの隊の大隊長なんて言っても信用されんだろうからな。」

 

そう、ターニャは少佐とはいえ見た目は子供なのだ。

 

「あとは磁気嵐がおさまってから本国へこの状況を連絡せねばな。」

 

これからの事で不安になるターニャであった。




次回、ティガー計画
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