中央暦1639年4月11日午前
ロウリア・クワトイネ国境付近
ロウリア王国東方討伐軍 本陣
クワトイネ公国外務部から、何度も何度も国境から兵を引くよう魔法通信にて連絡があった。
もちろんすべてを無視する。
もう戦争することは、決定しているのだ。
「明日、ギムを落とすぞ」
Bクラス将軍パンドールは、ギムに攻め込む先遣隊約3万の指揮官の任を与えられていた。歩兵2万、重装歩兵5千、騎兵2千、特化兵(攻城兵器や、投射機等、特殊任務に特化した兵)1500、遊撃兵1000、魔獣使い250、魔導師100、そして、竜騎兵150である。
数の上では、歩兵が多いが、竜騎兵は1部隊(10騎)いれば、1万の歩兵を足止め出来る空の覇者である。それが150騎もいる。
「ギムでの戦利品はいかがしましょうか?」
副将のアデムが話しかける。彼は、冷酷な騎士であり、ロウリア王国が領地拡大のために、他の小国を統合した時代、占領地での残虐性は、語るに耐えない。
「副将アデムよ、お前に任せる。」
「了解いたしました。」
アデムは、将軍に一礼すると、後ろを振り返り、すぐさま部下に命じる。
「ギムでは、略奪を咎めない、好きにしていい。女は嬲ってもいいが、使い終わったらすべて処分するように。一人も生きて町を出すな。全軍に知らせよ」
「はっ!!!」
アデムの部下は、すぐさま天幕を出ようとする。
「いや、待て!!!」
アデムに呼び止められる。
「やはり、嬲ってもいいが、100人ばかり、生かして解き放て、恐怖を伝染させるのだ。それと・・・、敵騎士団の家族がギムにいた場合は、なるべく残虐に処分すること」
恐怖を知った人はそれを他の人にも伝え恐怖は拡散される。やがて誇張された恐怖は国を崩壊させる。これが彼の目的だったのだ。
中央歴1639年4月22日
ギム上空に到着した第108魔導中隊の小隊長であるターニャ デグレチャフ少尉は最悪な光景を目の当たりにした。
死と焦げた肉の匂い。どうやらロウリアという国はこのギムに住む一般市民を虐殺したようだ。
「野蛮人過ぎるぞ。モンゴルの真似事でもしてるのか?」
そばにいる中隊長のイーレン・シュワルコフ中尉も同感している。
「これからギムにいる敵の司令部を叩く。総員突撃!」
ーーーーー
パンドールはギムの中で1番高い建物で戦線を見ている。
その目的はつぎはどこを狙うかである。というのも戦果を上げればかなりの報酬が貰えるからであり今回の戦争は更なる高みを目指す絶好の機会だ。おまけに勝利は確定。
軍の頂点になるのも夢ではない。
だが突然の轟音と地響きがパンドールを現実へと引き戻す。
「何事だ!?」
「は、て、敵が現れたました!」
「敵だと?このギムにか?索敵はどうした?」
「それが、敵は空から現れまして」
空から?ワイバーンを使ってきたのか。ワイバーンくらいは敵も持っているか。だがこの音と振動はなんだ?ワイバーンではとても出せるようなものでは無いしさらに近い。どうなってやがる?
急いで窓から空を見るとそこには空中に浮いた黒い服を纏った人がいる。ワイバーンも使わずに浮いている。
ありえない、だが実際浮いているのだ。
「う、撃ち落とせ!ワイバーンを飛ばせ!」
「それが近づこうとしても落とされてしまい」
「どうなってやがる?敵の数は?」
「それが、12人です。上空にてワイバーンを狩るものが4人!それ以外は地上部隊に攻撃を仕掛けております!」
たったの12人相手に負けているのか?それどころかたったの3人にわがワイバーンは落とされているのか。
「くそっ、敵は誰なんだ!誰なんだ!?」
直後、パンドールのいる建物にターニャの攻撃が直撃した。
「やはり所詮3万の暴徒か..射撃訓練をしているみたいだ」
とターニャは上からひたすら地上の敵を殲滅作業をしているのとこっちに突撃してくる大きな鳥、いやワイバーンか?を撃ち落としてる。
「小官はもう少し苦戦するかと思いました。」
横で飛んでいるヴィクトーリヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフ伍長はターニャの部下である。
彼女もまた初陣であり、3万という数に驚いていたのだ。
「セレブリャコーフ伍長。数だけ揃った銃も存在しない敵なんて敵とも呼べんよ。3万の暴徒と呼ぶべきだ。ほれ見てみろ。司令部を吹き飛ばされたからか統率すら出来てない。」
眼科に広がるあちこちに逃げ惑う兵士。統率者を失った彼らは蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
遅滞戦闘がこの中隊の任務でありターニャの小隊は敵司令部の破壊。他の小隊は集積所の破壊と制空任務だがこの状況じゃ制空任務が1番楽そうだ。だがターニャはここで戦果を出し昇進しその後、後方勤務になる為には司令部破壊と+αしなければならないと考えていた。
だから迎撃に上がってくる西洋の竜より小さい生き物に乗っている兵を撃墜しまくっている。
「セレブリャコーフ伍長、あれは我々より遅いし我々の防核術式を突破出来るほどの武器は持ってないし我々の攻撃を防ぐ手立てもない。つまり雑魚だ。制空権を我々が握っている以上、我々の優位が無くなることは無い。安心したまえ。」
とセレブリャコーフ伍長を安心させようとするターニャ。それにキュンとくる(?)セレブリャコーフ伍長であった。
なおその後司令部を潰した第108魔導中隊は残存魔力の問題もあり撤収。ターニャはうっかりワイバーンを60騎落とし英雄となってしまう。
「3万の敵と未知の航空兵力に勇敢に戦う幼女。激しい戦闘の末、司令部とワイバーンと呼ばれる竜を60騎撃ち落とした!」と。
ワイバーンを竜と表記したのはワイバーンを知らない市民向けに分かりやすく竜としたのだがこれが誤解を生むこととなった。
一方ドイツ海軍は、ロウリアの主力艦隊撃滅のために再編された主力艦隊を出港させた。
次回は海戦回。転移により壊滅的打撃を受けたドイツ海軍vsロウリア艦隊勝つのはどっちだ!
原作にないオリジナル都市を追加するかどうか?
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追加して欲しい
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いや、そこは原作に忠実にして欲しい