「がああああッ!」怪物になった男が雄叫びをあげながら鋭い爪を振り回す。
教室の壁が破壊され怪物が廊下にでる。
「きゃあっ」女子生徒がつかまれ投げ飛ばされる。壁にあたり、頭をぐったりとさせて動かなくなる。
「なんだよあれ…もうガイアメモリは無いんじゃないのかよ!」
そう、男が使ったUSBメモリのようなもの、『ガイアメモリ』はもうこの街に流通していないはずなのだ。そのメモリを流通させていた「ミュージアム」はもうない。仮面ライダーによって全てなくなったはずなのだ。以前、大道克己らの使っていた「T2ガイアメモリ」という物もあるのだがそれすらも仮面ライダーによって全部破壊された。
それなのに。
「くそっ皆逃げろ!そいつはヤバイ!」叫んでも意味などなかった。和哉のその声は、生徒達の悲鳴で掻き消された。「碧、こっちだ。逃げるぞ!」騒ぎを聞きつけて廊下に出てきていたのか、近くにいた碧に声をかけたときには、
廊下はもう既に阿鼻叫喚にうめつくされていた。
怪物…『ウルフドーパント』は大きく息を吸う。「ウオおおんッ!!」大きな声を上げる。その音圧だけで校舎の壁やら柱やらを壊しまわり校舎がほぼ半壊した。
「うおッやばい」崩れ落ちる床、壁、天井。その瞬間ーー
ズキンっーー
頭痛がはしる。「くッうわっ頭がっ」五年前のあの光景がフラッシュバックする。その中に、みたことのない光景があった。テレビの砂嵐がかかったようにぼやけていたが、たしかに見たことのないものだった。スロットが片方だけについた黒く煤け、ヒビが入ったベルトのバックルのようなもの、三つに割れたEの文字。(何だこれ…見たことねえぞ)
見たことのない記憶に困惑していると「いやっ」碧の声がきこえた。
「碧?」後ろを振り返るとさっきまでそこにいたはずの碧がいない。
「どこだ?碧!碧!」周りを焦って見渡すと後方で碧が瓦礫に挟まれていた。
「碧!まってろ、今助ける!」駆け寄って瓦礫をどかしているとドーパントがこっちを向いた。
「マズイっ碧、出れるか!?」引っ張ってみたが足がかなり深く挟まれているのか抜けそうにない。
「ちくしょおっ」悪態をついたところでドーパントがこっちにむかって音の弾を吐き出した。
音の弾が碧を挟んでいた瓦礫に直撃し、瓦礫は吹き飛んだがそれと同時に俺と碧もはじきとばされた。「碧!」弾の当たった衝撃で気を失っていた碧はそのまま校舎の外に出てしまった。「あ、碧!」すぐに駆け出して手をのばすが間に合わない。そのまま落下していく。地面に落ちそうになったその時、青い影が走った。その青とい影は碧を抱きとめた。
「あっ」それを見て安心する。「よかった…でも、あれは?」
青い影はそのままの速度で碧を安全な所まで運び、戻ってきた。それは、青いアクセル。オレンジ色の複眼を持ち、バイクのハンドルのようなベルトのスロットには青いスットプウォッチのようなメモリが刺さっている、アクセルトライアルだった。
「まったく、またドーパントか…左とフィリップは何をしている」愚痴をいい、ドーパントに向かって駆けていく。アクセルとドーパントの戦闘がはじまった。「さあ、振り切るぜ」アクセルは最初から相手の懐に入り込み高速のパンチをおみまいする。それを受けきれず、後方に大きく吹き飛ぶ。「すげぇ…」アクセルの華麗な戦いぶりに見とれていると声がきこえた。
(お前も力がほしいか?)「え?」周りをみるがだれもいない。
ーー誰だ。
ーー私は、力
ーー力?
ーー欲しいのだろう?力が
和哉は無意識のうちに声のほうへ歩いていた。脳内に響くそれは、瓦礫に埋もれた金庫から聴こえていた。金庫を掘り起こし、みてみると、鍵がかかっていた。が、和哉がふれるとパチンッと音がして勝手に開いた。そのなかには・・・あの不鮮明な記憶で見た、赤い、片側だけにスロットのついたベルトと、白く、その中心に黄色くEの文字が書かれたUSBメモリのようなものがあった。
ーーさあそれがお前の力だ。
和哉はゆっくりてをのばし、ベルトを掴んだ。
続く。
次回あたりにはエターナル出したいですね。