今回は短いです。
「なるほど、その声の聞こえる所に向かったら、そのベルトとメモリがあったと・・・」
和哉から聞いた話を要約するフィリップ。
病院の病室に入ってきた三人の男性は全員仮面ライダーだった。しかも黒と緑の青年は街を救ったあの英雄、仮面ライダーWだと言うではないか。最初は信じられなかったが、目の前で変身を見せられたり、こんな所に連れてこられたら信じるしかないだろう。和哉は今、翔太郎たちの探偵事務所、さらにそこにある隠し部屋のような場所にいるのだ。
「ええ、そうです」
未だに好奇心が収まらないのか、らんらんと輝く瞳で言い寄ってくる。
「なるほど・・・しかしフィリップ、そのエターナルメモリは使用者、適合者を選ぶのではないのか?なぜ和哉は変身出来た?」
眉間に皺を寄せ、考え込む照井。
「まあまあ、そこはこれからだぜ、照井」
エターナルメモリを睨みながら翔太郎が言う。
「ま、やってみるか」
翔太郎がソファーから立ち上がり、腰にロストドライバーをまき、エターナルメモリのスイッチを押し、メモリを起動させようとする。
「あれ?起動しねえ・・・」
電子音が鳴らない。もう一度押してみるが、やっぱり鳴らない。
「なんでだ?」
「左、貸してみろ」
照井に翔太郎がメモリを投げる。照井がメモリをキャッチし、スイッチを押す。
「鳴らない・・・」
「やっぱり検索してみたほうが早いかもね」
「ああ。そうだな。フィリップ、頼む」
フィリップが分厚い本を手にとり、目を閉じる。すると、フィリップの体がほのかに緑色の光に包まれる。
「よし、翔太郎、キーワードは?」
「まずは順当にエターナルだな」
言われたキーワードを入れてみる。広大な空間にある無数の本棚が一斉に退いていく。そして、数冊の本が残る。本とはいっても、これは地球の記憶のデータベースというべき場所にいるフィリップが入れたキーワードに関する記憶が検索によって抽出され、それがフィリップに分かりやすい本という形になったものだ。
「やっぱりエターナルに関する記述しか載ってないね」
「フィリップ、キーワードを追加、未来和哉」
検索という行為に見入っていた和哉はいきなり自分の名を呼ばれ、一瞬びくっとする。
一方、『地球の本棚』にいるフィリップはキーワードを追加した。数冊あったエターナルに関する事柄について書いた本はまた減っていく。
「やはり、まだビンゴというまでにはいかないね。でも、和哉君、君がエターナルに適合する体質であって、適合率がとても高いということは分かったよ。翔太郎、一応書き留めておいてくれるかい?」
翔太郎がホワイトボードにかく。
「フィリップ、もっと絞り込めるか?」
照井が聞く。
「ああ、大丈夫だよ。ここからさらに絞り込めるはずだ」
「じゃ、追加キーワード、『謎の声』」
翔太郎がキーワードを言う。
「翔太郎、ビンゴだ。本が一つにまとまった」
「えっ分かったんですか?」
こんな短い時間で?と驚く和哉に翔太郎がニヤッとする。
「ああ。分かった見たいだぜ」
「まず、エターナルメモリが復活した原因だけど、メモリブレイクしたときに完全にブレイクしきれなかった事が原因みたいだね」
「・・・あの時に・・・」
翔太郎が悔しそうに唇を噛む。
「さらに、もう一つ、原因がある。昨日の謎のドーパントだ」
「あのドーパント?」
それがどうしたんだ?とでもいうような視線を向けてくる照井にフィリップが説明を続ける。
「あのドーパント、割れたメモリを取り込んでいたよね?」
そこまで説明を聞いたところで、照井と翔太郎もフィリップの言わんとしていることが分かった。
「あのドーパントがエターナルメモリを取り込んだ?」
照井がフィリップの言葉を引き継ぐ。それを聞いたフィリップが満足そうにうなずく。
「でもドライバーはどうすんだ?
翔太郎が質問をなげかける。
「それもだよ。ドーパントが飲み込んだんだ」
「そうか。しかし、なぜいちど飲み込んだものを取り込まずに吐き出したんだ?」
「まず、そのドーパントの能力として、そのメモリの欠片があればそこからメモリを復活させることができる。エターナルメモリを取り込もうとしたんだだろうけど、たぶん、エターナルだけは取り込めなかったんだ。適応しなかったのだろうね」
照井の質問に本を読んでいるように淡々と答えるフィリップ。
「じゃあ、そのドーパントの名前・・・メモリに内臓されている記憶は?」
和哉が聞く。
「あのドーパントの名前はエボリューションドーパント。記憶は、進化の記憶だ」
「進化の記憶ですか・・・」
「生物は今までその環境に適応し、進化してきた。あのドーパントはこれまでの人類、技術、動物、など地球上すべての進化の記憶があのメモリの中に入っている。そして、君が聞いた『謎の声』なんだけど、あれはあのドーパントにそのメモリが取り込まれたときに力同士の反応でメモリの記憶が強化されていて、その力に適合率が異常に高い君の意識の波長と共鳴したんだろう」
なるほど、そういう仕組みだったのかと納得する和哉。だが一つ、疑問が生じた。
「でも、メモリから話しかけてくるってことはメモリが意思を持ったってことですよね?それってすごい危険なことなんじゃ・・・」
「そうなんだ。問題はそこだよ。君がもし、あの力を使い続けるというのならば君はメモリの意思を屈服させるか、完全に消しきらなければならない」
あのちからを完全に?そんなことが可能なのか?一人不安になる和哉だった。
続く
次回はどうしよう・・・。