二つのマキシマムがぶつかり、大きな爆発が起きる。和哉は後方に大きく吹き飛ばされた。
「くそっ今一手ごたえがねぇな。しかも体が思ったように動かない・・・」
立ち上がりながら前方を睨む。煙がはれる。和哉は驚愕した。黒いエターナルは、マキシマムがぶつかりあった場所に立っていた。
「なんであいつは飛ばされてないんだ?」
和哉が驚いた様子で言う。黒いエターナルはそれを聞いて首をやれやれというように横に振る。
「はぁ・・・お前の力ってのはこんなもんか」
「何?」
「一つ教えてやる。今、お前が変身しているレッドフレアは俺との能力差は全くと言っていいほど無い」
「何だと?じゃあ、この力の違いは・・・」
「気持ちの違いだ。お前は戦いが始まる前に、俺を許さない、と言った。じゃあ何故、俺を殺そうとしない?」
「何言ってんだ・・・俺はお前を倒すって言ったろうが・・・」
「そこだよ。今お前は倒すって言った。俺はそこらのドーパントとは違う。怪人なら、倒すでいいだろう。だが俺はメモリに住み着いた意識だ。殺さない限り、俺との戦いは終わらんぞ?」
「でも・・・怒りに身を任せ、何かを壊そうとしたら、それは俺じゃない。そんなものに囚われたら、人間でもなくなっちまう」
「何でお前は自分の怒りにのまれることしか頭にない?それをコントロールしようとは思わないのか?」
そう言われて、和哉は「はっ」となる。確かにそうだった。和哉は今まで、自分の感情を押し殺してきた。そして思い出した。5年前のあの日。風都タワーに行こう、と家族に言ったのは誰でもない、和哉自身だった。そして、風都タワーにいったら、あの事件が起き、家族は死んだ。自分のせいで。それからだ。和哉が自分の意見を言わなくなったのは。自分の言った言葉が原因で、誰かが傷つくのが怖かった。大切なものを失うのが怖かった。自分の感情を殺すことで、自分を殺してきた。だが、今回はそれが仇になった。自分の思った通りに体が動かないのはそれが原因だった。最初は、殺す、という感情や、こいつを消す、という思いもあった。だがいざ戦いが始まると、いつもの癖がでて、その思いや感情を押し込めて、理性にそって戦おうとおもってしまった。
「そんなんじゃあ、誰かを守るなんて無理だな。ドーパントなんか倒せやしねぇなぁ。なんつったけ?あの女。あいつ一人守れねぇだろ。どうせ無理なんだから、変身するたびに俺に飲み込まれちまえよ。そのほうが確実に勝てる。無駄な被害が出なくてすむんじゃないか?」
確かにそうかもしれない、と諦めかけていた。そんな和哉に黒いエターナルはさらに言葉をかける。
「お前の感情を邪魔するものも壊してしまおう。あの女や、今のお前の家族、学校の奴等も全て、壊してしまえばいい。自らの手で。そして絶望しろ。あの時よりも強く!さぁ、俺と共に全てを壊し、この世界も破壊するんだ。そして、新たな暗く、美しい“永遠”を手に入れよう」
それもいい。と暗示にかかりかけた和哉が差し出された黒いエターナルの手を掴もうとしたとき、もう一つの声が聞こえた。
(お前が掴む腕はそっちじゃない)
その声に振り向いたとき、和哉は驚いた。そこには、あの悪魔、大道克己が居たのだ。そして、和哉はもう一つ、驚いた。回りを見渡すと、変身した和哉と黒いエターナルがいた。そして、和哉の変身したエターナルが差し伸べられた黒いエターナルの手を掴もうとしているところで、時間が止まったかのように動かないでいた。
(ここは俺がこの空間の中に作り出したもう一つの世界だ)
大道克己が言う。
「お前、なんで生きて・・・」
(生きてはいない。俺はもう2回も死んだからな。これは俺の残された意識がお前に語りかけてるだけだ。・・・お前、このままでいいのか?あんなやつに操られて手に入れた永遠はお前の望んだものか?違うだろ。・・・悪魔と呼ばれていたが、俺も守ろうとしたものがあった。neverだった俺は、それを失ったせいで人間らしい感情が消えて、俺の故郷だった風都を壊してしまった。死んだ今、それを後悔しても遅いことはわかっているが、お前は生きてる。生きているうちはまだやり直せる。自分を怖がるな。neverになると過去は消えていく。だがお前は過去を見つめ直せる。過去の罪を背負って生きていけるんだ。もう過去はやり直せないが、未来に続くものは守っていける。それが、この永遠の力を手にしたお前の役目であり、お前の贖罪だ。さぁ、あの黒いのを殺せ。それを乗り越えろ。お前は、仮面ライダーだ)
その言葉を残して、大道克己の残された意識は消えた。
「俺は・・・生きてる。過去は見つめなおせる・・・」
大道克己の残した言葉を噛み締める。そして、和哉はうなずいた。
「俺は・・・あいつを・・・殺す」
そう決心したとき、あたりは真っ白な光に包まれた。
気がつくと、戦いの場に戻ってきていた。
「どうした?さぁ、すべてを壊そう」
動かない和哉にそう言い、さらにてを差し伸べてくる。和哉はその手を弾いた。
「!?」
驚いて黒いエターナルが後ずさる。和哉は立ち上がる。
「俺は・・・お前を殺す。そしてその罪も背負って生きる」
「何?自分の感情すらまともにコントロールできないお前が何を言う」
黒いエターナルがマキシマムを発動させる。拳に黒い炎を纏わせ、殴りかかってくる。和哉はそれを掌でうけとめた。
「ふん、無駄なことを」
黒いエターナルが拳を振りぬこうと力をさらにこめる。が、拳はピクリとも動かない。
「何っなんだこの握力はッ」
和哉が掴んだ拳を強引に下に下げていく。それに対抗するように黒いエターナルがマキシマムを重ねて発動させる。しかし、それでも自分の拳が動かないことに狼狽する。そこで黒いエターナルは気づいた。和哉の変身しているエターナルの腕から、『碧い炎』があがっていることに。和哉は掴んでいた拳を後ろへ放り投げた。それと同時に和哉の周りを碧い炎が覆う。その炎が弾けた。すると、炎の中から腕に碧い炎を描いたエターナルがあらわれた。その体から、白い風が発せられた。すると、風にたなびく黒いマントが出現した。そして、その胸と左の太もも、右の二の腕にマキシマムスロットが現れた。計26個。そのすがたは、大道克己が変身したエターナルそのものだった。
「お前に・・・永遠は無い」
・・・ネタがないッ!!!