彼は愛する者の為に日々働く。
この物語はどこまでもお人好しな彼の家庭の話である。
主人公に彼を選んだのは、頼れる大人というイメージで一番大きかったのが彼だっただけです。
巴マミは戸惑っていた。
魔法少女として、多くの戦いを乗り越えてきた彼女は仕事へと出向くと同時に新しく入った人物を見に来たのだが
(えっ、あの人、とっても怖いんですけどぉ!?)
そこに立っている人物に対して、マミを初めとした会社内全員が完全に意見が同意していた。
そこに立っている男性は外国人という事もあり、周りの男性社員と比べても大柄で筋肉が大きく、テレビで見るような人物だった。
だが、同時にそれ以上に鋭い三白眼と眼鏡に、口を閉じても目立つ下顎の犬歯と言った特徴を備えており、ヤクザだと言われても信じられる程の迫力を持っていた。
「あぁ、丁度良かった。
マミ君、彼に仕事の事を教えてくれないか」
「えっ私!?」
突然言われた言葉に驚きを隠せないマミだったが、すぐに言い返そうとしたが、目の前に迫ってきた男の迫力に負けてしまい、言葉を出す暇もなかった。
「本日からお世話になります、クラウス・V・ラインヘルツと申します。
どうぞ、よろしくお願いします」
(あらまぁ、声は意外とダンディなのねぇ)
目の前に迫りますます迫力を増しているクラウスに対して、頭の中では別の事を考えながら、この場を乗り切る事ばかり考えていた。
「それでは頼むよ」
「あっまっって早い!?」
すぐに別の人へと頼もうとしたが、既に上司の姿はなく、周りを見渡しても同僚が助けてくれる気配はなかった。
「とっとりあえず、まずは計算から始めましょうか」
今でも震える自分を立ち上げるようにクラウスに話しかけると共に、仕事を始めた。
パソコンでの業務や荷物運び、様々な仕事を指示しながら、クラウスと共に行動を行っていた。
「すみません、不器用なばかりに」
「あっ良いのよ、これぐらい大丈夫大丈夫」
夕方頃になり、普段よりも遅くに帰る事になってしまったが、その頃にはマミのクラウスに対する印象は大きく変わっていた。
仕事を一日中行っている間、その体格もあり力仕事を任せられ、言葉も丁寧で時々見せる天然ともお人好し過ぎるともいえる一面を見ていた最初に見た印象から大きく変わっていた。
「そういえば、クラウスさんって、年齢は幾つなんですか?」
「28歳です。
この体格もあり、色々と勘違いされる事もありますが」
そう言った彼の印象はマミの中での印象は好印象な事が多くなっていた。
(見た目はこの怖い事もあるけど、彼女とかいるのかしら?
いなかったらチャンス!)
巴マミ、31歳、周りの魔法少女達は結婚しており、一人だけ彼氏なしで独身。
「あのクラウ「あぁパパ!」ぱぱ?」
突然聞こえた声に驚き、振り向くとそこには巴マミとは知り合いである佐倉杏子の娘であるゆまがこちらに走ってきた。
「あぁ、ただいまゆま。
元気にしていたか」
「うんっ!!」
手慣れたように抱き上げたクラウスの姿を見て、マミは空いた口を開いたまま、見つめていた。
「あっあの、クラウス君。
あなた、もしかして結婚を?」
「はい。
ゆまがいるという事は妻も「おぉい」ほら」
「まったく、走るなよ。
おぉ、マミに、それにクラウスもか」
そこには買い物袋を片手に持っている杏子が歩いていた。
「んっなんだ?
クラウス、マミと知り合いだったのか?」
「えぇ、今日から新しい仕事先の先輩だったが、知り合いだったか?」
「まぁな。
あっ、そう言えば、紹介していなかったな」
そう言い、杏子はクラウスの横に立つと
「こいつが家の旦那でクラウスだ。
長い名前で面倒で、顔は怖いけど、とっても頼りになる旦那だから、よろしく頼むぜ」
「妻がいつもお世話になっております。
これからも、よろしくお願いします」
「あっあははは、よろしくお願いします」
再度、自己紹介をされ、苦笑いで対応したマミは、その日、いつもよりも多くのビールを飲み二日酔いになったのは、また別の日の出来事である。
クラウスの日常
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杏子と買い物
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ゆまへの娘馬鹿
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マミとの仕事
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嫁の友達の旦那