WARFRAME~二番目の太陽系~   作:アイゼンパワー

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戦闘開始まではほとんど丸写しです。ご了承ください。



許して(涙)


準備〜グリニアを添えて〜

ロデニウス沖大海戦での大敗北は、前線での士気低下を招く懸念から、最前線の兵に対して、その情報は遮蔽された。一部の高級幹部を除いて・・・。

 

 ホーク騎士団の所属するロウリア王国東部諸侯団クワトイネ先遣隊では衝撃が走っていた。

 威力偵察に出たホーク騎士団第15騎馬隊の約100名が、ギムの東方約25km付近で消息を絶った。

 導師によると、ワイバーンほどの魔力は一切探知されていない。

 高出力魔法が発せられた形跡が無いにも関わらず、100名もの騎士達が1人も帰ってこない。

 何かがあったとしても、1人くらいは帰ってきてもよさそうなものである。

 大軍に包囲殲滅された可能性はあるが、騎馬隊という、機動的な部隊が全滅するとは、どう考えてもおかしかった。

 

「何かおかしいとは思わないか?我々は、本当にクワトイネの亜人と戦っているのだろうか、導師ワッシューナよ、どう思う?意見を述べよ」

 

 東部諸侯団を取りまとめるジューンフィルア伯爵が問い糺す。

 

「魔力探知には、一切反応が無く、誰も気がつかなかったので、ワイバーン等の高魔力生物の使用や、ワイバーンの導力火炎弾のような高威力魔法の使用は無かったものと思われます」

 

「では何だと思う?」

 

「まさかとは思うのですが・・。」

 

「何だ!」

 

「最近、導師の間で・・・導師魔信掲示板に記載されていたのですが、あまりにも現実離れしており、荒唐無稽な書き込みなので、信じてはいなかったのですが・・・。」

 

「うむ」

 

「マイハーク攻略部隊が、船団全滅、さらに敵船に向かっていたワイバーン350騎が全滅し、作戦は失敗に終わったと・・・。」

 

!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 その場にいた全員に衝撃が走る。

 

「いや、待て待て、今回の派遣船団とワイバーンは、それだけでクワトイネを征服出来るほどの大部隊だった。仮にその戦力で列強パーパルディア皇国に攻め入ったとしても、彼らの艦隊包囲網を力でこじ開け、上陸させられるだけの量と戦力だ。1会戦の戦力としては、歴史上最大かもしれない。それが負けただと?たかがクワトイネに!?」

 

「実は・・・。ギムの粛清後に、日本とグリニアという国が参戦してきたらしいのですが、日本の操る船は、轟音と共に船を1撃で沈めるほどの魔導を連続して放ち、ワイバーンに対しては、追尾してくる光の槍を使い、光の槍が当たったワイバーンは粉々に吹き飛んだそうです。導師掲示板に、私の同期生が書き込んでいました。しかしグリニア軍についての情報は荒唐無稽であるとしか思えません。野太い咆哮が響き渡った次の瞬間に赤い光の線が空を貫き、一撃で船団のほとんどが、チリも残さずに消し飛んだそうです。」

 

 一同は考え込む。よくある戦場伝説なのか、突拍子も無い話だが、まさか本当なのか。

 

 先遣隊配備のワイバーンが150騎から75騎に減らされたことを疑問に思っていたが、話が事実なら納得できる。

 

「ホーク騎士団といえば、勇猛果敢で全滅した隊の騎士長も戦闘に関してはかなり優秀だ。馬も他の騎士達が使う馬よりはるかに速い。それが簡単に全滅とは・・・。」

 

ロウリア王国東部諸侯団クワトイネ先遣隊の将たちを悩ませる事態があと一つある。本隊からの指令書、指令主は主将名だが、問い合わせは恐怖の副将アデムである。

指令書にはこうある。

 

「城塞都市エジェイの西側3km先まで兵を集めよ。そこで、本隊合流まで待て」

 

 ジューンフィルアは、指令書を読んで、ますます胃が痛くなる。

 城塞都市エジェイ、国境の町ギムや、周辺の村々とは訳が違い、クワトイネ公国がその生存を賭け、来るべき対ロウリア王国戦のために作り出した町である。

 町そのものが要塞であり、城であり、基地である。

 ギムとは防御力の次元がちがう。

 城塞都市エジェイはギムから東に約50kmの場所に位置する。

 しかし!!!だ。先遣隊の現在地、ギムから東へ約5km、威力偵察の部隊が全滅したのは、現在地から東に約20km行った場所である。

 つまり、エジェイへ行くための半分の地点に高速移動のできる騎馬隊を1人も逃がさずに全滅させるほど強力な敵がいる。

 しかし、アデムの指令に逆らったら、自分が死ぬのはもちろんのこと、家族も恐らく惨たらしい死を遂げる事になるだろう。それだけは避けなければならない。

 ロウリア王国東部諸侯団クワトイネ先遣隊約2万名の兵は、東へ兵を進め始めた。

 

 城塞都市エジェイ

 

 城塞都市エジェイには、クワトイネ公国軍西部方面師団約3万人が駐屯しており、クワトイネの主力と言ってよかった。

 内訳は、ワイバーン50騎、騎兵3000人、弓兵7千人、歩兵2万人という大部隊である。

 将軍ノウは今回のロウリアの進攻をこの城塞都市エジェイで跳ね返せると思っていた。

 高さ25メートルにも達する防壁はあらゆる敵の進攻を防ぎ、空からの攻撃に対しても、対空用に訓練された精鋭ワイバーンが50騎もいる。

 まさに鉄壁、まさに完璧、いかなる大軍をもってしても、この都市を陥落させることが出来るとは思えなかった。

 

しかし今となっては無用の長物、ここから40km西にグリニアによってさらに堅牢な要塞がいくつも建設されたからだ。今回の戦闘はその要塞線の外側で行われる。グリニアはよほど自信があるのか、エジェイの住民を要塞の近くまで呼び寄せ、見物させると言って譲らない。

 

 

 「ノウ将軍、日本国陸上自衛隊の方々が来られました。」

 

 政府から協力するよう言われているため協力しているが、彼は正直自国にのり込んで来た日本軍が気に入らなかった。

 日本は我が国の領空を犯し、力を見せ付けた後に接触してきた。信じてはいないが、ロウリアの4400隻の船の進行も、たった8隻でくいとめたという。

 しかし、陸戦は何といっても、数がものをいう。今回、日本が送り込んで来たのは、陸上自衛隊第7師団とかいう、6千名弱の兵力だ。

 奴らはエジェイの東側約5kmのところに星型の基地を作って駐屯している。

 政府が許可を与えたらしいが、国土に他国の軍がいるのは良い気分ではない。

 6千名という数も、伝え聞いている日本の人口1億2千万人という人口からすると、ずいぶんやる気の無い兵力だ。

 いずれにせよ、自分たちがロウリアを退ける事が出来るので、彼らの出番は無い。

 

 コンコン

 

 ドアがノックされる。

 

「どうぞ」

 

 将軍ノウが立ち上がり、彼らを迎える。

 

「失礼します」

 

 一礼し、室内に入る人間が3名

 

「日本国陸上自衛隊、第7師団長の大内田です」

 

 自分の着ている気品のある服とは違い、シンプルな服を着た人物、こやつが今回の日本の派遣軍の将軍というのが、ノウには信じられなかった。

 

「これはこれは、良くおいで下さいました。私はクワトイネ公国西部方面師団将軍ノウといいます。このたびは、援軍ありがとうございます。感謝いたします」

 

 まずは社交辞令から入る

 

「日本の師団長殿、ロウリア軍はギムを落とし、まもなくこちらエジェイへ向かって来るでしょう。しかし、見てお解かりと思うが、あなた方の軍は少な過ぎる。」

 

 ノウは続ける

 

「我が国は侵略され、ロウリアに一矢報いようと国の存亡をかけ、立ち向かおうと思います」

 

「日本の方々は、東側5kmの位置にある、あなた方が作った基地から出ることなく、後方支援をしていただきたい。ロウリアは我々が退けます」

 

 ノウは(邪魔者はひっこんでいろ)という意味を込め、このような発言を行った。相手も国の命令で派遣され、プライドがあることを承知の上で。

 

「解りました。我々は基地から後方支援を行います。ただ、お願いがあるのですが・・。」

 

「なんでしょうか」

 

「敵の位置、戦局を伝える必要があるので、観測要因と機材を50名ほどエジェイに置かせてもらえませんか?」

 

「わかりました」

 

 日本の将は退室した。ノウは思う。5km後方から支援してくれとは、皮肉であり、実質的に5kmも離れていたら、何も出来ない。つまり何もするなという意味である。

彼らにプライドは無いのだろうか?

 

「ノウ将軍、グリニア軍の方々です」

 

そしてノックもせずに入ってくるのは、体を奇妙な鎧に身を包んだ二人組の大男だった。

 

『サルガス ルク 将軍だ。 どうぞ よろしく。』

 

『レック クリル大尉だ。よろしく。』

 

「これはこれは、良くおいで下さいました。私はクワトイネ公国西部方面師団将軍ノウといいます。このたびは、援軍ありがとうございます。感謝いたします」

 

日本の派遣軍の司令官に使った社交事例をもう一度使う。

 

「グリニアの方々には深く感謝しています。しかしあなた方、正気ですか?陸戦なのに、“船”を出すなど、信じられません。」

 

彼は信じられなかった。書類に載っていた彼らの派遣軍の内訳。そこには“ガレオン船 30隻”と書いてあった。その時、ノウは思った。

(もしかして奴ら、とんでもない馬鹿なんじゃ?)

陸戦に船など、言語道断。そもそも陸上で船が動けるわけがない。

 

『いーや、 大丈夫 だ。 貴公らは 後ろで 見ているが 良い。』

 

『そうだ。我々には我々の考えがある。』

 

これ以上はいけない。ノウの勘がそう訴えていた。

 

「そうですか……それではよろしくお願いします。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 ロウリア王国東部諸侯団クワトイネ先遣隊約2万の兵は、特に障害を受ける事なく、城塞都市エジェイの西側約5kmの位置まで進軍した。

 あと3km進んだ場所が、指示された場所だが、そこには大きな壁があった。ジューンフィルアはここで野営することにする。

 いやな予感がする。彼らはこの場所で1週間とどまる事を決めた。

 

 ノウはあせっていた。敵兵2万が、要塞から西側5kmの位置に布陣している。

 ロウリアの兵力からすれば明らかに先遣隊であり、こちらから撃って出ると、ロウリア軍本隊が到着する前に、戦力をすり減らしてしまう。

 では、要塞に篭れば良いのだが、問題は敵騎兵が300名ほど城の外で怒声をあげ、去っていく事をくり返している。

 本格的進攻かどうかの判断がつかず、兵が神経をすり減らす。

 ワイバーンを使用しての強襲も考えられたが、ワイバーンは夜飛べない上に、着陸時を敵ワイバーンに狙われたら終わりのため、動かせなかった。

 このままでは、敵本隊が着くころには、兵はヘトヘトになってしまう恐れがあった。

 伝令兵が駆け寄ってくる。

 

「日本軍から連絡が入りました」

 

「読め!」

 

「はっっ!エジェイ西側5km付近に布陣する軍は、ロウリア軍で間違いないか?ロウリアであるなら、支援攻撃を行ってよろしいか?又、攻撃にクワトイネ兵を巻き込んではいけないため、ロウリア軍から半径2km以内にクワトイネ軍はいないか確認したいとの事であります」

 

「基地から出るなと言っているのに・・・。結局は手柄がほしいのだな・・・。まあ良い。日本軍がどんな戦いをするか、高みの見物をするとするか・・・。許可する旨伝えろ!」

 

「はっ!!」

 

 

 晴れ渡る空、その日は雲の少ない良い天気だった。朝は少し肌寒く、空気は乾燥している。空気に埃などの不純物が無いため、遠くの空まで良く見渡せる。

 ジューンフィルアは少し高い丘から2万もの兵を見下し、深呼吸する。

 空気がうまい。

 彼らは士気旺盛だった。交代で300名ほどの騎士が夜間威嚇に向かう。他のものはしっかり眠れる。ギムで奪った食料は美味く、申し分ない。

 敵はエジェイに引きこもって戦うつもりのようだ。密偵の情報によれば、ワイバーンは50騎近くいるらしい。脅威ではあるが、使用してこない。

 このまま本隊の到着まで待てば、ワイバーンによる上空支援を受けられる。圧倒的兵力をもって、エジェイを落とせる。

 彼はそう思っていた。

 東の空に、白い点が現れる。

 何か、空気を叩くような音が聞こえる。

 

 バタバタバタバタ・・・・。

 

「!?何だ?あれは」

 

「新種の龍か?」

 

 例えるならば、変な形をした箱、そしてその箱の上で、何かが超高速でぐるぐる回っていた。

 やがて、軍の上空にそれはやってくる。

 弓の届かない高空、

 その箱から、白い何かが巻かれた。ヒラヒラ舞って落ちるそれは、上質の紙だという事に気がつく。

 ジューンフィルアはその紙を手に取る。

 ロウリア語で書かれたその紙を手に取り、凍りつく・・・。

『2時間以内に荷をまとめ、退却を開始セヨ、さもなくば、貴軍を攻撃する。 日本国陸上自衛隊第7師団長 大内田 和樹』

 

 ついに来たか・・・。噂に聞く日本という国、かつてない敵に対し、ジューンフィルアは武者震いする。

 こちらとて、2万の大軍、少し攻撃されたくらいで崩れるものではない。

 しかし、攻撃をわざわざ教えてくるとは、律儀な国だ。

 ジューンフィルアは隊列を組み、戦闘準備を取るよう指示した。

 

 

 「これ・・・持ってきてたんだ・・・。」

 

 ある隊員がつぶやく。

 その目の先には、一時廃棄されたはずの兵器が見えていた。

 MLRS、12発のロケットを内蔵し、1発あたり644個の子弾をばら撒き、サッカー場6面程度を瞬間的に制圧、非装甲物に対して絶大な効果をもたらす。

 クラスター爆弾の禁止条約に加盟してから姿を消したはずの兵器、日本の異世界の転移により復活していた。

 それが12台西を向いている。さらに、155ミリ自走榴弾砲が多数。展開している敵のほぼ全てを効果範囲に納める。

 

その横には155ミリ自走榴弾砲よりはるかに大きい砲台があった。

 

「あれはなんだろう?」

ある隊員はまた呟く。

 

「ああ、どうやらグリニア軍の砲で、なんつったかな。そうだ!空間制圧砲だ。」

別の隊員が返す。

 

「なんだそれ、」

 

「どうもクラスター弾専用の砲らしい。ま、要は大きなショットガンだな。」

 

「はえー。」

 

そうして隊員間の特に意味のない会話が終わった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 2時間が経過した。

 

「敵に動きはないのか?」

 

「隊列を組み、戦闘態勢を整えつつあります。なお、付近にクワトイネ軍は存在しません。」

 

「そうか・・・。しかたがないな。攻撃を開始セヨ!!」

 

 轟音と共にロケット弾が連続して発射され、さらに155mm榴弾砲が砲撃を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

『日本の腑抜けに遅れをとるな!空間制圧砲砲撃開始!』

 

『グリニア ガレオン 出撃 せよ!』

 

そうして空を大勢の船が空を埋め尽くしながら、敵陣に向かって飛んでいった。




次回!ついに農業開始!お楽しみに!
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