WARFRAME~二番目の太陽系~   作:アイゼンパワー

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お久しぶりです!試験も終わって、今筆者は超ハッピーです。感想くれると執筆速度とやる気が出るので、感想ください!


開戦〜灰色のクサビを添えて〜

利益、利益、と、

委員殿も無茶をおっしゃる。

戦闘で利益を得るなどあり得ないだろうに。

 

第一攻撃小艦隊をNefに任せられたThe Sergeant(ザ・サージェント)はそう思った。

 

今回の任務はフェン王国の海軍……水軍だったか?……まぁ、良い。海の軍隊であれば皆海軍なのだ。

 

話を戻そう。

 

今回の任務はフェン王国海軍と共に北西から迫るパーパルティア海軍を“出来るだけ消耗せずに”撃破、もしくは撃退しろ、というものだ。

 

消耗したくないなら船を出さなきゃいいのに。

 

Sergeantは過去に左遷されたことを思い出しながら考える。

 

今回の辞令も左遷なのでは?

 

しかし理由が思い当たらない。

 

結局、彼は考えるのをやめた。

うまくやればまた過去の栄光を取り戻せるかもしれない。

ならば、今できることは消耗を抑えて、勝利を収めるだけだ。

 

そして、彼は会議室へと赴き、参謀達と共に作戦を練ることにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

フェン王国 水軍

 

 フェン王国、王宮直轄水軍13隻はパーパルディア皇国との戦争の可能性があったことから王国西側約150km付近を警戒していた。

 警戒にあたる水軍は、フェン王国の中では精鋭をそろえており、比較的経験の浅い者は、今回警戒の任にはつかず、軍祭に参加している。

 水軍は木製の船に、効率の悪そうな帆を張り、進む。

 機動戦闘が必要な場合は、船から突き出たオールで全力で漕ぐ。

 船には、火矢を防ぐための木製盾が等間隔に整然と置かれ、敵船体を傷つけるためのバリスタが横方向へ向かい、3機づつ設置されていた。

 火矢を放つための油の壺も、船上に配置されている。

 13隻の水軍を束ねる旗艦は、他の船に比べひとまわり大きく、船首には1門だけ大砲が設置されている。

 水軍長 クシラ は西方向の水平線を睨んでいた。

 

「軍長、パーパルディア皇国は来ますかね・・・。」

 

「先ほどワイバーンロードが我が国に向かい飛んでいった・・・必ず来る!」

 

「・・・勝てますか?」

 

「ふ・・・列強国相手とはいえ、タダではやられんよ。うちはかなりの精鋭揃いだからな。

それに・・・。」

 

 軍長は艦首にある大砲を見る。

 

「あれを見よ!文明圏でのみ使用されていると言われる魔道兵器だ!球形の鉄の弾を1km近くも飛ばして、船にぶつけ、その運動エネルギーをもって破壊する。これほどの兵器を船に積んだんだ!」(グリニアが聞いたら鼻で笑い、コーパスが聞けば嬉々として自分たちの兵器を売り付けようとするだろう)

 

 軍長は艦長に話す。

 部下の前で不安は口に出来ない。しかし、軍長は知っていた。列強には、砲艦と呼ばれる船ごと破壊出来る超兵器が存在することを。

 フェン王国のトップシークレットだった。

 おそらく砲艦は、このフェン王国最強の船、旗艦剣神のように、文明圏に存在する大砲と呼ばれる魔道兵器を船に積んだものだろう。

 しかも、その最強クラスの船が、列強では普通に存在するのだろう。

 水軍長クシラの頭の中は、来るべき列強パーパルディア皇国との戦闘に備え、フル回転を始める。

 

(どうすれば・・・勝てる?)

 

「艦影確認!!!!艦数22!!!」

 

 マストの上で見張りをしていた見張り員が大声で報告する。

 ついに、来たか!

 

 水平線に艦影が見える。

 望遠鏡と通して見えるその艦は、フェン王国王宮直轄水軍の船に比べ、遥かに大きく、先進的である。

 デザインと機能性を兼ね備えたマストに風の魔法で吹き付けられる風を受け、フェン王国式船より速い速度で船は進む。

 水平線から徐々に大きくなっていく敵艦隊は、フェン王国水軍長クシラの目を持ってしても優雅であり、美しく、力強い。

 各艦の乱れない動きから、錬度の高さが伺える。

 

「総員、戦闘配備!!!!」

 

 船員が慌しく動きまわる。

 

「・・・思ったより接近が早いな・・・。」

 

 彼の想定する船速よりも速く艦隊は近づいてくる。

 

「くっっっ・・・初弾だ!最初に一番威力のある攻撃を行ない、その後魔導砲を放ちながら最大船速で敵に突っ込むぞ!!!!」

 

「各自、戦の準備を!!!旗艦剣神を最前列とし、縦1列で敵に突っ込むぞ!!!」

 

・・・たのむぞ・・・。

 水軍長クシラは旗艦剣神の船首に1門だけ設置された魔導砲に願いを込めた。

 

 

 

 「艦影確認、あの旗は・・・フェン王国水軍です」

 

 パーパルディア皇国 皇国監査軍東洋艦隊の提督、ポクトアールは報告を受ける。

 

「フェン王国か・・・。ワイバーンロード部隊の通信が途絶している。新兵器を持っているのかもしれないな・・・。」

 

 ポクトアールは声を張り上げる。

 

「相手を蛮族と侮ってはいかん!列強艦隊を相手にする意気込みで、全力で叩き潰すぞ!!」

 

 艦隊は速力を上げ、フェン王国水軍へ向かって行った。

 

 

 

 フェン王国水軍

 

「間もなく敵との距離が2kmに接近します」

 

 報告があがる。

 

「あと1kmで敵の砲艦の射程に入るか・・・。」

 

 水軍長クシラの額に汗が滲む。

 

「最大船速!!!オールを漕げ!!!」

 

 各船からオールが突き出る。

 太鼓のリズムに合わせ、一定のリズムでオールが漕がれ始める。

 フェン王国水軍13隻は、速度を上げ、進む。

!!!!!!

 

「敵船が旋回しました!」

 

 敵の艦隊が一斉に横を向く。

 

「何をする気だ!?」

 

 水軍長クシラは、敵船の動きの理解に苦しむ。

 

 パパパパパパッ・・・・・敵船が多数の煙に包まれる。

 ドドドドドドーン・・・・少し遅れて炸裂音が海上に鳴り響く。

 

「ま・・・まさか!!!ま・・・魔導砲!?」

 

 そんな馬鹿な!文明圏で使用されている魔導砲は、射程距離が1km、現在の敵との距離は2km、まだ倍もの距離がある。

 しかも、こちらは艦首に1門だけ魔導砲を設置しているが、敵は・・・1艦あたりに比較にならないほどの数の魔導砲がある。

 

 シュボンシュボンシュボンシュボン・・・・・

 

 砲撃の落ちた場所に水柱があがり始める。

 

 く・・・当たるなよ!!

 水軍長クシラは神に祈る。

 ドーーン・・・シュバーーーーーン!!!!!

 旗艦剣神の後方を航行していた船に、敵の魔導砲が着弾する。

 砲弾は炸裂し、船上に設置してある火矢を放つための油壺をなぎ倒し、撒き散らされた油に引火、船は爆発炎上を初める。

 フェン王国の精鋭部隊が・・・鍛え抜かれた肉体、練習に練習を重ね、地獄のような訓練の後に得られた剣術が発揮される事無く船上で焼かれ、転げまわる船員

 

「なんということだ!!!」

 

 次々と砲はフェン王国水軍に着弾し始める。

 多数の船は炎上してゆく。

 

「少しでもけん制しなければ!!魔導砲撃てーーーーっ!!!」

 

 旗艦剣神の船首に1門設置されている砲が、轟音と共に、球形砲弾を放つ。

 次の瞬間、敵砲が旗艦剣神に着弾し、爆発!船上に大穴が開く。

 

「これが・・・列強かぁっ!!!」

 

 砲艦の数、1艦あたりの砲数の差、砲の射程距離及び威力、そして艦の船速、どれもが桁違いであり、水軍長クシラは、力の差を思い知る。

 これほどの差とは思わなかった。列強とは、文明圏内での規模のみの差で、「列強」と名乗っていると思っていた。

 しかし、現実は違った。「質」、「技術」においても列強は文明圏を遥かに凌駕していた。

 これでは、敵が1艦だったとしても勝てない。

 水軍長クシラの意識は、燃え盛る旗艦剣神の弾薬室への引火と共に、永遠に失われた。

 

 

 

「フェン王国水軍の艦は13隻すべて撃沈しました。我が方の損失ゼロ、人員装備異常なし」

 

・・・・・

 

「・・・考えすぎだったか・・・。」

 

「敵はやはり蛮族でしたね、大砲を1発だけ撃ってきましたが、文明圏通常国の使用している、我が国からしたら、旧式の砲でした。艦隊の遥か手前に着弾しています」

 

「そうだな・・・進路をフェン王国首都、アマノキへとれ!!!」

 

 艦隊は1隻の損失も、僅かな被害も出す事無く、さらなる敵を求めて東へ向かった。

 

その先に栄光は無く、ただ死のみが存在することも知らずに……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

《レーダーに感あり。西へ76km、IFF反応なし。パーパルティア海軍であると思われる。》

レーダー担当船員は顔を持ち上げ、船長であるサージェントに向かって報告する。

 

それに対し、サージェントは軽く頷き、有線マイクを握って、指示を出す。

《全艦砲へエネルギー装填を始めろ。シールド起動、第一級戦闘用意。》

 

瞬間、滑らかな灰色のクサビ型をした船から、80cmレーザー砲がせり出し、その他にも局所防衛用対空砲や、35cmレーザー砲がせり出す。

砲塔からは青い光が溢れ、いかにも危険そうな香りを撒き散らしている。

 

《すでに射程距離内です。撃ちますか?》

砲雷長から尋ねられるが、サージェントは首を横に振る。

《機関長、短距離ワープの用意は?》

《ええ万端ですが……》

サージェントに尋ねられた機関長は内線越しに答え、訝しむ。

 

《短距離ワープ起動用意。少々驚かせてやろうじゃないか。》

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

順調な航海だ。雲は無く、敵もいない。

ポクトアール提督は望遠鏡を覗いている。

「今のところ、何も障害はありません。アマノキまであと100キロほどで到着します」

「そうか」

部下からの報告に応えるが、明らかに心ここに在らずと言った感じの返事だった。

「……何を心配しておられるのです?」

「何か、嫌な感じがしてな、まあ、何も無いなら良いのだが……」

 

その時、空間に割れ目が走る。

 

白い鱗粉をまとい、亀裂から灰色の、空飛ぶクサビが現れた。

 

《聞こえるか?こちらコーパス海軍、ここから先は我が友邦の領域である。侵入を禁止する。直ちに回頭せよ。》

 

傲慢さすら感じられるような声で告げられる。

 

恐れを抱き、今にも跪き、声に従いそうになる。

しかしそうはならなかった。

彼には誇りがあった。

列強国軍人としての誇りが。

 

「旋回!船腹を向けろ。砲戦用意!」

 

何隻もの木製戦列艦は船体をギシギシ言わせながら砲が何十門と並ぶ船腹を向け、砲弾を放った。

 

パパパパパパパ……船体が再び煙に包まれる。

 

しかし悲しきかな。

相手は空を飛んでいるのだ。

前時代的な丸い鉛の砲弾にライフリングのない砲身では届くはずも無く、くさび形の影の中に水柱を作るだけであった。

 

《回頭する気がないのはよくわかった。しかも攻撃してくるとは!……その選択を後悔するがいい。》

 

声がそう言い残した直後、僚艦がいる場所を青い光線が貫く。

 

木片が飛び、焦げて炭となったものまで飛んでくる。

 

一瞬で、残っている船は自分の乗船だけになった。

 

《……何?Nef殿がお呼び?……運が良いな。今帰還命令が出た。貴様らはどうしようか。二つの選択肢をやろう。1、ここで貴様の仲間と同じく消し炭になるか。2、我々に投降するか。サァ、どっちを選ぶ?》

 

彼には軍人としての誇りがあったが、生存を望む生物的本能には勝てなかった。

 

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《あなた……私の命令を覚えていますか?》

 

《ええ……もちろん。出来るだけ無駄遣いせずに殲滅しろと……》

 

《なのになぜ短距離ワープなんて使ったんです?あれの燃料がものすごく高いことがわからないあなたではあるまいし……》

 

《…申し訳ございません……》

 

《元の任地に戻りなさい。燃料代の一部はあなたの給料から天引きさせていただきます。》

 

《……そんな……》




コーパス内では
オロキン(古代文明)の遺物>>>>>>>金>>>>>>>>>>>>>>(超えられない壁)>>>>>>>人の命
なのでもしかしたらサージェントくんのお財布からはシールドエネルギー代も支払わされるかも……?

そろそろ新兵器出したいなあって、
新兵器開発の様子を書きたいなって思う今日この頃です。
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