WARFRAME~二番目の太陽系~   作:アイゼンパワー

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評議員ヴェイ ヘク
座右の銘:プラズマグレネードに始まり、プラズマグレネードに終わる外交
好きなもの:プラズマグレネード、HEK(ショットガンの一種)とグリニア
嫌いなもの:自分に敵対する者

困ったことの解決法:『プラズマグレネードのピンを引き抜き、投げる。ほぉら!困りごとなんて無くなっただろう?なぜならその原因が消えたからな!ハアッハハッハッハ!』


〜開戦〜あんまり関係ない評議員のブチギレを添えて

 話しは少し戻る。

 パーパルディア皇国のワイバーンロード部隊をあっさりと片付けたコーパス商業連合、その活躍を見て、文明圏に属さず、軍祭に参加した各国武官は放心状態となっていた。

 

「な・・・なんだ!!!あの凄まじい魔導船は!!!」

 

「なんという恐ろしい力だ!!常軌を逸しているぞ!!」

 

「あの列強ワイバーンロードをあっさりと叩き落とした!!いったい・・・何なのだ!あの船たちは!!」

 

「日本と、コーパスとかいう新興国家らしいぞ・・・」

 

「まさか・・古の魔帝の流れを汲む者たちでは!?」

 

 海岸から海を眺めていた文明圏外の国々の武官たちは、自分たちの常識とかけ離れた力を持つ巨大船に恐怖を覚えると共に、味方に引き入れる事は出来ないかを考え始めていた。

 パーパルディア皇国を遥かに超える力を・・・もしかしたら、あの船の国は持っているのかもしれない。

 フェン王国の軍際に来たのであれば、フェンとは友好関係にある*1という事だ。

 フェン王国と良好な関係を築き、あの船の国と仲良くなれば、もしかしたらパーパルディア皇国の属国化を防げるかもしれない。

 奴隷としての国民の差出や、領土の献上等、もしかしたら・・・*2

 

 フェン王国がパーパルディアの領土租借案を蹴った時は、フェンが焼き尽くされるのではないかとも思ったが、あの船の国と友好関係にあるのであれば、フェンが強気に出るのも理解できる。

 

 後にフェン沖海戦と言われた海戦後、日本は急激に多数の国と国交を結ぶ事となる一方で、コーパスは人気がなかった。

 

理由はたった一つ。莫大な額の“仲良し税”の支払いを求めたからだ。

一応コーパスの指導者に当たるコーパス運営理事委員会暫定委員長nef anyo殿曰く《我々コーパスがタダで戦力を差し出すわけがないでしょう。せめて弾薬代や食費、維持費諸々をお支払い願わなくては。……金がない?何を馬鹿なことを、ほら、そこに金の塊がいるでしょう?(国民を指しながら)》

………コーパスはどこへ行っても銭ゲバ、守銭奴、拝金主義者のドケチなのだ*3

 

ーーーーーー

 

パーパルディア皇国 第3外務局

 

 局長カイオスは、その報告を聞き、脳の血管が切れるのではないかと思われるほど激怒していた。

 事の始まりは、フェン王国が皇国の領土献上案を拒否した事からはじまる。

 498年間の租借案という「慈悲」も、双方に利があるにも関わらず、拒否される。

 

「フェン王国は、皇国をなめている」

 

 このような意見が第3外務局内で主流になった。

 数多の国々が存在するこの世界において、文明圏5カ国、文明圏外67カ国、国の大小はあるが、計72カ国もの属国を持つ列強パーパルディア皇国にとって、文明圏外の蛮国からなめられた態度をとられる事は、とても許容出来るものではない。

 他の国々の恐怖の楔が外れては困る。

 このような事情もあって、パーパルディア皇国第3外務局所属の皇国監査軍東洋艦隊22隻と、2個ワイバーンロード部隊が派遣されたのであった。

 

 ワイバーンロード部隊により、フェン王国首都 アマノキ に攻撃を行い、フェン人に恐怖を植え付け、軍祭に参加している文明圏外の蛮国武官に力を見せつける。

 そして、艦隊による無慈悲な攻撃により、フェン王国首都 アマノキ を焼き払い、パーパルディア皇国に逆らったらどうなるのかを他国に見せつける・・・計画だった。

 しかし、結果は惨憺たるものだった。

 空襲に向かったワイバーンロード部隊は魔信を入れる間も無く、消息を絶った。

 どうやったのかは不明だが、おそらく全滅したものと思われる。

 これについては、当初 ガハラ神国 の風竜騎士団が参戦したのではないかと疑われた。しかし、風竜は確かに強いが数が少なく、通信する間も無く全滅するのは考えにくい。

 その後に入ってきた情報、

 フェン王国水軍と、東洋艦隊が会敵し、敵水軍を一方的に撃破!我が方に損傷なし。

 これは良い。蛮族相手なら当然の結果だ。

 そして、問題は次に入った情報だ。

 「皇国監査軍東洋艦隊 敗北」

 第3外務局に激震が走った。

 しかも、提督は海戦の恐怖で頭がおかしくなったらしく、たったの1隻にやられたと、ありえない報告をしている。

 提督の言い分によれば、

○灰色の空飛ぶ超巨大船と会敵する。

 ○ 皇軍が攻撃を行ったとこ、魔導砲の射程圏外へ、砲がまるで届かなかった。

 ○ 敵巨大船は、距離3.5kmで艦隊に射撃、青い光が走った後、そこに船はもうなかった。

 ○ 敵巨大船は飛ぶ、近づいてから砲を撃っても届かなかったであろう

 ここまでの報告でも、おかしい所は多々ある。まず、船が我が方よりも大きいのに速いし飛ぶという部分。

 船が大きいと、当然水の抵抗は強くなる。パーパルディア皇国の使用している風神の涙は、はっきり言って世界一であり、神聖ミリシアル帝国でも、これほどの風神の涙は作れない。  

極め付けとしては船が“飛ぶ”という報告。どんな船であろうと、飛ぶことはないのだ。船とは、水の上を走るものであり、空を飛ぶものではないのだ。

そして、3.5kmもの距離を置いての威嚇射撃。

文明圏の列強でさえ、現在は2km飛翔する砲弾しか造れない。それを遥かに超える射程距離など、しかも文明圏外で、ありえるはずが無い。

敵対する船があり、物語のような超高性能船が仮に存在したとしても、光が走っただけで船が消えるとは……かわいそうに、頭が壊れてしまったに違いない。

 古の魔帝でも光の砲撃など無理だ。しかも、船のような巨大な物体を一撃で消しとばすなど、提督はなんて想像力が豊かなのだろうと感心する。

 しかも・・いや、もうやめよう。これらの報告は、完全に負けた言い訳だ。文明圏外の蛮国がそんな超高度な兵器を持っている訳が無い。

 提督以下の兵士たちは、口を噤んでいるという。提督に脅されているのかもしれないため、今後どんな敵で何隻いたのか、詳細な調査が待たれるところである。

 

皇国に泥を塗った敵がいるのは事実であり、ふざけた敵を殲滅する必要がある。

 しかし、敵が誰か知らなければ、攻めようが無い。

 今回は負けている。皇帝の耳にも入るだろう。次は、監査軍ではなく、最新鋭の本国艦隊が動くこととなろう。どこかの列強がバックについている可能性も高い。

 第3外務局は「敵」を知るため、情報収集を開始した。

 

ーーーーーーー

 

 パーパルディア皇国第3外務局 窓口

 

「もうしわけありませんが、今日課長と会う事は出来ません。」

 

 日本国外務省の職員と評議員ヴェイ ヘク(とその取り巻き)は、約束したパーパルディア皇国外務局の課長と会議のためやってきたが、窓口で再度足止めをくらう。

 

「何故ですか?約束したではないですか!!」

 

「ちょっと込み入った事情が発生いたしまして・・・。申し訳ありませんが、文明圏外の新興国と会議をしている状況ではないのです。予定は未定です。また1ヶ月以上後に連絡を下さい」

 

そして、案の定というべきか、短気なグリニア人の中でも一際凶暴で残忍な評議員殿の堪忍袋の緒がまた切れた。外務省職員にとっての苦難の時間はこれからだった

 

『き、貴様!ふざけるでない!このような小国など、貴様のような小役人などに!!このようにたらい回しにされるなど!我慢ならん!今夜からは震えて眠るがいい、もしかしたらプラズマグレネードが貴様の枕の下に潜んでるかもな!フフ、ハァハッッハッハ!』

 

「ま、まぁまぁ、評議員閣下。今日のところは、今日のところは帰りましょう?そんなにかっかせずに、ほら、次は面会できるかもしれないじゃないですか。ね?」

 

『やかましい!このヴェイ ヘク。座右の銘は“プラズマグレネードに始まり、プラズマグレネードに終わる外交”なのだ!今こそ、この座右の銘が生きる時だ!今でなく、いつ生きるか!』

 

この評議員、先述した通りかなり短気で、凶暴なのだ。一回怒り出すと終わりが見えないし何より怖い。とにかく怖い。

顔も怖いしすぐに持ち出すプラズマグレネードが怖い。

ていうかプラズマグレネードって何?なんなの?なんでいつも持ってるの?

 

 日本が原因で第3外務局は忙しくなっていたため、この日も重要人物とは面会できず、日本国外務省の職員は、この日もトボトボと、グリニア 人と共に評議員殿を引きずりながら帰っていった。

 

『この恥は忘れんぞ!貴様らの局長、カイオスと言ったか?に伝えておけ、貴様だけは必ず殺してやるとな!一番苦しい目に合わせた後に殺してやる!必ずだ!』

 

 

フェン王国の軍祭の後、日本は文明圏に属さない国々と、次々と国交を結んでいった。

 今までは、日本から出て行き、調査して国交を申し込んでいたが、フェン沖海戦の後はレトロな船にのって次々とやってくる国が増えた。

 海上保安庁は忙しくなったが、日本と国交を結んだ国は22カ国に増え、通商が始まった。

 

一方、コーパスも宣伝を始めた。値段は張るが、強く、大きい傭兵としてコーパス警備サービスを売り出したのだ。しかも今なら始業記念として出血大サービス、通常1週間の契約10万クレジット(任務により変動します)のところ今ならなんと半額以下の4万!契約しない手はありません!(なお料金の支払いが滞った場合コーパス警備サービス月間最優秀社員が取り立てに赴きます、ご了承ください)

 

グリニア はというと……昔と変わらず、喚き散らしているだけだった。

ワン将軍は賢明と言えど、“グリニア人の中で”最も賢明なのだ。軍事的な技術や知識は他の種族と比べても最高峰に位置するが、政治や外交はというと……なんというか、控えめに言って下手くそである。これは前世界でグリニアが歓迎されなかった原因の一つである。

なので苦肉の策として同じく傭兵サービスを始めた。(なお個体によっては異常に凶暴になり、味方を撃つ可能性がございます。導入の場合はよくご検討ください)

 

ーーーーーーー

 

 パーパルディア皇国第3外務局

「なんだと!?今年は奴隷の差出が出来ないだと!?」

 

 外務局職員が、トーパ王国(文明圏外)大使に怒鳴りつける。

 

「我が国の民を、奴隷として貴国に差し出すのはもうやめとうございます」

 

 大使が冷汗をかきながら答える。

 

「ふん!では、各種技術供与の提供を、貴国だけ停止させるぞ!!」

 

 皇国は、超旧式技術の供与を文明圏外の国々に少しずつ行っていた。少しずつ国力が増す・・・が、周辺国家も少しずつ国力が増すため、パワーバランスは変わらない。

 一国だけ供与が停止されると、他国との発展速度に差が出るため、他国に先を超され、国力は衰退する。

 皇国は、各種技術供与も外交手段の一つとして利用していた。

 言うことを聞かなければ、工具や、釘などの部品の輸出の停止まで視野に入れていた。

 これで完全に国が立ち行かなくなる・・・はず。

 

 トーパ王国の大使はいやらしい薄ら笑いを浮かべる。

 

「技術ですか・・・。ならば、我々は奴隷を差し出さない。皇国は我が国への各種技術供与を停止する。これでいかがですか?」

 

 今までのトーパ王国からは考えられない強気な態度だ。

 大使は話を続ける。

 

「我々は・・・あの日本と国交を結んでいるのですよ」

 

 フッと笑い、大使は締めくくった。

 

コーパスに魔導技術を売り、代わりにその科学技術を買い、グリニアに治癒魔術を売り、無尽蔵な人的資源の一部を貸与してもらう、最後にセーフティーネットとして日本と国交を結び、二カ国に見捨てられても日本に守ってもらう。これが文明圏外国の流行りであった。

 

 

*1
一応言及するが友好関係にはない。フェン王国宣戦布告の正当化に使われたのみである

*2
莫大な税金が待っているのでそれはない。コーパスの教義は搾取なのである。払えなかった場合は体(有機部品としての価値が高い)と労働力で支払わされるのだ

*3
これでかなり強いんだからタチが悪い




ヴェイ ヘク殿は叫び声が好きなんですよね……
伝説の話も書きたいな……
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一言だけ!関係ないことでもいいので!
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