艦娘会議 (旧題:長女会議)   作:corin7121

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5月19日は日本人初のボクシングチャンピオンが生まれたことからボクシングの日

というわけで会議そっちのけでゴングです。


軽巡最強決定戦

青葉「只今をもちまして軽巡級(ライトクルーザー級)決勝戦を始めたいと思います!」

観客「わー!わー!」

青葉「青コーナー。165m 6000t。アトランタ級軽巡洋艦。CL-51!

 

アトゥランター!!!! 」

 

アトランタ「全部叩き落してやる」

 

青葉「赤コーナー。162m 5100t。球磨型軽巡洋艦。一番艦!

 

くぅーまーー!!!! 」

 

球磨「ぅおおおおっ!!」

 

青葉「試合形式は3分12Rスリーノックダウンを採用しています。実況は私、青葉。解説には戦艦級日本王者・武蔵さんとUSA王者アイオワさんにお越しいただきました。本日はよろしくお願いします」

武蔵「ああ」

アイオワ「OK!」

青葉「さて、今回のこの対戦。お二人はどちらが勝利するとお考えでしょうか」

武蔵「パワーという面では球磨が圧倒的に有利だが、スピードとリーチはアトランタに分がある」

アイオワ「自分のペース。自分のボクシングに相手を乗せられるかがキーになるね」

青葉「ではここで準決勝のハイライトを観てみましょう。まずは球磨さんの試合ですが、相手は神通さん。試合が動いたのは第5ラウンドでした」

武蔵「ヒット&アウェーに徹していた神通の足が止まり始めたな」

アイオワ「執拗に狙ったボディーが効き始めたみたいネ」

青葉「そしてこの一発!一瞬のスキを見逃さずに再度ボディーブロー!たまらず神通さんが膝をつく!」

アイオワ「この一発、ミーもまともにヒットされると立てる自信はあまりないわ」

青葉「その後なんとか立ち上がるもこの後は終始球磨さんのペース。最終ラウンドまで粘ったものの、ここで再度神通さんがダウン」

武蔵「立ち上がることはできたが続行不可能でTKOになってしまったか。健闘したが、球磨の破壊力の前に文字通り力でねじ伏せられたな」

青葉「続いてアトランタさんの準決勝を観てみましょう。相手はパースさんでした」

アイオワ「アトランタは球磨に比べるとパワーはないワ。バッド!アトランタはテクニックとスピードが段違いネ!!」

青葉「そうですね。パースさんの攻撃を巧みに回避しながら急所へ的確に当てていました。そして第三ラウンド!パースさんの右に合わせたこのカウンター!」

武蔵「この直撃ではさすがのパースも立ち上がれなかったようだ」

青葉「さてお二人の準決勝をご覧になったわけですが、目が離せない第一ラウンド!間もなくゴングです!」

 

 

木曾「焦るなよ。リーチは向こうが有利だけど、インファイトに持ち込めばこっちのモンだ!」

球磨「そんなことわかっているクマ。球磨の本気、久々に魅せてやるクマ」

 

ヒューストン「真正面から闘わないで。足を使ってアトランタの距離で闘えば絶対勝てるわ」

アトランタ「うん。それに今回の為に用意した切り札もある。負けないよ」

 

古鷹「両者中央へ。それでは―――」

 

カーーン!

 

古鷹「ファイッ!」

 

青葉「両者グローブを合わせて距離を取りましたが――――おおっと!?アトランタさんのあの構えは、もしや!?」

武蔵「ヒットマン(デトロイト)だと!?」

 

アトランタ「・・・」

球磨「そんなコケ脅し、球磨には通用しねークマ!」

木曾「待った、球磨姉!」

アトランタ「シィッ!」

球磨「!?」

 

青葉「は・・・速い!そして強い!球磨さんの突進をジャブで止めた!」

武蔵「ガードは間に合ったようだが、これは拙いかもしれん」

青葉「それはどういうことでしょうか?」

アイオワ「観ていればわかるわ。球磨がどれだけ不利なのか」

 

球磨(ち・・・近づけないクマ!)

アトランタ「どうしたの?来ないならこっちから行くよ!」

球磨「!?」

 

青葉「アトランタさんが仕掛ける!フリッカーの嵐が球磨さんに襲い掛かる!!」

武蔵「有効打はもらっていないが、手が出せないか・・・」

 

球磨「ぐっ・・・!」

アトランタ「フッ!」

木曾「球磨姉!足使って距離を取れ!」

アトランタ「逃がさないよ!」

球磨「ッ!?」

 

青葉「アトランタさんが追撃!球磨さんは逃げきれない!あっという間にロープまで追い詰められた!」

 

カーーン!

 

青葉「とここでゴング!第一ラウンドが終了しました!両者コーナーへと戻っていきますが、このラウンドの総括をお願いします」

アイオワ「完全にアトランタのゲームだったわね。ポイントもみんなアトランタ優勢デース!」

武蔵「このペースが続くと球磨の逆転は難しいな。早めにアレを攻略しないといけないのだが・・・」

アイオワ「それがどれだけ難しいかは球磨が一番わかっているはずネ」

 

木曾「大丈夫か、球磨姉!?」

球磨「ビックリしたクマ。あんな隠し玉聞いてなかったクマ」

木曾「近づくことも離れることも難しいか・・・」

球磨「だったやることは変わらないクマ」

木曾「え?」

球磨「姉ちゃんを信じていろ・・・クマ!」

木曾「球磨姉・・・」

 

カーーン!

 

青葉「さあ始まった第二ラウンド。アトランタさんは変わらずヒットマンスタイルで迎撃態勢!球磨さんはこの砲火をかいくぐれるのか!?」

 

球磨「クマァァァァアアア!

木曾「ちょっ!?球磨姉!!?」

 

青葉「だ、第一ラウンドと同じように球磨さんが突っ込んだ!!?」

武蔵「だが・・・!」

 

アトランタ「ちぃっ!」

 

青葉「当たらない!あの高速パンチをすべて見切っている!」

アイオワ「アンビリバボー!」

武蔵「ここから攻めに転じられれば流れを変えられるが」

 

球磨(アトランタの攻撃はここで一度スキができる!)

アトランタ「ふっ!」

球磨「もらったクマァ!」

 

ドン!

 

 

球磨「がっ!?」

 

青葉「だ・・・

ダウン!!

アトランタさんの右のカウンター一閃!球磨さんをリングに沈めた!!」

武蔵「右の振り下ろし(チョッピング・ライト)!」

アイオワ「今、わざとスキを作って球磨を引き入れたわネ!」

武蔵「狙っていたとはいえ、上手く誘い込まれたな」

 

古鷹「1!2!3!」

木曾「球磨姉!立て!立つんだ球磨姉!!」

球磨「・・・!」

アトランタ(・・・アレを受けて立てるとか。タフネスは噂以上じゃない)

古鷹「7!8!」

球磨「カウントはそこまでクマ。球磨はまだ戦えるクマ!」

古鷹「・・・。ボックス!」

 

青葉「KOは免れましたが、今の一撃。ダメージは大きそうです」

アイオワ「(レッグ)にきているワ!チャンスネ、アトランタ!!」

 

アトランタ「さあ、ギアを上げていくよ!」

球磨「くま・・・!」

 

青葉「アトランタさんのパンチが唸る唸る!球磨さんはガードで耐えますが!」

武蔵「まだ一分以上時間が残っている。このままでは倒されるのも時間の問題だぞ」

 

ヒューストン「ゴー!アトランタ!」

木曾「足を使って距離を取って!」

球磨(それができれば苦労しないクマ・・・!)

アトランタ「さっきまでの威勢はどうしたの?」

球磨「ぐっ・・・!」

アトランタ「シィッ!」

球磨「!」

古鷹「ダウン!」

 

青葉「ダウン!踏ん張りがきかなかったか、ガードの上からでしたが尻餅をついてしまった!」

武蔵「直ぐに立てるだろうが、拙いぞ」

青葉「この試合はスリーノックダウン!このラウンド、球磨さんがもう一度ダウンをしてしまうとその時点で勝敗が付きます!」

アイオワ「残り40秒。もう一度ダウンを取ることは可能ネ!」

 

古鷹「ボックス!」

 

青葉「アトランタさんが攻める攻める!球磨さんは手が出せない!」

武蔵「これは決まるか・・・」

 

アトランタ「これでfinish(トドメ)・・・」

球磨「・・・・・・」

アトランタ(ゾクッ!?)

 

カーーン!

 

青葉「ここでゴング!球磨さん、ゴングに九死に一生を得た!」

武蔵「なんとか凌いだが・・・」

アイオワ「yes。さっきのアトランタ、ちょっと変だったネ」

 

ヒューストン「どうしたの?最後のアレ。どうして引いたの?」

アトランタ「わからない」

ヒューストン「え?」

アトランタ「でも、球磨は何か狙っていた。下手に打っていたら危なかったかも」

ヒューストン「そう。でもこのラウンドも私たちが獲ったわ。このままのペースでいきましょう!」

アトランタ「うん」

 

球磨「はあ・・・はあ・・・はあ・・・!」

木曾「球磨姉、大丈夫か!?」

球磨「平気だ・・・クマ。あと・・・もうちょっとだった・・・クマ」

木曾「え?」

球磨「でもさっきのでタイミングは掴めたクマ。もう・・・あんな醜態は見せねえクマ!」

木曾「わかった。球磨姉、信じているからな!」

球磨「クマ!!」

 

カーーン!

 

青葉「さあ第三ラウンドが始まりました。・・・おっと、アトランタさんがジリジリと距離を詰めています」

アイオワ「警戒をしている?さっきのラウンドが原因かしら?」

武蔵「それはわからん。が、まだ序盤。リスクを取る必要はないだろう」

 

球磨「どうしたクマか?ビビッているクマ?」

アトランタ「誰が・・・!」

球磨「おっと。そんなのは球磨には当たらないクマ~」

アトランタ「ちぃっ!」

 

武蔵「球磨の動きが良くなってきたな」

青葉「そうですね。アトランタさんの空振りも増えてきた印象があります。しかし・・・」

アイオワ「球磨のパンチはまだ一度もクリーンヒットしていないワ」

武蔵「だがエンジンがかかった球磨は恐ろしいぞ?」

 

球磨「そろそろ行くクマ!!」

アトランタ「っ!」

球磨「くうぅぅまあぁぁぁ!」

 

青葉「ワンツー!」

武蔵「ガードはされたが、調子が出てきたな」

 

球磨「さあかかって来るクマ!」

アトランタ「そこ!」

球磨「っ!?」

 

青葉「アトランタさんの左カウンター!それを球磨さんギリギリで躱す!」

武蔵「ん?古鷹が試合を止めたようだが」

青葉「ああっと!カッティング!右瞼を切ってます!」

 

明石「傷は浅いですがあまり良くないですね。長丁場はお勧めできません」

球磨「ってことはまだ戦えるクマ?」

明石「危なくなったらその時は古鷹さん」

古鷹「わかっています」

 

青葉「今治療が終わったみたいですが、これは・・・続行!試合続行です!」

武蔵「大事には至らなかったみたいだが」

アイオワ「これは球磨には思わぬハプニングね」

青葉「そうですね。攻め手に欠けるこの場面でこのアクシデントは後々響いてきそうです」

 

カーーン!

 

青葉「そしてここで第三ラウンド終了です。さあ不利なこの状況でさらにカット。球磨さんに逆転の目は残っているでしょうか?」

武蔵「厳しいだろうな。ただでさえフリッカー相手に正確に距離を測れないとなると不利どころの話ではない」

アイオワ「Ya。球磨には悪いかもしれないけど、この勝負の結果は見えたわ」

青葉「そうですか」

アイオワ「But」

青葉「?」

武蔵「手負いの獣は強暴。油断すればヒグマに食い殺されるやもしれんぞ?」

 

カーーン!

 

青葉「第四ラウンド開始しました。球磨さんのガードが高くなっていますね」

武蔵「右はどうしても死角になりやすいからな。ディフェンス重視になるのも仕方ないだろう」

 

アトランタ「フッ!」

球磨「っ!」

木曾「慌てるな!落ち着いていけ!」

球磨「くまっ!」

アトランタ「ッ!」

 

青葉「リング中央!球磨さんを中心にアトランタさんが左右に揺さぶりをかけています!」

武蔵「だが、球磨も落ち着いている。冷静に対処できているな」

アイオワ「それにただ打たれているだけじゃないわね。さっきまでと比べて明らかに手が出てきているワ」

武蔵「球磨らしさが漸く出始めたな」

青葉「球磨さんらしさですか?」

武蔵「ああ見えて球磨は計算高い。ロジックが嵌ればもっと恐ろしくなるぞ」

 

アトランタ「本当にやりにくい相手!」

球磨「それはお互い様だクマ」

アトランタ「シッ!」

球磨「マァ!」

 

ガン!

 

青葉「相打ち!」

 

球磨「がっ!」

アトランタ「うっ!」

 

青葉「しかし打ち合いを制したのは球磨さん!アトランタさんがよろけた!」

武蔵「追撃のチャンスだが・・・」

 

球磨「はあ・・・はあ・・・」

 

青葉「動けない!球磨さんの足が出ない!」

武蔵「ダメージの蓄積が予想以上だったか」

青葉「そしてここで体勢を立て直したアトランタさんが再び攻撃に!」

 

アトランタ「どうした?さすがに限界?」

球磨「黙っていろ・・・クマ」

 

カーーン!

 

青葉「ここで第四ラウンド終了!いやー、最後のシーン球磨さんにチャンスが来たと思ったのですが」

アイオワ「まだ第二ラウンドのカウンターダメージが残っていたようね」

武蔵「それだけではないかもしれんな。右目のケガで普段とは違うプレッシャーもある。改めて球磨はかなり厳しい試合になってしまったな」

 

球磨「キズの具合はどうクマ?」

木曾「ちょっと開きかけてきた。ワセリンで止血しているけど残りのラウンド持つかどうか・・・」

球磨「・・・・・・わかったクマ。そんじゃあ木曾、ちょっとお願いがあるクマ」

木曾「お願い?何だよ、改まって」

球磨「次のラウンド、姉ちゃんはちょっと無茶するクマ。だから危ないと思っても絶対にタオルは入れないで欲しいクマ」

木曾「無茶って・・・何するつもりだよ!?」

球磨「・・・勝つ。つもりクマ!」

 

カーーン!

 

青葉「さあ第五ラウンド!開始のゴングが鳴り

 

球磨「オオオオオオオッ!!

 

青葉「吼えた!球磨さんの咆哮が木霊する!」

武蔵「持久戦から電撃戦に切り替えたか?」

青葉「球磨さんが往ったー!」

 

球磨「あああああ!」

アトランタ「くっ!?(捌き切れない!?」

ヒューストン「cool!アトランタ!」

球磨「ま!

アトランタ「うっ!」

 

青葉「ここで球磨さんの十八番、ボディーブロー!」

アイオワ「でもクリーンヒットじゃないわ」

武蔵「ああ。少々浅いか?」

 

アトランタ(ちょっと当たって()()!?クリティカルされたら危ない!)

球磨「どんどん行くクマ!」

アトランタ「ぐっ!?」

 

青葉「攻める攻める!今までのお返しと言わんばかりに球磨さんの拳がアトランタさんに襲い掛かる!」

 

球磨「どうしたクマ!もっと打ってこいクマ!!」

アトランタ「この・・・!」

ヒューストン「熱くなるな!」

アトランタ「しまっ・・・!」

球磨「ぐまああ!」

 

青葉「アッパー!アトランタさんの顎が跳ね上がった!」

武蔵「・・・」

青葉「しかしダウンしない!ロープを掴んで耐えている!」

 

アトランタ「この・・・!」

球磨「そのパンチはもう見切ったクマ!」

アトランタ「うっ!?」

 

青葉「右ストレート!しかしスウェーでギリギリ躱した!」

アイオワ「・・・」

 

アトランタ「ふっ・・・ふっ・・・」

ヒューストン「・・・!アトランタ!」

アトランタ「?」

ヒューストン  スッスッスッ

アトランタ「・・・!」

球磨「な~にコソコソしているクマ!」

アトランタ「シッ!」

球磨「それも見えてるク!?」

アトランタ「シィッ!」

球磨「あっ!?」

 

青葉「アトランタさんのボディが球磨さんに直撃!」

アイオワ「今のは効いたみたいネ!」

 

球磨「さっきから小技だけは上手みたいだクマ!」

アトランタ「その小技に苦しんでいるのは誰?」

球磨「その減らず口叩けなくしてやるクマ!」

 

カーーン!

 

古鷹「ストップ!」

球磨「ちっ!」

アトランタ「・・・フフッ!」

 

青葉「第五ラウンド終了!ようやく球磨さんに火が入りましたが、あれ?武蔵さん、どうかしましたか?」

武蔵「・・・悪手を打ったな、球磨よ」

アイオワ「ええ」

青葉「え?え?え?どういうことですか!?」

武蔵「これは予言だが、次のラウンドはアトランタが取るだろうな。その次も。その次も」

青葉「???」

 

木曾「よし!よし!!なんとか一ラウンド取り返したぜ!」

球磨「はあ・・・はあ・・・はあ・・・!」

木曾「・・・球磨姉?」

球磨「本当なら・・・ダウン取りたかった・・・クマ」

木曾「球磨姉!まさか・・・!」

球磨「大丈夫だクマ。まだ・・・動ける・・・クマ!」

 

カーーン!

 

青葉「折り返しの第六ラウンド!球磨さんは先ほどとは打って変わってガードを上げたまま動きません!」

 

アトランタ「やっぱり。ヒューストンの見立ては正しかったみたいだね」

球磨「はあ・・・はあ・・・」

アトランタ「さあ、行くよ!」

球磨「!」

 

青葉「スタミナ切れですか!?」

武蔵「ああ。瞼の出血でいつも以上に大きく避けることになった。傷の深さにもよるが、長くは持たないと判断してさっきのラウンドは仕留めにいこうとした」

アイオワ「But!アトランタのディフェンスが想像以上で倒し切れなかったネ!」

武蔵「いくら球磨がタフネスを売りにしているとはいえ、どれだけ体力が残っているか・・・」

 

球磨「・・・!・・・!」

アトランタ「ホラホラ!」

木曾「球磨姉・・・!」ぐっ!

?「待つにゃ、木曾」

木曾「多摩姉!?」

多摩「まだそれ(タオル)は早いにゃ」

木曾「でもよ!」

多摩「球磨がこのまま終わるわけ無いにゃ」

木曾「多摩姉・・・」

多摩「たぶん」

木曾「やっぱりもう入れる!後で怒られてもいいからもう止める!!」

多摩「だから待つにゃ!」

アトランタ「なんだかアンタのところ騒がしいけど?」

球磨「ただの姉妹喧嘩クマ」

アトランタ「あ、そう」

 

青葉「残り時間は一分。球磨さんはギリギリといったところでしょうか」

武蔵「辛うじてな。重いのを一発でも受けてしまえばもう立てないかもしれん」

 

アトランタ「サァッ!」

球磨「くっ!?」

アトランタ「これで・・・!」

球磨「!」

アトランタ「finish!!」

 

青葉「みーぎーー!僅かに空いたガードの隙間にねじ込んだ!」

 

球磨「うっ!」

 

青葉「しかし耐えた!球磨さんまだ踏ん張っている!」

アイオワ「チャンス!アトランタ!」

青葉「ロープを背に球磨さん必死に耐える!この猛攻凌げるか!?」

 

球磨「っ!」

アトランタ「逃がすか!」

 

武蔵「拙いな。また出血が・・・」

青葉「リングにも飛び散っていますからね。これは苦しそうです!」

 

アトランタ「いい加減に・・・!」

球磨(また来る・・・次はどっちクマ!?)

ツルッ・・・

球磨「!」

アトランタ「!」

 

青葉「ダウン!ついに球磨さんが倒れたー!」

 

古鷹「スリップ!」

 

青葉「え?スリップでしたか?今の」

武蔵「ああ。当たる直前に足元が滑っていた。おそらく血の影響だろう。古鷹もよく見ていたな」

アイオワ「タイミング的に今のはダウンを取られても不思議じゃないわ」

 

カーーン!

 

青葉「そしてゴングが鳴りました。第六ラウンド終了です。最後の攻防はポイントに関わって来るでしょうか?」

武蔵「ジャッジ次第だろうな。ダウンと取るかスリップと取るか」

アイオワ「でも有利なのはアトランタに変わりは無いネ」

 

球磨「はあ・・・はあ・・」

木曾「球磨姉、傷口がまた広がっちまってる!これ以上は」

球磨「・・・仕方ねークマ。ドクターストップなら諦めるしかねークマ」

多摩「それでいいのかにゃ?」

球磨「・・・あ?」

多摩「多摩が知ってる球磨はこれしきの傷でも関係なかったにゃ」

木曾「多摩姉・・・」

多摩「この程度で諦めるお前は球磨の姿をしたどっかの誰かさんに違いにゃいにゃ」

球磨「多摩・・・」

多摩「多摩はお邪魔みたいにゃ。観客席から偽者がノックアウトされる無様な姿を観覧させてもらうにゃ」

球磨「・・・おーおー。ふんぞり返ってよーく観ているといいクマ」

木曾「球磨姉」

球磨「妹に喝入れられて負けるようじゃあ長女失格クマ」

木曾「え?」

球磨「さ、行ってくるクマ―――」

 

アトランタ「はあ・・・はあ・・・」

ヒューストン「思った以上に体力を削られたわね」

アトランタ「球磨のタフネスを侮り過ぎた。こんなに殴っても倒しきれない相手は初めて」

ヒューストン「でしょうね・・・」

アトランタ「だから、決めるよ。このラウンドで」

ヒューストン「え?リスキーだわ。私は反対よ」

アトランタ「あの傷じゃもう長くない。もって1・2ラウンド」

ヒューストン「だったら!」

アトランタ「それで勝っても嬉しくないじゃん」

ヒューストン「え?」

アトランタ「逃げて勝つよりKOで勝ちたい。真正面からぶつかって真正面から勝ちたい」

ヒューストン「・・・All right(わかった)。全部出し切ってきなさい」

アトランタ「うん。さあ―――」

 

球磨・アトランタ「「―――LET'S GO!!(最後の狩りの時間だ!!)」」

 

カーーン!

 

青葉「第七ラウンド!両者リング中央で睨み合う!先に動くのは」

 

アトランタ「シッ!」

 

青葉「アトランタさんだ!」

 

球磨「っ!」

 

青葉「だが、当たらない!ここにきてフリッカー完全攻略か!?」

武蔵「いや、まだアトランタには()()がある」

 

アトランタ(ココだ。第二ラウンドの違和感!でも関係ない!来るなら来い!!)

球磨「見えたクマ!」

 

青葉「球磨さんが前に出た!しかし、コレは・・・!」

アイオワ「第二ラウンドと同じネ!」

 

アトランタ「終わりだ!

 

ドン!

 

青葉「必殺のチョッピングライトが炸裂!これは決まったか!?」

武蔵「・・・いや!」

 

 

ダンッ!

 

アトランタ「っ!!?」

球磨「ぐぅうううま゛ぁあああああ!

 

ズドン!!

 

アトランタ「がっ!?」

 

青葉「だ・・・

 

ダウン!肉を切らせて骨を断つ!渾身のボディーブローが深々と突き刺さった!!」

武蔵「信じられん・・・!」

アイオワ「日本はクレイジー過ぎるワ!」

 

古鷹「1!2!」

アトランタ(重いなんてもんじゃない!まるで魚雷そのもの・・・!)

ヒューストン「Stand up!」

古鷹「3!4!」

アトランタ「・・・!」

 

青葉「立つか!?立てるか!?」

 

古鷹「5!6!」

アトランタ「まだ・・・まだ・・・!」

古鷹「7!8!」

アトランタ「・・・っ!」

 

青葉「立った!まだ!まだ死闘は終わらない!」

 

古鷹「ボックス!」

 

球磨「はあ・・・はあ・・・」

アトランタ(向うも消耗している。まだ勝機はある!)

 

青葉「アトランタさんが先に仕掛けた!」

武蔵「だが・・・」

 

球磨「そんなパンチじゃハエも止まるクマ!」

アトランタ「ぐっ・・・!」

 

青葉「キレが無い!明らかに先ほどのダメージが効いている!」

 

球磨「クッ!マッ!」

アトランタ「っ!」

 

青葉「ワンツー!アトランタさんが防戦一方になってきた!」

 

アトランタ「このっ!」

球磨「そんな大振り、格好の餌食クマ!」

アトランタ「しまっ!」

ヒューストン「またボディー狙い!?アトランタ、ガード!」

 

スッ

 

アトランタ「!?」(フェイク!?)

球磨「ぅうううううああああああ!!

アトランタ「っ!!」

 

ヂッ

 

青葉「み・・・右のオーバーハンド!!?」

武蔵「ボディー(した)に意識を向けてからの(うえ)。あれは防ぎにくいぞ」

アトランタ「それでもギリギリスウェーして躱せたみたいね。球磨の右目が生きていたら危なかったワ」

 

アトランタ「・・・!?」(避けきれなかった!)

球磨「もう一本・・・!」

アトランタ(負けて・・・たまるか!)

 

ガクッ

 

古鷹「ダウン!」

 

青葉「だ・・・ダウン!アトランタさんが膝から崩れ落ちた!」

武蔵「まさかさっきのが当たっていたのか!?」

アイオワ「アトランタ・・・!」

 

球磨(右の出血もマズい。立たれたらもうお仕舞クマ)

古鷹「1!2!3!」

アトランタ(繋げ!立て!立て!!)

ヒューストン「アトランタ!!」

古鷹「4!5!」

アトランタ(力が・・・入らない!)

古鷹「6!7!」

球磨「はあ・・・はあ・・・」

アトランタ(負ける・・・もんか!!)

古鷹「8!9!」

ヒューストン「アトランタ!!Come on!!」

アトランタ「・・・f●ck!」

 

古鷹「10!

 

カーーン!カーーン!カーーン!

 

青葉「試合終了!!球磨さんの大逆転勝利!!ああ、今アトランタさんが立ち上がりました!」

武蔵「先ほどの攻防を再生できるか?ああ、ココだ。これは」

アイオワ「Concussionしたわネ」

青葉「脳震盪ですか」

武蔵「ガードを下げていたために避けるしかなかったのだろうが、コレは運が悪かったとしか言えないな」

 

 

 

青葉「それでは優勝トロフィーの授与を始めます。提督」

提督「最後までよく頑張ったな」

球磨「クマクマ」

提督「アトランタもあと一歩届かなかったがいい試合だった。感動した!」

アトランタ「やめてよ。負けたっていうのに」

提督「さて、青葉?今回の企画は青葉が立案してくれたわけだが」

青葉「そうですね。予選の風景もお届けしたかったです!」

提督「それは後で視るとして、バケツが異常に減っているんだが何か知らないか?」

青葉「・・・。いや~なにもしりませんねー

提督「大規模作戦も近いのになーんでこんなことになっているのかねー?」

青葉「・・・あのーヒーローインタビューを」

球磨「血が止まんねえクマ。さっさと入渠するクマ」

アトランタ「Sorry、球磨」

球磨「謝る事なんかねークマ。こんなの風呂に入ればあっという間に治るクマ」

木曾「肩貸すよ。まったく無茶して」

球磨「あーもう一歩も動けんクマ。肩じゃなくて負ぶって欲しいクマ」

木曾「明石さーん担架ー!」

青葉「・・・」

提督「・・・」

青葉「いつも余っているんですから一つや二つぐらい別に構わないですよね?」

提督「青葉」

青葉「ひゃい!」

提督「次の作戦、楽しみにしていな」




次回更新は4日の予定です。
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