そしてお題は「梅雨」です
神風「それでは定刻となりましたので月例の会議を始めたいと思います」
吹雪「なんだかんだでもう六月なんだね」
白露「思った以上に続いたね、この茶番」
綾波「前回は会議らしき会議をしていないのに」
暁「仕方ないじゃない!あれぐらいしか話題がなかったの!」
睦月「もっと色々あったと思うにゃし」
陽炎「まあまあ。それで今月の議長様は?」
夕雲「私よ」
初春「ふむ。夕雲殿であれば円滑に会議が進みそうじゃな」
朝潮「よろしくお願いします!」
夕雲「はいはい。それでは今月のお題はこちら、『梅雨』です」
吹雪「またざっくばらんな内容だね」
秋月「そうですね」
白露「あれ?なんか元気なさそうだけれど、何かあったの?」
綾波「ここのところ毎日雨ですから対空戦闘が難しいとかじゃないですか?」
秋月「それだけだったら良かったんですが」
朝潮「悩み事があれば話してみてくれませんか?」
秋月「はい。ちょっとこれを見てもらいたいのですが」
暁「・・・何これ?ガーゼ?」
神風「こっちは丸めたティッシュが入っていますね」
睦月「これ一体何なの?」
秋月「てるてる坊主です」
初春「ほう。てるてる坊主か。・・・しかし」
綾波「多いですね」
陽炎「段ボール一箱にぎっしりのてるてる坊主の残骸はちょっとしたホラーね」
白露「でもなんでこんなに作ったの?」
秋月「それがですね・・・」
初月「今日も雨だな・・・」
照月「洗濯物が乾かないよ・・・」
秋月「乾燥機の予約がなかなか取れないから仕方ありません」
涼月「そうです!こういう時はてるてる坊主を吊るしましょう!きっと明日には晴れてくれます!」
初月「そうだな。今できるのはそれぐらいか」
秋月「海防艦の娘達も誘ってみんなで作りましょう!」
初月「雨だな・・・」
照月「てるてる坊主、効果なかったね」
秋月「そうですね。ところで、涼月は何をしているの?」
涼月「晴れないのは数が足りなかったのだと思いまして」
照月「どれだけ作るつもり?」
涼月「それはもう晴れるまでです!」
秋月「というわけでこの前、ちょっと晴れ間がのぞいた時まで涼月は・・・涼月は・・・!」
陽炎「わかった!もうわかったから!」
吹雪「泣かないで秋月ちゃん!」
綾波「それにしても、何故涼月さんはそこまでしててるてる坊主を?」
秋月「おそらく、家庭菜園で育てているカボチャが原因かと」
朝潮「雨が続くと成長が悪くなりますからね」
暁「そういえば間宮さんが言っていたわね。ここ最近のお野菜の値段が高くなったって」
秋月「そして今日もまた涼月は部屋で黙々とてるてる坊主を作っているのですが」
初春「が?」
秋月「皆さん知っていますか?てるてる坊主の最期」
神風「ああー。それがこれなわけね」
白露「え、どういうことなの?」
初春「てるてる坊主は役目が終えると首を切られる運命じゃ」
朝潮「なかなかにバイオレンスですね」
神風「その後はまあ御焚き上げをしたりするわけだけれども」
綾波「この数は・・・」
睦月「その上まだ増えるにゃしぃ」
吹雪「どうするのこれ?」
秋月「梅雨明けに日進さんにお祓いをしてもらうつもりです」
白露「これは下手したら一日かかるよ?」
秋月「まあ致し方ありません。そのままにしておくわけにもいきませんから」
夕雲「まあまだ処分ができるだけ有難いと思うわよ」
陽炎「どういうこと?」
暁「そういえば会議が始まる前からずっと気になっていたものがあるんだけれど」
吹雪「会議室の一角を占領しているあの段ボール箱だよね?」
朝潮「あれの中身は何でしょうか?封がしてあったので確認していないのですが」
夕雲「傘よ」
睦月「かさ?壊れちゃったの?」
夕雲「壊れたというよりは壊されたというか」
神風「はっきりしないわね。とりあえず開けるわよ?」
夕雲「あ、開けなくてもいいわ。それ会議が終わったら明石さんの所に持っていきますから」
秋月「明石さんなら直してくれそうですね」
綾波「でもこれ持った感じだと一本や二本ではないですね」
白露「んで何本ぶっ壊したの?二十本ぐらい?」
夕雲「×10といったところかしら」
陽炎「壊しすぎ!」
朝潮「何をすればそこまで壊せるのですか?」
夕雲「出撃時に持っていたりして・・・」
吹雪「ああ。そういえば清霜ちゃん達傘を持っていたね」
綾波「それは壊れますね」
睦月「出撃の度に壊していたら、それは・・・」
初春「それならば、神風や。先日主の妹と遠征に赴いた時があったのじゃが」
神風「春風がどうかしましたか?」
初春「あの娘も傘を常備しておらんだか?何か好い対策とかを聞けそうじゃが」
神風「春風のあの傘はちょっと特別仕様なのよね」
暁「特別?仕込み刀とか?」
神風「そうじゃなくて、あの番傘は出撃の度に補修したりしているから」
朝潮「傘の修繕って難しくないですか?」
初春「うむ。それなりの知識と手先の器用さが求められるからの」
神風「それでも何年も使い続けているから最早職人さんみたいに直しちゃうけれど」
夕雲「なるほど・・・。和傘もいいかもしれないわね」
睦月「壊れたら春風ちゃんに直してもらえばいいわけだし」
白露「でもさ、傘にこだわる必要は無いよね」
陽炎「そういや白露のとこの狂犬は合羽だったっけ」
白露「狂犬言うな。まああれはあれで問題もあるけどね?」
暁「問題?」
白露「濡れても問題ねぇとばかりに無茶をするのよ、あの娘は!」
綾波「戦闘中は雨は雨でも血の雨・弾丸の雨の中で高笑いする娘ですからねぇ」
秋月「以前演習で相対した時は食い殺されるかと思いました」
夕雲「でも両手が空くのはメリットになるわね」
睦月「もしかして皆にカッパを支給してと提督に頼むつもりにゃし?」
朝潮「また予算が・・・」
暁「そこは、ほら。また泣き落とせば・・・」
睦月「お正月のことはもう忘れて!!」
夕雲「でもデメリットもありますから」
神風「予算以外に何かある?」
夕雲「合羽だと、その・・・。提督と相合い傘が出来なくなるなー、なんて」
一同「それは困る!!」
提督「なるほどな。しかし、今回ばかりはそれに予算は回せそうにない」
夕雲「あら。提督も私たちと同じ傘の下で一緒にいたいのですね」
提督「いや、最近深海からの空襲が原因で雨漏りが酷くてな。それの補修に・・・夕雲、まだ出撃の許可は出していないぞ?」
夕雲「すみません、提督。ちょっとヲ級と飛行場姫を狩ってきますね?」
提督「気持ちは十分伝わったから止めなさい!」