議題は「怪談」です。
気が付きゃ今までより数段長くなってしまいました。
神風「それでは定刻となりましたので長女会議を始めたいと思います。それでは今月の議長より一言おねがいします」
綾波「今月の議長の綾波です。本日は暑い毎日を少しでも涼しく過ごしてもらおうと思います」
睦月「熱中症には気を付けないといけないよね」
吹雪「わかる。今日も遠征で死ぬかと思ったし」
白露「それは流石に言い過ぎじゃない?こまめに水分補給していれば問題ないっしょ?」
陽炎「今も水着で会議に参加している白露さんが言うと貫禄が違いますわー」
夕雲「暑ければ水着になればいい。みんなも水着になってしまえば涼しくなるわよ」
朝潮「しかし、この時間でもその格好はどうかと思います」
秋月「今○二〇〇ですからね・・・」
初春「何故この時間に会議なのか。暁は半分寝ておるぞ?」
暁「zzz」
神風「寝てますね、完全に」
吹雪「まあそっちの方が暁ちゃん的にはいいじゃないかな?」
睦月「睦月も眠いにゃしぃ・・・」
綾波「そんな睦月ちゃんのためにここは一つ、とびっきりの体験談を話しましょうか」
~髪の長い女~
綾波「これはつい先週起きた実体験です。その日私は夜中に目が覚めました。時間は丁度今ぐらい。外は雨が降っていて、時折雷も聞こえていました。私はお手洗いに行こうと廊下に出たのですが、その廊下の向こうで怪しく動く長い髪の影を見かけました。急いでその影のもとに行ったのですがそこには誰もいませんでした」
神風「怪しい影・・・ねぇ」
朝潮「まさかとは思いますが、それってもしかして長門さんだったのでは?」
初春「前科持ちじゃからの、あのロリコンは」
綾波「私もそう思ったので翌朝戦艦寮に伺ったんですよ。酸素魚雷片手に」
吹雪「その時点でオバケなんかよりも綾波ちゃんの方が怖いよ」
綾波「ところがですね、陸奥さんに事情を話したら・・・」
陸奥「昨日の長門?十時過ぎにはもう寝ていたわよ?」
綾波「それを証明できるものはありますか?」
陸奥「そうね。長門って一度寝るとサイレンでもならない限り起きたりしないから今朝までずっと部屋にいたと思うわよ」
綾波「う~ん。確証としては弱い感じがしますね。何か物証があればいいのですが」
陸奥「それなら防犯用のカメラを確認する?寮の入り口に設置してあるものだから出入りがあればすぐにわかるわ」
綾波「それでカメラを確認したんですが、その日の十二時以降寮から出た人はいなかったんですよね」
秋月「え?それじゃあ長門さんじゃなかったわけですか?」
綾波「そうなんですよ。あのロリコンゴリラじゃなかったとしたら、綾波が見たあの影は一体誰だったんでしょうか」
夕雲「・・・一人。心当たりがあるんだけれど」
白露「え?夕雲だれか知ってるの?」
睦月「長門さんじゃないとしたら一体・・・」
夕雲「多分だけれどお腹を空かせて鎮守府内を徘徊していた赤城さんと見間違えたんじゃないかしら?」
朝潮「確かに赤城さんも髪が長いですからね」
陽炎「それに銀蝿するために駆逐寮に忍び込む。あり得る話ね」
綾波「あれ?それじゃあ綾波のお話はここまでですね」
初春「まあ良かったのではないか?ところで議長。その手に持つ酸素魚雷は何ぞや?」
綾波「決まっているじゃないですか。少し埃を叩きに行って来るだけですよ」
吹雪「もう夜も遅いし明日でいいんじゃない?」
睦月「時々綾波ちゃんのあの笑顔がとんでもなく怖いと思う時があるにゃしぃ」
秋月「次は誰が話しますか?」
暁「怖い話なら暁も一つ知っているんだけれど」
夕雲「あら、おはようございます」
白露「でも大丈夫?暁って怖いの苦手でしょ?」
暁「初めて聞いた時は失神しそうになったぐらい恐ろしい話で皆の肝っ玉を抜いてあげるわ!」
神風「なんだか不安しかない・・・」
~シベリアの木~
暁「これは響から聞いたロシアで有名なお話よ。昔あるところにシベリアで木を切る仕事をしていた二人の男がいたそうよ。ノルマは一人一日十本切ること。だけどある日のこと・・・
ビスマルク(代役)「さて、今日も張り切って木を伐採するわよ!」
ガングート(代役)「ああ、そうだな」
ビス「ふう。少し休憩しましょう。私お水をもらってくるわ」
ガン「私の分も頼んでいいか?」
ビス「わかったわ。少し待っていなさい」
ガン「・・・行ったな」
暁「男は一緒に仕事をしていたもう一人が休憩でいなくなったすきに切り倒した木を一本盗んじゃったの。そうとも知らない男は仕事が終わった時に一本少なくなっていたことに気付いたんだけれど」
ビス「本当よ!私たしかに十本切ったわよ!」
ガン「しかし、お前が提出した木は九本しかないぞ」
ビス「そんなはずはないわ!そうよ!誰かが私が切った木を盗んだのよ!」
ガン「言い訳とは見苦しいな。そんな奴は粛清だ」
ビス「イヤーーーーーー!」
暁「結局男の言い訳は聞き入れてもらえず、翌日銃殺されたの」
白露「ひどい話があったものだね」
神風「ロシアはおそろしあ」
睦月「・・・・・・なんだか最近神風ちゃんおかしくない?」
吹雪「このまえテレビで聞いたんだけれど、高齢になると脳のブレーキが緩くなってつまらないことを言っちゃうことが増えるんだって」
秋月「おそろしいですね・・・」
神風「聞こえているわよ、あんた達」
初春「しかし、おそろしい話ではあるが面白みに欠けるな」
暁「それはまだ終わっていないからね」
陽炎「お、まだ続きがあるのね」
暁「その後なんだけれど、巷である噂が流れだしたの。なんでも死んだはずの男がずっと木を数えているって」
リットリオ(代役)「聞いた?例の幽霊のはなし」
リシュリュー(代役)「ええ。最後は呪われてしまうそうよ」
ガン「くだらんな。幽霊なんて非科学的なものを信じているのか?」
リット「呪われるなんて嫌じゃない」
リシュ「一生ワインが飲めなくなる呪いとか考えただけでも恐ろしいわ」
ガン「はっ!ワインが飲めなかったらウォッカを飲めばいいだろう」
リット「じゃあガングートはウォッカが飲めない呪いをかけられたらどうする?」
ガン「そんなことをする奴には頭から鉛玉を飲ませてやるさ」
暁「その日の夜。男はコーン・・・コーン・・・と木を叩く音を聞いて目が覚めたの。こんな真夜中に誰かいるのか確認しようと外に出た時、男の目に飛び込んできたのは死んだはずの
ビス「
ガン「なっ・・・お前!」
ビス「
ビス「・・・あれ?おかしいわね?」
暁「一本たら
タシュケント「マヨネーズ無くなったんだけどぉぉぉ!!!」
暁「・・・ぐすん」
陽炎「ちょっとタシュケント!?肝心のオチを横取りしちゃダメでしょ!」
タシュ「知らないよそんなこと!それよりもマヨネーズが無くなったんだよ!どうしてくれるのさ!」
吹雪「え、その焼きそばの上に乗っかっている白い物体は?」
タシュ「マヨネーズだよ」
白露「多過ぎじゃん!もうそれ焼きそばじゃなくてマヨネーズじゃん!?」
朝潮「もう十分すぎるほど出していませんか?」
タシュ「あとちょっとだけ足らないんだよ。これじゃあ秋雲に見せてもらった漫画の再現ができないじゃないか!」
夕雲「あれは真似するようなものじゃないわよ」
睦月「それにそんなにマヨネーズを勝手に使ったとなれば・・・」
初春「恐ろしいことになるな・・・」
タシュ「恐ろしいこと?そんな子供騙しに騙される私じゃないよ。空色の巡洋艦の名は伊達じゃないんだよ」
秋月「それでは不肖ながら秋月が解説しましょう。あの恐怖の事件を」
~魔王~
秋月「これはタシュケントさんが着任する前のお話になります。当時鎮守府では二大派閥があったんです。それが目玉焼きにかけるのは
タシュ「・・・は?」
綾波「目玉焼きはわかりますよね?」
タシュ「うん。それぐらいは知っているけれど、それがどう恐ろしいことになったんだい?」
加賀「赤城さん、そこのお醤油を取ってもらえないかしら?」
瑞鶴「翔鶴姉、そこのソース取って?」
加賀「・・・」
瑞鶴「・・・何よ」
加賀「はっ」
瑞鶴「ちょっ!今鼻で笑った!?」
翔鶴「瑞鶴、落ち着いて」
加賀「気のせいよ、五航戦」
赤城「加賀さんもあまり瑞鶴ちゃんをいじらないの」
加賀「ですが、目玉焼きにソースです。ありえません」
瑞鶴「そういう加賀さんだってしょう油をかけるとか、味覚がどうにかなっているんじゃないですか?」
加賀「頭に来ました」
瑞鶴「上等!くたばれ!!」
蒼龍「いつも通り」
飛龍「平和だねー」
秋月「あの日も加賀さんと瑞鶴さんは些細なことから大ゲンカに発展したんです」
タシュ「あの二人は昔から仲が悪いんだね・・・」
初春「お互い認めてはおるんじゃが、素直になれぬ性格じゃからな」
朝潮「本当に仲が悪かったらケンカもしませんよ」
タシュ「ヤーパンのことわざにあったよね?『いやよいやよも好きのうち』だったっけ?」
吹雪「う~んちょっと違うかな?」
タシュ「でも、そのケンカはどうなったんだい?」
秋月「ケンカ自体はよくあることだったんです。しかし場所が問題だったんです」
タシュ「場所?」
大和「御二人共朝から元気ですね」
武蔵「あれを元気と呼んでいいのか?」
長門「まったくだな」
陸奥「毎日飽きないことね。ところで、武蔵?」
武蔵「ん?何だ陸奥」
陸奥「ちょっとお醤油かけ過ぎじゃないかしら」
武蔵「そうか?これくらい普通だろう」
長門「いやいやいや。そんなにびしゃびしゃになるまでかけなくても良くないか?」
大和「長門さんももっと言ってやってください!武蔵は調味料を使い過ぎだって!」
武蔵「大和も大差ないだろう!?」
大和「なんですか!文句あるんですか!」
秋月「食堂でケンカしたものだから騒ぎは食堂全体に広がっちゃったんです。それもソースの方が優れているとかしょう油の方が繊細だとか」
タシュ「ヤーパンは食事のこだわりが凄いって聞いたことがあるけどそこまでだったのかい」
秋月「もう食堂内は混沌と化していました。お皿は飛ぶ。コップが割れる。さっきまでの楽しい朝食の風景はどこへやら」
タシュ「て、提督は止めなかったのかい?」
睦月「大和さんの流れ弾に当たって早々に脱落したにゃしぃ」
タシュ「うわぁ・・・」
秋月「そんな不毛な争いだったのですが、ダン!と厨房からとんでもない音が聞こえたんです」
タシュ「?」
秋月「鳳翔さんが力一杯アジの頭に包丁を振り下ろした音でした」
鳳翔「・・・・・・・」
全員「・・・・・・・」
秋月「水を打ったかのようにシーンと静まり返った食堂に鳳翔さんの声が響きました」
鳳翔「ここは食堂です。演習は演習場で行いましょう。言うことが聞けない悪い子は―――」
タシュ「・・・悪い子は?」
鳳翔「うふふふふ♡」
秋月「暗には指し示しませんでしたが、あの時の鳳翔さんの笑顔は今でも魂が凍るほどの恐怖を感じました!」
神風「あと後日談になるけれど、翌朝にも目玉焼きが出たんだけれどね?」
タシュ「またケンカになったのかい?」
吹雪「しょう油もソースも鳳翔さんが没収しちゃったからそのまま食べるしかなかったんだよ」
暁「それも一か月間」
タシュ「ほ、鳳翔には逆らわないでいよう。うん」
朝潮「わかってくれたのなら良かったです」
睦月「明日の朝から謝ったら許してもらえると思うにゃし」
タシュ「ここはやっぱりあれかい?」
夕雲「あれ?」
タシュ「ハラキリ」
陽炎「どこで覚えたのよ、その言葉!?」
初春「素直に頭を下げれば問題ないじゃろう」
タシュ「わかったよ。ああ、私はなんて愚かなことを」
朝潮「行っちゃいましたね・・・」
秋月「大丈夫でしょうか」
綾波「悪気があったわけでもないですから、問題ないと思いますが」
吹雪「そうだよね。それじゃあ次は私が話そうかな」
~オリョールの亡霊~
吹雪「これは潜水艦の娘たちでは有名な話なんだけれど、こことは別の鎮守府で噂になったことらしいの」
伊168「本日も出撃および遠征、演習はなし。各自緊急時に備えて待機するよーにだって」
伊26「え~、また~?」
伊19「偶には出撃しないとイクの魚雷もさび付いちゃうのね」
伊8「はっちゃんは積本が消化できるので嬉しいのですが」
伊14「ぷっはー!今日も休みでお酒が美味い!」
伊13「だからといって真昼間から飲まないで!」
呂500「お休みだったら散歩にでも行こでっち。でっち?」
伊58「・・・お前らは腑抜け過ぎでち・・・!」
伊168「ど、どうしたのさゴーヤ」
伊58「潜水艦の!ゴーヤ達が!ここ最近ずっっっとお休みばかり!こんなので艦隊運営は正常に稼働しているでちか!?」
伊26「また始まったよ~」
伊58「ゴーヤ達が汗水流してかき集めた資材が無ければこの鎮守府なんて一月ももたないはずでち!」
伊168「いや、でも最近のオリョールも物騒になってきたし」
伊13「それに有休が溜まりに溜まっているからこの機会に休ませたいのだと思います」
伊58「そんなもんエラー猫にでも食わせておけばいいんでち!」
伊19「ここまで来ると立派なワーカーホリックなのね」
伊58「みんなはあのスローガンを忘れちゃったのでちか!?」
伊14「月月火水木金金?」
伊58「ばっかやろー!!ゴーヤ達のスローガンは『月月月月火火火、スイスイ黙々金金金』でち!!」
伊26「働き過ぎだよー」
伊8「労働監督署が何も言ってこなかったのが不思議でしたね」
伊19「労働基準法もあったもんじゃないのね」
伊168「その結果がこれだもんね・・・」
伊14「もういい・・・もう休め・・・!」
伊58「仕事を寄こせー!」
呂500「でっちは働き過ぎですって」
伊8「働くのが人生の生き甲斐と思い過ぎるとキチガイになる典型ですね」
伊58「もういいでち!こうなったらゴーヤだけでも勝手に出撃してやるでち!」
伊168「止めなよ!それは提督に怒られるよ!?」
伊58「止めるなイムヤ!ゴーヤはオリョールに行くんでち!」
睦月「どこの鎮守府の潜水艦も同じ事情があったんだね」
暁「それで、その後はどうなったの?」
吹雪「結局みんなの制止を振り切って無断出撃して行方不明になったんだって」
初春「自業自得じゃな」
夕雲「冷静ですね」
初春「時には自制も必要なことじゃ。鎖から解き放たれた狂犬が飼い主のもとにそう簡単に帰れぬのと同じことよ」
陽炎「だってさ」
白露「だからウチの夕立は犬じゃないっての」
吹雪「それで居なくなった潜水艦を捜すために捜索隊が一ヶ月あちこち捜したそうだけど、結局見つからなかったみたい」
綾波「あららら」
吹雪「でもそれから数ヶ月後、消息を絶ったと思われる海域で不思議なことが起こるようになったの」
漣「お、燃料発見!キタコレ!」
朧「やった!」
曙「ラッキーね。ん?どうしたの潮?」
潮「ねえ、ここってあの噂がある場所だよね?」
曙「そうだけどさ。あんなのただの噂よ、噂。どうせどっかのクソ提督のホラ話に尾ひれがついて独り歩きしただけよ」
漣「そう言うぼのたんの御御足ガクブルしてますが?」
曙「び、ビビッてないし!これは武者震いだし!」
朧「でも本当に出るのかな?潜水艦のお化け」
曙「だからいるわけないって!」
?「お・・・け」
潮「ひっ!い、今何か聞こえなかった?」
漣「?波の音ぐらいしか漣は・・・」
?「・・いて・・・」
朧「また、何か聞こえたような・・・」
曙「朧まで?そんなに私を驚かせたいわけ?」
?「おいてけ」
?「その燃料、置いてけ!! でち」
潮「出たー!!」
漣「ぼのたん!ぼーってしてないで早く・・・!」
曙(失神中)
朧「わ、わたしが曳航するから、今はとにかくここから離れよう!」
吹雪「その後、燃料を取りに戻った四人の目の前には空っぽになったドラム缶だけが残されていましたとさ」
綾波「ありがとうございました」
夕雲「まあ、そこそこ怖いお話だったわね」
陽炎「いやいや、十分怖かったわよ?」
吹雪「ちなみにこれ、
秋月「潜水艦の人たちって闇が深いのですね」
暁「今頃何しているんだろう?」
白露「そりゃあ・・・寝ているんじゃない?」
初春「時間も時間じゃからのう」
暁「そういう意味じゃなくて、その幽霊って本当にいたのかな?」
朝潮「おそらくあの海域なのでしょうが、朝潮は見たことありませんね」
睦月「睦月も何度か行ったことあるけど、幽霊なんて見たこと無いにゃし」
吹雪「それじゃあやっぱりあれはホラ話だったのかな?」
神風「ホラーだけに?」
白露「やっぱり神風って老化が進んでいるんじゃない?」
神風「ああ?」
白露「すみません。出しゃばりすぎました」
神風「よろしい」
綾波「それで次は誰がやりますか?」
神風「そうね。時間もあれだし、短い話でいいのなら一つ話せるわ」
~白い人~
神風「これは大体二年か三年くらい前のことだったわ。その日も今日みたいに日差しが強い真夏日だった。私は涼を求めて中庭に向かっていたの。そうしたら既に先客がいてね。後ろ姿しか見えなかったんだけれど、大和さんがベンチに座っていたの」
睦月「そのベンチって楠の下にあるあそこ?」
朝潮「ちょうど木陰になっているので涼しいですよね」
神風「そうそう。でもどうやら大和さんは誰かと談笑していたみたいでね」
大和「あーわかります。私もよくぶつけちゃうんですよね」
大和「小さい子が足元にいると怖いですよね。知らないうちに足が当たってしまいそうで」
神風「誰と話をしているのか気になって近づいてみたんだけれど、大和さんの話し相手の方は白いワンピースとそれに合うような白い帽子をかぶっていてたの」
白露「白のワンピースに白い帽子?」
陽炎「それってウチの雪風じゃないの?」
神風「そう思いたかったのだけれど、よく聞いてね?その人、大和さんよりも大きかったの」
暁「・・・せが?」
神風「ええ。それも座った状態で、立っている大和さんよりも頭一つ以上に」
吹雪「それって・・・」
夕雲「もしかして、アレだったのでは?」
神風「私もそんな気がして、意を決して大和さんに声をかけたの」
綾波「チャレンジャーですね」
初春「よく近づこうと思えたの」
神風「大和さん、こんにちは」
大和「あら、神風さん。こんにちは」
神風「誰かと話していたんですか?」
大和「ええ、そこにいる・・・あれ?」
神風「私が大和さんに挨拶をしたほんの一瞬で中庭から白い服の人が忽然と消えていたのよ」
睦月「いなくなったの!?」
神風「ええ。私も大和さんもその人を探したんだけれど、もう何処にもいなかったわ」
暁「・・・ゆうれい?」
白露「真昼間っから出る幽霊なんて聞いたことないけど」
陽炎「そもそもその人、幽霊じゃなくて別の怪異でしょ」
綾波「まだまだ議論はしてみたいのですが、時間も時間ですのでこの辺りでお開きとしましょうか」
綾波「というわけで、残業お疲れ様です」
提督「作戦指揮の関係で深夜までいるのをいいことに何やっているんだ」
綾波「でもちゃんと許可取りましたよ?」
提督「連勤のし過ぎで判断力が落ちていたのかね」
綾波「ところで提督は何か面白い話はあったりしませんか?」
提督「この状況でよく聞けるな。まあ、有るには有るが」
~いちたりない~
提督「こいつは大規模作戦時に大量に出没するって提督たちの間で話題になっているやつでな。その作戦海域の最深部で俺は遭遇した。まあ最深部だから深海からの攻撃も苛烈になってくるところだ。道中でも撤退を余儀なくされたこともしばしばだった。そんな中でなんとか敵の戦力を削り切り最終段階にまで辿り着いた。敵もやられるわけにはいかないからな。さらに攻撃は激しくなってきた。中破や大破を出しながらもなんとか夜戦にまで持ち込み最後の魚雷が敵の旗艦に直撃した時に奴が現れたんだ」
HP1
提督「そう。妖怪『一足りない』だ」
綾波「そんなこともありましたね」
提督「その時の魚雷を放ったのは私の記憶が確かだったら君だったはずだが?」
綾波「そうでしたか?」
提督「まあ、その後の再戦で沈めることに成功したわけだが、金輪際奴とは会いたくないな」
綾波「そうですね」
提督「しかし、怪談か。どうりで少し前から怖がりな暁がここにやってきて寝いているわけだ」
~解説~
髪の長い女→はじめは長門をオチにもってくる予定でしたが、赤城も髪が長いし深夜に徘徊していても不思議じゃないなということでこんな感じになりました。まあ最初だしグダグダでもいいかという単純な理由です。
シベリアの木→ご存知「播州皿屋敷」を艦これ風にアレンジ。タシュケントのあれは〇魂の副局長やつです。久しぶりに読み返したんですけど面白いですよね。
魔王→胃袋掴んでいる人には逆らっちゃいけません。
オリョールの亡霊→これも古典怪談「置いてけ堀」が元ネタ。最近潜水艦の娘たち暇しているから丁度いいかなと思い立って書きました。
白い人→最近?都市伝説で有名な「八尺様」。一尺が約30㎝なので八尺様は身長240㎝もあることに。でも世界にはそれよりもでかい人がいたらしいですよ。人体スゲー。
いちたりない→今回のイベントでも出た妖怪のお話。皆さんはお会いしたことはありますか?
?→最後の一つは本文中にヒントが。