緋弾のアリア~戦場の死神と呼ばれた少年《凍結》 作:ユーベル
―翌日―
SIDE蒼穹
おはようございます。
前日に理子の涙目+上目使いのオネダリに轟沈した蒼穹です。
で、朝起きて理子に挨拶したら顔を真っ赤にしてました。
そんなこんなでただ今朝食なう。
ついでに言うと今日から理子の修行開始なんですけどね。
―朝食後―
「さて、今日これから修業を始めるのだが、その前にこれからの予定を大まかに話そうと思う」
理子「予定?」
その通り、これからの予定だ。
幾つかプランを用意していたのだが、理子と接触してしまった為、『イ・ウー』とも交渉しなくてはならなくなってしまったからだ。
ちなみに他のプランは…、
キンジ→武偵になって意識改革をさせる
アリア→取り合えず鍛える
レキ→CQCを叩き込む
白雪→銃の扱いを叩き込む
と、まあこんな感じ。
今度はブラドの奴を理子自身の手でフルボッコにしてもらうから、予定が早まっただけの話だ。
それよりも、今は今後の予定の事だ。
「うん、そう、予定。取り合えず2年間は修業をする事になるんだけど、最初の1年は此処と箱庭で修業、残りの1年は各地を転々としながらの修行になるね」
理子「前半は解ったけど、後半は何?何で各地を転々としながら修行するの?」
やっぱり疑問に思いますよね。
明確な目的が有りますから、ばらしても良いし。
「ある組織と接触する為さ」
理子「ある組織?」
「そう、無法者の集まり、『イ・ウー』。そこと接触する為に各地を転々とするから」
理子「何処かの国に本部が隠されてるの?」
普通そう思いますよね。
でも実際は違うんだけど。
「隠されているんじゃなくて移動してるからね。その足取りを探る為なんだ。基本的に海沿いの街を重点的に回る形になるけどね」
理子「移動してる?それに海沿いって?」
「そのまんまの意味だよ。『イ・ウー』は第二次世界大戦中に日本とドイツが立ち上げた超人兵士育成機関の流れをくんでいるんだ。そして、その本拠地はドイツ製原子力潜水艦・ボストーク号。暗号名『伊U』。だから、海沿いを重点的に探す」
ちなみに原作からの知識とヴェーダからの情報なんだけどね。
と言うか、なんでヴェーダが元の世界と並行世界のPCと繋がって居るのかが不思議に思うが、あの中間管理職の神が何か手を加えたんだろう。
現在進行形で元の世界の書籍が電子書籍化されて大量にストックされているのはどうかと思うが…。
読む暇あるのか?
て、現実逃避している場合じゃない。
今は理子の修行に関する話の最中だ。
「ま、補足はこれ位にして修行の話に移るか」
理子「いよ!待ってました」
テンション高いね…。
「最終目標を言っておくと君が一人でブラドを圧倒できるのが一番望ましいんだけどね」
理子「そこまで!」
フルボッコ出来ればそれで良いんですけどね。
「で、だ。君には幾つか力を与えようと思う」
理子「力?」
「そう、力。一つは魔術回路。もう一つは呪紋。あとは~、各種戦闘術を覚えてもらう事になるね」
これが俺の出したプランだ。
戦力の増強も兼ねて提示した物だ。
それに、魔術回路を出したのは理子に適性が有るだろうと踏んでの事だ。
とある少女にその回路を撃ち込んだ所、とある英雄と同じ魔術回路が出現した、と言った例が有る位だ。
次に呪紋。
泥棒の家系である彼女に丁度いいモノが有るからだ。
憂鬱兎(マンディ・ラビット)、迷い猫(シュレディンガー・キャット)、絶対境界(イージス・アルマジロ)、理法喰らい(ヴォイド・メイカー)の4つだ。
彼女ならば問題無く扱えるだろう。
「早速で悪いが、呪紋の刻み込みと回路の撃ち込みをしようと思う。と、言う訳で、ハイ、これ握って」
そう言って、呪紋を渡す自分もそうなんですけどね。
ちなみに、呪紋を刻み込む場所は、左手:憂鬱兎(マンディ・ラビット)、右手:迷い猫(シュレディンガー・キャット)、舌:絶対境界(イージス・アルマジロ)、胸部:理法喰らい(ヴォイド・メイカー)で~す。
多少の痛みは有るでしょうけど。
刻み込みが終わったら、次は回路の撃ち込みですね。
「おめでとう。これで君は呪紋所有者、『印者(シード)』となった。次は、悪いけど俺の方に背中を向けて座ってくれる?ああ、背中が見えるように服を捲くっといて」
理子「う、うん。コレでどうするの?」
「ん?今から回路を撃ち込むの。別にやましいこんは無いから気にすんな。もしかしたら押し倒すかも知れんが…そんときゃスマン」
理子(襲っても良いのに…)
「……心が読めるの忘れてないか?」
ギクッ!
あ、忘れてたな。
まいっか、さっさと始めるか。
SIDE OUT
SIDE理子
やっほ~、りこりんだよ~。
いきなり模様の入った水晶を4つも渡された時なんだろうと思ったけど、これが『呪紋』っていうものらしい。
触れた時に電流が流れたみたいな痛みが走ったけど、刻み込んでいる時に必ず起きることだって言われたからそれが普通らしい。
痛みが無くなったら刻み込みの完了だそうだ。
鏡を見て舌と胸元を確認したらさっき見た模様が有ったので本当の事の様だ。
あ、掌にも同様の物が有りました。
蒼穹「おめでとう。これで君は呪紋所有者、『印者(シード)』となった」
この言葉を聞いて私は超能力者になったんだと自覚した。
これほどうれしい事は無かった。
でも…、
蒼穹「次は、悪いけど俺の方に背中を向けて座ってくれる?ああ、背中が見えるように服を捲くっといて」
この言葉に対してどうなるのか少し不安になった。
幾ら同い年とはいえ襲われるんじゃないかと思っている反面、襲われるのを楽しみにしている自分が居る事に気が付いた。
「う、うん。コレでどうするの?」
思わず声が上ずってしまった。
ハズカシイ//////
蒼穹「ん?今から回路を撃ち込むの。別にやましいこんは無いから気にすんな。もしかしたら押し倒すかも知れんが…そんときゃスマン」
(襲っても良いのに…)
蒼穹「……心が読めるの忘れてないか?」
ギクッ!
すっかり忘れてた!
沢山の能力を持っているって昨日言ってたじゃん!
蒼穹「まあいい。それよりも魔術回路を撃ち込むぞ。先に言っておく。かなり痛いぞ」
目がマジだ。
どれだけ痛いの?
蒼穹「人にもよるけど一応我慢できるレベルだぞ。と言う訳で」
ピタッ!
「ひゃうっ!」
彼の手が冷たくて変な声が出てしまった。
ホント、ハズカシイ//////
蒼穹「覚悟は良いか?はい、撃ち込み開始!」
て、ちょ、まだ心の準備が…、いたーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!
SIDE OUT
SIDE蒼穹
ただ今理子に魔術回路を撃ち込んでいる最中です。
理子「……………ッ……!」
「………………」
Tシャツとハーフパンツを着た理子がベッドの縁に腰掛け、脂汗を流しながら意識を集中している。
それを俺は無表情で見つめていた。
どうも俺は集中すると無表情になる様だ。
でも…、
(あれ、結構痛いんだよな~)
それでも、気を散らさないように心の中で呟き作業を進める。
魔術回路の生成はかなりの痛みを伴う。
例えるならば背骨に熱した鉄棒、若しくは火箸をズブズブと埋め込んで行く様な感覚だ。
しかも、そこから少しでもズレたら一発でお陀仏だ。
俺自身も経験し通った道であり、魔術回路が出来てから2~3時間はたっぷりと気絶していたのをよく覚えている。
そのため、先人とし絶対に気を散らさない事と、ズレそうになったら焦らず、確実に戻すように理子に教え込んだ。
理子「……ッ…ッッ…!!」
「………オッ!」
通常の数億倍以上に研ぎ澄まされた俺の感覚が確かに感じ取った。
そう、オドが“生まれる”瞬間を。
「……大丈夫か?……理子」
理子「………大……丈夫…」
理子が此方にゆっくりと顔を向ける。
その顔は、何かをやり遂げた様な達成感に満ち溢れていた。
「………ふぅ…その分なら平気そうだね…おめでとう。これで君は晴れて半人前の魔術師だ」
理子「やった…」
そう言って、理子は立ち上がろうとしたが、力が入らずぱったりと倒れてしまった。
理子「…あれ…?」
「はは。今は生命力を魔力に変換している最中で疲労がたまって居るんだ。立て無くて当たり前だ」
傍により、しっかりと抱き上げ、腰かけていたベッドに横にさせた。
「今は少し寝ろ。起きたら適性を調べるから」
「うん…解った…すぅ…」
布団を被せると、すぐに眠りに落ちた。
―3時間後―
理子が目を覚ましたので、昼食を摂って午後からまた修行に入る………………が。
「どう言う事だ?」
理子「…………うぅ~」
額に手を当てて頭を抱え込む俺は悪くないはずだ。
なんせ、
「…………こいつは酷過ぎる。適性が有り過ぎて適性が全く解らないって」
理子「…………………………」(ズーン)orz
10個ほどテストをやってみたが…。
水銀はナイフの形に出来た。
針金は鍵の形になら変化した。
五行(五大元素)は全くかすらない。
ルーンは微妙。
結界術は……ラップ見たいのが出てきた。
ガラスの再構築は出来た。
召喚術、降霊術は無理。
身体強化は成功。
浄化の礼拝なんてすぐ寝込む。
はっきり言って、
「…………もの凄く中途半端だな」
理子「みなまで言わないでよ!」
もの凄く慌てた。
あ、ちょっと涙目だ。
可愛いなぁ~。
て、現実逃避している場合じゃねぇ。
「あと、試す事と言ったら……何か有ったけ?」
自分自身何かやる事は無いのか考え始めてしまった。
こんな時に限って『解答する者(アンサートーカー)』は便利だ。
最適とも言える答えを出してくれるのだから。
そのため、そこから導き出された答えは簡単だった。
すなわち、『封印指定クラスの固有結界の要素』。
『正義の味方』を目指したとある主人公の持つ魔術回路そのモノであり、俺自身の持つ魔術回路、固有結界名『無限に続く戦いの地(インフィニット・バトル・フロンティア/Infinity.Battle.Frontier)』と同等のモノだ。
ましてや、彼女自身代々泥棒の家系。
盗みに特化した家系だ。
だから、泥棒の為に必要な事を本能的に理解している。
その結果が、水銀と針金の形状変化、ガラスの再構築、身体強化の成功である。
その事に行きつき、大きく溜息を吐いてしまった俺は悪くないだろう。
SIDE OUT
SIDE理子
もの凄く頭を抱えて唸ってる『ソー君』を見てるとやっぱり私は出来そこないなんだと思ってしまう。
あ、『ソー君』ってのは彼、蒼穹の事だよ♪
でも、なんか落ち込んできた。
そんな時ソー君が大きく溜息をついた。
もしかして失望したの?
でも、それは杞憂に終わった。
蒼穹「……理子、お前の適性が解った」
「ホント?」
私の適性の事をずっと考えてたんだ。
よかった~。
でも、おでこを抑えているけどどうしたんだろう?
蒼穹「ああ。お前は……とんでもない稀少で下手をすれば封印しなきゃならない程のヤバい力を持っている。」
え?
封印しなきゃならない程のヤバい力?
蒼穹「人はそれを“固有結界”と呼ぶ」
「固有結界…」
名前を聞く限りではどれ位危険か解らないけど、もの凄く危険な物だと言う事はわかる。
蒼穹「固有結界は“自身の心象風景”をカタチにして“現実を塗りつぶす”ことで形成される結界の総称なんだ。ちなみに俺も扱える。固有結界を発動すると結界内に入ったモノはその結界のルールに書き換えられる。例を挙げるならば『魔力を枯渇させる』だったり、『名前から始まり、自我、存在を抹消する』、『自身の拒絶したモノのを砂へと還元する』といった具合にね」
ちょっ、そんな事まで出来るの!
蒼穹「しかも、君の固有結界は“俺と同じ”で封印指定クラスのモノだ」
封印指定クラスって。
しかも、ソー君と同じ。
蒼穹「その上、俺の知る限りでは“別の世界”に一人最上級の封印指定クラスのモノを持っている奴を知っている」
そんな人が居るの!
蒼穹「そいつは『正義の味方』を目指した壊れ者で、そいつは『無限の剣製』と呼ばれていた。その二つ名を指す通り、そいつの固有結界名は『無限の剣製(アンリミテッド・ブレイド・ワークス/Unlimited.Braid.Works)』と呼ばれ、刀剣ならば何でも呼び出す事が出来た。だから、最上級の封印指定を受けた」
す、凄い。
そんな事まで出来るんだ。
蒼穹「そして、俺の持つ固有結界もまた封印指定クラスで、固有結界名を『無限に続く戦いの地』と言う。そしてまた、理子。君も封印指定クラスに認定される固有結界の持ち主だ」
わ、私も!
「どんなのになるの?」
蒼穹「ん~?お前の場合泥棒の家系だからな、どちらかと言うと盗みに重点を置いたものになってるな」
「盗みに?」
蒼穹「そう、盗みに特化している。時間だろうが空間だろうが何でも盗める。…そうだな……、名付けるとしたら『絶対世界(エンペラーワールド/Emperor.World)』が良いかな?」
『絶対世界』。
私の固有結界。
うれしい。
私も戦える。
それに何よりも“ソー君と同じ”。
本当にうれしい。
蒼穹「お~い。トリップしてる所悪いんだが呪紋の方の説明に移っていいか?」
はっ!
イケナイ、イケナイ。
まだ、説明の途中だった。
蒼穹「君に最初に刻み込んだ呪紋の効果を説明するよ。まず、左手の憂鬱兎(マンディ・ラビット)は気圧操作能力を持つ。空気を圧縮する事によって攻撃、防御、罠を張る事が出来る。」
気圧の操作か、色々と使い勝手がよさそう。
蒼穹「次に右手の迷い猫(シュレディンガー・キャット)は認識をずらし、他者への憑依能力を持つ。しかも、認識をずらす事によって他者からの自身への攻撃や障害物を透過する事が出来る。
もの凄く、泥棒向けの能力だね。
蒼穹「三つ目に舌に刻まれた絶対境界(イージス・アルマジロ)は透明な壁を出現させて攻撃と防御する事が出来る。一応空間干渉系だし、使い方次第ではノシイカにする事が出来るし、空気を集めて一気に開放する事も可能だ。さらに言えばどんなモノでも切断する事が出来る。簡単に言っちまえば何処までも長く軽い刀だな」
攻撃にも防御にも使えるって凄い。
蒼穹「最後に胸部の理法喰らい(ヴォイド・メイカー)は“無”を操る事が出来る。全てを飲み込む完全な“無”と周囲に影響を及ぼす不完全な“無”の二つが有る」
ブラックホール!?
なんて言うか、もの凄くチートになったな~。
蒼穹「ま、説明はこの位で今日はもう遅いから飯にして明日からガンバロ~」
「おお~」
明日から本格的な修行開始だね☆
頑張るぞ~。
SIDE OUT
NEXT