インフィニット・ストラトス 黒龍伝説   作:ユキアン

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動き出す時代

 

 

 

「えっ、部活動に所属するのって義務だったんですか?」

 

生徒会長から明かされる衝撃の真実。というか、初耳。でも、邪な感覚がする。回避するのが一番だな。

 

「そうなのよ。だから、このままだとちょっと問題がね」

 

「じゃあ、調理部に入部届けだしてきます」

 

スポーツ関係に男が混ざるのはアレだからな。そう言えば織斑の奴は何処に所属してるんだ?同じ部活はパスだな。

 

「ちなみに私もまだ入部してない」

 

「私もだな」

 

「なら三人で入部届を出しに行くか。だけど、簪はお菓子を作るな」

 

「大丈夫。もうあんな過ちは繰り返さないはず」

 

「いや、絶対に繰り返す。なあ、止めとこう。お菓子以外なら大丈夫なんだから」

 

簪からすっと渡されるのはフィルムに包まれたクッキーだ。いつの間に作ったのかはしらないが、オレ以外無事に完食できた奴をオレは知らない。いや、グルメに居た奴らなら大丈夫かもしれないが。とりあえず、一枚を口に放り込む。うむ、攻撃力が上がってるな。

 

「ヤバイな、これは。進化、いや、退化?とりあえず攻撃力は上がってるな」

 

危険物を取り上げて全部口に流し込んでおく。

 

「食べ物に攻撃力ってどういうことだ?」

 

「そのままの意味だ。攻撃されてるんだよ、食い物に。と言うわけでお菓子作りは駄目」

 

「ちぇっ」

 

話は終わったとばかりに生徒会室から出ていこうとすると会長に止められる。

 

「ちょちょちょ、ちょっと待って」

 

「なんですか?他にも要件が?」

 

「えっとね、出来れば、可能な限り、学園祭で生徒会の出し物に協力してほしいなって」

 

「内容にもよりますけど」

 

「一応、劇なんだけどね。内容はともかく人数が足りなくて」

 

「オレと簪メインで外から何人か協力してもらって即興劇なら良いですよ」

 

「えっと、一応準備している分とかあるんだけど」

 

リストを受けとってざっと設定と配役を弄って簪に見せる。多少の修正の後にラウラに渡す。オフレッサーの名前の横に誰?とコメントが入ったので似顔絵を書いてやれば納得したようだ。その後、会長にリストを返す。

 

「そんな感じでよろしくお願いします」

 

「知らない名前が二人か。それ位ならなんとか。けど、この似顔絵の人をこの役で入れるってどうなの?」

 

「楽しいでしょう?即興劇ですから自由に動いて下さい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お兄、IS学園の学園祭のチケットが何枚か余ってるから欲しかったらくれるって元士郎先輩が言ってるけど?」

 

「一応、オレも一夏から貰ったけど。それにしても蘭、本気であの匙って奴がいいのか?」

 

「恋人の条件を全部満たしてるけど?この前の土曜もデートだったし。何かお兄に迷惑でもかけてた?」

 

「いや、色々変わっちまったなって。この前のキャノンボール・ファストの時から特に。容赦とかなくなってるし、何やってるのか全然わからなかったし」

 

「ああ~、お母さんも言ってたっけ。ISに乗るとアレぐらいは余裕とは言わないけど出来るんだ。容赦がないのは相手がISだから。手加減の必要がないって楽。元士郎先輩も簪先輩も手加減なんてしたら追いつけないぐらい強いし、楽しいんだ」

 

「いつからそんな路上で殴り合いしてる奴らみたいな事になってるんだよ」

 

「私より強い人に出会っちゃった」

 

「はいはい。ちぇっ、オレも彼女が欲しいや」

 

「そもそもお兄の好みは?」

 

「そりゃあ、ほら、まずは話が合わねえと付き合いづらいだろう?努力だけじゃあどうにもならないこともあるし、趣味を曲げるってのも何処か違うだろう?見た目とかがどんなに良くても女性至上主義者は絶対勘弁。それ位か?」

 

「私より範囲が広いような気がするんだけど」

 

「いや、まあ、そうかもしれないけど、話が合わなかったりとか、周囲に邪魔されたりして中々な。ちょっと話そうとするだけで関係ない女共に冤罪着せられそうになるから。雑誌とかでも草食系が増えたって言うけど、そうしないと犯罪者にされるんだぜ。積極的に作ろうとするオレは少数派だ」

 

「私、女子校だからそこら辺は分からないや」

 

「そうだよな。普通に付き合ってる奴らですら、関係ない奴らの所為で別れなきゃならなくなったりしてるからな。おかしい世の中だぜ」

 

「ISの所為だよね。やっぱり」

 

「あんまり言いたくないけどな。男どころかISに関係のない女にまで疎まれてるよ。それ以上に女性権利保護団体とそれに傾倒してる奴らは嫌悪すらされてるけどな」

 

「大丈夫だよ、お兄。世界はもうすぐ変わるって。万能航行艦の話は知ってるでしょ?」

 

「軍用ISを完封したって奴だよな」

 

「重要なのはそこじゃないんだけどね。万能航行艦の良い所はね、簡単に宇宙にまで行けるってこと。私も1回だけ連れて行ってもらったけど、訓練とか何もいらないんだよ」

 

「簡単に宇宙にか。どれ位簡単なんだ?」

 

「う~ん、又聞きだけど、スペースシャトル作って使い捨ての大気圏離脱用のロケット作って宇宙飛行士6人を養成して物資や機材を500kg積載して宇宙ステーションに送り込む。これだけのことに3年位の準備期間が必要なんだって。で、実はこの6人って何十人といる中の6人、残りの人は任命されるまでずっと共通訓練を受け続けるの。その何十人が毎年入れ替わってるんだって。それもふるい落としってさ、相手を信用できるかどうかの訓練とかだったりするわけ。全員が道連れになるから。だから信頼できる人としかチームを組めないの。人数が少ないから一人一人の負担も大きくて、とっさにサポートできるわけじゃないからこそだね」

 

「命をかける以上はそうだよな」

 

「それに対して万能航行艦なら数百人単位、動かすだけなら10人ほどでも大丈夫なんだけど、とにかく大量の人員を運べるの。通常の定員が600人だし、積載量も200万tまでならほとんど問題ないし、初期コストはこっちの方が高いんだけどランニングコストを考えると3回で同じぐらい。だけど、運んだ量で比べるとその差は一目瞭然でしょ?」

 

「人数は100倍、運んだ物資が400倍じゃあ話しにならないな」

 

「それで、元々D×Dって宇宙開発の企業だから宇宙服とかもちゃんとあるし、細かい部品とかもちゃんと規格どおりに作ってるし、むしろ自分達で月を開拓するんだって準備を始めてるよ」

 

「一企業がすることじゃねえな!?」

 

「今なら月は誰の物でもないから丸儲けだとか悪い笑顔の社長が言ってた」

 

「そんな簡単に開拓なんて出来るのか?」

 

「出来るからこそ準備してるんでしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は群雄割拠、幾つもの弱国が強国に潰され飲み込まれていく中、東西を強国に挟まれた小さな水の国。その国の王は潰される前にと東の国の王と姫を結婚させ、属国として生き延びようとしました。ところがそれを知った第1王女は城から抜け出し、西の国へと逃げ出してしまいました。しかし、王は焦ることはありませんでした。姫はもう一人居り、今度は逃げられないように牢に入れたのでした。

 

「二人共絶対に許さない」

 

牢に入れられた姫は見張りが居なくなると同時にブローチを壊し、破片を使って器用に鍵を開けて脱獄します。

 

「とりあえずは武器と金目の物を回収しないと。父はこのまま処刑なりされるだろうけど、私のために生贄になってもらおう。お姉ちゃんはその後に引き渡して民だけは許してもらえばいいでしょう」

 

脱獄した姫のもとに専属侍女が飛び込んできました。

 

「姫、助けにって、なんで開いてるの!?」

 

「ラウラ、ちょうどよかった。武器は持ってる?」

 

「サバイバルナイフなら」

 

「ナイフか。仕方ない。兵士から奪い取ろう」

 

「えっと、王様狩りを?」

 

「ううん、とりあえず宝物庫に行くよ。東の国の王に渡すのは勿体無いものを回収したりしないといけないから」

 

「国を捨てるので?」

 

「王を捨てるだけ」

 

二人して場内の見張りの兵士を気絶させながら宝物庫に辿り着く。頑丈な宝物庫の扉を兵士から奪った剣を犠牲にして切り開く姫。

 

「ラウラは持ち運びしやすくて足が付きにくい宝石を集めて。私は貴重な品を集めるから」

 

宝物庫内で手分けして行動を開始し、すぐに姫が戻る。今までの動きにくいドレスを脱ぎ捨て、動きやすいというより、戦いのためだけに特化したような服を着て。

 

「姫、なんですかその格好?」

 

「この国を作り上げた女王が着ていた戦闘服(バトルドレス)、こっちは秘剣・閻水。初代様は剣の腕と閻水によって作り出した内海によってこの国周辺を人類の生存可能域にした聖人なの。さすがにこれは渡せないよ。それより、そっちの方は?」

 

「とりあえず、上等な宝石を邪魔にならない程度と当座の資金としてある程度の金貨を」

 

「上出来。それじゃあ、行こうか、お姉ちゃんを捕まえに」

 

こうして姫は国を旅立ちました。情報を集めながら順調に西へと向かい続けました。そんな姫の前に立ちはだかるものが現れました。

 

「第2王女で合ってるかしら?」

 

「貴女は?」

 

「第1王女に雇われた傭兵。恨みなんかは全然ないけど、此処から先を通す訳にはいかないの」

 

武器や鎧を持たず、手甲と脚甲のみで立ちふさがる傭兵。

 

「ラウラ、Cの袋」

 

「ええっと、Cの袋、これか」

 

侍女から受け取った袋をそのまま傭兵に投げ渡す。

 

「えっ、この感触と重さ、えっ、まじ!?」

 

「退いてもらえますか。時間が惜しいので」

 

「いや、でも、一応前金を貰っちゃってるし」

 

「ラウラ、倍プッシュ。それから水を」

 

「持ってけドロボー」

 

侍女が直接袋を投げつけ、水を取り出し王女へと渡す。水を受け取った王女はそれを秘剣・閻水にかけ、水の刃を形成する。

 

「どうする?やるなら相手になるけど」

 

「え~っと、この後も継続して雇ってくれるとありがたいです。私の実力を売るためにも一手、手合わせをお願いしたくはあります」

 

「いいよ。手合わせしてあげる」

 

「姫、お待ちを。怪我をされると困りますので、私が相手をします」

 

「ラウラが?まあ良いよ」

 

侍女はナイフを片手に傭兵に躍りかかる。傭兵はナイフを手甲、脚甲で防ぎながら手刀、脚刀を主体に攻める。徐々に侍女が押され始め、とうとう体勢が崩れ、傭兵が止めを刺そうとした所で

 

「この瞬間を待っていた!!」

 

ナイフを投げたと思えば細いワイヤーが括り付けられていたのか、それを操り、傭兵の上半身の動きを封じ込める。ナイフ自体は真剣白歯取り(誤字にあらず)で防がれてしまう。そして、二本目のナイフを取り出して飛びかかり、巴投げの要領で投げ飛ばされて顔面から落下する。

 

「だ、大丈夫、ラウラ?」

 

「あんまり大丈夫じゃない。鼻を思いっきり打った」

 

こうして姫は傭兵を仲間に加えて更に西へと向かいます。そして、とうとう第1王女に追いつきました。第1王女は西の国と水の国の最前線の砦にいることまではわかりました。

 

「噂では、西の国の皇太子が出張ってきているそうですけど、どうしますか?」

 

「正面から行くよ」

 

「三人で砦攻めは無謀だけど」

 

「そんなことしないよ。まずは、正面からお姉ちゃんに対しての勧告、その次に西の国に対しての勧告、最後に強行突入してお姉ちゃんを拉致って逃げるよ」

 

即断即決が第2王女の性格でした。真正面から砦に向かい、堂々と名乗りあげる。

 

「私は水の国の第2王女、こちらに水の国の第1王女が尋ねてきたと聞いた。第1王女は東の国に嫁ぐことになっている。これは決定事項である。今この時も、水の国の民が危険にさらされている。王族の責務を果たさぬなら、全てを捨てろ。名誉も富も、その命すらも捨てろ。気に食わぬことには己が力で持って道を切り開き、原因を打ち払え。初代様の言葉を守れ!!」

 

「くくっ、どう聞いても水のイメージに似つかわぬ過激な言葉ではあるが好ましくある。水の国の初代は天地開闢とは言わんが、内海を作り出すほどの偉人であったな。ウチの国と似ている。上に立つものは誰よりも多くをその手で切り捨てろってな」

 

苦笑と共に黒紫の鎧を着た男が砦から現れる。

 

「貴殿は?」

 

「分かりやすく言えば西の国の皇太子。今は東の国の進行に備えてこの砦に詰めている」

 

「水の国が侵略されるのは想定内ということですか」

 

「そのとおりだな。オレと貴殿か姉君との政略結婚の話も出ていたが、水の国の王は東の国を選んだ。それが全てだ」

 

「そうでしたか。それで、姉はどうしていますか」

 

「一応はまだ賓客ではあるが、人質に使えるかもしれないんでな」

 

「それは困りましたね、姉は東の国への贄ですから」

 

「ならば」

 

皇太子が腰の剣を抜く。

 

「やることは」

 

第2王女が侍女から水を受取り刃を形成する。

 

「「ひとつ!!」」

 

二人が同時に踏み込み、一度の交差で数度の剣が弾きあう。それだけで互いに相手の力量を見切ったのか口角が上がる。

 

「くっ、くくくく」

「ふっ、ふふふふ」

 

二人が笑いながら舞うように剣を交わす。円舞が如く立ち位置を常に変えながら剣舞が続く。それも次第に第2王女が押され始める。

 

「来て!!」

「来い!!」

「よっしゃあ!!」

 

第2王女の声に合わせて傭兵が躍りかかり、皇太子が二本目の剣を抜く。水と剣の円舞に、剣と手甲・脚甲の円舞が加わり激しくなる。二次元だった動きが三次元へと移り変わる。そして、それを邪魔するように人の身長よりも大きなトマホークが三人の間に飛んでくる。

 

「ぐはははは、何やら楽しそうではないか」

 

「東の国の王か。人の楽しみを邪魔してくれるとはどういう了見だ」

 

「何、花嫁がさらわれたと水の国の王が言うのでな。ちょっくら足を伸ばしたまでよ。そこの嬢ちゃんがそうか?」

 

「自分で逃げ出した花嫁とやらなら保護しているがな。欲しけりゃ持っていけ。こっちはお楽しみ中なんでな、邪魔をす」

 

突如天井が壊れる音と共に黒い塊が複数降ってくる。

 

 

 

 

 

 

 

感知結界に反応があったために来るとは分かってはいたが、その姿には少しだけ驚かされた。

 

「迅雷を模したか。ウチに罪を擦り付けようとする気か。だが、甘いな」

 

「学園中にこれと同じ反応がある。どうする、元士郎?」

 

「予定を繰り上げる。PTを解禁する」

 

「ならばこの場は任せておけぃ」

 

「頼んだ。散開するぞ、ラウラは会長と動け」

 

体育館から飛び出して一番敵の数が多い第1アリーナに向かう。敵の数は約300。一人頭で6機潰せばお釣りが来るが、オーフィスの運行に20人ほど取られるから、狩れるだけ狩らせてもらおう。量産型迅雷らしきISが投げる爆発する苦無をプラズマカッターで切り落とす2機のPTの間に降り立ち、迅雷を切り捨てる。

 

「シールドを張って避難区画にするぞ。近くの一般人を誘導、防衛陣を敷く。オレは周辺の安全の確保に向かう」

 

「「了解」」

 

ラインを伸ばしてアリーナ周辺の迅雷を縛り上げて、そのまま捻り切る。そしてコアを摘出して集めておく。シリアルナンバーは付いていないな。これで証拠にはなるな。

 

「一般人への被害を許すな、行くぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 

体育館から飛び出していく本体達を見送り、一般人に攻撃しようとする木偶人形にトマホークを投げつけて頭部を破壊する。

 

「貴様らはオレの獲物だ!!コール、ゲシュペンスト!!」

 

待機形態である腕時計に向けて大声で起動を呼びかける。地球連邦軍装甲擲弾兵の標準装備。開発されてから地球種が滅びるまでマイナーチェンジを繰り返して、最後の最後まで地球の勇者達を支え続けた、先に散った勇者達の亡霊。忍者もどきに負ける謂れはない。

 

「我が名はオフレッサー、勇者の中の勇者である!!血も通わぬ木偶人形の忍者もどき共よ、勇者を恐れぬならかかってこいっと言っとろうが!!」

 

無視して一般人を襲おうとする木偶人形を両腕のプラズマバックラーを起動させて殴りぬき、最初に投げたトマホークと、木偶人形に投げつけたトマホークの二刀流で壁に叩きつけていく。さすがゾル・オリハルコニウム製だ。全く欠けんな。

 

「第1アリーナでオレの仲間たちが防衛陣を敷いている!!一番戦力が集中してるから安全だ!!死にたくなければ急げ!!」

 

壁から抜け出そうとする迅雷に再びトマホークを投げつけて破壊する。

 

「流行遅れが。時代はアサシンなんだよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

最初こそ気配が読めなかったが、所詮はプログラムだ。一度見切り、製作者の思考が読み取れれば

 

「撃ち抜け、フィン・ファンネル!!」

 

フィン・ファンネルが次々と迅雷にビームを浴びせて押し込んでいき、まとめてハイメガランチャーで撃ち抜く。

 

「ラウラちゃん、いつの間にそんなに強く」

 

「キャノンボール・ファストから調子がいい。読みが冴えるし、対面すれば相手が私をどう思っているのか、大体が分かる」

 

ビームライフルを連射して苦無を撃ち落とす。忍者刀で切りかかってきたのを紙一重で躱してグレネードをカウンターで叩き込む。

 

「ちっ、世話の掛かる」

 

止めを刺されそうになっている4人と6機の迅雷の間にビームライフルを連射して距離を開けさせる。

 

「邪魔だから第1アリーナまで引いてろ!!ここは私達だけで十分だ」

 

ビームサーベルを引き抜き、迅雷の手首を切り落として攻撃手段を喪失させる。

 

「私達が邪魔だと!!」

 

「エネルギーも切れかけで武器を全部壊されてるだろうが!!素手で倒せる力量もないだろうが」

 

手首がなくなっても襲ってくる迅雷を蹴り飛ばしてビームライフルを直撃させる。

 

「そこのゲシュペンスト、こいつらを連れて行ってくれ」

 

「分かった。ほら、暴れるな。邪魔すれば一般人への被害が広がるだろうが」

 

ゲシュペンストに抱えられて第1アリーナに連れて行かれるクラスメートの専用機持ちを無視して新たに接近してくる迅雷に向き直る。

 

「はぁ、あの子達の機体なら問題ないはずなのに」

 

「連携のれの字も無くて、仲間割れのわまであるような連中だ。邪魔にしかならん」

 

「厳しいけど現実よね。エネルギーの方は大丈夫なの?」

 

「余裕だ」

 

「それじゃあ、行こっか」

 

 

 

 

 

 

戦闘を始めて1時間、あらかたの迅雷の破壊が終わった所で万能航行艦オーフィスが姿をあらわす。もちろんガワを似せただけの偽物で、それを作ったのは篠ノ之束だろう。そのオーフィスから実弾が放たれ、海に潜んでいた本物のオーフィスのショックカノンに撃ち落とされる。そこからは一方的だった。オーフィスと30機のゲシュペンストに有効打を与えることが出来ず、完全に鹵獲され、エンジン部に巨大なISコアが設置されているのを全世界に公開した。

 

その上でD×D社長、暁流が全世界に生放送で発表を行う。

 

「世界中の皆さん、僕がD×Dの代表取締役社長暁流です。この放送はIS学園第1アリーナ前から全世界に向けて放送させていただいております。さて、早い所には既に情報が入っていると思われますが、改めて現在、我々D×DがIS学園にてこの放送を行っている経緯をご説明させていただきます。今から約1時間前、IS学園に多数の、約300機の無人ISが襲撃を行い、学園祭が行われていた為に多くの一般人に死傷者が出ています。IS学園に所属する社員と学園祭に参加している社員の安全を確保するために現場に駆けつけた次第です。襲撃を行ったISは我が社の社員達が鎮圧したのですが、私どもが現場に到着した時には、我が社の万能航行艦を姿を模した艦がIS学園を襲撃していました。こちらは完全に武装を破壊し、鹵獲し、中を確かめると無人艦であり、エンジンルームには巨大なISコアが設置されていました。これがその証拠映像です」

 

暁の背後に空間ディスプレイが展開され、量産型迅雷とゲシュペンストの戦闘、偽オーフィスとオーフィスの対艦戦の映像が流される。そしてどちらからもコアが摘出されるシーンが流れる。

 

「篠ノ之束博士は、我々に罪を着せようと態々量産を行ったようですが、我々は既に独自のパワードスーツの開発に成功しています。今回の件でも自衛のために使用し、多くの方が実際に目にしているでしょう。性能面では現行のISとほぼ変わりませんが、ISコアの代わりに搭載しているプラズマジェネレーターによって、男女制限、さらには適正による操縦の難度は存在しておりません。ちなみに販売予定は半年ほど先を予定していたのですが、公開してしまった以上は近日中に販売させていただきますが、ラインを増やしても数がしれてるので販売制限はさせて頂きます。基本的には国ごとに販売という形になるでしょう。無論、数が増え次第制限は解除していく予定です。さて、商売の話は置いておきましょう。私がこの放送を行った理由はただ一つ」

 

そこで一度会話を切り、今までの柔和な顔を脱ぎ捨てて憤怒に染まった顔で怒鳴る。

 

「宣戦布告だ、この女郎!!オレ達に濡れ衣を着せるのはまだいいがな。何の関係もない一般人を巻き込んで死傷者を出しやがって!!ガキかテメエは!!火星と木星の間のアステロイドベルトに基地を作ってるのは分かってんだよ!!貴様の全部を否定してやるよ!!ISの技術を全部オレたちの会社の技術で駆逐して、テメエには罪だけが残るようにな!!というわけで大々的な社員募集だ!!万能航行艦の製造工場、パワードスーツPTの製造工場の作業員を大々的にな!!履歴は一切問わない!!工場の建設から作業員寮での作業でも仕事はいくらでもある!!条件はやる気のみ!!詳しくはホームページを見ろ!!以上だ」

 

さあ、全面戦争だ。先に引き金を引いたのはそっちだ。一切容赦しない。

 

 




スパロボを優先してまだヤマトを観に行けてません。
というか、スパロボのヤマトが強すぎてシャレになってないです。戦艦の単騎特攻でパルスレーザーだけで大抵の敵が沈む強力すぎる戦艦です。戦艦をフル改造する日が来るとは思っていませんでした。
スパロボWの史上最強の家?知らない子ですね。

2202序盤の公開部分だけで大戦艦が強くなりすぎててびっくりしました。大雑把な名前の通り旧作では目立った活躍をしていなかったのに。

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