幾星霜の果てに、星々の中(仮題)   作:ヒラミル

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前回までのあらすじ

某ブラック鎮守府のごとくマスターに虐げられていたプロメテウス。
とあるネットの人が書いた小説()を読むのをささやかな楽しみにしていたが、それすらもマスターに奪われてしまう。
一方何を勘違いしたのか、どこかの宇宙母艦から地球に向けて出発する小説()書き。
小惑星が迫る地球、果たしてどうなるのかっ!


明日ベヒモスが降ってくる(中編)

 私は今地球に向かっている。

 自分の作品を見てくれる人物が居なくなったからと言って大袈裟だ、と思われるかも知れない。

 

 だが、

 地球で一体何があったのか?

 そんな不安は地球出身である私にはそれ程重大な事だった。

 いつも堅い私の上官も、『たまには里帰りも必要だからな』とあっさり許して下さった。

 

 宇宙船が銀河系に近づいて来ると、なにやらメカメカしい人物群が乗船してきた。

『見かけない顔だ』不思議な物を見るような視線がバレたのか、そのうちの一人が話し掛けて来た。

「いや、ああ、すみません」思わず顔を伏せてしまった。

『いや、いい』

 その後は何も喋らず、各々の目的地へ到着するのを待った。

 

 

 

「地球防衛艦隊を編成する」

 地球──アース・シティの住人が乗員として次々と振り分けられていく。

 予算はカツカツのため、数隻の弩級戦艦しか配備出来なかった。

「飛来する小惑星を真っ先に叩け」

 

これでは取り巻きの艦隊によってすぐに撃沈されてしまうのでは?AIは、そんな分析結果を出した。

 しかしそんな事を言おうものならマスターに何をされるか分かったものでは無い。結局何も言うことはなかった。

 

「出撃する」

 ……とそこへ指令長官がやってきた。

「おっと、その前に伝えたいことが。

 私はここであなたの事を調べさせて頂きます。あなたが統合軍への職務妨害をしている可能性が浮上したので」

 

 

 

「戦闘開始!360度監視!」

 私は空元気で叫びます。

 私の事が嫌いなのに何故私の意見を求めるのか、それは何か見落としをしていたらまずいとのことらしいです。

 帝国の標準型戦艦が次々来て、艦隊を蹂躙していく。

「クソ、これだから艦隊戦は苦手なんだ……」

「ベヒモス、地球に降下開始です!」

「ああ!何でこうなるんだよ!」

 地球防衛艦隊は火だるまになったり機関ダウンした戦艦も多い中、悠々と小惑星が近づきます・・・

 

 

 

「……小惑星落とし?」

 私は乗り合いの人物と話をしていた。

 どうやら向かう場所は同じらしい。

『地球軍の戦力弱体化の為の作戦だ』

 

 どうしてこんな……

 

 船内に警報が響いたのはそのときだった。

『緊急脱出用ポッドに乗る』混乱した船内で、目の前の人物は随分落ち着いていた。

 

「……パニックになってる方がいる。私は避難誘導を手伝う!」乗客も減ったとはいえ、まだ一定数の人物が乗っていた。

『無理はするな』

 近くにいた、うずくまる人物。

「行きますよ!」私は手を引いて立ち上がらせた。

 逃げ惑う人影。乗務員もさばききれていない。

「こっちです!」

 

 と、突然何かが降ってきた。

 ガコン、ガラランと音を立てるそれを思わず左腕で受け止めてしまった事に少しばかり後悔する。

「っ……ぅ」天井の鉄板を睨みながら、私もポッドに向かう。

 

 しかし少しばかり遅かった。

 ポッドが開いたまま切り離されてしまった。

 船外に吹き飛ばされてしまいそうなのを何とかこらえ、非常口を閉める。

 

 既に船内は火に包まれている。

 私はそこら辺にあった防火毛布をありったけ集め、自分の体を守った。

 

 熱い。暑い。

 自分の体が焼けるような感覚に襲われる。

 熱さに震えながら、感覚は薄れていく。

 

 気を抜いたら吹っ飛んでしまいそうな意識の中。

 ……そうだ。

 

 

「プロメテウスさん……」

 端から聞いてどう聞こえるかは分からない。出せる声を振り絞ったつもりだ。

 

 

 私は浮かされたように言い続けた。

 誰が聞いているかは分からないが──

 

 

 

 

 

「──はい!」

 ふとそんな声が聞こえた気がして、私の意識は消えた。

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