・・・あれ、ここは?私は一体・・?
気がつくと私、オフェリア・ファムルソローネは薄暗い場所で椅子に座っていた。
なぜ、自分がここにいるのかを考える。
そういえば私は・・・
『ずっと、アナタと・・・(ーーー友達に、なりたかった)』
『・・・アナタは、進んで。踏み出して。マシュ・キリエライト。』
ああ、そうだ私はあの後死んでしまったんだ。
「はい、貴女は死んでしまいました。ですが私はオフェリア・ファムルソローネ、貴女にもう一度やり直すチャンスを与えようと思います」
私は声のする方を見るとそこには背中に大きな白い翼を生やした女性がいた。
そして女性から発せられるこの神々しい気配はあのスカサハ・スカディにも似たモノを感じるということは彼女は
「貴女はこの死後の世界の女神ということかしら」
「はい、理解が早くて助かります。そして貴女には三つの選択肢があります。一つは生まれ変わって赤ん坊からやり直すか、二つ目は天国に行って一日中ボーッとして過ごすか」
生まれ変わるは分かるがここの天国ってそんな世界なんだと少しショックを受けつつ私は女神の話に耳を傾ける。
「そして本題はこの三つ目からでして、最近では1つ特別な力を与えて魔王が猛威を払う異世界に転生してもらうというモノが増えたのです」
「あの、私がいた元の時代に転生することは・・・」
「それは出来ない決まりです。あと、貴女のいた世界は白紙化されていて私達ではどのみち手が出せないので今言った三つのうちのどれかを選んでもらうしかありませんね」
そこで私は少し悩む。
元の世界には帰ることはできない。
そしてただ生まれ変われば、今の自分はおそらく無くなる。
なら、マシュがあそこまで変われたのなら、全くの未知の異世界でなら私は何のしがらみもなくもう一度一歩を踏み出せるのではないだろうかと。
でも・・・
「やはり、怖いですか。一歩を踏み出すのが」
そうだ。
やはり怖い。私は・・・あの子のようには自分が変われる自信がないのだ。
あの時は無我夢中だったけど、いざチャンスが目の前に来るとどうにも私は前に進むことを躊躇ってしまう。
そんな私を見かねたのか女神が私の肩に手を置いて優しく声を掛けた。
「確かに貴女は彼女、マシュ・キリエライトのようにはなれないでしょう。しかし、だからと言って変われないとは限りませんよ。それにマシュは今も旅を続けていますよ」
いつのまにか俯いていた私はその言葉で顔を上げる。
「あ、あのマシュは今、どうしているか教えていただいてもいいですか」
女神は少し考えてから
「いいでしょう。彼女達は中国の異聞帯を切除したようですね」
中国は確かヒナコがいた異聞帯だ。
「じゃあ、ヒナ・・じゃなくて芥ヒナコはどうなったのでしょうか」
「ああ、彼女は・・すごく・・・色々あって今はカルデアにお世話になっているみたいですよ」
「!?・・もしかして、捕虜になってですか?」
「いやいや!そんな感じではないですね。というかアレは・・・まぁ、とにかく貴女が考えているようなことにはなっていませんよ。・・・それに大切な彼とも出会えたみたいですしね」
「そ、そうですか。」
若干、女神の目が泳いでいたけれど。
あまりあちらの世界の事は話せないのだろうと自分を納得させる。
マシュは変わらず前に進み続けているなら私は真っ直ぐ女神を見る。
「どうやら答えは出たようですね」
「はい、折角いただいたチャンスなので私も違うか世界で前に進みたいと思います」
「はい、分かりました。では特典の方を・・・」
と女神が何かの本を私に渡すのを私は首を振り断った。
「あの私はこの眼を特典として選んでもいいですか」
マシュは強くなったなら私も私の持つ力で前に進みたい、だから他の力は借りるわけにはいかない。
「そうですか。確かにその眼の力ならあの世界でもやっていけるかもしれませんね」
すると私の周りに魔法陣が広がり、魔法陣から発せられる光に包まれる。
「では、オフェリア・ファムルソローネさん。貴女はこれから再び生を受け、異世界に旅立ちます!願わくば貴女の行く末に祝福を!」
そうして私は違う世界に旅立った。
「はぁ、行きましたか。でもあの眼は彼女が持っていたモノなので他にも何か渡したほうがいいですよね。ああアレがありましたね、あれなら彼女の助けになるはずです!まぁ、誰が呼ばれるかは分かりませんが」
そんな一言を呟いて女神は次の仕事に取り掛かるのであった。
さて、オフェリアちゃんはどんな風に原作に関わっていくのかお楽しみ