元太刀の勇者は立ち直れない   作:ボトルキャプテン

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後半戦です!ラフタリア、錬、尚文と戦います!


第8話 三つ巴の戦い(後編)

俺はゴブリン軍団と共に亡者達、冒険者達をなぎ払い笑いながら大暴れしていた。

 

「オラァァ!!【新魔王軍】のお通りだぞ!!」

 

うわっ!なんだコイツ!?

逃げろ!不死身の化け物だ!!

ゴブリンが!!囲まれたぞ!!

 

「ひゃ〜はははははははは!!男はみんな殺せぇ!女と装備は全部奪え!!何が厄災の波だ!何がメルロマルクだ!こんな国なんか滅んじまえ!!こんな世界、俺の【正義】で立て直してやらぁっ!!」

 

すると剣の勇者である錬が俺に剣を向け構えた、返り血だらけの俺は笑いながら錬の方を向いた。

 

「そこのお前っ!!そこまでだ!」

「おやおや、誰かと思えば剣の勇者様の錬君じゃないか。ホントに俺が分からねぇんだな。確信したよ、俺の【予測】は正しかった」

 

俺がブツブツと独り言を喋っていると、錬が。

 

「お前は確か、冒険者ギルドで絡まれてた……」

 

俺の予測だ当たってるなら【計画】は実行可能だな。このままやり遂げよう。

 

「あの時は良くも見捨ててくれたな、剣の勇者。ぶっ殺してやるよ!!」

「そうは行くかぁ!」

 

俺と錬はお互い猛スピードで突進して互いにスキルを放った。

 

「『流星剣』!!」

「『暗黒剣』!!」

 

俺の暗黒剣と錬の流星剣がぶつかり合い、激しい衝撃波が放たれた、錬と龍二は鍔迫り合いをしながら睨み合いになり、錬は俺に尋ねた。

 

「なぜ人間が人間を殺すんだ!?」

「あ?俺は人間じゃねぇよ、俺は……魔物だ!!」

「なん……だと!?」

 

錬はその言葉に動揺してしまった、俺はそこを見逃さなかった。

 

「スキあり……『ファスト・ダークネス』!!」

「ぐぁぁぁ!!」

 

錬はドス黒い衝撃波により吹き飛ばされた。すると俺のアイコンにまた異変が起きた。

 

『レイドボスが現れました、あなたの戦闘時間は残り5分です』

 

なるほどな、ようやく魔物側の戦闘システムが分かってきたな。要は俺は波のボスが現れるまでの繋ぎって事か……はは笑える。

 

「なら残り5分……好きにさせて貰うか、おい野郎ども」

「ギャ?」

「もうすぐ撤退する事になる。奪った装備品を装備しろ」

「ギャギャ!!」

「ついでに村人を殺してこい、王国騎士団もな。後は好きにしろ」

「ギャハー!!」

 

ゴブリン達は鎧を身に纏い、王国騎士団達や村人に襲いかかっていった。

 

もう勇者なんてどうでもいい、世界は俺が奪うんだからな。メルロマルクにはもう用はない他の国に行こう。

 

すると俺が立ち止まって考え混んでいると、突然、後ろから攻撃を仕掛けられた。

 

「はぁ!!」

 

ガキーーン!

 

俺は振り向きもせず攻撃を防いだ。

 

こんなスピードで攻撃してくるのはただ一人。俺が唯一愛した女性……ラフタリアだ。

 

「太刀筋が丸見えだよ?、ラフタリア?」

「何故、貴方は私の名前を……?」

「はぁ……流石に元カノにまで言われると、さすがにヘコむなぁ」

「何を言っているんですか!?私は──」

「尚文の剣だろ?」

「!?」

「残り3分か、ラフタリア……さよなら。『暗黒剣』!!」

 

俺は振り向きざまに暗黒剣を振りぬこうとした。

 

「『エアストシールド』!!」

 

暗黒剣は凄まじい金属音を立てながら弾かれ、ラフタリアはエアストシールドにより護られた。

 

やはり来たか、盾の勇者……尚文!!

 

「よぉ、尚文。また会ったな」

「あんた、何ってんだ!?人間のする事じゃないぞ!?」

「その通りだ。俺はもう人間なんか辞めたよ。尚文の気持ち、今なら分かるぜ?何もかもぶっ壊してやるって気持ちをな?」

「そ、それは……けど、何も村人達まで巻き込む事なんかないじゃないか!!」

「黙……れ!!お前らの正義なんか使えねぇんだよ!」

「ダメだ、話が通じない。ラフタリア!!」

「はい!!」

 

見事なコンビネーションで俺に反撃を始めた、レベルは俺の方が上だが、2対1の為、ほぼ互角で渡り合っている。

 

「残り時間1分か、そろそろケリを付けてもいいな。『ファスト・ダークネス』!!」

「うわぁ!!」

「きやぁ!!」

 

尚文、ラフタリアもドス黒い衝撃波で吹き飛ばされた。すると、俺やゴブリン達が転送される準備に入った。

 

時間切れか。

 

『時間切れです、元の場所に転送します』

 

「あー楽しかった、またな?尚文」

「なに!?」

「次会うのは……そうだなぁ。まだまだ先だな、まぁ精々強くなって来いよ」

「待ちなさい!!」

 

俺とゴブリン軍団は光に包まれながら尚文達と話し始める。

 

「お前らが強くなっても、俺は更に強くなって世界を征服してやる」

「その時は俺が世界を護る!!」

「おいおい、あまり強い言葉をつかうんじゃねぇよ。弱く見えるぞ?」

「なんだと!?」

「まぁ、死ぬ気で強くなれよ。勇者共…じゃあな」

 

俺達は転送されて行きアジトに戻され、俺はそのまま椅子代わりの木箱に座り始めた。

 

「ふぅ。初の厄災の波、楽しかったな」

「おや、おかえりなさい」

「おう、こんなに装備が手に入ったよ」

 

俺はゴブリン達が装備した防具をジキル博士に見せた。

 

「これはなかなかの装備もありますね、この際この防具でゴブリン達の質を上げるというのはどうでしょうか?」

 

なるほど、ホブゴブリンに強力な防具を装備させて強化させれば良いのか。

 

「なら強い防具が必要だな、どうだ?この際もっと戦力を集める為に、メルロマルクから出て行かねぇか?」

 

俺は冒険者から奪った装備品の1つ、世界地図を取り出して広げてジキル博士に提案して見た。

 

「そうですね、なら……【ゼルトブル】に行きませんか?あそこは傭兵の国で斧の勇者を崇めてますがあそこにはコロシアムがあります、そこの剣闘士の装備を奪えば一石二鳥でしょう」

 

「なるほどな、んじゃ〜ゼルトブルにいくか!」

「それと、龍二さんに見せたい物が……」

「見せたいもの?何?」

 

ジキル博士は黒い本を取り出して龍二に見せた。

 

なんか尚文達が読んだ本に似てる気がするな。

 

「『四凶武器書?』なんか四聖武器の本と似てるな?」

「そうです、四聖武器の対比の武器ですね」

「なになに……【混沌(こんとん)の魔剣】【饕餮(とうてつ)の扇】【檮杌(とうこつ)の棘鉄球】【窮奇(きゅうき)の篭手】全てを持つ物は世界を制す……マジか!!」

 

「その混沌の魔剣が封印されているのはゼルトブルです、他の武器は後で解読しておきますね」

 

なら話が早い、魔剣を目指してゼルトブルに向かうことにしよう、こんな なまくら剣じゃ歯が立たないからな。

 

「よし、ぜんは急げだ。今夜出発する!」

 

俺達は『四凶武器』を探す為にゼルトブルに向かった。




四凶とは、中国の4つの悪の神様と呼ばれているようです!たまたま四凶だったので四聖武器に似せてみました!

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