俺とジキル博士は数ヶ月かけてゼルトブルに入国した。ジキル博士が用意した偽造カードでなんとか潜入出来た。先ずは、ゼルトブルに封印されているという『魔剣』を探さなくてはならない。とりあえずゼルトブルはメルロマルクより活気な街という事が分かった。
「さすがは傭兵の国、いかつい男どもばかりだな」
「そうですねぇ、【闇ギルド】や【コロシアム】が関係しているからでしょうね」
「闇ギルド?コロシアム?」
「ご存知ないですか?、簡単に言えば表沙汰に出来ない仕事をこなすギルドですね、あとコロシアムは戦わせるところと言えば分かるでしょう?」
なるほどね、要は暗殺とか汚れ仕事がメインなんだろうな。コロシアムは闘技場ってのは分かった。前回は俺は来た事がないからな、全てが初めてしる情報だ。
「俺は魔物になってるから店関係に入れない。博士、色々頼めるか?」
「そうですね、道中奪い取った金品で色々買ってきましょう、龍二さんは闇ギルドで情報を探って見ては?」
「闇ギルドなら入れるのかな?」
「おそらく入れるでしょう、ダメ元で試して見ては?」
「そうだな新しいアジトも欲しいからな、行ってみるわ」
「はい、ではまた後で」
俺とジキル博士は二手に別れて行動を別にした。
ジキル博士なら変身出来るから問題ないだろう、とりあえず闇ギルドに向うか。
俺はスラム街の様な所に入っていくと、野蛮そうな冒険者2人組が俺を囲い始めた。
またこのパターンかぁ。
「なんだ?俺に何か用か?」
「へへへ、兄さんここがどこだか分かってんのか?」
「泣く子も黙る闇ギルドだぜぇ?」
「知ってるよ。だからここに来たんだろ?ほら、だから通せよ」
無理やり通ろうとしたら行く手を阻まれた。
めんどくせぇなぁ。
「なに?邪魔なんだけど?」
「おっーと通行料を貰わねぇとな」
「返事は楽しんでか」
グサッ
俺は無言で冒険者1人を隠し持ってたナイフで冒険者の腹を刺した。
「ぐっ!?」
「チップだ、とっとけ」
「て、てめぇ!!」
刺された冒険者は片手剣を構えながら俺に振り上げてきた。
「しねぇっ!!」
ガキィン!!
俺は金棒で片手剣を防ぎ、そのままいなしてフルスイングをして攻撃してきた冒険者を叩き殺した。
「ったく危ねぇだろーが、大人しくしてろっての。お前はどうする?無惨に散るか?俺に協力するか?」
「ひっ……た……助け」
「なら協力するんだな?」
生き残った冒険者はブンブンと首を縦に振る。俺はもう1人の闇ギルドの冒険者にゼルトブルの闇について尋ねた。
「おい、この辺で1番デカい悪もんはどこにいる?」
「えっえ?えーと、【オーク】で集う亜人の傭兵集団の【ギャングスター】ですかね?」
「オーク?」
オークと言えば、頭は豚、体は人間の様な体をしているモンスターだ。ゴブリンと同様雑魚系モンスターでは鉄板だな。
「そいつはどこにいる?」
「今、その一味が闇ギルド中にいますが?」
「うーん。それは後だな。それともう1つ、封印された魔剣の在処は知らねぇか?」
「魔……剣!?兄さん!悪い事は言わねぇ!やめとけ!」
やっぱり呪われてるからか?めっちゃ止めてくるな、そりゃ魔剣だもんな。
俺は冒険者を返り血の付いた金棒を突きつけて脅し始める。
「うるせえ早く言えよ、こいつ見てぇにてめぇも殺すぞ?」
「言います!言います!コロシアムの……【地下の奴隷市場の墓場】にあるそうです!」
「ふーん、なるほどな。情報ありがとう」
「あんたも……魔剣を狙ってんのか?」
「ああ」
「せいぜい呪われねぇ様にな……狙った奴らは皆帰ってこねぇんだ」
「あっそ、俺はもう呪われてるから」
「え?」
「ちょっと喋り過ぎたな、それで?コロシアムに入るにはどうすればいい?」
「それは……客としてですか?選手としてですか?」
闇ギルドの冒険者は俺に尋ねて来た。
どうやらコロシアムと奴隷市場に入るにはそれなりの物が必要らしい。
「俺は一応選手もやってんだ、兄さんもコロシアムで戦うなら俺が推薦しますぜ?」
「ふむ、悪くないな、賭け事とかもしてるのか?」
「へい、最近は勝ち抜きルールで儲けてるって話でさ」
一攫千金のチャンス!!逃してたまるか!奴隷、魔剣、賞金をごっそり全部頂くぜ!!
「おし、予定変更だ。も俺が勝ったら賞金半分やるから手を貸せ」
「半分!?はっはい……なら、こっちです」
俺は冒険者の男と一緒にコロシアムに向かった。
数ヶ月ぶりの戦闘だ、楽しみだなぁ。
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闇ギルドの冒険者の手引きによりコロシアムにすんなり入れた。
ここからは選手として潜入しないとな。
「へへ、兄さん登録完了ですぜ!」
「最初の対戦相手は?」
「ミノタウロスでさ!けど魔物と戦うなんてすげぇや」
「俺も魔物だからな、魔物vs魔物なら問題ねぇんだろ?」
「魔物!?、確かにそうですけど大丈夫ですかい?」
「問題ねぇ」
すると俺の前にあるゲートが開き闘技場に入った。すると、反対側からのゲートからは牛の頭で体が人間の魔物が出て来た。
「ルールは?」
「へい、ざっくり説明しやすと兄さんが勝つと賞金がかさましして行くんでさ」
「なるほどな、元金金貨10枚にしといてくれ、そうすれば強い奴が寄って来るだろ?」
「マジですかい!?」
いや余裕ですからこんな雑魚、魔王を目指す男が魔物に殺られてたまるか。
「賞金の半分がお前の分な」
「へい!」
「賞金全部持ち逃げしたら絶対殺すからな」
そう言い残し、俺は金棒を冒険者に渡し、大剣を肩で担いでミノタウロスに向かって行った。
歓声の鳴り響く闘技場に俺の戦いが幕を開けた。