元太刀の勇者は立ち直れない   作:ボトルキャプテン

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あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!


第12話 七星勇者

俺とトゥリナはコロシアムから出て無差別に観客を殺し始めた、女、子供、老人関係なく殺しまくり俺は無表情で斬りまくっていた。そして賞金を受け取った冒険者を見つけて俺はコロシアムの賭けで儲けた賞金を闇ギルドの冒険者に約束通り半分渡した。

 

「ほら、約束の金だ。間違って斬られねぇようにさっさと行きな」

「へっへい……」

 

キャー

助けてくれー

ママー!

パパー!

 

観客達の断末魔が聞こえてくる、いい気味だ。仲間をこの手で殺させて何を喜んでたんだがな、いざ自分の番だと命乞いとは恐れ入ったよ。

 

「トゥリナ、この国で勇者を見た事あるか?」

「勇者か、確か──そうそう斧の勇者を何度か見たぞ?」

「こんだけ騒げば出て来るだろうな、見つけ次第……殺せ」

「任せておくのじゃ!」

 

俺はトゥリナと別れてコロシアム内の通路で暴れていると奴隷市場に差し掛かかり、そこにはあの奴隷商の親父に似ている男がいた。

 

「ひっ……」

「お前……メルロマルクの奴隷商か?」

「メルロマルク?いえ、それは私の甥です、はい」

「瓜二つじゃねぇか」

「よく言われます、はい」

「ん?」

 

奴隷商の後ろには何やら印象的な”5人の人間”の奴隷がいた。見た目は15〜16歳の双子の姉妹、いかにも出来損ないって顔のデブの男、木刀を持ってて鋭い目付きの老人、そして隅に座ってブツブツ喋る青年が俺の目に映った。

 

「こいつらは?」

「売れ残りの商品です、はい」

「売れ残りか……」

 

俺は5人に向かって”質問”をして見た。

 

「この世界が憎いか?」

 

すると双子姉妹が1番最初に俺の質問に答えた。

 

「憎い……」

「全て壊したい」

「くくくく……他は?そっちのじーさんは?」

「ここで孫、息子、兄を殺された、もうこんな世界どうでもよい」

「デブは?」

「ボクは……家族に売られてここに来たんです……家族を殺したい」

「うんうん、最後のお前は?」

「ここでなら……人を殺しても罪にならないから」

 

5人揃っておもっ苦しい思いをぶつけて来た。

 

久しぶりの”人材”を見つけてしまったのかも知れない。

 

奴隷商は恐る恐る俺に訪ねてきた。

 

「お買いになりますか?」

「ああ、いくらだ?」

「順番に言いますと金貨貨4、3、1、5です」

「金貨20枚で買おう」

 

すると俺は5人の奴隷達に言い放った。

 

「”力”を授けてやるから俺と一緒に着いてこい」

 

「「「「「!?」」」」」

 

「時間はかかるが、力をやる。どうする?付いて来るか?」

 

5人は頷き、俺と契約を結んだ。

 

尚文のようには強くならないなら──”別の方法”で強くさせればいい。

 

その時、俺のアイコンに変化が起きた。

 

『奴隷を獲得しました』

 

これは尚文と同じだな、ここは普通って事か。

 

「じゃあな、あんたさっさと逃げた方がいいぜ?」

「毎度ありがとうございます……そうします、はい」

 

俺はそう言い残し、奴隷を連れてコロシアムを出た。コロシアムの騒ぎを嗅ぎつけてジキル博士が走って来た。

 

「やれやれ、騒がしいと思ったら龍二さんでしたか。おや?、魔剣は見つかったようですね?」

 

「ああ、博士、もうすぐ勇者が来るからこの奴隷達を頼めるか?」

 

「分かりました、あなたが遊んでる間にこの街のギャングを沈めておきました、そこのオーク達を戦力に加えたのでそこのアジトでお待ちしてます」

 

俺とジキル博士が話していると子供の亜人の様な姿のトゥリナが剣闘士の頭を引きずりながら土煙から現れた。先程とは違って黒い着物に変わり、尻尾が5本に増えていて、見た目はラフタリアぐらいに変化していた。

 

どうやらこれが先程言っていた『変化』らしいな。

 

「トゥリナ、お前変化しすぎじゃね?」

「そうかの?この方が動きやすくて助かるのじゃがの?」

「亜人……では無さそうですね、かの有名な……狐の魔物、九尾の狐ですか?」

 

ジキル博士はメガネをグイグイしながら舐め回すように観察し始めた。

 

「なっなんじゃこやつは?」

「俺の仲間、ジキル博士だ」

「そっそうか」

「トゥリナ、ジキル博士と一緒にアジトに向かってくれ」

「わかった、龍二はどうするのじゃ?」

「俺か?」

 

おい!お前ら!!

 

すると日本人らしき人間が斧を持って俺達に声を掛けてきた。

 

この流れを察すると、こいつは七星勇者の転生人だな。

 

「コロシアムで暴れているのはお前達だな!?」

「お前は?」

「斧の勇者、田中健一だ!」

「斧の勇者とな!?」

 

トゥリナとジキル博士は戦闘態勢に入るが、俺が止めた。

 

「ここは俺が殺るから、先に行け」

「そうか?ゆくぞ?ジキル」

「はいはい、トゥリナさん」

 

2人は奴隷を連れてアジトに向かって行き、その場には俺と斧の勇者は武器を構えた。

 

「それは……魔剣ストームブリンガー!?」

「そうだ、まずお前よりまず他の人で試し斬りしてやるよ──。実演を踏まえてな!!」

 

俺は斧の勇者を無視して逃げ遅れた子供に狙いを定めた。俺は魔剣を大きく振りかぶると斧の勇者は子供を助ける為に駆け出した。

 

「危ない!!」

「簡単な罠に引っかかってんじゃねぇよ、バカが」

 

俺は急ブレーキをかけて斧の勇者に方向転換した。

 

「なっ!?」

「あばよ、斧の勇者」

 

ズバッ

 

俺は斧の勇者を胴体と下半身を一刀両断して分離させた。

 

「がっ……はっ……」

「斧の勇者の特有スキル『肉体改造』ってやつか?なかなかしぶといな、しかし勇者ってのは大変だな、”護るもの”が多くてよ」

 

「くっ……そ……」

「言っておくが、俺が手を出さなくても”別のヤツ”に殺されてたからな?」

 

「ちく……しょ…」

 

力尽きたのか斧の勇者は事切れてしまった。俺は血がついた魔剣を舐めて納刀した。


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