元太刀の勇者は立ち直れない   作:ボトルキャプテン

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第16話 Gゴブリンとオーク特殊部隊

その後、盾の勇者一行から撤退して転送魔法でゼルトブルのアジトに戻って来た。なにやらトゥリナは納得がいかなかった様だった。

 

「龍二!なぜあそこで退いたのじゃ!?」

「あのまま戦っていたらフィロリアルクイーン”フィトリア”が来ていた……今奴を殺す力はないからだ」

 

俺は拳を握りしめて悔しがった所を見たトゥリナは反発するのを止めて部屋に篭った。

 

勇者が育てたと言われたフィロリアルクイーン、不死身とは言えど生半可な力では太刀打ち出来ない相手だ。

 

「ジキル博士、ジキル博士はどこだ!?」

 

俺がジキル博士を呼び出した、するとジキル博士は地下室から現れた。

 

「おや、龍二さんおかえりなさい」

「ほらよ、クローン実験用の骨だ。それとヴィッチ、いや、マルティ王女の様子はどうだ?」

「これは凄い素材ですねぇ!?。あの”孕み袋”をご覧になります?」

「ああ」

 

俺はリファナの遺骨をジキル博士に渡し、ヴィッチの様子を見に行った。

 

久しぶりにヴィッチとの再会だな。さて、どうなってるやら楽しみだ。

 

「いやぁぁぁもぅやめてぇぇ!!」

 

見張りをしていたフランケンを退かすと部屋からは悲鳴が漏れていて5m離れた所からでも聞こえていた。

 

声を聞くだけで分かる、いい傾向の様だな。

 

俺は部屋の小窓からヴィッチの様子を伺った、そこには鎧、衣服を剥ぎ取られて全裸のヴィッチが【新種のゴブリン】数匹に陵辱されている光景だった。

 

「あ”あ”ぁぁぁぁ!!」

「ギャお!!」

「ギャオ!!」

「ギャオ!!」

 

俺はマインの凄まじい悲鳴に耐えかね、片耳を指で塞いだ。

 

「ったく、あの女はうるせぇな」

「ええ、ずっとあの状態でして」

「猿轡して黙らせろよ、舌噛み切って死なれたんじゃ【例の計画】が台無しだろうが」

「そうですね後でしておきます、今は種付けの時間なので」

「あれが【新種のゴブリン】か?」

「そうです!そこのお前、龍二さんに姿を見せなさい」

「ギャオ!!」

 

部屋から出てきた見た目はゴブリンチャンピオンの体で、背中にはゴキブリの羽が生えており、ゴブリンチャンピオンの頭には黒い触覚が伸びていた。ジキル博士は新種のゴブリンを触りながら説明を始める。

 

「ゴブリンと巨大ゴキブリを掛け合わせて造り上げた魔物【Gゴブリン】です」

「凄いな!こんな立派になるとは思ってなかったぞ?」

「ええ、おかげで種付けが追い付かない状態でして……」

「うーん、それは困ったな」

 

この先で尚文達は三勇教達と戦うはず。だがまだ時間があるな、ならどうしようか……。

 

「悪い、もう少しだけ待ってくれ。じきに三勇教は崩壊するからそこの信者の女達を狙おう、どうせ処刑される犯罪者だからな、どうせ行方不明になっても困らねぇよ」

「三勇教は魔族の天敵、厄介な存在ですからねぇ。かえって好都合ですね」

「俺達はまだまだ戦力が足りない。【呪術師】などもこれから仲間にしていかなきゃ行けねぇ」

 

俺は頭をボリボリとかいて頭を悩ませていた。

 

いくらドラグリアやトゥリナの様な強力な魔物を仲間にしたとしても勇者達には理不尽な要素【カースシリーズ】がある、それが一番脅威だ。

 

「バルバロの方はどうなっている?」

「バルバロさんは順調に兵器を持ち帰って来てますね。今はGゴブリンと同等の戦力を作るそうでなんでも【特殊部隊】用の装備を探しに向かってます。話しは戻しますが、呪術師ならもしかしたらいるかも知れませんよ?」

「ほう、【オーク特殊部隊】か頼りになりそうだ……って最後なんて言った!?」

 

俺はジキル博士にしがみついた。

 

お前はホントに賢いなぁ〜、良い部下を持ったよ。

 

「呪術師ならいるかと?」

「居るってホントかそれ!?」

「ええ、ですが私も書籍の知識でしかありませんよ?もう数千年前の魔物なので実在するか分かりませんし……トゥリナさんやドラグリアさんにでも聞いてみては如何です?」

「そうだな、ちょっと聞いてみるわ!」

 

俺とジキル博士は上に戻り、トゥリナとドラグリアを呼んだ。

 

「トゥリナ〜?ドラグリア〜?ちょっと来て〜今すぐ!!」

「なんじゃ、突然呼び出しおって」

「王よ、如何致しました?」

「トゥリナ、ドラグリアお前らがパッと思いつく【呪術師】って誰?」

「「【イムホテ】」」

「は?」

 

なんて?

 

「ごめん、もっかい言ってくれる?」

「イムホテという呪術師じゃよ数千年前の【プラド砂漠】の古代都市の大神官だったらしいが”冤罪”で遺跡に生き埋めされたようじゃ。イムホテは死に際に呪術を使い自分に呪いをかけた……その後ミイラの魔物になったようじゃ」

 

「ミイラの呪術師か、悪くないな。いかにも魔法使えそうだし」

「恐らくその時代では名を馳せておったと思うぞ?」

「我が王よ、プラド砂漠ならメルロマルクとシルトヴェルトの境界にあります」

「長旅になりそうだな」

「行先は決まりましたね」

「うゆん!なら、妾が行こうかの」

「我が王よ、私はは昼間は行けないので悪しからず」

「分かってるよ、プラド砂漠に行くのはトゥリナと俺だけで行く」

「古代の魔物は頭が固いからのぉ〜。素直に加わるとは思えんのぉ?」

 

数百年生きている九尾の狐が何を言っているんだろう……。数千年経つとようやく年寄り扱いになるのだろうか?。

 

「波はしばらく来ないが、なるべく早く帰ってくる」

「御意」

「ご武運を」

「では行くぞ?龍二」

「ああ、トゥリナ。バルバロが戻って来たら休ませてやってくれ」

「分かりました」

 

俺とトゥリナは古代呪術師の魔物イムホテの捜索にプラド砂漠に向かっていった。


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