プラド砂漠に着いた俺とトゥリナは果てしない砂漠を歩き続けイムホテがいる遺跡に辿り着いた。プラド砂漠の日中は暑さによる自然現象で空に赤い輪の様な光が放たれている、夜は逆に凍えるような寒さになるまで気温が下がるようだ。それにジキル博士の話しによると、近くには古代都市がありそこには悪魔が古代都市を守っているという……。
その悪魔はとりあえず後回しだな。
俺は砂漠のど真ん中にある遺跡をまじまじと見上げた。
「ここにイムホテがいるんだな」
「うゆん、遺跡の中は罠だらけじゃ気を引き締めるのじゃ」
「ああ」
2人が階段を降りていくと碑文がズラズラとかかれている。映画に出て来そうな砂漠の遺跡、俺は碑文を読み取ってみた。
『大神官イムホテの眠りを妨げる者には罰を与える、決して”死者の書”を開けてはならない』
「死者の書か、これがあればイムホテは起きるらしいよ?」
「ふむ、ならその書を探せば良いのじゃろ?」
「罰ってなんだろうな」
「おおまか呪いかなにかじゃろ?」
「とにかく奥に進もう」
俺はランプを片手に奥に進んで行く。トゥリナはいたずら心で俺に様々なトラップを作動させてはトラップに引っかかっては死んで引っかかっては死んでの繰り返しをしながらようやく最後の部屋に辿り着いた。あちこち探してみたものの肝心な死者の書が見当たらなかった。
「いつつ……矢、落石、落とし穴、隠し通路を見つけるのはいいんだがな……トゥリナ……俺に何か恨みでもあるのか?」
頭には矢が刺さり、落とし穴の棘をケツに刺した状態で俺はトゥリナに問い詰める。
このドSっぷり、感服しますよ。
「ワクワクするのぉ!楽しくて仕方ないのじゃ!!」
「やかましいわ!お前は〇ラレちゃんか?」
「いいでは無いか、不死身なのだから」
「うっさいわ!さて、このツタンカーメンの棺の中に」
「イムホテがおる。さぁ、龍二が開けろ!」
「え!?俺!?」
「こんなか弱い乙女に金の棺の蓋を開けさせるのかえ?」
「この……ロリババア。ここぞという時にか弱くなりやがって!!」
「ほほほほ、さっ早う開けるのじゃ」
俺はぶつくさ文句を言いながら棺の蓋を開けた、そこには見事にミイラになっているイムホテらしき死体と探していた死者の書がイムホテの手に納められていた。
「うわ〜見てこれ、ボロボロの本かと思ったら純金の本だよ」
「わわっ、見事な干物じゃの。どれ、狐火で燃やして見るかえ?」
「火葬にしてどうすんだよ!止めろよ?マジで止めろよ?」
トゥリナは手から火をメラメラさせながら『え?』っていう感じで俺を見つめる。
燃やしたら何しに来たか分かんなくなるじゃん……。
「とりあえず、この本を読んでみる。えーっと、なになに?」
ドスンと言うくらい重い純金の本を開いてみると古代文字のような謎の文字がズラズラ書いていた。
うん……うんうん、読めない。
するとストームブリンガーが俺に声をかけて来た。
《主よ、この文字が読みたいのか?》
「うわっ数話ぶりにストームブリンガーが喋った!?」
《この古代文字、我なら読めるぞ?》
「ホントか?」
《主の頭に直接教える、その言葉を口にすれば良い》
「お、おう。分かった」
ストームブリンガーが青く光り出すと、俺のアイコンに古代文字が日本語訳にされて行き、俺は訳された通りに文字を読んだ。
【古に眠る大神官イムホテよ死者の書の魔力により復活せよ】
しーーん 返事がない、ただの屍の様だ。
「おい、何も起きないぞ?間違えてるのではないか?」
「おい!ストームブリンガー!?どうなってんだ!?」
《慌てるでない、黙って見ておれ》
するとカタカタ音を立て始め、遺跡全体が揺れ始めた。
「お?お?起きたのかえ?」
「さて……話の通じる相手だといいんだがなぁ」
イムホテらしき死体は急に上半身だけ起こした、イムホテはキョロキョロし始めた。
なんだ?目が見えないのか?
「…………………………」
「起きてそうそうどこを見てるのじゃ?あいつ」
「ミイラだから目がないんじゃないか?」
「………………」
イムホテは声が聞こえたのか俺達の方を向いて口をパクパクさせている。
あっ、そっか舌もないからしゃべれないのか。
「しゃべれないのかのぅ?」
「見たいだな、とりあえず外に出すか?」
「!?」
がしっ!
イムホテはいきなり俺の首を掴んで顔を近付け口を大きく開けると俺から『生気』のような物を吸い取り始めた。俺が倒れると俺の目と舌がなくなってミイラにされていた。
「龍二!? やれやれ、お主は今日で何回目じゃ?」
吸い取り終わるとイムホテの顔に変化が起きた、イムホテに目と舌が再生されたのだ、どうやら他の生物から生気を奪って体を再生させる事が出来るらしい。
『呪術師により生気を奪われて死亡しました』
『EXP1500獲得』
『Lv100になりました』
『古代文字解読のスキルを解放しました』
『古代魔物の言葉翻訳スキルを解放しました』
『疑似リベレイション魔法を解放しました』
『不死身の呪いにより再起動します』
俺は超高速再生で体を元に再生させて起き上がった。
まったく、急に人を殺すなよ。
「びっくりした〜なにすんだ!お前っ!!」
「我を呼び覚ましたのはお主らか?」
「ああ、そうだよ?」
「無礼者め!我を大神官イムホテと知ってのことか!?」
「ああ、知ってるよ。だからここにわざわざ来たんだろうが」
俺とイムホテが言い合っていると、トゥリナが止めに入った。
「待たれよ龍二!、大神官イムホテ殿。お初にお目にかかる妾は九尾の狐、トゥリナと申す者です」
「ふむ、最近の若い魔物に九尾の狐という魔物がいるのか」
「我らはこの世界を蹂躙したくイムホテ殿のお力をお借りしたく馳せ参じた、どうかお力をお借しくだされ」
イムホテは俺を舐め回すように見始めた。
何やら感じ取ったような気がする。
「見た目は人間な様だが、お主、魔物だな?」
「ああ、俺は魔王を目指す男だ」
「魔王とな?ふんっ、笑わせるなよ小僧?」
イムホテは鼻で俺が言った事に笑う。
なんかどこ行っても見下されてるな。
「なら力を見せれば認めるんだな?」
「くくく……我を満足させる程の力を持って」
俺は背中に背負ってるストームブリンガーを抜いた。抜いた途端イムホテは魔剣ストームブリンガーを見て驚いていた。
「それは混沌の魔剣ストームブリンガー!?なぜ我らの時代に封じた魔剣がお主の様な若造に!?」
「へぇ、だから古代文字が読めたのか。ストームブリンガーは俺を主として認めてくれたんだよ、そして俺は上級魔物だ問題ないだろう?」
イムホテは顎をポリポリかきながら考え始めた。
「そこまで我を配下に加えたいならば、我に力を示してみよ。先程の様に生気を多く取り込まねば元の体に戻らぬ上に魔法も使えないのでな?」
「よーし、その言葉忘れんじゃねぇぞ?活きのいい生気を奪わせて……ん?」
俺は外から何かの気配を感じ取った。イムホテとトゥリナも同じ様に感じ取っていた。
「龍二よ、どうやら外に何かいるようじゃぞ?」
「うむ……2人、感じるな。なかなかの手練の様だが?」
「丁度いいや、コイツらの生気を奪わせてやるよどうだ?」
「ふむ、悪くないな」
「話しは決まったの、では参ろうかの」
3人は出口に向かっていった。