元太刀の勇者は立ち直れない   作:ボトルキャプテン

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第18話 爪の勇者と槌の勇者

ただならぬ気配を感じた3人は外に出て見るとそこには、ハンマーを持った男と、鉤爪の様な武器を装備した亜人の男がいた。俺は2人に訪ねた。

 

「なんだお前ら?」

「ここの遺跡に眠る【伝説の武具】を探しているんだ、何か知らないか?」

「伝説の武具?なんだそりゃ?」

「レア度の高い武具なんだ、それを探している」

「それとただならぬ気配を感じた、ここは呪術師が封印されているはず、お前ら封印を解いたんじゃないだろうな?」

 

ハンマーを装備した男が俺に睨みを効かせて訪ねてきた。

 

気配を感じ取る事が出来るという事は、勇者だな。

 

「封印なら解いたぜ?俺の仲間になる予定だからな」

「何!?」

「噂で聞いたが、斧の勇者が殺されたと聞いた。この禍々しい殺気と魔力、ケンイチを殺したのはお前の仕業だな?」

 

ほう、よく分かったな。

 

「ああ、俺がこの手で殺した」

「よくもケンイチを殺したな!!許さん!」

 

鉤爪を装備した亜人の男も構え始めた。

 

やる気マンマンだな。

 

トゥリナもグラマー形態になって刀を構えた。

 

「龍二よ、こやつらもしや?」

「ああ、七星勇者の【槌の勇者】と【爪の勇者】だ。油断するなよトゥリナ」

「勇者だと?ほう、なかなか活きのいい奴らよの」

「「イムホテ!!」」

 

槌の勇者と爪の勇者はイムホテを見た途端驚いて「復活していたか」と言うような顔をしていた。

 

「トゥリナ、槌の勇者を頼めるか?」

「うゆん、任せておけ」

「爪の勇者、お前の相手は俺だ。イムホテ、ちょっとそこで待っててくれ」

「ふん、貴様らの力を示して見よ」

 

俺は背負ってたストームブリンガーを抜いて爪の勇者の方向に向かっていった、トゥリナも槌の勇者に近づいて行った。4人は遺跡から離れて砂漠のど真ん中で睨み合いを始めた。

 

「行くぞ!勇者ぁぁぁ!!」

「来い!化け物!!」

 

「「うぉぉぉぉぉぉ!」」

 

ガキーン!

 

俺は魔剣を縦に振り下ろした、爪の勇者は右腕の鉤爪で俺の攻撃をガードをして防いだ。激しくぶつかる金属音とそのぶつかる衝撃は2人を砂塵で覆った。

 

「『スターダストクロー』!!」

「『デスブリンガー』!!」

 

爪の勇者は爪から星の様な斬撃を放出して攻撃してきた、おそらく流星シリーズと同じスキルと感じた俺はデスブリンガーを繰り出してスターダストクローを相殺した。

 

「へぇ……流星シリーズのスキルか。やるじゃねぇか」

「ケンイチの仇だ!『エアストスラッシュ』『セカンドスラッシュ』!」

 

爪の勇者は今度は脚に鉤爪を付けて緑色の爪の斬撃を連続で放出させた。

 

まるで龍の爪痕の様な斬撃だな、無理に受けずに避けた方が良いな。

 

「おいおい、どうしたんだ?当たらねぇぞ?」

「くそっ、『スターダストクロー』!!」

「ハズレ、ほらほら、鬼さんこちら手の鳴る方へ!」

「くっそぅ……『ドラゴンクロー』!!」

「今度は俺の番だな?『暗黒剣Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ』!!」

 

爪の勇者は受けるので精一杯の様だな、Lvに差があるのが原因だ。それにコイツは技を見せ過ぎたな、攻撃パターンが読める。

 

「くそっ、なんて力だっ、この化け物めっ!!」

「喰らえ……『ファスト・ダークネス・ヘルファイア』!!」

「ぐぁぁ!」

 

爪の勇者はドス黒い衝撃波により吹き飛ばされた。爪の勇者は倒れると、俺はその隙に爪を装備している右腕を切り落した。

 

これでしばらくは爪は使えないな。

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!腕がっ……!」

「ルハバート!!」

「ほう?他人を気にかけるとは、余裕じゃの。貴様は何を余所見しているのじゃ?」

 

トゥリナの方も大丈夫そうだな。ってか爪の勇者はルハバートという名前らしい。確かタクトに殺されるハズだったな……。

 

「ほらイムホテ、新鮮なうちにこいつの生気を奪っちまえよ」

「ほう、勇者の生気をか?」

「ああ。一般人より生気は高いと思うぞ?」

 

イムホテは瀕死の爪の勇者に近づき、顎の関節を外して口を大きく開けた、すると龍二の時のように爪の勇者の生気を奪い始めた。爪の勇者は見る見るうちにミイラになって行った。

 

「確かにそうだな、良かろう。スゥーーー!!」

「あがががががががががががががががががが」

「ルハバート!!」

「だから余所見をするなと言うとろうに、ふんっ!」

 

槌の勇者も爪の勇者に気を取られてしまい、トゥリナに背後を取られて管狐が背後から貫通した。

 

「イムホテ殿、こちらも良いぞ?」

「うむ、有り難い」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

槌の勇者も生気を奪われて殺された、奪った生気によりイムホテの体は全て再生されて衣服も戻っていた。再生されたイムホテの見た目は上半身裸で小麦色の肌をして顔に刺青がはいっており、体は筋肉質だった。

 

えっ、すんごく品のある男になったんだけど?

 

「ふむ、2人でここまでとは流石は勇者だな。2人とも、大義であった」

「いっ、意外と男前だな」

「そうであろう?これで魔法も使えるぞ」

「イムホテ殿、我らの力はどうでしたかな?」

「うむ、伊達に魔王を目指してないな。良かろうお主達に力を貸そう」

 

七星勇者を殺して力を示した俺は新たな幹部、古代呪術師イムホテを仲間にする事に成功した。

 

次の狙いは、古代都市プラドにいる悪魔だ。


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