イムホテの案内により俺とトゥリナは古代都市プラドにたどり着いた。古代都市プラドはまるで生前の世界の古代エジプトの様な街並みだった、ピラミッドにスフィンクスの様な石像などなどがあちこちに並んでいた。イムホテは昔の冒険者であった死体から服を剥ぎ取り、黒いボロ切れを身にまとわせた。
「暑いのぅ、体がベタベタじゃ」
「ふんっ、鍛錬が足りんな」
「くそっ砂漠出身が羨ましいぜ。ホントに【悪魔】なんているのか?」
「どんな奴なのかのぅ」
「おい…………なんか気配を感じねぇか?」
「どうやら向こうが見つけてくれた様だぞ?」
俺は魔剣を構え、トゥリナは煙管を取り出した。すると建物の中から亜人の冒険者が2人大荷物を持って現れた。冒険者は俺達を見た途端。
「なんだ!?貴様ら!?」
「お前らもお宝が目当てかい?」
「あ?お宝?」
「んっ、あっ!あの杖は!?」
亜人の冒険者の手には黄金のコブラの杖の様な物があった、それを見つけたイムホテは鬼のような形相をして呪文の詠唱を始めた。
「力の根源たる大神官が命ずる。今一度理を読み解き、我の魔具であるアヌビスの杖を奪いし者に裁きを与えよ『インペリアル・マミー』!!」
イムホテが詠唱すると、砂からミイラの兵隊が数十体あらわれた。ミイラの兵隊達は武器を構えながら亜人の冒険者達を取り囲み、不気味な声で威嚇し始めた。
「「「「グォォォォォォッ!!」」」」
これだけの魔法を使うと言う事は、あの杖はイムホテの物なんだろうな。
俺は亜人の冒険者達に一応警告をした。
「ひひぃ!!」
「大人しくその杖渡した方が良いんじゃないか?」
「そうじゃの、命が惜しければ渡した方が得じゃぞ?」
「おっおい!返すよ!!ほら!!」
冒険者の亜人は【アヌビスの杖】をイムホテに渡したがイムホテの機嫌は戻らなかった。
「もう遅い!この愚か者め!インペリアル・マミーよ!こやつらを殺せ!」
「グォォォォォ!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
ミイラ兵隊達は亜人の冒険者の1人を槍や剣で滅多刺しにした。
ご愁傷さまです、ざまぁねぇな。
「ひ……たったすけ……て」
「龍二よ、こやつはどうする?」
「1人じゃ可哀想だから殺しちまうか」
「死を持って償え」
「コロシちゃえよ」
「「「ん?」」」
「トゥリナ、何その喋り方」
「わ、妾ではないぞ!?龍二でないのか?」
「俺じゃないよ、ならイムホテ?」
「我が言うはずないだろう、気の所為ではないのか?」
おかしい、んじゃ誰?
俺達の間になにか甲高い声が聞こえてきた、もう一度冒険者に声を掛けてみた。
「1人じゃ可哀想だから殺しちまうか」
「そうじゃの」
「死を持って償えぇい!」
「サッサとやっちゃえよーボクがやろうか?」
「って誰!?」
「なんじゃこいつ!?」
「見慣れない……服……だな……」
「アハハハハ!!ボクの事かい?」
冒険者から見たら不思議な光景だろう、目の前に俺、トゥリナ、イムホテ、そして謎のピエロの様な格好をしている奴がいたのだから。
明らかに場違いの服装だ、こいつが例の悪魔ではない事を祈ろう……。
「えっ、え?お前……何?どっから出てきたの?」
「アハハ!ボクは名前は【ワイズ】!この古代都市プラドを護る悪魔だよ★人間を殺すのが大好きなんだ★」
「嘘でしょ!?」
「なんなのじゃこやつ……キモイのぉ……」
「ふむ、奇抜な奴よ」
「アハハ!ねぇ!ボクがやっていい!?ボクがやっていい!?」
「えっ?まぁ、好きにしていいよ」
「わーいわーい、やったね★」
ワイズと名乗る悪魔はポケットからを出して何かを探し始めた。
何を探しているのだろうか……。
「よーし★今日はこのナイフで殺っちゃうよ★アハハハハ★」
「やめ……やめてくれ!」
「アハハハハアハハハハハハハハハハ★」
ワイズは亜人の冒険者をナイフで滅多刺しにし始めた、頭、首、胴体、右腕、左腕、右足、左足の順に1ヶ所に10回は刺していた。
「容赦ないのぉ……」
「奇々怪界な格好をしてるが、なかなか出来るではないか?」
「おい、もういいだろ?ズッタズタじゃねぇかよ」
「ウ〜ン★気持ちいい★」
「のぅ龍二、この者をホントに連れてくのか?」
「我は構わないぞ?愉快な奴ではないか?」
「え〜、いや〜サイコパスはちょっとなぁ」
「ん?どこいくの?ねぇ!これからどこいくの?」
ワイズは鬱陶しい感じに俺の周りをグルグル回り始める。
とにかくウザったい、置いてこうかな……。
俺は恐る恐るワイズに聞いてみた。
「俺は龍二。魔王を目指して仲間を募っている。もしワイズが良ければ仲間にならないか?」
「仲間?なになに!?トモダチになってくれるの!?」
「あっああ、トモダチだ」
「人間をいっぱいいっぱい殺していいの!?」
「おう殺していいよ、勇者を殺すために仲間を集めてるんだからな」
「わーいわーい★やったね★」
「ここからが肝心なんだけど。お前の能力は?」
「ボクの能力かい?ボクの能力はこの【ポケット】さ★」
ワイズは自分の服のポケットをバンバン叩いて俺に答えた、要はそのポケット自体がワイズの能力なんだろうな。
「このポケットには何千の武器が入ってるのさ★」
「〇ラえもんかよ」
「不思議な悪魔もいたもんじゃな」
「愉快でいいと思うぞ?」
「んじゃ魔王君!よろしくね★」
「ああ、よろしくな」
俺とワイズは握手をした途端ワイズはナイフを俺の手に刺した。
「いったぁっ!?」
「アハハハハ★楽しいね!」
「楽しかねぇよ」
挨拶がわりなのだろうか?再生した途端ぴょんぴょん跳ね回り喜んでいた。