元太刀の勇者は立ち直れない   作:ボトルキャプテン

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第25話 破壊者

俺はリファナとの特訓を終わらせ皆既月食の起こる当日の夜、ライトとの決着をつけるために再びコロシアムに足を運んだ。俺は月明かりに照らされながらライトを待ち、その時がついに来た。死体の山を目の当たりにしたライトの顔は怒りに満ちていていた。

 

「よぉライト。待ってたぜ」

「いい加減にして下さい。いったい何人の人を殺せば気が済むんですか?こんな小さい子供まで!!」

 

俺は血の滴る魔剣を肩に担ぎながらライトの質問に答えた。

 

「なんでかって?お前が来るまでの暇つぶしだよ」

「もう、人ですらなくなったんですね」

「人?何言ってんだ?、俺は魔物だぜ?」

 

ライトは怒りを爆発させて別のベルトを装着した。そのベルトは白く周りには9つのマークが刻まれていた。

 

ならこの台詞を言わないとな。

 

「変身を邪魔しても良いんだけど、ここは紳士的に大人しく待ってやるよ。これ言えば雰囲気でるか?お前、一体なんなんだ?」

「通りすがりの勇者だ!変身!」

 

カメンライド ディケイド!!

 

ライトはピンクと黒のカラー、頭には紫の宝石を施した仮面ライダーに変身した。この仮面ライダーはよく知っている激情態のディケイドだ。

 

「ディケイドじゃん。世界の破壊者が勇者だと?笑わせんなよ」

「もう、連れて帰る事は辞めて、この手であなたを倒します!」

「なら殺ってみろよ、鎧の勇者ぁぁぁっ!!」

 

俺は死体の山飛び出して魔剣ストームブリンガーを振り上げ、ライトに攻撃を仕掛けた。ライトも腰のホルダーからカードを取り出してベルトに装填した。

 

アタックライド スラッシュ

 

ライトは剣を装備して俺の攻撃に応戦し始めた。夜の闘技場には激しい火花を散らす光が輝いていた。

 

「世界の破壊者ってのはな?俺みたいな奴の事を言うんだよ、分かるか?」

「それがなんだって言うんですか!?」

「何も失う物がないって事だよ!『ドライファ・ダークネス』!!」

 

俺はドライファ・ダークネスを繰り出してライトを吹き飛ばそうとしたがライトは既にカードを装填していた。

 

アタックライド クロックアップ

 

突然、ライトと俺の時間軸がズレ始め、ライトは素早く動き、俺は遅くなった。

 

「ぐっ!クロックアップか、やるな」

「手を休めませんよ?一気に攻めますっ!」

 

アタックライド ギガント

 

「でゃぁぁぁぁ!」

 

ライトはロケットランチャーを発射して俺を吹き飛ばした。

 

今更そんなもんじゃ俺は倒れないがな。

 

ミサイルはあちこちに着弾して1発は俺に直撃したが、何事も無かったように立ち上がった。

 

「なら……これはどうですか!!」

 

ライトは更にカードを装填した。

 

アタックライド サイドパニッシャー

 

ライトは黒いサイドカー付きのバイクを呼び出し、変形させて二足歩行型のロボットにした。俺は笑いながら魔剣をクルクル回して挑発した。

 

「おら、もっと撃ってこいよミサイルをよぉ!!」

「なら避けないで下さいね?うぉぉぉぉぉ!!!」

 

ライトは俺にロックオンをして全弾命中した。土煙が晴れると左腕と顔半分が吹き飛んでいた。だが俺はすぐさま再生させて元通りにさせると、ライトの顔は驚いていた。

 

「なっ!?さ、再生しただと!?」

「だから言ったろ?お前に俺は殺せないって、それとお前に見せたい物があるんだよ。よく見とけ」

 

俺はコロシアムの屋根に飛び上がって月に背を向けてライトに言い放った。

 

「なんですか?新しいスキルでもあるんですか?」

「ああ、見せてやるよ。悪の原点にして頂点ってのをなぁっ!!」

 

俺は右手の人差し指を立ててこう唱えた。背を向けていた月は皆既月食を始め、辺り一面暗闇に閉ざされた。

 

「『月食の鎧』発動!!」

 

俺の体は銀と黒の鎧に身を包まれて行き、顔は緑色の目を輝かせたマスクを装着した。悪の原点にして頂点、悪の仮面ライダーの先駆けとなったダークライダー。【シャドームーン】に変身した。

俺のアイコンに文字が浮き出た。

 

『限定スキルを発動しました、皆既月食の12分間使用を許可します』

 

12:00:00

 

なるほど、時間制限付きのスキルか、変なスキルだな。

 

俺のアイコンには時間制限が始まると、ライトは唖然として俺に尋ねた。

 

「そんな、馬鹿なっ!?『ベルト』も『キングストーン』もないのにっ!?」

「……さぁな、だがこれで五分だら。さぁ、鎧の勇者ライト。クライマックスは派手に行こうぜぇ!」

 

俺は飛び上がり、ライトに飛び蹴りを繰り出してライトを蹴り飛ばした。

 

「くそっ!なんだこの力は!?」

「ほらほら、カードなんか使わねぇで拳で来いよっ!」

 

俺は魔剣を投げ捨てライトに殴りかかると、ライトも殴り返して殴り合いに発展していった。右手ストレート、左フック、ボディブロー、右フックなどを繰り出して殴っては殴られての繰り返しをした。徐々にライトは力負けし始め追い詰められて行った。

 

「なんて力なんだ……ダークライダーなら俺も使うのに!?」

「なんでかって?お前が【本物で悪者になり切って】ないからだよ」

 

ドス!

 

「グハッゲホッゲホッ!!」

 

俺がライトにボディブローをお見舞いしてライトは膝を付いた。

 

「いいザマだなぁ、まだやれるんだろ?ホラ、仮面ライダーと言えば最後の決め技がまだ残ってんだろ?こう見えて俺も仮面ライダーは好きなんだ。最後は派手に決めてくれよ」

「はぁはぁ、あなたは……何がしたいんですか!?何が目的なんですか!?この世界で何をしようとしているんですか!?」

 

龍二は大笑いをしてライトの必死で怯えながら質問に答えた。

 

「この世界ををぶっ壊すのさ!!勇者も厄災の波も全てなっ!!」

「狂ってる……貴方の担当の神様には申し訳ないですが、あなたを倒します!」

 

ライトは立ち上がって最後のカードを装填した。

 

仮面ライダーの代名詞ライダーキックだ。

 

ファイナル・アタック・ライド ディディディケイド!!

 

数十枚の巨大なカードが出現してライトは飛び上がり、それと同時に俺もライトと同じ様に飛び上がった。

 

「でゃぁぁぁぁ!」

「『シャドー・キック』!!」

 

2人のライダーキックはぶつかり合い交差して着地した。皆既月食も終わり、月食の鎧の時間も切れた。フラフラと歩き俺は魔剣ストームブリンガーを拾い上げてライトを見つめた。

 

「ライト、よく見とけ。これが悪役(ヴィラン)運命だっ!!」

 

そう言い放った俺はそのまま大の字になって倒れると、大爆発を起こした。爆風が落ち着いた頃にライトは変身を解いて俺に近付いて生死を確認した。

 

「可哀想な人ですね、またやり直す事が出来たのに。死体を連れて行けばなんとかなるだろう」

 

 

『異世界の鎧の勇者に殺されました』

『EXP20000獲得』

『Lv200になりました』

『破壊者の称号を獲得しました』

『転移スキル『地獄門』を解放しました』

 

『不死身の呪いにより再起動します』

 

 

ライトが俺を連れて行こうとした瞬間、俺は目を開けて魔剣ストームブリンガーをライトの左肩に突き刺した。

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「いつまでもペラペラと喋ってんじゃねぇ。この世界はいつも殺るか殺られるかなんだ。そんな時に変身なんか解いてんじゃねぇ」

 

ムクリと起き上がって魔剣ストームブリンガーを抜こうとしているライトを殴り飛ばした。

 

「俺のことはもう諦めてとっとと元の世界に帰るんだな。それと、おっさんにも伝えてくれ『心配してくれてありがとう』ってな」

「ぐぅぅ……」

 

ライトはよろよろと立ち上がってオーロラカーテンを引き起こした。

 

「龍二さん……さような……」

 

そう言い残すとライトはカーテンの奥へと消えて行き、オーロラカーテンは消滅した。

 

「ヒャハハハー!勇者を追っ払ってやったぜ。アハハハッ!!もう、俺を止める奴なんか誰もいない!!俺は最強の魔王になるんだ!アーッハッハッハッハッハッハッハァァァ!!」

 

月明かりに照らされた俺の姿は翼を広げた悪魔の様な影をした俺だけだった。

 

───────────────────────

 

その頃。別の異世界では、俺が高笑いしている同時刻。世界の荒れた大地には無数の人間の死体が積み重ねられた上に2匹の魔物が立っていた。1匹は背中に4本の旗を背負った魔物、2匹目は武者鎧を身に付け頭からは2本の角が生えていた。

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