コロシアムでの激闘を繰り広げた俺はボロボロになりながらもアジトに戻って来た。鎧の勇者により殺された時に解放された転移スキル【地獄門】を使って異世界の勇者を皆殺しが可能になった。
もしかすると異世界に存在する四凶武器1つの在り処が分かるかも知れない。
俺は幹部達を集めて今後の目標を再確認した。
「ちょっと急用が出来たから最終目標のフォーブレイの制圧は後回しにする。それで新たな次の狙いは、四凶武器の1つ
トゥリナ、イムホテ、ジキル博士、ドラグリア、フランケン、ワイズ、リファナ、バルバロはテーブルを囲んで座りながら話を聞いていた。幹部達は驚いていた。
「なんと!?あれは別世界にあるのじゃろ?アテはあるのか?」
トゥリナは煙管を吹かしながら俺に尋ねると、俺は根拠を答えた。
「何故かと言うと、”別世界に行けるスキル”が解放したからだ。それにこの世界の他にも勇者は存在すると言うのも事実。別世界から勇者がまた攻め込んで来る前に、早めに手を打った方が良いという判断だ。異論はあるか?」
「なるほど……。確かに、またいつ異世界の勇者が現れるか分からないですからな」
ドラグリアは頷き納得した。
「そこで、異世界に行くのは、リファナお前を連れて行く」
「え!?私ですか!?」
「「「「!?」」」」
その他の仲間達はザワめき始め、俺に反論して来た。
「龍二よ!リファナだけとはいくらなんでも舐めすぎではないか!?向こうにどんな勇者がいるか分からんのだぞ!?」
「そーだそーだ★むちゃくちゃだ★」
「カシラ、考え直した方がいいと思うんだが!?」
トゥリナ突然、グラマー形態に変わりながら俺に反論し、それに便乗したワイズが騒ぎ出す。すると、トゥリナの左右で見ていたイムホテとドラグリアはトゥリナを宥め始めた。
「落ち着かんかトゥリナ、皆で行ったら誰がここの守りを固めるのだ?それにリファナはまだレベルが我々より低い。龍二なりに考慮した修行の一環なのだ。ここは堪えよ」
「くっ、妾はリファナが心配なだけじゃ!」
「まったくです。トゥリナよ、逆に攻撃力の高い我々がいなくなっては誰が勇者共を抑えるのだ?リファナ1人にさせるのか?」
「そ、それは……」
俺なりの苦渋の選択だ、これ以上戦力は削げない。
トゥリナは渋々合意した。
「トゥリナ、心配してくれてありがとうな。」
「べっ別にそんなんじゃ……ないぞ」
グラマー形態のまま顔を赤らめて黙って座った。
ツンデレか?可愛いなおい。
「なら話しは決まったな、万が一勇者がここに攻め込んで来たら容赦なく潰しても構わない。だけど、無茶だけはしないでくれ」
「「「「はっ!」」」」
「よし、リファナ?早速行くぞ」
「はい、龍二様!」
俺はスキルを発動させて地獄門を呼び出した。繰り出された地獄門は全身禍々しく黒く頑丈な見た目をしていた。俺とリファナは準備を終えて門前に立った。
「んじゃ、ちょっと別の異世界に行ってくるわ」
「皆さん、しっかり修行をして来ます!」
「しっかりな」
「ご武運を」
「カシラ、気を付けて!」
「いって……らっしゃい……」
「ふん!」
「ばいばーい★」
俺は扉を両手で押して門を開いた途端。妖しい光が飛び込んで来て俺とリファナを包んで行き姿を消した。
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目を開けた途端そこは、地球で言う所のドイツ風といった感じの街並みだった。
どうやら着いたようだな。
「どこだここは?」
「ゼルトブルと風景が違いますね。もしかして着いたんでしょうか?」
「うーん。わからん、とりあえず散策して見よう」
俺とリファナは街を適当に歩いた。
色々見た所和風も混じっているな、ということは多文化と交流もあるようだな。転生者がいてもおかしくない。
「さて……、色々見て回って見たけどちょっとした問題が1つある」
「はい?なんですか?」
リファナが首を傾げながら俺に尋ねた。俺は頭を擦りながら。
「この世界の言葉を話せないってことだな」
「はぁ!?龍二様、冗談ですよね!?私を脅かそうとしてるだけですよね!?」
「嘘じゃないよ。店の看板に何を書いてるのかもさっぱり分かんない。参ったなこりゃ」
「えぇ!?それって不味くないですか!?」
「ああ、俺もさすがにここまでとは思ってなかった」
「ぇぇぇぇ……」
「さてどうしたもんかな……アハハ」
頭をパンッと叩きながら笑うと、リファナは半べそになりながら俺の肩を揺さぶる。
「アハハじゃないですよ!文字と言葉分からなかったら大変じゃないですか!!。どうやって武器を探すんですかぁ!?うわぁぁっ!!」
「まてまて、泣くんじゃないよ。それに安心しろ、俺には取っておきの方法はある」
「え!?あるんですか!?もったいぶってないで教えて下さいよっ!」
「それはだな……」
すると街の住民達が店らしき建物の前で突然騒ぎ出した。
どうやら何かが起こったな。
俺がワクワクしながら様子を伺っていると、強盗団が現れた様だった。強盗団は俺達の方向に走って近付いてきた。
ん?
「●▲■!!」
強盗は意味不明の言葉で喋っている。怒られているのかすら分からず、俺は首を傾げた。
「は?何怒ってんの?」
「●▲■!!●▲■!!」
「なんと言ってるんでしょうかね……なんか武器構えてますけど?。斬りましょうか?」
リファナはレイピアに手をかけて臨戦態勢に入ったが、俺は止めた。
「まぁまて。ここはワザと煽ってちょっと怒らせて見るか」
「え!?ていうか、この人達現時点で怒ってませんか!?」
俺は強盗団らしき男達に全世界に共通の挑発法でもある中指を立てて相手を煽り始めた。
「うらぁっ!かかって来やがれっ!!」
「もうちょいマシな煽り方ないんですか?」
「●▲■!!」
ズバ!ドス!バキ!
「キャー!!龍二様ァァァ!!」
俺は強盗団のリンチにより殺されてしまった、リファナは悲鳴を上げてしまった。
まったく、いい加減に慣れろよ。幹部だろ!
『異世界の強盗団により殺されました』
『EXP100を獲得』
『異世界の人間の言葉のスキルを解放しました』
『異世界の人間の文字のスキルを解放しました』
『不死身の呪いにより再起動します』
俺は体を再生させて起き上がって強盗団に言い放った。
「なに!!生き返っただと!?」
「龍二さまぁ!」
「いてて……。この野郎さっきはよくもやってくれたな。さぁこれで言葉と文字のスキルを覚えられた事だし、てめぇらはもう用済みだ。死ね!!」
「読み書きが出来るようになったんですね!?なら、私も戦います!」
俺は魔剣ストームブリンガーを、リファナはレイピアを構えて臨戦態勢に入った。