俺は再び【盾の勇者の成り上がり】の世界に飛び込んだ。だが、以前とは違って今回の転生された場所が違っていた。辺りを見渡すと見慣れた街並みが並んでおり、そこはメルロマルクの商店街だった。
「ここは……メルロマルクか?あっもう勇者じゃないんだもんな、当然っちゃ当然か……ん?」
すると俺はある事に気付いた、それは前回とは違うシステムだった。以前の様に勇者用のアイコンが存在しなかった。
「あれ?けどステータスは見れるな。どれどれ……?」
俺はステータスを確認して見た。
福山龍二
村人 【人間】 Lv 0
普通の服
普通の靴
魔法 使用不可
スキル 使用不可
呪い 不死身
所持金 0
「Lv0!?所持金0!?嘘だろ……ってか不死身の呪いってなんだよ、チートじゃないのかな?」
俺はヘルプを確認して呪いについて調べた。
※不死身ではあるが感覚などは普通にあるので注意して下さい※
「感覚って痛覚とかだよな、って事は……痛いんじゃん……マジかよ……」
俺は両膝をついて、商店街のど真ん中で項垂れた。
「仕方ない……とりあえず冒険者にならないと……そうだ!尚文達の仲間になればいいんだ!」
俺は慌てて着の身着のままメルロマルク城に向かって行った。
時系列は恐らく尚文達が召喚された時にぶつかるはず、今度は尚文の仲間になれば冒険者にもなれるし金も稼げる。経験値のペナルティを受けることもないんだし今回はちゃんと尚文を助けれる!。
俺はメルロマルク城の城門にたどり着き、門番に尋ねた。
落ち着け、印象を悪くすると受け入れて貰えないかも知れない、ここは穏便に行こう。
「あの!すいません!。四聖勇者様の仲間になりたいのですが?」
「ん?なんだお前は?見るからに村人の様だが?」
「実は、四聖勇者様達の仲間になりたいんです!」
門番は顔を見合わせ、再び俺を見る。
「ならば、【冒険者の身分証】はあるか?」
「えっ……」
知らない情報を聞いた途端、俺は驚きを隠せなかった。
冒険者の身分証ってなにそれ?知らねぇんだけど?
「なんだ?持ってないのか?」
「えっと……すいません、持ってないです……」
「ならまずギルドに行って冒険者登録をして来い」
「え、あっ、はい。分かりました」
予想外な事が起きた、どうやら錬達の冒険者は身分証を持っていたらしい。見えない所が見えて来たな、これは盲点だった!!
「ギルド……ギルド……今回は文字が読める見たいだな、前回は勇者の特典で翻訳機能が付いてて困らなかったけど呪文とか読めなかったから苦労したっけな、文字が読めるのは不幸中の幸いだ、ここは村人ならではの特典だな」
俺は街中探してようやくギルドを見つけた、中に入るとそこには屈強な冒険者達がいた。
中に入るや否や冷たい目線が降り注いだ。
ここは西部劇の飲み屋か!?それにしても、何睨みつけてんだよコイツら
するとテーブルを背に立ち飲みしていた冒険者が俺の足を引っ掛けて転ばせた。
「いってぇな……」
「おい、ガキがウロついてんじゃねぇよ」
「あぁ?雑魚がいきがってケンカ吹っかけてくんじゃねぇよ」
「なんだと?そんなヒョロヒョロの体でやる気か?」
冒険者は構えだし、俺も迎え撃つ為に同じく拳を構えた。
レベルが0だけど元々は勇者経験者なんだ、余裕だろ。
「喰らえ!」
ペチン……。
俺は思い切り踏み込んで殴ると、荒くれ者の冒険者に乾いたタオルが当たったかの様な音が響いた。
なん……だと!?
「おいおい、何だそりゃ?。パンチの撃ち方すら知らねぇのか?」
ドスッ!!。
俺は冒険者から腹に一撃貰ってしまい膝をついてしまった。ありえない光景ばかりだった。
「うっ……嘘だ……嘘だ!!」
「オラ!立て!」
「おいおい、どうしたんだ?」
「ケンカしたいだってよコイツ」
「んじゃ俺達が教えてやるよ」
荒くれ者の冒険者が仲間達を呼んで俺を囲み始めた。
これは非常にまずい……勝てる気がしねぇ!!
俺はギルドの裏に連れて行かれて集団リンチが始まった、羽交い締めにされてサンドバッグ状態で殴られ続けた。
ありえない、Lv0ってここまで弱いのか!?
「オラオラ、もう終わりか?」
「まだまだこれからだぜ?」
「まだ死ぬなよー?」
「頑張れよー」
するとそこに、仲間を集めた【剣の勇者】錬が通りかかった。どうやら時系列的には尚文がマインと出会いそして被害に会う前の日にちに飛ばされたらしい。
運が良いのか悪いのか……。
「錬……!!頼む、助け……て」
錬に声が届いたのか、錬は俺の弱々しい声に気付いた。
「…………」
おい。なんだよ、そのゴミを見るような目は!?。
錬は俺を助けることも無く何事も無かったように通り過ぎて行った。
確かに昔は揉めた事もあったけど和解したじゃねぇかよ、無視すんなよ……。
「おい、錬、おい、嘘だろ……?錬!待ってくれ!!錬!!」
「あーあ。行っちゃったね勇者様」
「残念だな」
「暴力再開♡」
俺は再びサンドバッグにされ続けた、解放されたのは1時間も後だった。俺はゴミ捨て場に棄てられ放置された。
「はは、なんか惨めだな……。かつては太刀、鞭の勇者だったのに」
無情にも俺の上から雨が降り注いだ、そし腹がグゥと鳴り出した。
「腹減ったな……けど金がねぇ……」
フラフラと起き上がり俺は街を彷徨い続けた、たどり着いた先はかつてバージルとスラッシュの怪我や病気を治した橋の下だった。
「懐かしいな……まさかここで寝るとはな……」
俺が横になろうとした時そこに野犬が現れた。
今の俺はこの野犬以下の戦闘力だ勝てないから逃げよう。
「クソッ……こんな国じゃ何も出来ねぇや、ラファン村まで行ってなんとかしよう」
俺は降り注ぐ雨の中ラファン村に向かって行った、そこでも俺に困難が待ち受けていた。
理不尽な絶望ってこんな感じかなー?