元太刀の勇者は立ち直れない   作:ボトルキャプテン

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第29話 迷宮古代図書館

俺は悟空と酒呑童子の案内で氷の女王の城を見て歩き、様々な事を俺に教えてくれた。勇者達の戦力、魔法、種族、この異世界の勇者の情報や拠点にしている国などを聞けた。この異世界の勇者の四聖武器は【狩猟具、札、玉】鈍器らしい。そして、眷属器の勇者は【扇、鎌、本、刀、鋸、楽器、船、鏡】だと言う。

 

まったく、分かってはいたが、この世界は勇者だらけだなぁ〜。

 

悟空は地図を広げて各国の事を説明した。

 

「ここか勇者達が拠点にしている街でもあり、俺達が騒ぎを起こした街だ」

「なるほど、、だから直ぐに勇者が駆けつけたのか」

「そう、運悪く着いたのが【シクール】という国だったと」

「あーあ、俺って運ないなぁ」

「そして、お前が求めている四凶武器はシクールのここ、【迷宮古代図書館】にある。だが、ここは特殊なダンジョンでな?そこの図書館の奥に迷宮が続いている。その奥に檮杌が封印されている」

 

酒呑童子は地図に迷宮古代図書館の場所を指を指して俺に教えた。

 

「ここを管理しているのが【本の勇者エスノバルト】という奴が管理していて警備が厳重だ。一筋縄には行かないぞ?」

「なるほど、本の勇者か覚えておこう」

「迷宮はかなり広いぞ?大丈夫か?」

 

酒呑童子は心配そうにメモを走らせる俺を見つめた。すると、魔剣ストームブリンガーが急に光りだして話しかけて来た。

 

《ほう、檮杌を見つけたかのか?》

「なっ…!?剣が話しかけて来ただと!?」

「武器が喋るなんてすげぇなお前の魔剣」

 

悟空と酒呑童子は驚いていたが、魔剣ストームブリンガーは話続けた。

 

《我がいれば檮杌の場所など取るに足らんわ。我ら四凶武器は互いに共鳴し合うからな》

「「共鳴!?」」

「え!?、お前そんな事も出来るのか!?」

《造作もないわ》

「なら直ぐに行こう!」

「一応女王に許可を貰いに行こう。ここのルールでな、勝手な行動は出来ないんだ」

「そうなんだ。分かった、女王の所に行こう」

 

悟空、酒呑童子は俺の言葉に頷き、女王の間に向かって謁見の間の扉を叩いた。

 

「女王、悟空だ」

「悟空?入りなさい」

 

扉を開けるとそこにリファナの長くなった白い髪を優しく櫛で髪を溶かしていた。

 

えっ?待って、何この状況?

 

俺達は一瞬戸惑った。

 

「龍二様?どうしたんですか?」

「いや、リファナ?お前こそ何してるの?」

「なりゆきで……あはは」

 

母親の様な顔をしていた女王は打って変わって顔つきを変え、尋ねて来た。

 

「悟空、酒呑童子、龍二、何の用ですか?」

「これから龍二の武器を取りに迷宮古代図書館に行ってくる」

「迷宮古代図書館にですか?」

「ああ、良いか?」

「良いでしょう、お好きになさい。ですが応援は送れませんからね?」

「分かってる、これ以上犠牲は出さない」

「先程女郎蜘蛛とガーゴイル、ケルベロスがレイブルにて刀の勇者に殺されたそうです」

 

酒呑童子の拳がギリギリ音を立てて握られていた。

 

恐らく酒呑童子の仲間だったんだろう……。

 

「魔竜様がもっと力になってくれると良いんだがな!」

「おい、よせ酒呑童子!」

「なんとでも言いなさい。【魔竜様】は貴方方など所詮捨て駒としか考えてないですから」

「駒……だと……?」

 

おいおい、いきなりシリアスな展開になって来たな……てか魔竜ってのがこの世界の魔物の親玉なのか?ベッタベタの悪党臭がするんだが?

 

俺は女王に手を挙げて質問をした。

 

「あの、女王様?ちょっといいですか?」

「なんですか?」

「魔竜様というのはどんな方なのですか?」

「新顔のあなたが知る事ではありません。さぁ、早く行きなさい」

 

なんだこのババア。

 

俺は一瞬ピキっと血管を浮き出させたが堪えて女王の間を後にした。怒りを落ち着かせる為に俺は深呼吸をしていた。

 

「スゥ……ハァー……」

「すまねぇ龍二、よく耐えてくれた」

「悪かったな」

「魔竜様って奴がお前らのボスなんだよな?」

 

俺が悟空と酒呑童子に尋ねると、2人は顔を歪めて。

 

「悔しいが……」

「その通りだ」

「そうなんだ。けど、俺は仲間を駒と思った事なんて全くないなぁ」

「ははっ羨ましいこった」

 

城を後にして再びシクールの街へ足を運んだ俺達は迷宮古代図書館に辿り着いた。図書館の作りは外壁は洋風を取り入れたレンガ構築だった。俺は図書館を見上げながら。

 

「ここが……迷宮古代図書館か」

「そうだ、おっと言い忘れる所だった。火属性の魔法だけはやめてくれよ?本に引火したら大変だからよ」

「そっそうなんだ、気を付けるよ」

「速攻で勇者達が押し寄せてくるからな!?」

「分かった、肝に銘じておく」

 

俺、炎系が得意なんです。

 

俺達は中に入ると兎の様な魔物達がせっせと働いていた。

 

これが図書兎というヤツなのだろうか?作業に夢中になり過ぎて俺達に気付いていないようだ。今のうちに迷宮ダンジョンに入ってしまおう。魔剣ストームブリンガーの鼓動を頼りにダンジョンを抜けて館長室に入るとストームブリンガーがドクンと脈打ち始めた。

 

《檮杌を感じる。主よ、急げっ!この先だっ!》

「よし!悟空!酒呑童子!行こう!」

「「おう!」」

 

館長室を抜けるとさらに迷宮ダンジョンが続いた。脈打つストームブリンガーを頼りに進むと急に開けた場所に辿り着き、その先には祠があった。その中にはお目当ての檮杌の棘鉄球が祀られていた。

 

「これが……檮杌」

「禍々しい魔力だな……」

「なんか触った途端呪われそうだな」

 

俺は祠の前に立つと檮杌の棘鉄球の姿を確認する事が出来た。檮杌の見た目は中世ヨーロッパで使われた『モーニングスター』の様な形だった。鎖で繋がれて棘鉄球の柄には人間の顔して体が虎の姿をして猪の牙が生えた魔物の彫刻が掘られていた。鉄球にも同じ魔物の絵が書かれていた。




絆側の勇者達の設定を少し変えていきます。
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