元太刀の勇者は立ち直れない   作:ボトルキャプテン

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第31話 敵の敵は味方?

俺がスターブレイカーの鎖でエスノバルト拘束した後、エスノバルトの首をギリギリと音を鳴らしながら締め始めると、エスノバルトの首から上が見る見るうちに赤くなっていった。

 

「がっ……はっ……」

「死ぬ前に聞きたい事があるんだけどいいか?」

「だ……れ……が……喋……るか……」

「あっそ」

 

喋らないなら窒息寸前まで締め上げてやるよ。

 

俺は鎖をさらに力強く締め上げた、チアノーゼになりかけているエスノバルトは首を縦に振り始めた、俺は少し鎖を緩めた。

 

「最初から答えろっつーの、メアリーはどこにいる?」

「ゲホッゲホッ……【レイ……ブル……国】……」

 

レイブル?確か刀の勇者がいる国だよな?

 

「なるほどね、レイブルか ありがとう……死ね」

 

俺はニヤリと笑って棘鉄球をむせているエスノバルトの頭に叩き付けた。棘鉄球を何度も何度も叩き付けるとエスノバルトの頭は潰れてミンチになった。

 

「あーしんど、コイツが死んだって事は……やっぱりな」

 

俺が向いた方向からは悟空と酒呑童子が無傷で戻って来た。

 

「おう、龍二!急に魔人達が消えたからもしかしてと思ってよ」

「本の勇者を殺すなんてすげぇな!」

「この檮杌のおかげさ、レイブルに行かないか?」

「レイブル?」

「刀の勇者とその”連れ”に用があるんだ」

「ほう、あの勇者にねぇ……」

「そういえば、本の勇者が来る前になんか言ってなかったか?」

 

酒呑童子は俺が言いかけた言葉を思い出して俺に尋ねて来た、俺は棘鉄球の返り血を拭いながら酒呑童子の質問に答えた。

 

 

俺は悟空と酒呑童子の耳にヒソヒソと何かを呟いた。

 

 

「はぁ!?」

「お前マジで言ってんのか!?」

「ああ、大マジだよ?」

「あははは!お前すげぇな!もし『コレ』やり遂げたら俺はお前に付いてくぜ」

「悟空!本気か!?」

「酒呑童子!コイツは……マジで世界をひっくり返す男だぜ!」

「くくくく……確かにな」

 

パチパチパチ

 

俺達が話しで盛り上がっているとどこからともなく拍手が聞こえて来た。そこにはイケメンと誰もが言うくらい顔が整っている少年が現れた。歳は

 

エスノバルトと同じくらいだろうか?

 

「いや〜お見事でしたよ」

「誰だ!?」

「貴様……いつからそこにいた?」

「ご挨拶が遅れました、私の名前は【キョウ・エスニナ】と申します」

 

キョウ?前の世界ではそんな奴いたか?いや、前の時はイレギュラーが起こったから存在しなかったのか?

 

「その前に……しばしお待ち下さい」

 

キョウと名乗った少年はエスノバルトの死体に近付き、手をかざした。するとエスノバルトの身体から光の球玉が現れた。前の世界で1度見た事があるな。

 

「なんだ!?」

「あれは魂か!?」

「いや、あれは……『眷属器の精霊』だ」

「精霊!?」

「あの精霊を宿すと……」

 

俺が説明しているとキョウは精霊を自分の体に宿した。そして手にはエスノバルトと同じ本が手にされていた。

 

「勇者になる」

「「はぁ!?」」

 

悟空達は驚いていた。

 

そんなに驚くことかな?

 

「勇者になったって事はまた勇者が増えたって事だろ!?」

「たった今ぶっ殺した勇者が復活したんだろ?」

「そりゃそうだけど、コイツは……敵じゃなさそうだな」

「なんで分かる!?」

「そうとは限らないだろ!?」

 

そう言い放った悟空と酒呑童子は武器を構えてキョウを警戒した。

 

「安心して下さい、私はあなた方とは戦うつもりはありません、私は前々からエスノバルト君を殺したくて仕方なかったんですよ」

「何?どう言う事だ?」

「私は刀の勇者と共にこの世界を蹂躙したかったんですがご覧の通り勇者に選ばれませんでした、ですがあなた方のお陰で勇者になれましたどうです?私達と手を組みませんか?」

「なんだと!?」

「勇者となんか手が組めるか!」

 

確かに勇者と手を組んだ所でメリットは無い、けどコイツは恐らく前の世界にもいた【波の尖兵】の1人だろう。自分の欲望のみで動いている輩達の集まりだったな……。

 

「悟空、酒呑童子、とりあえずキョウの話しを聞こうじゃないか」

「龍二!お前、正気か!?」

「コイツ、いつ裏切るか分からないぞ!?」

「まぁまぁ、簡単に言えばコイツは勇者でも悪い勇者って奴だ」

「悪い勇者?」

「ふふふふ 間違ってはいませんね、どうですか?手を組んで共に風間絆を討ち取りましょう」

 

キョウは俺に握手を求めて来て、俺も握手に応じた。

 

「ならこちらからも協力して欲しい事があるんだけどいいか?」

「良いでしょう、なんですか?」

 

握手を終えると俺はニヤリと笑って答えた。

 

「俺は魔竜を倒し、魔竜の領地をこの手で頂く」

「魔竜を倒したいのですか?ですがあなた方は冒険者の様ですが?」

「見た目は人間だけど、俺は魔物なんだ。魔物同士でも争い事はあるものさ、協力してくれるか?」

「もちろんです!魔竜は我々とっても脅威ですから」

「なら手を組もう」

「ありがとうございます、善は急げです今からレイブルに向かいましょう」

「ああ、悟空、酒呑童子良いだろ?」

 

俺は悟空と酒呑童子の方を向いて尋ねた後に何故か口をパクパクさせた。

 

「あっ……ああ、狩猟具の勇者は天敵だからな」

「おっおう、いいと思うぜ?」

「話は決まった、レイブルに行こうぜ?」

「はい、では外で転送魔法でレイブルに行きましょう」

 

 

キョウと俺は先に図書館の出口に向かって行った。唖然としている悟空と酒呑童子は呟いた。

 

「悟空……」

「龍二……えげつない事考えてたな」

「ああ、読唇術で読み取れたけどな……」

「おーい、置いていくぞー」

「待ってくれー」

「今行くぞー!」

 

悟空が読唇術で読み取った言葉はこうだった。

 

つ か う だ け つ か っ て こ ろ す




多少原作の本の勇者の所有者を変更しました、今後も原作の所有者を変えていくかも知れませんがご了承ください。
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