元太刀の勇者は立ち直れない   作:ボトルキャプテン

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今回はリファナ目線メインで書きます!そしてリファナが覚醒します!


第34話 異世界の厄災の波 (中)

俺達が他で人間達と戦っている時に、リファナと氷の女王は龍二達から大分離れた場所で狩猟具の勇者である風間絆と睨み合いをしていた。絆はスリングに変化させ氷の女王に向けて構えていた。

 

「見つけたぞ!レイドボス、氷の女王!!」

「女王様!私も戦います!」

「リファナ、貴女は下がっていなさい」

「ですが!!」

 

リファナは氷の女王に意見すると氷の女王はリファナを睨み付けて氷で形成された氷のサーベルをリファナに向けた。

 

「足手まといなのですよ、良いから下がりなさい」

「おいおい、仲間割れか?まぁ俺にとっちゃ好都合だけどな!」

「狩猟具の勇者、彼女は魔物ではありません、用があるのは私でしょう?こんな雑魚を倒しても特になりませんよ?」

 

氷の女王はリファナをゴミを見る様な目で見ていた。絆も興味がないのかリファナを無視する事にした。

 

「俺も雑魚には興味ないんでね、さっさとレイドボスを倒させて貰うぜ!!食らえ!」

 

絆はスリングで数発弾丸を放った、だが氷の女王はサーベルで全て弾丸を弾いた。

 

「そんな玩具で私を討ちとれませんよ?」

「ならこれだ『飛燕』!!」

 

絆はスリングから包丁へ変化させ飛ぶ斬撃を放った。すると、氷の女王も応戦を始めた。

 

「『シャンデル・ド・グラス・オフェール(氷柱の攻撃)』!!」

 

氷の女王は絆の飛ぶ斬撃と類似して飛ぶ突き斬撃を飛ばした、すると斬撃同士がぶつかり合い斬撃の破片が辺りに散らばった。氷の女王の斬撃の破片は地面に着いた瞬間凍り付いた。

 

「何!?凍り付いた!?」

「何を驚いているんです?私は氷の女王ですよ?狩猟具の勇者はその程度ですか?」

「へっ言ってくれるじゃねぇか……アンタ、釣りは好きかい?」

「釣り?触った途端川が凍ってしまうのでした事ないですね」

「そいつは 良かったな!!」

 

そう言い放った絆は今度は包丁から釣竿に変化させていた、氷の女王はいつの間にか釣り糸で拘束されていた。

 

「これは釣り糸ですか?」

「ああ、そうだよ」

「釣竿で戦うつもりですか?舐めるのもいい加減に──」

「オラよ!疑餌倍針!!からのぉ……一本釣りぃぃ!!」

 

絆は氷の女王をカツオを釣り上げた様に振り回し地面に叩きつけた。

 

「がっ……はっ……!!」

「もういっちょ行くぜぇ!!オラァァァ!」

 

絆はさらに追撃して今度は反対方向の地面に叩きつけた、氷の女王はダメージにより吐血した。

 

「ぐはぁっ!……はぁ……はぁ……なるほど、やりますね」

「このスキルは魔物には効くんだよ」

「女王さまぁ!」

「リファナはそこに居なさい!」

 

リファナはレイピアを抜いて女王に向かって駆けたが落とし穴の様なモノに引っかかり動けなくなった。

 

「『一式・落とし穴』、雑魚はそこで見てな!オラァァァもういっちょ一本釣りぃぃ!」

「女王さまぁぁぁぁぁ!」

「調子に乗るんじゃない『イスベルグ・ローズ(氷山の薔薇)』!!」

 

拘束された氷の女王の周りに青い薔薇の花びらが舞散った花びらが絆の肩に触れた途端触れた肩が斬られたように傷着いた。

 

「なっ!?薔薇の花びらが触れただけなのに斬られただと!?」

「その薔薇の花びら自体が斬撃なのです。甘く見てると死にますよ?」

「ご忠告どーも……アンタは足元見てみな?」

「?」

 

氷の女王は指を刺された自分の足元の所を見てみると辺り一面虎挟みだらけだった。

 

「いつの間に……」

「動いたら……どうなるか分かるか?」

「ええ、大方目星は着いてますよ」

「黙って食らった方が良いぜ?この弾丸をよぉ!!」

 

絆は再びスリングに変化させて氷の女王に向けて放った、氷の女王もサーベルで弾いた。

 

「ほらほらぁ!まだまだ!行くぜぇ!!」

「くっ……」

「女王様!危ない!」

 

氷の女王はサーベルで弾き切れずバランスを崩してしまい虎挟みに両足を挟まれてしまった。

 

「しまった……!」

「これで動けねぇなぁ……そろそろトドメを刺させてもらうぜ」

「女王様!今行きます!」

 

リファナは落とし穴から脱出して女王の元へ掛けて行った……。

 

「邪魔くせぇな、ならてめぇから倒す!『狩猟技・血花線』!!」

「リファナ!!」

 

絆は氷の女王からリファナに攻撃目標を変えた。すると氷の女王は慌ててリファナを自分の体を盾にして絆の攻撃から守った……。そしてリファナと氷の女王は倒れ込んだ、氷の女王の背中は無惨にも深く切り裂かれていた。

 

「あぁぁぁぁっ!」

「女王……様……?」

「おっ?こりゃラッキーだわ、あんだけ邪見にしてたのに守りやがった」

「リ……ファ……ナ……逃げ……なさい」

「そんな……女王様!なぜ!?何故私を庇ったんですか!!」

「ふふふふ……可愛い娘の様なものでしたから……ね……」

「娘……?」

「私の……娘は……人間に……殺されました……生きてれば……貴方位になってたはずです……貴方を初めて見た時……娘が生き返ったのかと思ったくらいそっくりでした……」

「そうだったんですか……」

「今まで厳しくしてしまってごめんなさ……い……こんな私を許して」

「そんな……死ぬみたいに言わないでください!」

「ダメージが思った以上に大きいのです……もう……助からない」

「えっ……そんな……」

 

すると氷の女王はリファナの顔を撫でながら呟いた。

 

「リファナ……。私を……剣に……しなさい」

「え?」

 

リファナは言われた事に戸惑った、武器にしろという言葉が理解出来なかった。

 

「落ち着き……なさい……龍二から聞きました……貴方は”魔法剣士”なのでしょう?なら私を剣に変えれます。娘のような……貴方なら…私を使いこなせるでしょう……さぁ……唱えなさい」

「うっ……うっ……」

「魔法剣士が泣いて……どうする……のです?しっかり、龍二を……魔王龍二を……支えてあげなさい……」

 

リファナは涙をボロボロこぼしながら氷の女王の体に手を置いて唱えた。

 

「力の根源たる……魔法剣士……リファナが命ずる……。今一度理を……読み解き……彼の者を刃に変えよ……」

 

リファナが唱えると氷の女王は光に包まれて行った、そしてリファナの手には氷の刃に白銀の柄が施されており雪の結晶のチャームが付いたレイピアが手にされていた、刃からはおびただしい冷気が出ていた。

 

「なんだよその武器は……なんなんだよぉ!!」

 

リファナは立ち上がって絆に氷のレイピアを向けた。

 

「女王様。私、戦います! 『ジーヴル・プリュ・フォール(最強の氷花)』!!」

 

リファナは雪の結晶に包まれて行き、辺り一面を氷漬けにした。


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